第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、個人消費は低調に推移したものの、政府の経済政策等を背景に企業収益や雇用環境には改善の動きが見られ、海外の政治経済の影響を受けながらも全体としては緩やかな回復基調で推移いたしました。

 当業界におきましては、橋梁事業では、期待された国土交通省からの発注が遅れ気味となり、高速道路会社発注の案件も減少するなど新設鋼橋の発注量は前事業年度を下回る結果となりました。鉄構事業では需要は堅調に推移いたしましたが、大型再開発案件は「首都圏一極集中」が継続し、首都圏以外での大型再開発案件は極めて少ない状態が続きました。

 このような状況のもとで当社は、橋梁事業では応札案件を更に絞り込むことで技術提案の内容強化と入札価格の精度向上を図り、目標とする案件の受注を積み上げてまいりました。この結果、当事業年度の受注量は前事業年度には届かないものの、発注量が減少した中で一定の成果を上げることができました。鉄構事業におきましても採算性重視の基本方針を保ちながら、首都圏での大型案件を受注することができ、前事業年度を大きく上回る受注量を確保することができました。

 損益面につきましては、前事業年度末の受注残高を背景に年間を通じて橋梁工場が高い操業度を保ち、現場施工も順調に推移したことで、橋梁事業の採算は前事業年度から大きく改善いたしました。鉄構事業でも不採算工事は一掃され、黒字体質へと転換することができました。

 当事業年度の業績につきましては、売上高15,563,689千円(前年同期比24.7%増)、営業利益476,503千円(前年同期は85,572千円の営業損失)、経常利益589,936千円(前年同期は25,581千円の経常利益)、当期純利益489,417千円(前年同期比678.7%増)であります。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

① 橋梁事業

 橋梁事業における当事業年度の売上高は12,542,154千円(前年同期比28.2%増)、セグメント利益は380,956千円(前年同期はセグメント損失241,574千円)となりました。また、受注高は12,806,707千円(前年同期比10.6%減)となり、当事業年度末の受注残高は17,004,484千円(前年同期比1.6%増)となりました。

② 鉄構事業

 鉄構事業における当事業年度の売上高は3,021,535千円(前年同期比12.1%増)、セグメント利益は95,547千円(前年同期比38.8%減)となりました。また、受注高は6,577,324千円(前年同期比69.6%増)となり、当事業年度末の受注残高は6,129,849千円(前年同期比138.1%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より1,316,135千円増加し、3,028,202千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は1,182,634千円(前年同期は588,248千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益の計上、仕入債務の増加、売上債権の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は487,926千円(前年同期は184,257千円の使用)となりました。これは主に投資有価証券の売却及び償還による収入が、投資有価証券や有形固定資産の取得による支出を上回ったからであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は2,010,842千円(前年同期は288,426千円の使用)となりました。これは主に短期借入金の増加と配当金の支払いによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

橋梁事業(千円)

13,055,703

+34.4

鉄構事業(千円)

2,728,175

+0.8

合計(千円)

15,783,878

+27.1

 (注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当事業年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

橋梁事業(千円)

12,806,707

△10.6

17,004,484

+1.6

鉄構事業(千円)

6,577,324

+69.6

6,129,849

+138.1

合計(千円)

19,384,032

+6.5

23,134,333

+19.8

 (注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

橋梁事業(千円)

12,542,154

+28.2

鉄構事業(千円)

3,021,535

+12.1

合計(千円)

15,563,689

+24.7

 (注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

国土交通省

4,461,549

35.8

4,679,646

30.1

東日本高速道路㈱

2,547,936

20.4

2,374,135

15.3

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は創業以来、橋梁、鉄骨など鋼構造物の設計、製作、架設を専門に行う企業として全国に事業を展開してまいりました。そしてこの間一貫して社会に貢献することを目標とし、高度な技術力で安全を重視した施工を行い良質な社会資本を提供することで、顧客の皆様の信頼を得ることを経営の基本としております。

 また、和歌山工場内に設置した技術研究所を中心に、常に時代の先端を捉えた技術開発に努め、顧客の皆様の多種多様な要望にお応えし、新しい技術が拓く豊かな未来社会に向けて、経済・文化の発展に貢献する企業として研鑽を重ねてまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、平成26年3月を最終年度とする中期経営計画が大幅に目標未達となったことを反省し、「安定的な受注の確保」を最優先課題とする平成26年4月からの第4次中期経営計画を策定し全社を挙げて業務に邁進してまいりました。この3年間も厳しい環境下での経営活動となり、結果的には目標値である売上高200億円、経常利益6億円はともに未達となりましたが、橋梁事業で「安定的な受注の確保」を達成できたことで、経常利益率は計画を上回る数値を残すことができました。

