当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境の改善が見られましたものの、一方で円高・株安の進行に加え、新興国経済の減速により企業収益が悪化するなど景気は足踏み状態が続き、依然不透明な状況となっております。
このような経済状況のもと、当社グループは「『ボルティング・ソリューション・カンパニー』として社会の発展に貢献し、地球上になくてはならない企業をめざす。」ことを企業理念に掲げ、「ボルト締結分野」においてお客様が求める価値を的確に捉え、「スピード感と一体感のある製品開発体制」を基軸に保有技術を有効的に活用し、「締付」をキーワードとした幅広い製品群の開発・製造・販売を推進し、より多くのお客様に「ボルト締結」に最適な手段を提供してまいりました。
併せて、デザインを一新した「次世代工具シリーズ」の本格投入、主力製品「シヤーレンチ」製品群の販売強化に加え、充実のラインアップを誇る「ナットランナー」製品群の販路拡大、さらにお客様要望に応えた特殊品対応を行うことにより市場深耕を図るなど売上高の伸長に懸命な努力をいたしました。
また、今後、拡大が期待できる海外販売への対応といたしまして、海外新工場の安定稼働によるグローバルな視点での製造・販売の最適化を進めるなど、海外成長を支えるための体制強化を図ってまいりますとともに、品質と信頼の世界ブランド「TONE」の確立をめざし、製品とサービスの拡充、卓越した技術力でお客様に「満足」「感動」「価値」を提供し続けてまいります。
さらに、「TONEブランド戦略」として、モータースポーツを応援することを通じて、より多くの人々に工具の魅力を伝えることを目的に、ライダーサポートやレース協賛などを積極的に展開するとともに、現場の声を研究・開発に活かすことで、製品およびサービスの更なる進化と飛躍を目指し、新たなTONEの可能性を追求してまいりました。
その結果、作業工具の売上高は、新製品群や高付加価値製品群の販売増加などを背景に、29億4千1百万円となりました。機器類の売上高は、建設土木関連における確かな回復に加え、引き続き堅調な米国市場の回復にも支えられ25億5千2百万円となりました。
従いまして、当連結会計年度における売上高合計は54億9千4百万円(前年同期比7.5%増)となり、営業利益は9億8千3百万円(前年同期比20.5%増)、経常利益は9億4千4百万円(前年同期比4.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等を3億8千3百万円計上したことにより、5億6千万円(前年同期比10.4%増)となりました。
各セグメントの概要は、次のとおりであります。
国内におきましては、作業工具類の売上に関しては、「TONEブランド戦略」を背景に、購買意欲を高める拡販活動を積極的に展開しました。また、機器類の売上に関しても、建設土木関連における回復が本格化する中、様々な分野においてのニーズに対応した製品群を取り揃え売上伸長に懸命な努力をいたしました結果、国内売上高は41億円(前年同期比6.2%増)となりました。その内訳は、西日本全体が21億4千1百万円(前年同期比7.7%増)、東日本全体が19億5千9百万円(前年同期比4.5%増)であり、ともに前年同期を上回りました。
海外におきましては、北米、東南アジア市場における売上が引き続き堅調に推移したことにより、合計金額は13億9千4百万円(前年同期比11.6%増)となり、前年同期を大きく上回りました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4億1千万円となり、前連結会計年度末に比べ3千2百万円の減少となりました。当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況のそれぞれの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、たな卸資産の増加9千3百万円、法人税等の支払額4億4千5百万円等の資金の減少がありましたが、税金等調整前当期純利益9億4千4百万円、仕入債務の増加2千2百万円等による資金の増加により、資金はプラス4億9千4百万円(前連結会計年度はプラス3億9千万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、投資有価証券の売却による収入9百万円等がありましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出6千万円等の資金減少により、資金はマイナス5千4百万円(前連結会計年度はマイナス2億5千7百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、長期借入れによる収入5億円がありましたが、長期借入金の返済による支出4億円、短期借入金の減少4億円、配当金の支払額1億3千3百万円、長期未払金の返済による支出2千4百万円等により資金はマイナス4億8千1百万円(前連結会計年度はマイナス2億2千2百万円)となりました。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
西日本 | 2,304,151 | 107.8 |
東日本 | 2,224,076 | 103.5 |
海外 | 1,364,639 | 111.1 |
合計 | 5,892,867 | 106.9 |
(注) 1 金額は、販売価格(代理店価格)に基づいております。
2 上記の生産実績には、仕入商品を含んでおります。
3 金額には、消費税等は含まれておりません。
