文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新興国経済減速の影響を受けながらも、緩やかな回復を続けました。
当業界におきましては、橋梁事業の当第3四半期累計期間の発注量は、国土交通省からの発注は大きく減少したものの、高速道路会社より大規模案件が発注されたことで前年同四半期並みとなりました。通期の見通しにつきましては、第4四半期においても国土交通省や高速道路会社からの発注は見込まれ、前事業年度を多少は上回る見込みであります。鉄構事業では鉄骨需要は堅調に推移いたしました。しかしながら、当初第3四半期中に発注予定であった案件が翌期以降に持ち越される事例も見られ、通期の発注量は前事業年度比で横ばいと見込まれます。地域別では大型プロジェクトの「首都圏一極集中」が継続し、中部圏・関西圏での新規大型案件は極めて少ない状況にあります。
このような状況のもとで、当社は橋梁事業では昨年度から取り組んでいる対象案件を絞った受注活動をさらに強化し、第1四半期では高速道路会社から、第2四半期では発注量の減少した国土交通省から、第3四半期では地方自治体からと、異なる発注先から着実に受注を積み上げました。鉄構事業でも採算性重視の基本方針は変更せず、関西圏を中心に、利益確保が見込まれる案件のみの受注を徹底いたしました。結果として当第3四半期累計期間の受注高は前年同四半期比で橋梁事業は25.6%増、鉄構事業は158.8%増となり、橋梁事業・鉄構事業ともに発注量は伸びない中で大きな成果を上げることが出来ました。売上高が前年同四半期比で微増にとどまったこともあり、受注残高は18,000,687千円(前年同四半期比58.8%増)を確保しております。
損益面につきましては、現場労務費・機材費用等の高騰もあり、第1四半期での橋梁工場稼働率低下に起因する業績の悪化を第3四半期でも吸収しきれず、赤字を持ち越す結果となりました。
当第3四半期累計期間の業績は、売上高8,270,003千円(前年同四半期比2.0%増)、営業損失206,897千円(前年同四半期は営業損失336,068千円)、経常損失97,377千円(前年同四半期は経常損失186,319千円)、四半期純損失55,226千円(前年同四半期は四半期純損失220,571千円)であります。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 橋梁事業
橋梁事業における当第3四半期累計期間の売上高は6,656,160千円(前年同四半期比12.7%増)、セグメント損失は200,455千円(前年同四半期はセグメント損失340,007千円)となりました。また、当第3四半期累計期間の受注高は8,818,841千円(前年同四半期比25.6%増)となり、当第3四半期会計期間末の受注残高は14,358,354千円(前年同四半期比46.4%増)となりました。
② 鉄構事業
鉄構事業における当第3四半期累計期間の売上高は1,613,843千円(前年同四半期比26.8%減)、セグメント損失は6,441千円(前年同四半期はセグメント利益3,938千円)となりました。また、当第3四半期累計期間の受注高は3,865,518千円(前年同四半期比158.8%増)となり、当第3四半期会計期間末の受注残高は3,642,332千円(前年同四半期比138.3%増)となりました。
当第3四半期会計期間末の総資産は、21,611,474千円で前事業年度末比1,347,959千円の減少となりました。その主な要因は、受取手形・完成工事未収入金の減少と未成工事支出金及び投資有価証券の増加であります。負債は、前事業年度末比1,204,362千円減少し、5,582,061千円となりました。主な要因は短期借入金の減少であります。純資産は利益剰余金の減少により、前事業年度末比143,597千円減少し、16,029,412千円となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
株式会社の支配に関する基本方針について
① 会社の支配に関する基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であるべきと考えております。
そして、当社の企業価値及び株主共同の利益を最大化していくためには、中長期的な観点から、当社の企業価値を生み出す源泉を育て、強化していくことがもっとも重要であって、当社の財務及び事業の方針は、このような認識を基礎として決定される必要があるものと考えております。
② 当社を取り巻く経営環境と今後の取り組み
当社の主力事業である橋梁事業を取り巻く平成26年度の環境は、被災地復興関連の発注が本格化すると期待されましたが、前段の工程である下部工の進捗遅れもあり、鋼橋業界の期待する上部工の発注は年度終盤からとなり新設鋼橋の発注量は前年度割れとなりました。鉄構事業では需要は着実に増加したものの、当社が得意とする超高層案件は、「首都圏一極集中」がより鮮明となり、地元である関西圏での案件はきわめて少ない状態が続きました。このような状況のもと、平成26年度は、業績が大幅に悪化した前年度の反省を踏まえ、「赤字からの脱却」に向け、新たな運営体制へ移行し、営業体制の強化・生産部門の技術力強化・組織力の充実・各現場におけるコスト低減の徹底等を改めて推進し、1年で黒字転換を達成することができました。
今後の経営環境は、橋梁事業では新設鋼橋の発注量は例年並みにとどまると予想され、地域的には首都圏での発注量が減少し、中部地区以西での発注量が増加すると見込まれます。一方で、保全・中大規模改修工事の発注は徐々に増加すると予想されます。鉄構事業では秋口までの需要は端境期と見なされますが、秋以降は超高層案件の着工が相次ぎ、需要の上積みが期待され、地域的には「首都圏一極集中」の形相はさらに強まり東高西低の傾向が継続すると予想されます。
当社にとっては橋梁事業・鉄構事業ともに課題の多い事業環境が継続しますが、引き続き「安定的な受注の確保」を最優先課題と位置付けあらゆる対策を講じてまいります。橋梁事業におきましては、保全・中大規模改修工事の発注が本格化すると予想される中、将来の新しい事業の柱とすべく、保全・中大規模改修工事に対する体制の構築を急ぎ、取り組みを推進いたします。鉄構事業におきましては、大型のヤードを保有するという当社の特徴を活かした受注活動に注力し、外注先の活用方法も含めた生産管理体制を一新することにより、事業の安定化に努めてまいります。また橋梁事業・鉄構事業で永年培われた制震関連製品が順調に育っており、今後は独自技術によるさらなる改善と新たなニーズに適合する新製品の開発に取り組んでまいります。
平成27年度は、これまでの基本方針である「受注と利益目標の達成」「品質の改善と安全の確保」「多様化する教育」「保全事業への取り組み」及び「制震関連製品事業の推進」を軸として、「飛躍の年」とし、全社一丸となり業績の拡大に取り組んでまいります。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針が支配されることを防止するための取り組み
当社は、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして、平成27年6月25日開催の第86期定時株主総会において、有効期間を平成28年6月に開催される当社定時株主総会の終結の時までとする平時における「当社株式の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を承認いただき導入しております。
④ 本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
本プランは、基本方針の考え方並びに平成17年5月27日に法務省及び経済産業省から公表された「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」、平成20年6月30日付の企業価値研究会報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所の適時開示規則に沿って設計され、これにより、当社株主及び投資家の皆様は適切な投資判断を行うことができますので、本プランが当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであると考えます。
また、本プランは、不適切な大規模買付行為に対して、当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前かつ詳細に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動は本プランの規定に従って行われます。さらに、大規模買付行為に関して当社取締役会が評価、検討、代替案の提示、大規模買付者との交渉または対抗措置の発動を行う際には、外部の専門家等からの助言を得るとともに、当社経営陣から独立した外部の有識者と社外監査役から構成される独立委員会の意見を最大限尊重するものとし、独立委員会は、当社取締役の利益をはかることを目的とした助言・勧告を行ってはならないこととしております。このように本プランには、当社取締役会による適正な運用を担保するための手続きも盛り込まれています。
以上から、本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものではないことは明らかであると考えております。
(3)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、20,296千円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。