第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の一部に弱さが残るものの、企業収益や設備投資に持ち直しが見られ、雇用・所得環境の改善が続くなど緩やかな改善基調が続いております。

しかしながら、米国新政権における今後の経済政策や中国を始めアジア新興国の経済動向など世界経済の不確実性の高まりもあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような経済状況のもと、当社グループは「『ボルティング・ソリューション・カンパニー』として社会の発展に貢献し、地球上になくてはならない企業をめざす。」ことを企業理念に掲げ、「ボルト締結分野」においてお客様が求める価値を的確に捉え、「スピード感と一体感のある製品開発体制」を基軸に保有技術を有効的に活用し、「締付」をキーワードとした幅広い製品群の開発・製造・販売を推進し、より多くのお客様に「ボルト締結」に最適な手段を提供してまいりました。

併せて、デザインを一新した「次世代工具シリーズ」の積極的販売、主力製品「シヤーレンチ」製品群の販売強化に加え、充実のラインアップを誇る「ナットランナー」製品群の販路拡大、安全管理の要「トルク管理」製品群の売上拡大、さらにお客様要望に応えた特殊品対応を行うことにより市場深耕・新規市場開拓を図るなど売上高の伸長に懸命な努力をいたしました。

さらに、「TONEブランド戦略」として、モータースポーツを応援することを通じて、より多くの人々に工具の魅力を伝えることを目的に、レーサーサポートやレース協賛などを積極的に展開するとともに、現場の声に耳を傾け研究・開発に活かすことで、製品およびサービスの更なる進化と飛躍を目指すなど、新たなTONEの可能性を追求してまいりました。

その結果、作業工具類の売上高は、新製品群の投入効果、設備投資の増加や幅広く展開した販促活動などを背景に、31億2千6百万円(前年同期比6.3%増)となりました。機器類の売上高は、建築土木関連における計画のずれ込みなどの影響はありましたものの、売上伸長に懸命な努力を行い26億5千8百万円(前年同期比4.1%増)となりました。

従いまして、当連結会計年度における売上高合計は57億8千4百万円(前年同期比5.3%増)となりました。一方、損益面につきましては、東京オリンピックを控え、今後本格化する鉄骨土木建築の増加に備え、機器類製品を中心に在庫を積み増したことによる増産効果が製造原価低減に繋がったことや、滞留在庫の評価減が減少したことなどにより各利益は計画を上回り、営業利益は13億9千9百万円(前年同期比42.3%増)、経常利益は14億1千9百万円(前年同期比50.3%増)となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等を3億6千5百万円計上したことにより、10億5千2百万円(前年同期比87.6%増)となりました。

 

各セグメントの概要は、次のとおりであります。

 国内におきましては、作業工具類の売上に関しては、新製品群の積極的な販売を基軸に、購買意欲を高める拡販活動を展開し、機器類の売上に関しては、建築土木関連における数々の計画の遅れはありましたものの、売上伸長や新規市場開拓に懸命な努力をいたしました結果、売上高合計は44億円(前年同期比7.3%増)となりました。その内訳は、西日本全体が23億2千5百万円(前年同期比8.6%増)、東日本全体が20億7千4百万円(前年同期比5.9%増)であり、ともに前年同期を上回りました。

海外におきましては、北米市場における売上の鈍化に加え、中国、東アジア市場における売上の弱含みは解消されず、輸出合計は13億8千4百万円(前年同期比0.7%減)となり、前年同期を下回りました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3億8千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ2千8百万円の減少となりました。当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況のそれぞれの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動においては、たな卸資産の増加5億8千万円、法人税等の支払額3億6千8百万円等の資金の減少がありましたが、税金等調整前当期純利益14億1千7百万円等による資金の増加により、資金はプラス4億9千7百円(前連結会計年度はプラス4億9千4百万円)となりました。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動においては、投資有価証券の売却による収入1千7百万円等がありましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出1億5千2百万円等の資金減少により、資金はマイナス1億4千万円(前連結会計年度はマイナス5千4百万円)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動においては、長期借入による収入5千万円がありましたが、長期借入金の返済に2億7千3百万円、配当金の支払に1億2千3百万円等を支出したことにより、資金はマイナス3億8千6百万円(前連結会計年度はマイナス4億8千1百万円)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

西日本

3,077,426

133.6

東日本

2,943,926

132.4

海外

1,597,260

117.0

合計

7,618,614

129.3

 

(注) 1 金額は、販売価格(代理店価格)に基づいております。

2 上記の生産実績には、仕入商品を含んでおります。

3 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

見込生産によっているため、受注高ならびに受注残高について記載すべき事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

西日本

2,325,891

108.6

東日本

2,074,587

105.9

海外

1,384,415

99.3

合計

5,784,894

105.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

トラスコ中山㈱

1,082,310

19.7

1,275,243

22.1

㈱山善

752,797

13.7

834,474

14.5

㈱イチネン前田

509,333

9.3

651,425

11.3

 