 平成29年3月に創立85周年を迎えた当社は、平成29年4月からの第5次中期経営計画を創立90周年に向けた成長の基盤作りの期間と位置付けます。その初年度は年度方針を「飛躍に向けた受注と利益目標の達成」「信頼を築く安全の確保と品質の向上」「企業活力を高める人材の育成」「未来に繋ぐ独自技術の推進と保全事業への対応」と定め、安定した受注量の確保と、セグメント利益の黒字継続を目標にあらゆる対策を講じてまいります。

 第5次中期経営計画の数値目標として、平成32年3月期において売上高200億円、経常利益10億円、経常利益率5%を目指します。

 

(3)経営環境

 当社を取り巻く経営環境は、橋梁事業では、新設鋼橋の発注量は今後も低水準で推移すると見込まれております。そのため技術提案力・積算精度ともに秀でた企業のみが受注を確保できる、極めて厳しい受注環境が続くと思われます。一方で更新の時期を迎えた多くの橋梁に対する保全・中大規模改修工事の発注は今後更に増加が予想されます。鉄構事業では、当面、需要は堅調に推移すると思われますが、超高層ビル等の大型再開発案件は首都圏一極集中が更に強まると予想されます。

 

(4)経営戦略と事業上及び財務上の対処すべき課題

 橋梁事業におきましては、新設鋼橋の受注の確保が最優先課題であり、技術提案力・積算精度の更なる向上に努めてまいります。また、保全・中大規模改修工事の発注が本格化する中で、将来の新しい事業の柱とすべく体制を構築することが重要であると認識しております。一方で、制震関連製品は順調な伸びを示しており、今後は独自技術による更なる改善と新たなニーズに適合する新製品の開発を進めてまいります。

 鉄構事業におきましては、関西圏での大型案件の受注確保を基本としながら、採算の見込める首都圏の案件には積極的に対応し、更には生研トラスやシェイプアップ・ブレースといった付加価値の高い製品の扱いを増やすことで、採算ベースでの事業展開を継続してまいります。

 

(5)株式会社の支配に関する基本方針について

① 会社の支配に関する基本方針の内容

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であるべきと考えております。

 そして、当社の企業価値及び株主共同の利益を最大化していくためには、中長期的な観点から、当社の企業価値を生み出す源泉を育て、強化していくことがもっとも重要であって、当社の財務及び事業の方針は、このような認識を基礎として決定される必要があるものと考えております。

② 当社を取り巻く経営環境と今後の取り組み

 当社の主力事業である橋梁事業を取り巻く平成28年度の環境は、期待された国土交通省からの発注が遅れ気味となり、高速道路会社発注の案件も減少するなど新設鋼橋の発注量は前事業年度を下回る結果となりました。鉄構事業では需要は堅調に推移いたしましたが、大型再開発案件は「首都圏一極集中」が継続し、首都圏以外での大型再開発案件は極めて少ない状態が続きました。

 このような状況のもとで当社は、橋梁事業では応札案件を更に絞り込むことで技術提案の内容強化と入札価格の精度向上を図り、目標とする案件の受注を積み上げてまいりました。鉄構事業におきましても採算性重視の基本方針を保ちながら、首都圏での大型案件を受注することができ、前事業年度を大きく上回る受注量を確保することができました。この結果、全体の受注高及び受注残高ともに、前事業年度実績を上回ることができました。

 今後の経営環境は、橋梁事業では新設鋼橋の発注量は平成28年度並みと予想されます。国土交通省からの発注は微増が見込まれますが、高速道路会社からの発注が不透明な状態です。地域的には中部地区の発注が多く、東北地区の復興案件の発注が期待されます。一方で保全・中大規模改築工事の発注は今後も更に増加することが予想されます。鉄構事業では、首都圏での大型再開発高層案件の工事が本格化し需要急増が見込まれますが、発注側の技術者不足やファブリケーター側の供給能力の観点から、円滑な進捗が図れるか不安が残ります。地域的には「首都圏一極集中」の様相が当面は継続すると予想されます。

