第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1)経営の基本方針

当社は2019年度に「10年後に日工グループがありたい姿(ビジョン)」を描いたうえで、長期(10年)の基本方針を策定しました。この方針の達成に向けて、3年ごとの中期経営計画を作成しています。

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①長期基本方針について

長期の基本方針は、(1)国内収益基盤の強化、(2)海外売上の確立、(3)新規事業(含むM&A)の推進、(4)働き方改革の実践、(5)ROEをKPIにかかげる、が骨子となります。これら5つの方針を軸にして、コーポレートガバナンスの強化、透明性の高い活力ある企業運営を展開してまいります。

 

②長期(10年)基本方針 5つのポイント

長期計画の前提となる当社を取り巻く事業環境につきましては、当社グループに関係の深い建設関連業界は今まで民間建設投資が大幅に増加するなど総じて堅調に推移してきました。今後も2021年度に始まりました防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策などを背景に好調に推移していくと思われます。しかし、長期的にはこうしたプロジェクトも一服が見込まれます。このため、当社では既存事業における収益基盤強化と成長余地が大きい海外売上の確立、カーボン・ニュートラルに向けた製品開発への取組、既存プラントにおけるメンテナンスのサブスクリプションなどの新しいビジネスモデルへの取組、さらには新規分野を伸ばすことが中期経営計画の達成に必要と考えております。

 

これらを踏まえて、長期経営計画での基本方針は以下となります。

 

 イ. 国内の収益基盤の強化は全部門のレベルアップにより製品力を向上させて、現状一桁の国内売上高営業利益率を10%にする。

 ロ. 海外売上の確立は実績を積み上げているタイ、インドネシアにおいて攻め方を変えて強化する。

 ハ. 新規事業の推進はM&Aだけでなく現在取り組んでいる新規事業に対して経営資源を投入、柱とすべく10年後に100億円の売上を創出する。

 ニ. 働き方改革の実践は当社製品でお客様の働き方改革に貢献できるような製品を展開し、当社においては労働生産性を高めて余力を作り、新規領域に投入する。

 ホ. 以上の結果として、10年後に時価総額500億円以上、ROEで8%以上を目指す。また配当性向を60%以上とし、株主還元も強化する。

 

③長期目標を達成するに当たっての経営者の認識

長期経営目標を達成するにあたり、当社の価値創造プロセス(=ビジネスモデル)との関連性を示しつつ、コアとなる4つの技術、すなわち混練、加熱、制御、搬送で参入障壁の高い独自技術(=競争力の源泉)をより強化させることが重要と考えております。これらは強固な財務基盤や顧客ニーズに応える研究・開発体制、ソリューションパートナーとしての顧客企業からの信頼、調達先とのパートナーシップ、代理店・協力工事店との協働に支えられています。

 

国内のアスファルトプラント(AP)関連事業は、顧客の8割が大手舗装会社で固定化しており、アスファルト合材製造量も4,000万トンをやや下回った水準が続くと考えられます。当面の国内需要は、1980年代に製造されたAPの更新需要に支えられた高原横這いの状況が続くと予想されますが、中長期的には成長余地が大きい海外事業の拡大が不可欠と見ています。国内の当社APシェアは7割程度(国内メーカーは他1社)ですが、リサイクル合材をメインに差別化したVPシリーズの拡販、カーボン・ニュートラルに向けた製品開発への取組、慢性的な人手不足を抱える顧客への遠隔化・自動化による工場運営のサポートサービス、などのビジネスモデル刷新を進めてまいります。海外は主力の中国に加えて、現地法人を設立、工場を新設したタイを起点としたASEANの顧客基盤の拡大を目指します。

 

国内のコンクリートプラント(BP)関連事業は、生コンクリートの工場数が2015年末の3,396箇所から2021年末には3,175箇所へ減少、中期的にも工場数の減少が予想されます。市場は成熟化しており、競合2社と静態シェアが拮抗した状況にあります。当社の強みである自社製操作盤による最適なプラントの保守運用、運営状況の把握による生コン工場のトータル管理やプラントの標準化を推進することが、シェアアップと収益確保に寄与するものと考えています。加えて、プラントの集約化に伴う遠隔地域での需要や災害復興など向けにモバイルBPの拡販をおこない、地場ゼネコンに向けても新しい需要の創出をおこないます。

 