3 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

ボルティング・ソリューション・カンパニーとしてボルト締結に係るすべての課題を解決していくとともにお客様要望を的確に捉え、信頼、安心そして満足を与える製品を供給し、社会への貢献を果たしていく。

(企業理念)

 「ボルティング・ソリューション・カンパニー」として社会の発展に貢献し、地球上に無くてはならない企業をめざす。

(4つの約束)

1.社員の幸せの実現

 ・雇用の保証と生活の安定の実現

 ・自己啓発への援助

2.社会への貢献

 ・健全な経営の継続

 ・地域社会の雇用創造と収益還元

3.顧客との約束

 ・優れた製品とサービスの安定供給

 ・信頼に足る品質の提供

 ・納期の厳守

4.株主との約束

 ・利益責任の完遂

 ・永続的企業発展の基盤充実

(2)目標とする経営指標

現状といたしましては、連結売上高及び各損益(連結営業利益、連結経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)を重要な経営指標としております。次期につきましては、連結売上高62億6千万円、連結営業利益11億5千万円、連結経常利益11億8千万円、親会社株主に帰属する当期純利益7億2千万円を目標としております。

また、グローバルな視点での製造・販売の最適化を重点課題と位置づけ、グループ協働で売上拡大に務めてまいります。

(3)中期的な会社の経営戦略

①生産力の強化

より一層の品質管理の向上を図りながら各種製品の製作工期を短縮・納期遵守するとともに、生産効率の向上を図り、経費圧縮に努め、積極的な原価低減に取り組んでまいります。

②販売力の強化

より多くのユーザーに使ってもらうために、4Pの強化:製品戦略の強化(product)、価格戦略の強化(price)、流通戦略の強化(place)、販売戦略の強化(promotion)に取り組み、製品販売拡大を図ります。また、海外においては欧州、南米、インドなど新規国市場へのアプローチを積極的に行い売上確保に努めてまいります。

③開発力の強化

「安全性」、「信頼性」をキーワードに新製品開発によるブランド力の強化を最重要項目に掲げ、トルク管理機器の開発強化に努め、新技術の研究開発にも取り組み、新分野への対応力の強化を図ってまいります。

④品質力の強化

「ボルト締結分野」において顧客要望を的確に捉え、スピード感のある製品の開発・提供、技術サポート体制を強化するとともに顧客ニーズに適応したきめ細かいソリューション、サービスを提供し顧客満足度の向上を図ってまいります。

⑤財務体質の強化

適正な利益の獲得を継続的に実現し自己資本を充実させるとともに,キャッシュ・フロー重視の財務政策及び有利子負債の圧縮を進め筋肉質の財務体質への改善を図ってまいります。

⑥人財の育成

「企業は人なり」を念頭に置き、明確な目的、目標を持ち、その役割を自覚した人材から人財への育成に注力いたします。

⑦海外事業の展開

今後の事業展開の中の最重要施策としてグローバル展開・戦略の構築があり、増大する収益機会を確実に捕捉するためベトナムでの事業展開計画を着実に進めてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの主要な市場である国内外の市場において、企業収益悪化による設備投資の減少やエンドユーザーである個人の消費動向の減退が、製品需要の減少や競合他社の低価格戦略等による価格競争の激化に進展する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼすと考えられます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済動向による影響について

当社グループの主要な市場である国内外の市場において、企業収益悪化による設備投資の減少やエンドユーザーである個人の消費動向の減退が、製品需要の減少や競合他社の低価格戦略等による価格競争の激化に進展する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼすと考えられます。

 

(2)原材料価格の変動による影響について

当社グループは、よりコストパフォーマンスが高く品質の良い製品をつくるべく原材料購入に際しては最大限の注力を払っておりますが、特殊鋼をはじめとする金属素材やその他の原材料価格が高騰した場合、原材料購入価格が上がり製造コストが上昇することが考えられます。

 

(3)販売経路について

当社グループは、機械工具商ルートを中心に販売しておりますが、急速な流通の変革により既存の取引先の業績が悪化し、当社グループの売上高に影響を及ぼすことが考えられます。

 

(4)品質問題による影響について

当社グループは、品質マネジメントシステムISO9001を取得し、その国際規格に基づき、品質等に関する問題が生じないよう厳格な品質管理のもと製品を開発し製造しております。しかし、すべての製品について欠陥がなく、将来においてクレームが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループに対する評価に多大な影響を与え、それによる売上の低下は経営成績および財務状況に重要な影響を及ぼすことが考えられます。

 

(5)債権の貸倒れによる影響について

当社グループは、特に事業の継続性に不安定な取引先に依存していることはありませんが、取引先の倒産や経営不安等により債権回収に支障が生じた場合、当社グループの損益に影響を及ぼすと考えられます。

 

