文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、中国の成長減速懸念、英国のEU離脱選択、米国大統領選挙等、海外の政治経済の影響を受けながらも、全体としては緩やかな回復基調で推移いたしました。
当業界におきましては、橋梁事業の当第3四半期累計期間の発注量は、国土交通省・高速道路会社ともに減少したため前年同四半期比で減少となりました。第4四半期においても国土交通省や高速道路会社からの発注は見込まれますが、通期の発注量は前事業年度の実績に届かない見込みであります。鉄構事業では、東京五輪を見据えた需要増大が期待されましたが、発注側の技術者不足による工事工程遅れ等から鉄骨の発注量は伸び悩みました。しかしながら、鉄骨需要そのものは堅調に推移しており、通期では前事業年度並みの発注量が期待されます。
このような状況のもとで当社は、橋梁事業では技術提案力の更なる強化を図り、応札案件を絞り込み入札価格の精度向上に努めました。当第3四半期における受注高は低調に推移しましたが、第4四半期に入り自治体と国土交通省からの受注が確定し、年度末に向け更なる上積みを目指しております。鉄構事業では、採算性重視の基本方針を保持しながらも首都圏で大型案件を受注し、受注高は前年同四半期を上回る数字を残すことができました。
橋梁事業・鉄構事業ともに発注量が伸びない中で着実に受注を積み上げることができ、受注残高は19,043,615千円(前年同四半期比5.8%増)を確保しております。
損益面につきましては、年間を通じて橋梁工場が高い操業度を保ち、現場施工も順調に進んだことで橋梁事業の採算は堅調に推移しております。鉄構事業も不採算工事が一掃され、黒字体質への転換が実現しております。これらの結果、当第3四半期累計期間の業績は、売上高11,463,545千円(前年同四半期比38.6%増)、営業利益255,402千円(前年同四半期は営業損失206,897千円)、経常利益362,974千円(前年同四半期は経常損失97,377千円)、四半期純利益320,271千円(前年同四半期は四半期純損失55,226千円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 橋梁事業
橋梁事業における当第3四半期累計期間の売上高は9,285,512千円(前年同四半期比39.5%増)、セグメント利益は239,224千円(前年同四半期はセグメント損失200,455千円)となりました。また、当第3四半期累計期間の受注高は4,780,236千円(前年同四半期比45.8%減)となり、当第3四半期会計期間末の受注残高は12,234,656千円(前年同四半期比14.8%減)となりました。
② 鉄構事業
鉄構事業における当第3四半期累計期間の売上高は2,178,033千円(前年同四半期比35.0%増)、セグメント利益は16,177千円(前年同四半期はセグメント損失6,441千円)となりました。また、当第3四半期累計期間の受注高は6,412,932千円(前年同四半期比65.9%増)となり、当第3四半期会計期間末の受注残高は6,808,959千円(前年同四半期比86.9%増)となりました。
当第3四半期会計期間末の総資産は、23,477,348千円で前事業年度末比368,319千円の増加となりました。その主な要因は、受取手形・完成工事未収入金の増加と現金預金及び投資有価証券の減少であります。負債は、前事業年度末比22,691千円減少し、7,254,894千円となりました。主な要因は支払手形・工事未払金の増加と未成工事受入金、短期借入金、賞与引当金及び工事損失引当金の減少であります。純資産は利益剰余金とその他有価証券評価差額金の増加により、前事業年度末比391,011千円増加し、16,222,453千円となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
株式会社の支配に関する基本方針について
① 会社の支配に関する基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であるべきと考えております。
そして、当社の企業価値及び株主共同の利益を最大化していくためには、中長期的な観点から、当社の企業価値を生み出す源泉を育て、強化していくことがもっとも重要であって、当社の財務及び事業の方針は、このような認識を基礎として決定される必要があるものと考えております。
② 当社を取り巻く経営環境と今後の取り組み
当社の主力事業である橋梁事業を取り巻く平成27年度の環境は、新設鋼橋の発注量は平成26年度並みを確保したものの、発注者別に見ると国土交通省からの発注は大きく減少し、高速道路会社発注の大型案件が減少分を補完する構図となりました。鉄構事業では需要は堅調に推移いたしましたが、当社が得意とする超高層案件は、「首都圏一極集中」がより鮮明となり、当社の地元である関西圏での案件は極めて少ない状態が続きました。
このような状況のもと、平成27年度は、橋梁事業における対象案件を絞った受注活動をさらに推し進め、目標とする案件の受注を着実に積み上げてまいりました。鉄構事業におきましても採算性重視の基本方針は変更せず、関西圏を中心に、利益確保が見込まれる案件のみの受注を徹底いたしました。この結果、受注高は橋梁事業、鉄構事業ともに平成26年度を上回る成果を上げることができました。
今後の経営環境は、橋梁事業では新設鋼橋の発注量は平成27年度並みにとどまると予想されます。高速道路会社から大規模案件の発注や予告はあるものの、熊本地震による被害の復旧が優先され国土交通省案件の発注が遅れると見られます。地域的には中部地区の発注が多いものの、遅れている東北復興案件の発注には不透明感が残ります。保全・中大規模改築工事につきましては、発注が年々増加しており、当社も将来の新しい事業の柱とすべく体制の構築を急いでおります。鉄構事業では、地元である関西圏の案件や大型のヤードを保有するという当社の特徴を活かせる案件の受注活動を基本としますが、採算の見込める首都圏の案件には積極的に対応し、受注量を拡大することで事業の安定化を目指してまいります。一方で、橋梁事業・鉄構事業で永年培われた制震関連製品は順調に育っており、今後は独自技術によるさらなる改善と新たなニーズに適合する新製品の開発に取り組んでまいります。
平成28年度も、当社にとって橋梁事業・鉄構事業ともに課題の多い事業環境が継続しますが、年度方針である「事業環境に対応した受注と利益目標の達成」「社会に信頼される品質と安全の確保」「組織間の活性化を目指した人材育成」「保全事業の具体化と独自技術の推進」を軸として、「経営資源及び共有する情報の最大活用」に向けて全社一丸となり業績の拡大に取り組んでまいります。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針が支配されることを防止するための取り組み
当社は、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして、平成28年6月28日開催の第87期定時株主総会において、有効期間を平成29年6月に開催される当社定時株主総会の終結の時までとする平時における「当社株式の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を承認いただき導入しております。
④ 本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
本プランは、基本方針の考え方並びに平成17年5月27日に法務省及び経済産業省から公表された「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」、平成20年6月30日付の企業価値研究会報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所の適時開示規則に沿って設計され、これにより、当社株主及び投資家の皆様は適切な投資判断を行うことができますので、本プランが当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであると考えます。
また、本プランは、不適切な大規模買付行為に対して、当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前かつ詳細に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動は本プランの規定に従って行われます。さらに、大規模買付行為に関して当社取締役会が評価、検討、代替案の提示、大規模買付者との交渉または対抗措置の発動を行う際には、外部の専門家等からの助言を得るとともに、当社経営陣から独立した外部の有識者と社外監査役から構成される独立委員会の意見を最大限尊重するものとし、独立委員会は、当社取締役の利益をはかることを目的とした助言・勧告を行ってはならないこととしております。このように本プランには、当社取締役会による適正な運用を担保するための手続きも盛り込まれています。
以上から、本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものではないことは明らかであると考えております。
(3)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、33,733千円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。