また、世界的に気候変動リスクへの対応が叫ばれる中、日工グループの事業内容は社会や環境課題と深い関係があります。現在稼働する国内アスファルト合材工場全体から排出されるCO2は年間約130万トンであり、日本の年間CO2排出量10億トンの0.13%に相当します。日工グループは2050年にCO2排出量実質ゼロを目指すことを経営方針として明確に打ち出しており、プラント製造時に自社で排出するCO2だけではなく、販売先の日工製プラントが稼働時に排出するCO2を含めてカーボン・ニュートラルを達成できるよう顧客企業様と緊密に連携していきます。

 

最後に株主様からお預かりした資金を最大限活用して、その期待に応えるため、資本コストを全社で共有し、それを上回るリターンを上げることも重視いたします。この結果として、2029年度末には株式の時価総額500億円以上、ROE8%以上をKPIとして目指します。また成長投資と株主還元を同時に強化し、配当性向60%を継続致します。これらが中長期の企業価値向上に欠かせないと考えております。

 

< 日工のビジネスモデル >

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(2)中期経営計画のセグメント別見通し

当連結会計年度を最終年度とする前中期経営計画(2019~2021年度)は、売上高が計画を上回り規模の拡大を図ることが出来ましたが、利益項目は計画未達に終わりました。受注から売上計上までの納期が長いAP事業を中心に、鋼材をはじめとする世界的な原材料、購入品の値上がりが採算に影響しました。また、比較的利益率の高い搬送事業は新型コロナの影響による営業制限が響き、売上高が計画を下回った影響を受けました。

そのような状況で2030年に向けた体制・プロセス・制度を構築する期間として、中期経営計画(2022~2024年度)の活動方針を作成しました。

 

中期経営計画である2022年度から2024年度における各セグメントの財務目標は次のとおりです。

 

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※AP=アスファルトプラント、BP=バッチャープラント(コンクリートプラント)

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①アスファルトプラント関連事業の収益性向上

 国内の既存事業における市場は、原油の高騰による原価上昇により収益悪化が著しく、更なる省エネ化を熱望される状況にあり、脱炭素化への取り組みにおいても2030年CO2排出量半減達成に向けての環境対応装置の開発に大きな期待が寄せられています。引き続き、新製品の市場投入を行い、脱炭素化オリジナルの製品の比重を上げることで収益性を改善してまいります。さらに、新型アスファルトプラントのシリーズ化を進め、ユーザーニーズを組みこんだ新製品比率を上げ、効率の良い設計、製造を行うことにより製品原価を低減し収益を向上させてまいります。

 

②コンクリートプラント関連事業の国内シェア拡大

 生コン出荷量の減少傾向により、生コン工場が減少する中、コンクリートプラントのトップメーカーとして更なるシェアを拡大するため、生コン工場におけるトータル管理、プラント支援センター、モバイルプラントの拡販、プレキャストの高い要求水準を満たす製品開発による差別化を図ってまいります。

 また、『グリーンイノベーション基金事業/CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト』にも積極的に参画してまいります。

 

③メンテナンス事業のビジネスモデル変革

 アスファルトプラントやコンクリートプラント関連事業の国内売上高のうち、約6割を占めるメンテナンス事業のビジネスモデル変革は収益性を改善する上で必要不可欠と認識しております。

 土木、建設業界の人手不足や熟練工不足の問題は深刻な課題であり、お客様の課題解決のためにもメンテナンス事業のビジネスモデル変革に取り組んでおります。

 具体的には、2021年度よりIoTプラットホームと過去のメンテナンス実績によるシステム管理に加え、定期的なプラント検診(点検)とメンテナンスをセットとした新しいメンテナンスサービスプラン契約を開始しました。

 事後保全から予防保全に大きく変革を進め、メンテナンスの効率向上とお客様の営業機会損失の低減を図り、より高い信頼を獲得し収益向上を進めてまいります。

 

④海外事業領域の開拓

 現在の海外事業は中国での売上高が大半を占めており、米中関係悪化や新型コロナウイルスの影響により不安定な状況が予想されますものの、中国国内のインフラ投資は総じて旺盛と見ております。中国市場に加え、更なる海外市場領域の拡大を図るため、当社の中古機が多く利用されているタイに現地法人Nikko Asia(Thailand)Co.,Ltd.(プラント販売・メンテナンス会社)、Nikko NilKhosol Co.,Ltd. (製造会社)を2020年に設立し、その工場が2022年に完成いたしました。本格的な現地生産がスタートすることで、今後はタイを中心に、ASEAN各国へのアスファルトプラントとパーツ販売、メンテナンスサービスなどさまざまなバリューチェーンへビジネスをひろげてまいります。