(6)有価証券価額の変動による影響について

当社グループは、主要取引先や取引金融機関と持ち合いにより株式を保有しておりますが、株式市場および経済環境、企業収益の動向によって株価が下落した場合、減損処理による評価損が発生し、当社グループの損益に影響を及ぼすことが考えられます。

 

(7)大規模災害による影響について

当社グループは、不測の災害に備え、危機管理体制の整備に取組んでおりますが、生産施設で発生する災害その他の事象による影響を完全に防止できる保証はなく、生産・納品活動が停止し、経営成績および財務状況に重要な影響を及ぼすことが考えられます。

 

(8)在庫の評価替によるリスクについて

当社グループは、綿密な市場調査により需要予測を立て製品を製造し、また、商品を仕入れて販売しております。しかしながら、その需要予測を誤ったり、あるいは景気の悪化等で販売不振に陥れば在庫の滞留期間が長期化し在庫の評価替を行う必要が生じます。このような在庫の評価替が、当社グループの損益に影響を及ぼすことが考えられます。

 

(9)模倣品の出現による影響について

当社グループは、ブランドの重要性を認識し、国内外でのブランド価値向上を目指しております。また、模倣品対策として、国内外での商標の出願及び登録を実施しておりますが、当社ブランドの模倣品が市場に出回った場合、当社グループのブランド価値を毀損し、当社グループの経営成績及び財務状況に重要な影響を及ぼすことが考えられます。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

ボルト締結工具をお客様に提供させてもらうに当り、便利で使いやすく、そして長く使っていただけるものを目指し研究開発活動に取り組んでまいりました。
 また、ブランドであるTONEのロゴをデザインに折り込む事で印象に残る工具としてより多くのお客様にTONEの工具を知っていただくためにリニューアルを進めてまいりました。

 

手動工具製品は総合工具メーカーを目指すべく新製品の開発に注力しました。中でもエアー製品としましてはインパクトレンチに止まらず、エアーダブルアクションサンダー、エアーグラインダー、エアーサンダー等のボルト締結分野以外の製品をラインナップしエアー製品群の拡充を実施しました。
 また、トルク管理機器ではトルクレンチ製品群に落下防止モデルのトルクレンチやヘッド差替え式のトルクレンチをラインナップに加えました。さらにお客様自身でのトルクチェックを可能にしたトルクチェッカー等の試験機もラインナップとして揃えました。
 今後は、主力製品である工具セットについて、新しい収納トレーとしてカーボン調トレーを採用し、見た目の良さ、収納性の良さ、高強度を実現した新たなセット品での展開を進めてまいります。本格的なモータースポーツ活動に取り組む事で、お客様のニーズに合った新製品開発や製品改善へのフィードバックを実施することでより良い製品作りと共にTONEブランドの認知度をアップし、車好き、工具好き、工具を触る楽しさの創造を行っていきます。

 

電動工具製品におきましては、海外向けのナットランナーをリニューアルしました。5機種の標準型レンチでは150Nmから2,100Nmまで、狭所用として3機種のコーナー型レンチで350Nmから2,100Nmまでをカバーできるレンチを発売しました。
 各参業界にも目を向けており、鉄道業界向けにねじ釘締付用レンチ、自動車業界向けに生産ライン用の4軸ナットランナー等を開発しました。今後も各産業界からの需要に積極的に応え続けてまいります。
 また、研究開発としては、航空業界向けのリトルクレンチに関してより深く業界に浸透すべく、次年度の製品化を目指しさらなる機能追加への課題に取り組みます。さらに産学連携での案件として軸力をコントロールするレンチの開発を開始しました。
 今後は、ナットランナーの多様性を軸に土木、建築業界に関わらず、より産業分野への展開を図れるよう、製品作りに注力していきます。手動工具、電動工具共に広い分野から様々な要求に迅速にこたえていき、これからの新製品開発の足掛かりになるように努めてまいります。そして真の総合工具メーカーとして、努力しつづけてまいります。

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は65,114千円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

①資産

当連結会計年度末の資産合計は、71億5千1百万円(前連結会計年度末61億9千2百万円)となり前連結会計年度末に比べ9億5千8百万円増加しました。この主な要因は、流動資産においては受取手形及び売掛金の増加2億5千1百万円、商品及び製品の増加2億9千1百万円等によるものであり、固定資産においては、投資有価証券の増加1億2千1百万円、土地の増加4千1百万円等によるものであります。

 

②負債

当連結会計年度末の負債合計は、21億3千3百万円(前連結会計年度末21億9千1百万円)となり前連結会計年度末に比べ5千7百万円減少しました。この主な要因は、支払手形及び買掛金の増加による1億3千6百万円、長期借入金の減少による1億8千9百万円等によるものであります。

 

③純資産

当連結会計年度末の純資産合計は、50億1千7百万円(前連結会計年度末40億1百万円)となり前連結会計年度末に比べ10億1千6百万円増加しました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加9億2千8百万円等によるものであります。

 

(2) 経営成績の分析

「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績」をご参照ください。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。