第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

建設業は人間社会に不可欠の事業であるとの信念のもと、当社は、斯業の発展、高度化に身を投じ、進んで変革、脱皮を遂げ続けるということを経営の基本方針としております。

当社は、日々の事業活動において、「より良い品を、より安く、より早く」を貫き通すことを社是としておりますが、この原則が人々の営みの基礎にあってこそ、社会は発展するということを信じて疑わないからであります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、企業価値の向上を図るため、持続的な成長を目標に掲げ、成長性と収益性を重要な経営上の指標としております。これに基づき、売上高と営業利益を具体的な指標と捉え、財務体質の強化に努めております。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題

首都圏を中心とした大型再開発案件の出件があるものの、新型コロナウイルス感染症流行の影響による経済活動の落ち込みや、中小規模の建設案件での設備投資の縮小・延期等による受注競争の激化に加え、技術者・技能者の確保、原材料価格等の高騰、働き方改革をはじめとした関係法令への対応など、当社を取り巻く経営環境は予断を許さない状態が続いております。当社はこのような経営環境の中、引き続き生産部門の技術力強化、生産設備の充実、品質管理の徹底、人材の確保・育成、社内システムの見直しなどに取り組んでまいります。

具体的には、

① 千葉第一工場をはじめとして、生産設計部を中心に高度な要求品質に応えられる製作基盤体制の再構築を図り、限られた受注機会を確実に獲得できる体制を整えるとともに、効率的な業務運営に努めてまいります。

② 新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を継続するとともに、在宅勤務等が可能なITインフラ整備を行い、業務停滞が生じない体制構築に努めてまいります。

③ ISOに基づいた品質管理体制を徹底するとともに、無駄の排除と迅速な生産工程の遵守に努め、さらに顧客より信頼される企業を目指してまいります。

④ 人材の確保に努め、技術の継承、安全の徹底等の教育に取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)事業環境について

当社の主力製品である建築鉄骨は、オフィスビル、マンション、工場、商業施設、公共施設等に使用されます。需要家区分では、民間向けが主であります。したがって、当社の業績は民間の建築投資の動向により影響を受ける可能性があるため、外部環境の変化やお客様のニーズを的確に捉えてビジネスチャンスに繋げていけるよう、全社一丸となって努力し、リスクの最小化に努めております。

 

 

(2)完成工事未収入金等の債権回収リスクについて

当社の主な顧客は総合工事業者(いわゆる「ゼネコン」)であります。決済条件の関係から未成工事の収支差を加えた「広義」の売上債権は多額となっており、工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、工事代金の回収不能のリスクがあるため、成約及び決済条件の約定に際しては、顧客の信用状態に十分留意するとともに、その早期の回収に努めております。 

 

(3)品質管理について

当社の製品である鉄骨・プレキャストコンクリートは、建築物に使用されるため、耐久性等高い品質が求められます。そのため、製品に瑕疵等があり顧客の求める品質に至らない場合、作り直し等の要求や、補修、改修等が求められることが考えられ、当社の業績に影響を与える可能性があるため、仕様や品質等に関する契約上の要求水準を的確に把握するとともに、過去の不具合事例の周知等を実施しております。

 

(4)鋼材価格の変動について

当社の製品である鉄骨の主要材料は鋼材であり、鋼材価格が高騰した際、上昇分が受注価格に速やかに反映されない場合は、当社の業績に影響を与える可能性があるため、幅広い供給元から鋼材の安定供給に努めております。

 

(5)労働災害について

当社ではグループを含めた従業員、協力会社従業員に対する安全教育を行い、労働災害の未然防止に努めております。しかしながら当社グループ、協力会社従業員に不測の事態が発生した場合、取引先からの取引停止、損害賠償の請求がなされる等により、当社の業績に影響を与える可能性があるため、毎月、安全衛生の会議を行い周知・徹底しております。

 

(6)人材確保について

当社の事業は、専門性を有した技術者・技能者により支えられており、優秀な人材の確保と育成、定着率が重要な課題となります。しかしながら、少子高齢化による労働人口の減少により、必要な人材が確保出来なかった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があるため、新たな人員の獲得に向けた採用活動を積極的に展開するとともに、社員の定年後の継続雇用を図り、人員の確保に努めております。

 

(7)情報システムに関するリスクについて

当社は、情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築・運用しており、情報システム運営上の安全性確保に取り組んでおりますが、外部からの不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、事故等により情報システムが不稼働になる可能性を完全に排除することができません。このような場合は、システムに依存している業務の効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては事業を中断する可能性があるため、関連部門を中心に情報管理体制を整えております。

 

(8)自然災害その他に関するリスクについて

当社は、地震・洪水等の自然災害や火災等の事故災害により社会的混乱等が発生し、設備の損壊や事業活動の停止があった場合、復旧の規模により、当社の経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があるため、東日本地区と西日本地区に工場を分散しており、自然災害等が発生した場合には関連部門を中心に対応策を協議の上、実行する体制を整えております。

