当期の世界経済は欧州債務問題や中国経済の景気減速など一部に弱さがみられました。我が国経済においては、企業業績や所得、雇用環境に改善傾向が見られ、設備投資にも持ち直しの動きが見られるなど景気は緩やかな回復基調を辿りました。
当業界におきましては、首都圏を中心とした大型再開発物件、東京五輪関連施設の建設が開始され、鉄骨需要量は堅調に推移してまいりました。一方で、人手不足などによる工期遅れなどにより、一部の事業主が発注や着工を見合わせるなど、需要の端境期も見受けられております。
こうした端境期の影響を受け、鉄骨事業の受注高は、7.4%減となりました。また、プレキャストコンクリート事業の受注高は、主力製品の一つである高層型マンション向けの受注が減少したことで、前期比79.9%減となりました。
事業全体としましては、受注に鋭意努力した結果、当期末の受注残高は前期比の0.5%増の11,399百万円となりました。
また、完成工事高は前期に比べ、2.0%増の18,061百万円となりました。
(鉄骨事業)
主な受注工事は、赤坂一丁目地区第一種市街地再開発事業施設建築物等新築工事及び既存建築物等解体・除去工事、(仮称)新日比谷プロジェクト新築工事、(仮称)日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業(C街区)新築工事、東京大学医学部附属病院病棟(Ⅱ期)新営その他工事、(仮称)丸ノ内3-2計画及び(仮称)三井製糖株式会社岡山事業所物流倉庫新築工事であります。
主な完成工事は、(仮称)新鉄鋼ビル建替計画、大手町一丁目第3地区第一種市街地再開発事業新築工事、新宿駅新南口ビル(仮称)他新設、(仮称)紀尾井町計画オフィス・ホテル棟新築工事、(仮称)ペンブローク六本木7丁目計画及び(仮称)ゆめタウン廿日市新築工事であります。
(プレキャストコンクリート事業)
主な受注工事は、東京大学(本郷)クリニカルリサーチセンター施設整備事業工事、(仮称)小学館ビル新築工事及び(仮称)日本通運株式会社東京支店新東京物流センター新築工事であります。
主な完成工事は、(仮称)中央区晴海二丁目マンション計画(第2期/C2街区)新築工事、京急蒲田西口駅前地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事及び大手町一丁目第3地区第一種市街地再開発事業新築工事であります。
損益面では、今期に受注した工事の採算性が改善したことに伴い、585百万円(前期比700.1%増)の営業利益となりました。
営業外損益は、前期比31百万円減の143百万円の益となり、結果として728百万円(前期比193.3%増)の経常利益となりました。
当期純利益は、713百万円(前期比253.3%増)となりました。
なお、当社は建設業以外の事業を営んでいないため、セグメントに関する業績は記載しておりません。
営業活動によるキャッシュ・フローは、未成工事支出金の増加があるものの、売上債権の大幅な減少等により、2,330百万円の資金増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等による支出があるものの、定期預金の払戻や有価証券の償還等による収入により、46百万円の資金増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済と配当金の支払による支出により、1,887百万円の資金減少となりました。
以上の結果、「現金及び現金同等物」は490百万円増加し、当期末残高は924百万円となりました。
| 前事業年度 (自 平成25年10月1日 至 平成26年9月30日) | 当事業年度 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) | ||||
製品別 | 数量 (屯・m3) | 金額 (千円) | 構成比 (%) | 数量 (屯・m3) | 金額 (千円) | 構成比 (%) |
鉄骨 | 73,165 | 16,264,590 | 92.7 | 68,919 | 17,429,355 | 93.8 |
プレキャスト コンクリート | 17,269 | 1,277,612 | 7.3 | 16,565 | 1,146,500 | 6.2 |
合計 | ― | 17,542,203 | 100.0 | ― | 18,575,856 | 100.0 |
(注) 1.生産実績は、契約高に出来高比率を乗じて算出しています。
2.生産高には、外注生産を含んでいます。
イ.受注高
| 前事業年度 (自 平成25年10月1日 至 平成26年9月30日) | 当事業年度 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) | ||||
製品別 | 数量 (屯・m3) | 金額 (千円) | 構成比 (%) | 数量 (屯・m3) | 金額 (千円) | 構成比 (%) |
鉄骨 | 79,851 | 19,142,821 | 91.0 | 65,281 | 17,731,803 | 97.9 |
プレキャスト コンクリート | 28,374 | 1,900,074 | 9.0 | 2,781 | 382,058 | 2.1 |
合計 | ― | 21,042,895 | 100.0 | ― | 18,113,861 | 100.0 |
ロ.受注残高
| 前事業年度 (自 平成25年10月1日 至 平成26年9月30日) | 当事業年度 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) | ||||
製品別 | 数量 (屯・m3) | 金額 (千円) | 構成比 (%) | 数量 (屯・m3) | 金額 (千円) | 構成比 (%) |
鉄骨 | 42,153 | 10,444,140 | 92.0 | 40,789 | 11,190,944 | 98.2 |