 当社にとっては橋梁事業・鉄構事業ともに課題の多い事業環境が継続しますが、当社はここ数年間着実に受注高を伸ばしており、業績は回復基調にあります。平成29年度は「飛躍に向けた受注と利益目標の達成」「信頼を築く安全の確保と品質の向上」「企業活力を高める人材の育成」「未来に繋ぐ独自技術の推進と保全事業への対応」を年度方針に、全社一丸となり更なる業績の拡大に取り組んでまいります。

③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針が支配されることを防止するための取り組み

 当社は、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして、平成28年6月28日開催の第87期定時株主総会において、有効期間を平成29年6月に開催される当社定時株主総会の終結の時までとする平時における「当社株式の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を承認いただき導入しております。

④ 本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて

 本プランは、基本方針の考え方並びに平成17年5月27日に法務省及び経済産業省から公表された「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」、平成20年6月30日付の企業価値研究会報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所の適時開示規則に沿って設計され、これにより、当社株主及び投資家の皆様は適切な投資判断を行うことができますので、本プランが当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであると考えます。

 また、本プランは、不適切な大規模買付行為に対して、当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前かつ詳細に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動は本プランの規定に従って行われます。さらに、大規模買付行為に関して当社取締役会が評価、検討、代替案の提示、大規模買付者との交渉又は対抗措置の発動を行う際には、外部の専門家等からの助言を得るとともに、当社経営陣から独立した外部の有識者と社外監査役から構成される独立委員会の意見を最大限尊重するものとし、独立委員会は、当社取締役の利益をはかることを目的とした助言・勧告を行ってはならないこととしております。このように本プランには、当社取締役会による適正な運用を担保するための手続きも盛り込まれています。

 以上から、本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものではないことは明らかであると考えております。

 

(ご参考)

 本プランは、平成29年6月28日開催の第88期定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)の終結の時をもって有効期間が満了いたしました。当社は、平成29年5月25日開催の当社取締役会において、本定時株主総会の終結の時をもって、本プランを継続せず、廃止することを決議いたしました。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)公共事業への依存について

 当社は、鋼構造物の設計から製作、現場施行を主事業としており、平成29年3月期末の受注残高においては鋼橋が7割以上を占め、その大部分は公共工事であります。国及び地方公共団体の厳しい財政状態を反映し、公共事業は発注量の減少が続き、今後の市場動向は不透明であります。そのため、実際の発注量と金額が予測と大幅に乖離する可能性は否定できず、その場合には、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法的規制について

 事業を営むにあたり建設業法等の法的規制を受けております。法令順守の意識は社内で徹底しておりますが、万一法令違反があった場合には行政処分等により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)自然災害・事故等による影響について

 当社は、生産設備を和歌山工場に集中し、業務の効率化を図っております。そのため自然災害等で和歌山工場の機能がストップした場合には、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社の製品は非常に大きく重く、工場製作・輸送・現場施工の各工程に危険な作業を含んでおります。安全を最優先に業務を進めておりますが、万一事故を起こした場合は、事故による損害だけでなく、顧客の信頼を失墜し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)品質管理について

 当社にて製作・施工される製品の品質管理には細心の注意を払っておりますが、万一重大な瑕疵担保責任が発生した場合には、手直し費用の発生だけでなく顧客からの信頼も失墜し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)主要原材料の価格変動等について

 当社の主力事業である鋼構造物事業は、鋼材が主要原材料であります。鋼材価格はここ数年値動きが大きく、今後鋼材価格が上昇を続け、上昇分が受注価格に転嫁されない場合は当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 また、鋼材の需給関係が逼迫し、数量の確保が困難になる可能性は否定できません。鋼材の納入が遅延した場合や、必要数量を確保できない場合は当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)金利変動による影響について

 将来の金利上昇は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)時価変動による影響について

 当社が保有する資産の時価の変動によっては、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 特に記載すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社では、急変する事業環境に対応していくため、橋梁事業につきましては技術研究所の開発スタッフ及び設計部の担当者を中心として研究開発に取り組んでおります。鉄構事業につきましては鉄構本部の担当者を中心に実工事に対応しながら研究開発に取り組んでおります。

当事業年度における各セグメント別の主たる研究の目的、主要課題及び研究成果は以下のとおりであり、研究開発費の総額は40,643千円であります。

 