 

⑤新規発展領域の拡充

  国内砕石プラントの多くが更新時期を迎えており、定置式に替わり自走式破砕機の需要が増加しています。そうした需要拡大への対応として、取扱い製品の拡充、販売力とサービス体制の強化、管理及びバックアップ体制の構築、東京モバイルセンターの製品在庫の充実やパーツセンター機能の強化を進め、更なる事業規模拡大に取り組んでまいります。

 また、当社グループ全社をあげて取り組んでおります防災関連製品事業として、近年の気候変動による水害防止製品である防水板の需要が依然増加傾向にあり、関東・関西の2拠点で生産体制を強化しております。加えて、仮設用自在階段の避難路への展開、超軽量ショベル・スコップの新発売など、更なる製品拡充を目指してまいります。

 

⑥環境負荷低減への取り組み

 「脱炭素社会」を目指す取り組みとして、これまで燃焼効率を高めることによるアスファルトプラントの省エネ化を行ってまいりました。今後は合材工場運営における材料の搬入から合材の運搬にも脱炭素化の取り組みを拡大してまいります。

 主な取り組みとして道路舗装材であるアスファルト合材の製造におけるCO2の削減(カーボンニュートラル燃料、エレクトロヒート等)、アスファルト合材の搬送方法の革新による輸送効率の向上、アスファルトプラントで排出されたCO2の回収、生コンへのCO2吸着技術(CCU)、など従来の事業範囲にとらわれず多方面のパートナーとの協働も積極的に行い、より早い時期での社会実装を目指してまいります。

 カーボンニュートラルな代替燃料を使用するアスファルトプラントをさらに拡販することにより、地球温暖化の要因となるCO2削減に根本から取り組んでまいります。

 また、コンクリートプラント関連事業においては、CO2を直接生コンへ吸着する技術利用や、環境負荷の高い建設現場から戻ってくる「戻りコン」、製造過程で発生する「残コン」などへCO2を吸着後、処理・活用する製品の普及に努めてまいります。

 そして、リサイクルへの取り組みとして、アスファルトプラント、コンクリートプラントで培った技術を展開し、各種資源のリサイクルを促進する装置も提供しております。

 具体的には、廃石膏ボードを加熱、焼成し、半水石膏や無水石膏などの石膏材料として再生する設備や、スマートフォン等普及により大量発生している使用済み充電式電池から再生金属原料を取り出すリサイクル設備における一次熱処理装置など環境負荷低減には欠かせない資源リサイクルへも積極的に取り組んでまいります。

 

⑦成長投資と株主還元

 前中計期間中は、タイ工場建設、企業買収、生産性改善を目的とした機械設備などの固定資産への投資を積極的に行い、今後の成長に向けての基礎固めを行ってまいりましたが、今後は人的資本の充実に向けて積極的な投資を行っていきたいと考えております。株主還元に関しましては、前中計期間中同様、配当性向60%以上を継続いたします。

 

 

 以上の対処すべき課題を踏まえた上で、目標とする経営指標の推移は以下となります。中期経営計画ではROEをKPIに設定し、2029年度にROE8%以上を目指します。

 

中期経営計画の数値計画

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※計画=中期経営計画

※2019年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。2019年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり配当金を算出しております。

 

(4)新型コロナウイルス感染拡大の影響

 新型コロナウイルス感染拡大による影響も少しずつ回復に向かいつつあり、国内の建設業界全般についてはあまり直接的な影響を受けることなく堅調に推移し、今後についても影響度合いは少ないものと予想しています。海外事業において現地での新型コロナウイルスの感染拡大により、社会活動が制限されるなどした場合に営業活動が困難となる可能性があります。特に当グループが拠点を置く中国、タイ、台湾で感染拡大となった場合には、直接的影響を受け、当社グループの経営成績、財政状況に影響を及ぼす可能性がありますが、現在において顕在化した重要な影響はありません。

 また、社員に感染者や濃厚接触者が出た場合、当社は、受注製品ごとに設計を行い、それからモノづくりを行うという流れであるため、特に技術部門で感染者が出た場合、一定期間、設計作業が止まることになり、顧客への納期対応で大きな支障が出る可能性があります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