プレキャスト コンクリート | 15,374 | 903,007 | 8.0 | 1,944 | 208,448 | 1.8 |
合計 | ― | 11,347,147 | 100.0 | ― | 11,399,392 | 100.0 |
| 前事業年度 (自 平成25年10月1日 至 平成26年9月30日) | 当事業年度 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) | ||||
製品別 | 数量 (屯・m3) | 金額 (千円) | 構成比 (%) | 数量 (屯・m3) | 金額 (千円) | 構成比 (%) |
鉄骨 | 75,093 | 16,427,923 | 92.8 | 66,646 | 16,984,999 | 94.0 |
プレキャスト コンクリート | 17,139 | 1,279,518 | 7.2 | 16,211 | 1,076,617 | 6.0 |
合計 | ― | 17,707,441 | 100.0 | ― | 18,061,616 | 100.0 |
(注) 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高およびその割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前事業年度 | |
販売高(千円) | 割合(%) | |
鹿島建設㈱ | 8,184,494 | 46.2 |
大成建設㈱ | 3,022,942 | 17.1 |
㈱大林組 | 2,164,567 | 12.2 |
相手先 | 当事業年度 | |
販売高(千円) | 割合(%) | |
鹿島建設㈱ | 8,158,179 | 45.2 |
㈱竹中工務店 | 1,940,267 | 10.7 |
㈱大林組 | 1,913,391 | 10.6 |
大成建設㈱ | 1,876,842 | 10.4 |
受注環境は好転して来たものの、一方で人件費、輸送価格等が高騰し、人材の確保や設備の改善等に投資して行く為には、十分な利益水準とは言い難い状況です。今後、継続的に出件される大型鉄骨工事に対応して行く必要があり、そのために、生産部門の技術力強化、生産設備の充実、そしてコストの徹底した削減などを行ってまいります。
具体的には、
① 設計・現寸の統合化により生産設計部を設立した事で工程管理の充実と迅速な生産工程の順守に努めてまいります。
② 間接部門においても、諸経費の徹底的な見直しと人的資源の精鋭化を図って行く事で、より一層の充実を図ります。
③ 中堅から若手社員に至る全社員に対して、業務面での改革・革新を自ら実行するための意識改革教育を引き続き行ってまいります。
当社の経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因については、以下のものがあります。
当社の主力製品である建築鉄骨は、オフィスビル、工場、商業施設、公共施設等に使用されます。需要家区分では、民間向けが主であります。したがって、当社の業績は民間の建築投資の動向により影響を受ける可能性があります。
当社の主な顧客は総合工事業者(いわゆる「ゼネコン」)であります。決済条件の関係から未成工事の収支差を加えた「広義」の売上債権は多額となっております。成約および決済条件の約定に際しては、顧客の信用状態に十分留意するとともに、その早期の回収を旨としております。
当事業年度において、経営上の重要な契約等はありません。
当事業年度は、①エレクロスラグ溶接(ESW)における新溶接材料の性能確認及び②ボックス柱角継手の開先形状と溶接材料の組み合わせの確認試験などを行ってきました。
① ESWの新溶接材料は、550N/mm2級鋼材(J社)を対象にフラックス入りワイヤを用いた場合の施工性と機械的性能を確認することを目的とします。
② BOX柱角継手は、550N/mm2級鋼材(J社)とSAW溶接材料US-36L(ワイヤ)・PF-I53ES(フラックス)を組み合わせた場合の施工性と機械的性能を確認することを目的とします。
来年度は、内ダイアフラムに550N/mm2級鋼材を用いる場合において、内ダイアフラム溶接熱影響部の軟化度合いが継手強度に及ぼす影響を検討するため、継手の板幅と継手板厚をパラメータとして、継手性能確認実験を実施する計画であります。
なお、日本鋼構造協会の研究委員会、鉄骨建設協会の技術委員会にも積極的に参加し、当社技術レベルアップに努めております。
当事業年度における研究開発費は、1百万円であります。
総資産は、前事業年度の23,074百万円から21,323百万円に1,750百万円減少しました。現金預金、未成工事支出金及び前払年金費用等の増加があるものの、完成工事未収入金、受取手形及び投資有価証券等の減少によるものであります。
総負債は、未払費用及び賞与引当金が増加したものの、短期借入金、工事未払金、補償損失引当金及び退職給付引当金等が減少により2,455百万円の減となりました。
純資産は、当期純利益及び退職給付債務の会計方針の変更による累積的影響額の増加により、705百万円の増となりました。
当期は、今期に受注した工事の採算性が改善したことに伴い、585百万円(前期比700.1%増)の営業利益となり、営業外損益は前期比31百万円減の143百万円の益となり、結果として728百万円(前期比193.3%増)の経常利益となりました。
当期純利益は、713百万円(前期比253.3%増)となりました。
キャッシュ・フローは、短期借入金の返済及び配当金の支払による支出及び未成工事支出金の増加による支出があるものの、売上債権の大幅な減少等により、前期比490百万円増加し、期末残高は924百万円となりました。
次期は、上期は端境期の影響を受けて一進一退の状況が続くと思われますが、下期以降は再び旺盛な需要が見込まれると考えております。
当社は、経営の原点に立ち戻り、「良い品質・低い原価・早い仕事」を目指します。