(1)橋梁事業

① 支圧板方式による鋼ポータルラーメン橋の推進

当社では、施工品質向上及び剛結部の合理化を目指すとともに、維持管理の確実性と容易さに配慮した孔あき鋼板ジベルを配置した支圧板方式による鋼ポータルラーメン橋を、東日本高速道路株式会社、大阪市立大学と共同で研究・開発いたしました。現在のところ4橋で採用され、そのうち1橋は竣工し、3橋は施工中であります。今後も、実工事での採用が期待されております。

 

② 耐震に関する技術開発

熊本地震以降、耐震補強のニーズは従来にも増して高まっており、当社では自社開発の耐震関連デバイス装置の研究に取り組んでおります。

 

③ 鋼橋製作の技術開発及び検討

イ.効率的かつ一定の品質水準を保持した鋼橋製作を目指して、有効な技術資料を作成し、社内での共有化を推進しております。また従来、経験データで対処していた溶接変形(局所変形、大ブロック変形)について、実構造物における出来形精度向上を目的に、大学機関と共同で先進的な数値解析を行っています。今後は、実工事の実測結果と解析結果を比較検証し、解析精度向上に繋げるとともに、更なる出来形品質の確保に努めてまいります。

ロ.効率的かつ高い溶接品質の確保を目指して、保有溶接技術の更新及び最新溶接技術の調査・検討を進め、実施工への適用に向け各種試験を進めてまいります。

ハ.鋼橋の耐久性向上を目指して、各種高性能鋼材の基礎的検討及び溶接施工試験等を実施しており、基礎データの蓄積と適用実績の拡大に努めてまいります。

ニ.技術研究所内の載荷実験装置として、業界でも有数であるサーボ制御方式1000kNアクチュエータを保有しており、前述の耐震関連デバイスの性能評価実験時にも、本アクチュエータによる有効なデータを取得しております。今後も各種載荷実験に適用し、迅速にデータが得られる優位性を活かして独自の開発を進めてまいります。

 

当報告セグメントの当事業年度における研究開発費は、27,101千円であります。

 

(2)鉄構事業

建築鉄骨の高性能化に対応した溶接技術の開発

近年の大型都市再開発プロジェクトにおける建築鉄骨は、耐震を目指した単なる高強度化だけではなく、制震・免震といった言葉に代表される、高品質化・高性能化へと進化を遂げております。

鋼材においても、JIS規格品並びに既存の大臣認定品に加えて、各鋼材メーカーによる独自の新規鋼材の開発も続いており、それに追随する形で溶接材料メーカーによる新溶接材料の開発も進んでおります。

このような状況下、国内の著名再開発案件に参画し、鋼材と溶接材料の各種組合せにより実施した施工試験結果を分析、更には鋼材メーカー・溶接材料メーカーとの協議・実験を重ねることで、高性能化に対応できる溶接技術の開発を続けております。また、大型化するビルドボックス柱に対応すべく、サブマージアーク溶接装置を全面更新しております。これらの溶接技術と溶接設備により更なる受注の拡大を図り、実工事での実績を重ねることで、今後も溶接技術の研究・開発を推し進めてまいります。

 

当報告セグメントの当事業年度における研究開発費は、13,541千円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たり使用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 重要な会計方針」に記載しております。

 

(2)当事業年度の経営成績の分析

 当社の当事業年度の経営成績は、前事業年度末の受注残高を背景に年間を通じて橋梁工場が高い操業度を保ち、現場施工も順調に推移したことで、橋梁事業の採算は前事業年度から大きく改善いたしました。鉄構事業でも不採算工事は一掃され、黒字体質へと転換することができました。

 これらの結果、売上高は15,563,689千円(前年同期比24.7%増)と増加し、営業利益476,503千円(前年同期は85,572千円の営業損失)、経常利益589,936千円(前年同期は25,581千円の経常利益)、当期純利益489,417千円(前年同期比678.7%増)と各利益とも前年同期から大きく増加いたしました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「4 事業等のリスク」に記載しております。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フロ-では1,182,634千円の使用(前年同期は588,248千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益の計上、仕入債務の増加、売上債権の増加によるものであります。投資活動によるキャッシュ・フロ-では487,926千円の獲得(前年同期は184,257千円の使用)となりました。これは主に投資有価証券の売却及び償還による収入が、投資有価証券や有形固定資産の取得による支出を上回ったからであります。財務活動によるキャッシュ・フロ-では2,010,842千円の獲得(前年同期は288,426千円の使用)となりました。これは主に短期借入金の増加と配当金の支払いによるものであります。