これらのリスクを認識した上で、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載している方法などにより、事態の発生の回避及び発生した場合の対応に努めます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)国内アスファルトプラント関連事業に関するリスク

<競合相手との差別化の訴求力が弱まるリスク>

 国内のアスファルトプラント市場は当社と他1社でほぼ100%の市場シェアを占める寡占市場です。当社の市場シェアは70%以上あり、トップメーカーとしての位置づけは永年にわたって変わっておりません。当社としては、圧倒的なトップメーカーの地位を将来にわたって維持するために、カーボンニュートラル・CO2削減に貢献できる新製品開発や、メンテナンス事業のビジネスモデル変革を進めること、遠隔化・自動化サポートで差別化を図っております。しかしながら、十分な製品開発ができない場合や、他社が当社と遜色のないきめ細かなメンテナンス体制を整備してきた場合、顧客に対して差別化の訴求力が弱まる可能性があります。

 

<海外メーカーの日本市場への参入リスク>

 近年には、国内アスファルトプラント市場への海外メーカーの参入はありませんが、中国・韓国メーカーは徐々に技術力をつけてきており、日本市場参入を計画している可能性があります。十分なメンテナンス体制がない中での海外メーカーの日本市場参入は容易ではありませんが、母国市場での成長が止まった暁には日本市場参入を本格的に検討してくる可能性があります。海外メーカーが国内市場に参入してきた場合にはメーカー間での競争が激化する可能性があります。

 

<道路舗装業界再編による市場縮小のリスク>

 大手道路会社の組織再編が活発になっており、今後、道路舗装業界の再編に発展する可能性があります。業界再編により、アスファルトプラント工場の集約化が進めば市場が縮小する可能性があります。

 

(2)環境負荷低減への取り組みに当社の技術革新が間に合わないことに関するリスク

 アスファルトプラントでは主に化石燃料をエネルギー源として使用しています。アスファルト合材製造のため、国内で年間約130万トンのCO2が排出されていると推計され、市場シェアからそのうち7割は当社製プラントからの排出と考えられます。当社としてはお客様である道路舗装会社と緊密に連携しながら、アスファルトプラントの燃料効率向上や熱源の転換(カーボンニュートラル燃料、エレクトロヒート等)、合材の搬送方法の革新による輸送効率向上、アスファルトプラントで排出されたCO2の回収、生コンへの吸着技術などより早い時期での社会実装を目指して取り組んでいますが、今後、世界の環境負荷低減の動きが想定を上回る速さで進んだ場合に、当社の技術革新が間に合わない可能性があります。

 

(3)海外事業に関するリスク

<中国のアスファルトプラント・ハイエンド市場が競争激化するリスク>

 中国のアスファルトプラント市場で当社はハイエンド機種のカテゴリーですでに一定のポジションを確保し、毎年、安定的に売上・利益を計上しております。これまでのところ、ハイエンド市場の競合相手はヨーロッパ企業2社と中国のトップ企業1、2社であり、激しい競争環境にはありません。しかしながら最近、中国企業が全般的に技術力をつけており、将来的にはハイエンド市場においても多くの中国メーカーが参入し、激しい競争が繰り広げられる可能性があります。

 

<ASEAN市場で計画どおりの販売計画が達成できないリスク>

 当社の成長戦略として、2020年度、タイに製造現法を設立し、10億円を超える工場への投資をしておりますが、タイ及びASEAN諸国で毎年、安定的に当社のアスファルトプラントが販売できることがこの投資の前提となっております。しかしながら計画に反して当社のプラントがタイを始めとするASEAN諸国の顧客の支持を十分に得られず、計画台数を販売できなかった場合には工場が赤字となり、工場の減損リスクが生じます。

 

(4)公共投資予算削減に関するリスク

 過去、自民党政権から民主党政権に代わった際に「コンクリートから人へ」がスローガンになり、その当時、当社の多くの顧客は、設備投資を抑制する動きに出ました。その結果、当社の売上は大きく減少しました。将来、公共投資抑制策をかかげる政権に代わった場合、前回の民主党政権交代時と同様、顧客に投資抑制の動きが出る可能性があります。

 

(5)現場作業従事者の人材確保に関するリスク

 当社の事業モデルでは、プラント製造から現場での据付工事、更にはメンテナンスサービス提供を自社で行っております。メンテナンスサービスにおいては、IoTの活用等によるメンテナンス業務のシステム化を通じた省人化を進めていますが、近年、メンテナンスサービス要員、工事施工要員などの現場作業従事者の採用が、人手不足のなかで難しくなっております。これら現場作業従事者の採用が必要人数に満たない場合、競争優位性のある当社事業モデルを維持することが難しくなる可能性があります。

