第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度の我が国経済は、個人消費、設備投資の伸びも見られ、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、北東アジア情勢等の緊張による不確実性の高まりや企業の人手不足感がバブル経済期の水準を超える等、経済全体に与える先行き不透明感も一部にはあります。

当業界におきましては、材料費、外注費の高騰等、調達環境に変化が見られますが、設計変更、図面作成の遅れなどで期ずれしていた物件が順調に出件し始め、首都圏を中心とした大型再開発案件、東京五輪関連施設の建設等の本格始動に伴い、鉄骨需要量は堅調に推移しております。                

こうした中、当社におきましては、鉄骨事業の受注高は、営業活動を積極的に展開した結果、前年同期比23.2%増となりました。また、プレキャストコンクリート事業の受注高は、主力製品である高層型マンションの構造部材の受注回復により、前期比62.6%増になりました。
 事業全体としては、好受注環境の中、戦略的な営業展開をした結果、当期末の受注残高は、42.7%増の18,704百万円となりました。
 また、完成工事高は前期に比べ、6.7%増の19,587百万円となりました。

 

(鉄骨事業)

主な受注工事は、「(仮称)OH-1計画新築工事」、「(仮称)竹芝地区開発計画(業務棟)新築工事」、「新国立競技場整備事業(第Ⅱ期)」、「(仮称)京橋一丁目東地区永坂産業京橋ビル新築工事」、「熊本都市計画桜町地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事(東工区)」、「(仮称)ディスコ桑畑工場A棟Cゾーン増築計画」であります。

主な完成工事は、「(仮称)日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業(C街区)新築工事」、「赤坂一丁目地区第一種市街地再開発事業施設建築物等新築工事」、「西品川一丁目地区第一種市街地再開発事業(A街区)施設建築物新築工事及び公共施設工事」、「(仮称)広島西部SCプロジェクト」、「広島橋上駅新築他工事」であります。

 

(プレキャストコンクリート事業)

主な受注工事は、「武蔵小山パルム駅前地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事」、「(仮称)横浜市中区北仲通5丁目計画」、「乃木坂ナショナルコートマンション建替事業」であります。

主な完成工事は、「二俣川駅南口地区第一種市街地再開発事業」、「(仮称)国分寺駅北口地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事(東街区棟)」、「(仮称)東松戸2丁目計画新築工事」であります。

 

損益面では、工事の採算性が改善したことに伴い、営業利益は2,848百万円(前期比30.9%増)、経常利益は2,963百万円(同30.1%増)となりました。
 特別利益に損害賠償損失引当金戻入額57百万円を計上した一方、特別損失に補償損失引当金繰入額及び退職給付制度移行損失329百万円を計上し、繰延税金資産を見直した結果、税金費用も増加したため、当期純利益は2,151百万円(同4.9%増)となりました。

なお、当社は建設業以外の事業を営んでいないため、セグメントに関する業績は記載しておりません。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税引前当期純利益が2,691百万円の計上及び売上債権の増加により、2,350百万円の資金増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等による支出により、802百万円の資金減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により、240百万円の資金減少となりました。

以上の結果、「現金及び現金同等物」は1,307百万円増加し、当期末残高は4,073百万円となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 

前事業年度

(自 平成27年10月1日

  至 平成28年9月30日)

当事業年度

(自 平成28年10月1日

  至 平成29年9月30日)

製品別

数量

(屯・m3)

金額

(千円)

構成比

(%)

数量

(屯・m3)

金額

(千円)

構成比

(%)

鉄骨

60,509

17,730,913

96.4

61,614

18,408,382

95.5

プレキャスト

コンクリート

6,028

659,626

3.6

8,289

863,100

4.5

合計

18,390,540

100.0

19,271,482

100.0

 

 

(注) 1.生産実績は、契約高に出来高比率を乗じて算出しています。

2.生産高には、外注生産を含んでいます。

 

(2) 受注状況

イ.受注高

 

前事業年度

(自 平成27年10月1日

  至 平成28年9月30日)

当事業年度

(自 平成28年10月1日

  至 平成29年9月30日)

製品別

数量

(屯・m3)

金額

(千円)

構成比

(%)

数量

(屯・m3)

金額

(千円)

構成比

(%)

鉄骨

63,673

18,911,885

94.2

77,010

23,305,956

92.5

プレキャスト

コンクリート

11,276

1,156,403

5.8

19,868

1,879,818

7.5

合計

20,068,289 

100.0

25,185,774

100.0

 

 

ロ.受注残高

 

前事業年度

(自 平成27年10月1日

  至 平成28年9月30日)

当事業年度

(自 平成28年10月1日

  至 平成29年9月30日)

製品別

数量

(屯・m3)

金額

(千円)

構成比

(%)

数量

(屯・m3)

金額

(千円)

構成比

(%)

鉄骨

43,731

12,481,698

95.2

58,365

17,064,794

91.2

プレキャスト

コンクリート

6,707

624,608

4.8

18,270

1,640,135

8.8

合計

13,106,306 

100.0

18,704,929

100.0

 

 

 

(3) 販売実績

 

前事業年度

(自 平成27年10月1日

  至 平成28年9月30日)

当事業年度

(自 平成28年10月1日

  至 平成29年9月30日)

製品別

数量

(屯・m3)

金額

(千円)

構成比

(%)

数量

(屯・m3)

金額

(千円)

構成比

(%)

鉄骨

60,731

17,621,131

96.0

62,376

18,722,860

95.6

プレキャスト

コンクリート

6,513

740,243

4.0

8,305

864,291

4.4

合計

18,361,375 

100.0

19,587,151

100.0

 