 

(9)新型コロナウイルスの感染症によるリスクについて

当社は、新型コロナウイルス感染症が工場内や施工現場内等で感染者が発生した場合、一定期間操業停止になるなど、当社の事業活動に影響を与える可能性があるため、政府の方針や保健行政の指針等に基づき新型コロナウイルス感染症の防止策に取り組んでおります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により国内外の経済活動が抑制され、景気は急速に悪化しました。緊急事態宣言の解除後は経済活動が徐々に再開されましたが、感染者の拡大は増加が続いており、今後の先行きは予断を許さない状況が続いております。

当業界におきましては、新型コロナウイルス感染症による進行中の工事への影響は大きな混乱が生じるまでには至らなかったものの、長引く景気の悪化が鉄鋼メーカーの収益回復を著しく妨げている上、中小規模の案件では設備投資の縮小・延期等が始まっており、限られた需要をめぐってゼネコン同士の激しい受注競争が鉄骨単価を急激に押し下げており、先行きが大変厳しい環境にあります。引き続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策の継続と生産活動維持の両立等が重要な経営課題となっております。

このような状況の中、当社は受注に鋭意努力した結果、受注高は通期で前期比30.8%増の24,052百万円となりました。当期末の受注残高も、前期比37.5%増の15,164百万円となりました。

 

イ.財政状態

(資産の部)

当事業年度末における総資産は、前事業年度末の27,197百万円から当事業年度末は28,575百万円となり、1,378百万円増加しました。

流動資産は前事業年度末の19,990百万円から当事業年度末は20,234百万円となり、243百万円増加しました。これは未成工事支出金が482百万円減少したものの、現金預金が824百万円増加したことなどによるものです。固定資産は前事業年度末の7,206百万円から当事業年度末は8,341百万円となり、1,134百万円増加しました。これは時価の下落により投資有価証券が103百万円減少したものの、設備投資により有形固定資産が1,256百万円増加したことなどによるものです。

(負債の部)

当事業年度末における総負債は、前事業年度末の3,921百万円から当事業年度末は4,871百万円となり、950百万円増加しました。

流動負債は前事業年度末の3,283百万円から当事業年度末は4,108百万円となり、824百万円増加しました。これは工事未払金が642百万円及び未払法人税等が273百万円増加したことなどによるものです。固定負債は前事業年度末の637百万円から当事業年度末は763百万円となり、125百万円増加しました。これは役員退職慰労引当金が127百万円減少したものの、補償損失引当金が240百万円増加したことなどによるものです。

(純資産の部)

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末の23,276百万円から当事業年度末は23,704百万円となり、428百万円増加しました。これはその他有価証券評価差額金が74百万円減少したものの、利益剰余金が568百万円増加したことなどによるものです。

 

ロ.経営成績

ゼネコンの工期工程の遅延等により工場の稼働率が伸びず、完成工事高は前期に比べ13.8%減の19,913百万円となりました。

損益面では、採算性が向上したこと及び設計変更による増額が寄与したこと等により、営業利益は1,425百万円(前期比2.5%増)、経常利益は1,522百万円(同2.8%減)となりました。また、特別損失に補償損失引当金繰入額を240百万円計上した結果、当期純利益は801百万円(同27.1%減)となりました。

なお、当社は建設業以外の事業を営んでいないため、セグメントに関する業績は記載しておりません。

 

 

製品別の経営成績は、次のとおりであります。

(鉄骨)

受注高は、「虎ノ門一・二丁目地区第一種市街地再開発事業に伴う施設建築物新築建築工事」、「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業施設建築物A街区」、「関東学院大学関内キャンパス新棟建設工事」、「岐阜県庁舎行政棟建築工事」、「長崎TEC増強工事CR棟」、「(仮称)福山配送センター増築工事」、「(仮称)DPL広島観音新築工事」等の工事で22,330百万円(前期比26.4%増)であります。

売上高は、「銀座六丁目ホテル計画」、「(仮称)東新橋1丁目計画新築工事」、「コナミクリエイティブセンター銀座新築工事」、「(仮称)山下町A街区ホテル計画新築工事」、「(仮称)市川市新第一庁舎新築工事」、「株式会社神戸製鋼所加古川製鉄所3CGL建設工事中層棟・低層棟」、「マイクロンメモリジャパン合同会社F2棟およびC4棟プロジェクト」、「三隅発電所2号機新設工事のうち本館建物その他工事」等の工事で19,044百万円(同14.3%減)となり、これにより受注残高は14,121百万円(同30.3%増)となりました。

(プレキャストコンクリート)

受注高は、「(仮称)江東区亀戸6丁目計画(住宅棟)」、「(仮称)京急川崎本町計画」、「横須賀火力発電所1、2号機建設工事」等の工事で1,721百万円(同136.0%増)であります