 

(6)新型コロナウイルス感染拡大に関するリスク

 新型コロナウイルス感染拡大による影響も少しずつ回復に向かいつつあり、国内の建設業界全般についてはあまり直接的な影響を受けることなく堅調に推移し、今後についても影響度合いは少ないものと予想しています。しかしながら、変異株発生による流行再燃のリスクが残り、中国をはじめ世界の国々では依然として流行拡大が続く国や地域があります。そうした中、引続き社員に感染者や濃厚接触者が出た場合、社員が一時的に業務から離れざるを得ません。当社の製品は、受注製品ごとに設計を行い、それからモノづくりを行うという流れであるため、特に技術部門で感染者が出た場合、一定期間、設計作業が止まることになり、顧客への納期対応で大きな支障が出る可能性があります。

 また、海外事業において現地での新型コロナウイルスの感染拡大により、社会活動が制限されるなどした場合に営業活動が困難となる可能性があります。特に当グループが拠点を置く中国、タイ、台湾で感染拡大となった場合には、直接的影響を受ける可能性があります。

 

   (7)材料等の価格上昇に関するリスク

 世界経済が新型コロナウイルスの世界的な流行から回復に向かおうとするなかで、供給制約、物流逼迫等による物価上昇がひろがりつつあった中、ロシア・ウクライナ情勢により原油や天然ガスといった燃料価格が大幅に上昇し、物価上昇に拍車がかかっております。当社が購入する材料等の価格も上昇を続けており、今後もこの状況が続く場合は収益性が悪化する可能性があります。

 

   (8)ロシア・ウクライナ情勢に関するリスク

 当社はロシア向けの取引を停止しています。最近のロシア向けの取引は年間数千万円程度の部品取引しかありませんでしたので取引停止による影響は軽微です。しかし、ロシア・ウクライナ情勢の影響による原油等の価格上昇や世界経済の変調により、当社顧客の設備投資計画等が影響を受ける可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 ①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の国内外の経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と縮小を繰り返しつつも正常化に向けて動きだしましたが、資源・原材料価格の上昇、供給制約、物流逼迫による物価上昇がひろがりました。米国をはじめとする多くの国々で、インフレが意識され、金利引上げなど金融引締めの議論が活発となる中、引続き金融緩和を継続する日本との金融政策の方向性の違いから円安が進む状況となりました。加えて、2月から始まったロシアによるウクライナ侵攻により、石油、天然ガスの価格が高騰するなど世界経済に大きな影響を与え始めています。

 この様な状況下、3ヶ年の中期経営計画の最終年度を迎えた当連結会計年度は、連結売上高388億46百万円(前期比2.6%増)、連結営業利益20億53百万円(前期比10.8%減)となりました。連結経常利益は22億74百万円(前期比23.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益16億49百万円(前期比20.8%減)となりました。

 3ヶ年の中期経営計画の連結売上高380億円、連結営業利益30億円に対して、売上高の計画は達成できましたが、利益面では計画にとどかない結果となりました。また当連結会計年度の業績予想の売上高390億円、営業利益23億円に対して、売上高は若干の未達ではありますが、どちらも業績予想にとどかない結果となりました。

 主力事業であるアスファルトプラント関連事業は、主要顧客である大手道路会社の組織再編が進められている中、需要は旺盛ながら案件進捗の一時的な鈍化の影響が売上および受注にみられましたが、コンクリートプラント関連事業はコンクリート価格が比較的高い水準で安定推移していること等を受け、ユーザーの設備投資需要が旺盛で売上高は増加しました。また、モバイルプラント事業、防水板事業等の新規事業も堅調に推移しました。一方で損益面では、鋼材をはじめとした原材料費の大幅な上昇を、外注費の圧縮と生産性の改善により吸収し粗利益率はほぼ前年並みとなりましたが、タイ現地法人の事業立上げの費用負担や研究開発費を始めとした一般販売管理費の増加により、業績予想数値を下回る結果となりました。