見込生産によっているため、受注高ならびに受注残高について記載すべき事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
西日本 | 2,141,323 | 107.7 |
東日本 | 1,959,028 | 104.5 |
海外 | 1,394,015 | 111.6 |
合計 | 5,494,367 | 107.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
トラスコ中山㈱ | 1,043,479 | 20.4 | 1,082,310 | 19.7 |
㈱山善 | 758,075 | 14.8 | 752,797 | 13.7 |
㈱イチネン前田 | 469,727 | 9.2 | 509,333 | 9.3 |
3 金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは企業間競争が激化する中、永続的な発展とより一層の企業価値向上を目指し、以下の項目を重視事項及び課題として捉え社員一丸となって取り組んでまいります。
①生産力の強化
より一層の品質管理の向上を図りながら各種製品の製作工期を短縮・納期遵守するとともに、生産効率の向上を図り、経費圧縮に努め、積極的な原価低減に取り組んでまいります。
②販売力の強化
より多くのユーザーに使ってもらうために、4Pの強化:製品戦略の強化(product)、価格戦略の強化(price)、流通戦略の強化(place)、販売戦略の強化(promotion)に取り組み、製品販売拡大を図ります。また、海外においては欧州、南米、インドなど新規国市場へのアプローチを積極的に行い売上確保に努めてまいります。
③開発力の強化
「安全性」、「信頼性」をキーワードに新製品開発によるブランド力の強化を最重要項目に掲げ、トルク管理機器の開発強化に努め、新技術の研究開発にも取り組み、新分野への対応力の強化を図ってまいります。
④品質力の強化
「ボルト締結分野」において顧客要望を的確に捉え、スピード感のある製品の開発・提供、技術サポート体制の強化するとともに顧客ニーズに適応したきめ細かいソリューション、サービスを提供し顧客満足度の向上を図ってまいります。
⑤財務体質の強化
適正な利益の獲得を継続的に実現し自己資本を充実させるとともに,キャッシュ・フロー重視の財務政策及び有利子負債の圧縮を進め筋肉質の財務体質への改善を図ってまいります。
⑥人財の育成
「企業は人なり」を念頭に置き、明確な目的、目標を持ち、その役割を自覚した人材から人財への育成に注力いたします。
⑦海外事業の展開
今後の事業展開の中の最重要施策としてグローバル展開・戦略の構築があり、増大する収益機会を確実に捕捉するためベトナムでの事業展開計画を着実に進めてまいります。
当社グループの主要な市場である国内外の市場において、企業収益悪化による設備投資の減少やエンドユーザーである個人の消費動向の減退が、製品需要の減少や競合他社の低価格戦略等による価格競争の激化に進展する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼすと考えられます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済動向による影響について
当社グループの主要な市場である国内外の市場において、企業収益悪化による設備投資の減少やエンドユーザーである個人の消費動向の減退が、製品需要の減少や競合他社の低価格戦略等による価格競争の激化に進展する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼすと考えられます。
(2)原材料価格の変動による影響について
当社グループは、よりコストパフォーマンスが高く品質の良い製品をつくるべく原材料購入に際しては最大限の注力を払っておりますが、特殊鋼をはじめとする金属素材やその他の原材料価格が高騰した場合、原材料購入価格が上がり製造コストが上昇することが考えられます。
(3)販売経路について
当社グループは、機械工具商ルートを中心に販売しておりますが、急速な流通の変革により既存の取引先の業績が悪化し、当社グループの売上高に影響を及ぼすことが考えられます。
(4)品質問題による影響について
当社グループは、品質マネジメントシステムISO9001を取得し、その国際規格に基づき、品質等に関する問題が生じないよう厳格な品質管理のもと製品を開発し製造しております。しかし、すべての製品について欠陥がなく、将来においてクレームが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループに対する評価に多大な影響を与え、それによる売上の低下は経営成績および財務状況に重要な影響を及ぼすことが考えられます。
(5)債権の貸倒れによる影響について
当社グループは、特に事業の継続性に不安定な取引先に依存していることはありませんが、取引先の倒産や経営不安等により債権回収に支障が生じた場合、当社グループの損益に影響を及ぼすと考えられます。
(6)有価証券価額の変動による影響について
当社グループは、主要取引先や取引金融機関と持ち合いにより株式を保有しておりますが、株式市場および経済環境、企業収益の動向によって株価が下落した場合、減損処理による評価損が発生し、当社グループの損益に影響を及ぼすことが考えられます。
(7)大規模災害による影響について
当社グループは、不測の災害に備え、危機管理体制の整備に取組んでおりますが、生産施設で発生する災害その他の事象による影響を完全に防止できる保証はなく、生産・納品活動が停止し、経営成績および財務状況に重要な影響を及ぼすことが考えられます。
(8)在庫の評価替によるリスクについて