 

(注) 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高およびその割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

販売高(千円)

割合(%)

鹿島建設㈱

9,056,795

49.3

㈱大林組

2,725,028

14.8

 

 

相手先

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

鹿島建設㈱

7,506,755

38.3

大成建設㈱

3,059,702

15.6

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

建設業は人間社会に不可欠の事業であるとの信念のもと、当社は、斯業の発展、高度化に身を投じ、進んで変革、脱皮を遂げ続けるということを経営の基本方針としております。

当社は、日々の事業活動において、「より良い品を、より安く、より早く」を貫き通すことを社是としておりますが、この原則が人々の営みの基礎にあってこそ、社会は発展するということを信じて疑わないからであります。

 

鉄骨需要の回復および市況の改善にともない、経営環境が好転しておりますが、一方で原材料価格や人件費等の高騰、東京五輪閉幕後の需要変動への備え等、必ずしも事業性の回復を楽観できる状況ではありません。当社は市況改善のみに期待することなく、引続き生産部門の技術力強化、生産設備の充実、品質管理の徹底、人材の確保・育成などに取り組んでまいります。

具体的には、

① 生産設計部を中心に、高度な要求品質に応えられる生産体制構築に努めてまいります。

② 生産性向上を目的に、工場レイアウトの見直し、製造設備の新設・更新に取り組んでまいります。

③ 品質管理に取り組むことにより、手直しの削減をはかり、より一層顧客より信頼される企業を目指してまいります。

④ 人材の確保に努め、技術の継承、安全の徹底等の教育に取り組んでまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社の経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因については、以下のものがあります。

① 事業環境について

当社の主力製品である建築鉄骨は、オフィスビル、マンション、工場、商業施設、公共施設等に使用されます。需要家区分では、民間向けが主であります。したがって、当社の業績は民間の建築投資の動向により影響を受ける可能性があります。

 

② 完成工事未収入金等の債権回収リスクについて

当社の主な顧客は総合工事業者(いわゆる「ゼネコン」)であります。決済条件の関係から未成工事の収支差を加えた「広義」の売上債権は多額となっております。成約および決済条件の約定に際しては、顧客の信用状態に十分留意するとともに、その早期の回収を旨としております。 

 

③ 品質管理について

当社の製品である鉄骨・プレキャストコンクリートは、建築物に使用されるため、耐久性等高い品質が求められます。そのため、製品に瑕疵等があり顧客の求める品質に至らない場合、作り直し等の要求や、補修、改修等が求められることが考えられ、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 労働災害について

当社ではグループを含めた従業員、協力会社従業員に対する安全教育を行い、労働災害の未然防止に努めております。しかしながら当社グループ、協力会社従業員に不測の事態が発生した場合、取引先からの取引停止、損害賠償の請求がなされる等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当事業年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

6 【研究開発活動】

当事業年度は、溶接組立箱型断面柱に着目して、鉄骨製作(溶接施工)の高能率化を図る目的として、前事業年度から取組んできた①板厚55mm~70㎜を対象に1パスサブマージアーク溶接工法、②大断面(計1300㎜以上)内ダイアフラムESWの基礎実験を行ってきました。

来年度は、鉄骨製作(溶接施工)の高能率化を図る目的として、これらの基礎実験結果を踏まえて、実際の溶接組立箱型断面柱を対象に、実用化を目的とした実証実験を実施する予定であります。

また、外部活動としては、日本建築学会、日本鋼構造協会、鉄骨建設協会の委員会にも積極的に参加し、鉄骨業界全体の発展と先端技術情報の入手、当社技術レベルのボトムアップに努めております。

当事業年度における研究開発費は、6百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 財政状態の分析

総資産は、前事業年度末の23,184百万円から当事業年度末は25,650百万円となり、2,466百万円増加しました。これは未成工事支出金、繰延税金資産及び前払年金費用等が減少したものの、現金預金、受取手形、完成工事未収入金、機械装置及び投資有価証券等の増加によるものであります。
 総負債は、前事業年度末の4,412百万円から当事業年度末は4,798百万円となり、385百万円増加しました。これは損害賠償損失引当金等が減少したものの、工事未払金、未払金及び補償損失引当金等の増加したこと等によるのものであります。
 純資産は、前事業年度末の18,771百万円から当事業年度末の20,852百万円となり、2,080百万円増加しました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。

 

(2) 経営成績の分析

損益面では、工事の採算性が改善したことに伴い、営業利益は2,848百万円(前期比30.9%増)、経常利益は2,963百万円(同30.1%増)となりました。
 特別利益に損害賠償損失引当金戻入額57百万円を計上した一方、特別損失に補償損失引当金繰入額及び退職給付制度移行損失329百万円を計上し、繰延税金資産を見直した結果、税金費用も増加したため、当期純利益は2,151百万円(同4.9%増)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税引前当期純利益が2,691百万円の計上及び売上債権の増加により、2,350百万円の資金増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等による支出により、802百万円の資金減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により、240百万円の資金減少となりました。

以上の結果、「現金及び現金同等物」は1,307百万円増加し、当期末残高は4,073百万円となりました。

平成30年9月期の見通してとして、上期は、前期に受注した工事案件が売上を押し上げる要因としてありますが、下期は工事案件の東京一極集中による受注競争の影響により売上が減少する見込みです。さらに、人件費の上昇、材料費の高騰、輸送費の増加等、コストの増加が懸念材料としてあります。

当社は、経営の原点に立ち戻り、「良い品質・低い原価・早い仕事」を目指します。