 また、5つの長期基本方針である①「『国内収益基盤の強化』営業・サービス・技術・製造の全部門のレベルアップにより製品力向上で収益性向上(営業利益率10%)」、②「『海外売上の確立』世界最高レベルの日工製品をASEANに浸透させるために、メーカーとしての新たな海外拠点の構築(海外売上高を現状の45億円から倍増の90億円に)」、③「『新規事業(含むM&A)の推進』新規事業拡大に経営資源を投入し、産業機械、建設機械分野において新たな製品の柱を育成(新規事業で売上高100億円を創出)」、④「『働き方改革の実践』業務効率を改善し労働生産性の大幅な向上(事務集中化、IoT、AIの活用)」、⑤「『ROEをKPIに』時価総額500億円以上、ROE8%以上を目指す。また配当性向を60%以上とし株主還元も強化」につきましてはその目標達成に向けて着実に施策を講じております

 

 なおセグメント別の概況は以下のとおりであります。

<アスファルトプラント関連事業>

 アスファルトプラント関連事業の売上高は、製品の販売を中心に案件進捗の一時的な鈍化の影響を受け前期比5.9%減の183億28百万円となりました。受注残高も案件進捗鈍化の影響を受け、前期比6.2%減の77億25百万円となっています。

<コンクリートプラント関連事業>

 コンクリートプラント関連事業の売上高は、ユーザーの強い設備投資需要を受け製品の販売もメンテナンス事業も増加し、前期比17.7%増の108億39百万円となりました。受注残高も大幅に増加し、前期比27.7%増の57億55百万円となっています。

<環境及び搬送関連事業>

 比較的、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けていた環境及び搬送関連事業の売上高は回復し、前期比26.3%増の30億18百万円となりました。受注残高はほぼ横這いで、前期比0.8%減の6億31百万円となっています。

<その他事業>

 その他事業の売上高は、モバイル事業、防水板事業等の売上高が増加した一方、仮設機材事業等の売上高が減少し、前期比2.0%減の66億60百万円となりました。受注残高は、前期比142.3%増の23億77百万円となっています。

 なお、受注残高には当連結会計年度末から連結の範囲に含めている宇部興機株式会社の受注残高14億84百万円を含みます。

 

 

 

 

 

 

   ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は123億89百万円(前期124億44百万円)となり、前連結会計年度に比べ54百万円減少いたしました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、22億24百万円の収入となりました。(前期27億84百万円の収入)

これは、税金等調整前当期純利益が25億99百万円、減価償却費7億45百万円、売上債権の減少による収入16億53百万円があったものの、投資有価証券売却及び評価益3億25百万円の計上、棚卸資産の増加による支出が15億83百万円、仕入債務の減少による支出が28百万円、法人税等の支払額が10億2百万円あったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、21億65百万円の支出となりました。(前期18億67百万円の支出)

 これは、投資有価証券の売却及び償還による収入が7億54百万円あったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出が16億97百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が7億33百万円あったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、2億82百万円の支出となりました。(前期11億29百万円の支出)

 これは、長期借入れによる収入が10億99百万円あったものの、配当金の支払額が12億60百万円あったことによります。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

 イ.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

アスファルトプラント関連事業(百万円)

19,475

122.72

コンクリートプラント関連事業(百万円)

10,827

111.14

環境及び搬送関連事業(百万円)

3,010

126.66

報告セグメント計(百万円)

33,313

119.02

その他(百万円)

4,904

101.12

合計(百万円)

38,218

116.38

 (注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

 

 ロ.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

アスファルトプラント関連事業

18,180

89.65

7,725

93.80

コンクリートプラント関連事業

12,086

121.33

5,755

127.65

環境及び搬送関連事業

3,014

104.84

631

99.30

報告セグメント計

33,281

100.50

14,112

105.47

その他

6,572

95.33

2,377

242.29

合計

39,853

99.61

16,490

114.82

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 ハ.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

アスファルトプラント関連事業(百万円)

18,328

94.15

コンクリートプラント関連事業(百万円)

10,839

117.66

環境及び搬送関連事業(百万円)

3,018

126.26

報告セグメント計(百万円)

32,186

103.59

その他(百万円)

6,660

98.00

合計(百万円)

38,846

102.59

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績

  2020年度実績、2021年度計画・実績値は次のとおりであります。

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  ※AP=アスファルトプラント、BP=バッチャープラント(コンクリートプラント)

(売上高)