当社グループは、綿密な市場調査により需要予測を立て製品を製造し、また、商品を仕入れて販売しております。しかしながら、その需要予測を誤ったり、あるいは景気の悪化等で販売不振に陥れば在庫の滞留期間が長期化し在庫の評価替を行う必要が生じます。このような在庫の評価替が、当社グループの損益に影響を及ぼすことが考えられます。
(9)模倣品の出現による影響について
当社グループは、ブランドの重要性を認識し、国内外でのブランド価値向上を目指しております。また、模倣品対策として、国内外での商標の出願及び登録を実施しておりますが、当社ブランドの模倣品が市場に出回った場合、当社グループのブランド価値を毀損し、当社グループの経営成績及び財務状況に重要な影響を及ぼすことが考えられます。
該当事項はありません。
研究開発活動においては、グローバル企業として海外仕様の電動工具やトルクレンチを拡充し、また自動車業界向けの製品開発に取り組んで、新たな市場に製品を投入しました。
トルク管理機器として、フートポンド・インチポンドに対応した海外向けトルクレンチや、ヘッド部を交換可能とした差替え式トルクレンチをシリーズ化しました。
手動工具製品としては、新製品を搭載した工具セットの全面リニューアルを完了し、新たな試みとして、ユーザーの要望を吸い上げて布製バックと多段のトレーを採用した新型工具セットを開発しました。モータースポーツ業界への取り組みを商品開発へフィードバックさせて各用途向け製品の開発を行い、各製品カテゴリーでの製品改廃を進めながら製品を拡充させていきます。
機器製品においては、さらなる既存製品の充実を図りますとともに、引き続き新規性の高い特定ユーザー向けの要求に対応し、適応技術の拡大を図りました。海外の要求として新規機能を設けた角度制御レンチのシリーズ化、国内においては、大型モータを搭載した大高出力の電動パワーレンチと、多軸(4軸)締付が可能なナットランナーを開発し、ここで得られた新技術を今後の展開に活かしていきます。
「ボルティング ソリューション カンパニー」のさらなる進化に向けて、これからも便利で役立つ製品を開発し続けてまいります。
なお、平成28年5月31日現在の研究開発に従事する人員は6人です。
また、当連結会計年度の研究開発費は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 研究開発費(千円) |
東日本 | 26,840 |
西日本 | 29,156 |
海外 | 9,458 |
合計 | 65,454 |
(1) 財政状態の分析
①資産
当連結会計年度末の資産合計は、61億9千2百万円(前連結会計年度末63億2千1百万円)となり前連結会計年度末に比べ1億2千8百万円減少しました。この主な要因は、流動資産においては現金及び預金の減少3千2百万円、商品及び製品の増加9千8百万円等によるものであり、固定資産においては、投資有価証券の減少1億2千8百万円、建物及び構築物の減少5千3百万円等によるものであります。
②負債
当連結会計年度末の負債合計は、21億9千1百万円(前連結会計年度末26億7千6百万円)となり前連結会計年度末に比べ4億8千4百万円減少しました。この主な要因は、短期借入金の減少3億5千万円、未払法人税の減少7千2百万円、繰延税金負債の減少3千9百万円等によるものであります。
③純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、40億1百万円(前連結会計年度末36億4千5百万円)となり前連結会計年度末に比べ3億5千6百万円増加しました。この主な要因は、その他有価証券評価差額金の減少8千2百万円等ありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加5億6千万円等によるものであります。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況の主な要因につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比7.5%増の54億9千4百万円(前連結会計年度51億1千2百万円)となりました。
その内容につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績」に記載のとおりであります。
②売上総利益・営業利益
当連結会計年度においては、売上高の増加及び高付加価値製品群の拡販に加え、新工場の安定操業を活かした生産・出荷の効率化に取り組んだところ、売上総利益は23億円(前連結会計年度20億5千7百万円)となり、また営業利益は9億8千3百万円(前連結会計年度8億1千6百万円)となり前連結会計年度に比べ1億6千7百万円の増益となりました。
③経常利益・税金等調整前当期純利益
当連結会計年度においては、営業外収益として受取利息及び受取配当金1千8百万円、為替差損6千4百万円を計上したことなどにより経常利益は9億4千4百万円(前連結会計年度9億1百万円)となり前連結会計年度に比べ4千2百万円の増益になりました。また税金等調整前当期純利益は9億4千4百万円(前連結会計年度8億8千6百万円)となり前連結会計年度に比べ5千7百万円の増益となりました。
④当期純利益
当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益9億4千4百万円に法人税、住民税及び事業税3億7千万円や法人税等調整額1千3百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5億6千万円(前連結会計年度5億8百万円)となり前連結会計年度に比べ5千2百万円の増益となりました。