 売上高は、前連結会計年度に比べ2.6%増の388億46百万円となりました。

 国内のアスファルトプラント関連事業につきましては、案件進捗の一時的な鈍化の影響を受け、プラント製品、メンテナンスの売上高がそれぞれ前年比24.5%の減少、6.0%の減少となりました。海外においては、新型コロナウイルス感染症の影響から回復、台湾をはじめとする輸出が前年比235.3%の増加、中国では大型プラント需要増等により売上高が前年比9.1%の増加をしたこと等から、売上高は前年比27.1%の増加となりました。この結果、当事業の売上高は前年比5.9%減の183億28百万円となり、計画値の200億円を下回りました。

 コンクリートプラント関連事業につきましては、ユーザーの強い設備投資需要を受け、プラント製品、メンテナンスの売上高がそれぞれ前年比29.5%の増加、4.8%の増加となりました。この結果、当事業の売上高は前年比17.7%増の108億39百万円となり、計画値である96億円を上回りました。

 環境及び搬送関連事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復もあり、環境製品売上高は前年比219.4%の増加、搬送事業売上高は前年比6.4%の増加となりました。この結果、当事業の売上高は前年比26.3%増の30億18百万円となり、計画値である24億円を上回りました。

 その他の事業につきましては、モバイルプラント製品売上高が前年比35.3%の増加、防水板製品売上高が前年比12.0%の増加となる一方、鋼材の高騰により仮設レンタル会社等の購買意欲の減少により仮設機材製品売上高が前年比12.0%の減少となる等した結果、当事業の売上高は前年比2.0%減の66億60百万円となり、計画値の70億円を下回りました。

 

 

 

 

(売上原価)

 売上原価は、前連結会計年度と比べ6億70百万円増加し283億46百万円となりましたが、鋼材をはじめとした原材料費の上昇を、外注費の圧縮と生産性の改善により吸収し、売上原価率は0.1ptの減少となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ5億58百万円増加し84億47百万円となりました。

これは主として、タイ現地法人の事業立上げの費用や子会社株式取得関連費用の発生、試験研究費、給料及び手当、事務費(派遣料等)、旅費交通費、それぞれの増加によるものであります。

 

(営業利益)

 連結営業利益は、前期比10.8%減の20億53百万円となりました。これは主として、販売費及び一般管理費が増加したことによるものであります。売上高営業利益率は、前期比0.8pt減少し5.3%となりました。これは主に、販管比率の上昇によるものであります。

 

(営業外収益、営業外費用)

 営業外収益は、前連結会計年度と比べ4億65百万円減少し3億35百万円となりました。これは主として、受取配当金の減少等によるものであります。営業外費用は、前連結会計年度と比べ15百万円減少し1億14百万円となりました。これは主として、損害賠償金の減少、支払利息の増加、解体撤去費用の発生によるものであります。

 

(特別利益、特別損失)

 特別利益は、前連結会計年度と比べ1億73百万円増加し3億26百万円となりました。これは投資有価証券売却益が増加したことによるものです。特別損失は、前連結会計年度と比べ79百万円減少し0百万円となりました。これは主として、投資有価証券売却損の減少によるものであります。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、上記の結果、前連結会計年度に比べ4億33百万円減少し16億49百万円となりました。

 

(ROE)

 当社はROEをKPIとしております。当連結会計年度におけるROEは、前連結会計年度に比べ1.6pt減少し5.2%となり、計画値の5.4%を下回りました。これは、アスファルトプラント関連事業の営業利益が計画比未達に終わったこととタイ現地法人の事業立上げの費用負担や研究開発費を始めとした一般販売管理費が増加したことによるものです。対処すべき課題にも挙げていますが、アスファルトプラントにおける高い国内シェアを活かしたメンテナンスサービス事業での新たな商品開発、事後的メンテナンスから予防保全的メンテナンスへのビジネスモデルの変革、カーボンニュートラル・CO2削減に貢献できる新製品開発、機能向上と現地工程短縮化に寄与するユニット製品の拡販などによる収益性向上と製造原価低減に取組んでまいります。

 

ロ.財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、341億27百万円となり、前連結会計年度末に比較して17億46百万円増加いたしました。主な要因は、仕掛品の27億33百万円、原材料及び貯蔵品の2億25百万円、電子記録債権の1億16百万円のそれぞれ増加、受取手形及び売掛金の10億92百万円、商品及び製品の5億3百万円のそれぞれ減少によるものです。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は、179億51百万円となり、前連結会計年度末と比較して16億35百万円増加いたしました。主な要因は、建物及び構築物の13億87百万円、土地の3億71百万円、機械装置及び運搬具の1億77百万円のそれぞれ増加、建設仮勘定の4億84百万円の減少によるものです。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は、157億74百万円となり、前連結会計年度末に比較して13億55百万円増加いたしました。主な要因は、契約負債の14億72百万円(前連結会計年度においては前受金)、支払手形及び買掛金の5億40百万円のそれぞれ増加、電子記録債務の1億46百万円、未払金の1億円のそれぞれ減少によるものです。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は、42億54百万円となり、前連結会計年度末に比較して14億27百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金の12億79百万円、退職給付に係る負債の1億31百万円のそれぞれ増加によるものです。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、320億50百万円となり、前連結会計年度末に比較して5億98百万円増加いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の16億49百万円の計上による増加、為替換算調整勘定の2億96百万円の増加、剰余金の配当12億60百万円の支払いによる減少、その他有価証券評価差額金の1億39百万円の減少であります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の64.5%から61.5%になりました。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度に比べ54百万円減少し、123億89百万円となりました。なお、詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 当社の主な資金需要は、原材料等の購入費用等の製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用のための運転資金及び設備投資資金であります。資本の財源は、主として営業活動により得られた資金であります。

 今後の財務戦略としましては、貸借対照表に眠っている資産をさらに現金化します。具体的には、政策投資株の売却と、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の改善を推進してまいります。

 政策投資株の売却につきましては、事業上の影響がない取引先の株式は原則すべて売却の方針で進めてまいります。株主還元については、2022年3月期までの前中期経営計画期間においては配当性向60%を基準にしてまいりました。2023年3月期からの中期経営計画期間においても引続き同60%以上といたします。

 CCCの改善は、プラントの受注時に前受金を原則受領することとして、また手形サイトも120日を超えるものを無くすことで達成可能と考えております。

 引き続き、将来にむけての成長投資は積極的に進めますが、現在の利益剰余金の水準も高い水準にあることから、成長投資と株主還元の強化を共に進めてまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の数値、報告期間における収益・費用の数値に与える要因は色々ありますが、継続した会計基準で評価を行っております。見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて、合理的と考えられる基準に基づき作成しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。

 また、当連結会計年度で行った見積り及び判断・評価については、新型コロナウイルス感染拡大の影響はありません。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、ソリューションパートナーとしてお客様の期待に応える研究開発及び製品開発を研究開発部門が中核となって関連部門と連携協力して推進しております。

 当連結会計年度に係る研究開発費は449百万円であります。

(1)アスファルトプラント関連事業

アスファルトプラント関連事業では、2050年のCO2排出ゼロを目指した低炭素化社会の実現のため、骨材加熱乾燥用バーナの燃料としてCO2を排出しない燃料として注目されているアンモニアを適用すべく基礎的開発を進めてまいりました。また今年度からはアンモニアに加え同じく脱炭素化燃料のひとつである水素での燃焼バーナの開発も開始し、弊社製品での低炭素化、脱炭素化をすすめてまいります。また、同じく舗装時の低炭素化に寄与できるアスファルトフォームド装置についても、従来型に改良を加え操作性、設置容易性を向上させ、より多くのお客様にお使いいただける製品として販売を開始しました。

当事業に係る研究開発費は216百万円であります。

 

(2)コンクリートプラント関連事業

コンクリートプラント関連事業では、昨今のコンクリートの高強度化、高流動化に伴うコンクリート製品の多様化に対応すべく、産学共同で練混ぜ基礎理論を構築し、それを基にした高性能な次世代ミキサの研究開発を進めております。また、現行機種のDASH-Hyperミキサのメンテナンス性、耐久性などのユーザーメリットを見直し改良する取り組みを進め生コン工場でのシェア拡大および働き方改革、i-constructionにより需要が見込まれるプレキャストコンクリート業界への拡販に努めます。

当事業に係る研究開発費は157百万円であります。

 

(3)環境及び搬送関連事業、その他事業

環境及び搬送関連事業では、鉄道関係の保守設備としてJR西日本様向に「帆坂保守基地」(赤穂市)へバラストホッパ設備を納入し、2021年10月より稼働しております。保守基地の新設は1975年の山陽新幹線全線開通後、初めてのことです。また、環境リサイクル関連の製品としましては、ガラスを再利用するためのガラスカレットを乾燥させるドライヤを開発し、2021年9月に納入いたしました。さらに、コークスを乾燥分級する設備を計画し、受注いただき、2022年9月納入予定です。

 当事業に係る研究開発費は76百万円であります。