売上高は、「(仮称)千葉県鴨川市浜荻計画」、「(仮称)京急川崎本町計画」、「(仮称)トーハン本社ビル新築計画」等の工事で868百万円(同0.9%減)となり、これにより受注残高は1,043百万円(448.3%増)となっております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より824百万円増加し、5,255百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は2,843百万円(前事業年度2,073百万円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益の計上1,282百万円、減価償却費の発生411百万円、未成工事支出金の減少482百万円及び仕入債務の増加642百万円などによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、支出した資金は1,700百万円(前事業年度375百万円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得等による支出等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、支出した資金は318百万円(前事業年度365百万円の支出)となりました。これは配当金の支払等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績

当事業年度における生産実績を製品ごとに示すと、次のとおりであります。

製品の名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

鉄骨

18,558

△17.0

プレキャストコンクリート

874

2.1

合計

19,432

△16.3

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

b. 受注実績

当事業年度における受注実績を製品ごとに示すと、次の通りであります。

製品の名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

鉄骨

22,330

26.4

14,121

30.3

プレキャストコンクリート

1,721

136.0

1,043

448.3

合計

24,052

30.8

15,164

37.5

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当事業年度における販売実績を製品ごとに示すと、次の通りであります。

製品の名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

鉄骨

19,044

△14.3

プレキャストコンクリート

868

△0.9

合計

19,913

△13.8

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次の通りであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

鹿島建設株式会社

10,781

46.7

6,114

30.7

清水建設株式会社

3,227

16.2

大成建設株式会社

2,578

12.9

 

2.前事業年度の清水建設㈱及び大成建設㈱については、売上高に占める割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.財政状態の分析

財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

ロ.経営成績の分析

(売上高)

売上高は、ゼネコンの工期工程の遅延等により工場の稼働率が伸びず、前事業年度に比べ3,189百万円減少し19,913百万円(前事業年度比13.8%減)となりました。その内訳は、鉄骨19,044百万円、プレキャストコンクリート868百万円であります。

(営業利益)

売上高は減少したものの、採算性が向上したこと及び設計変更等による増額が寄与した結果、売上総利益が62百万円増加し2,206百万円(前年同期比2.9%増)となりましたが、販売費及び一般管理費は、取締役の報酬制度を変更したことなどにより27百万円増加し781百万円(同3.7%増)となりました。

以上の結果、営業利益は、34百万円増加し1,425百万円(同2.5%増)となりました。

 

(当期純利益)

営業外収益は、鉄屑売却益の減少等により前事業年度と比較して16百万円減少し223百万円(前事業年度比6.8%減)となりました。営業外費用は、固定資産解体費用及び固定資産除却損等が増加したことにより前事業年度と比較して63百万円増加し126百万円(同100.2%増)となりました。

特別損益につきましては、特別損失に補償損失引当金繰入額を240百万円計上しております。

以上の結果、当期純利益は、297百万円減少し801百万円(同27.1%減)となりました。

 

 ハ.経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」をご参照ください。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末より824百万円増加し、5,255百万円となりました。当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(資金需要)

当社における資金需要の主なものは、製品製作のための原材料の購入、協力会社への人件費等の運転資金及び品質確保や作業効率化のための設備資金であります。

(財務政策)

当社は、運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則としておりますが、金利動向や負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要に応じて金融機関からの借入を実施しております。

資金の流動性については、余剰資金の有効活用に努めるとともに、さらに金融機関との間で当座貸越契約を締結する等により、急な資金需要にも備えております。

なお、当事業年度末において借入金の残高はありません。また、現金預金5,255百万円を保有しており、必要な資金は確保されていると認識しております。

 

③経営者の問題認識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

なお、2021年9月期の見通しにつきましては、2021年に延期になった東京オリンピック・パラリンピック開催により首都圏の再開発案件等の工程への影響及び少ない受注案件獲得のために激しい受注競争が予想されることから鉄骨単価の急激な下落による影響が懸念されております。

さらに、鋼材価格の高騰、輸送費の増加、人件費の上昇や技能工の確保などの不安材料もあり、先行きは不透明であります。

また、新型コロナウイルス感染症による影響は、経済活動及び企業活動に広範な影響を与える事象であり、今後の広がり方や収束時期について予測することが困難であります。よって、当社では外部の情報源に基づく情報等を踏まえ、今後、相当の期間にわたり当該影響が継続すると考えておりますが、感染症拡大がさらに拡大傾向になれば業績に影響する可能性があることから予断を許さない状況であります。

上記のような厳しい環境が想定されることから、来期は完成工事高は20,000百万円(当期比0.4%増)、営業利益900百万円(同36.8%減)、経常利益1,050百万円(同31.0%減)、当期純利益740百万円(同7.7%減)を見込んでおります。

 

④経営方針・経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照下さい。当社の当事業年度の数値目標は、2020年9月期において売上高20,000百万円、営業利益950百万円でありましたが、実績では、営業利益は1,425百万円で目標をクリアする事が出来ましたが、売上高はゼネコンの工期工程の遅延等により工場の稼働率が伸びず19,913百万円となり若干ですが目標を達成することはできませんでした。

2021年9月期においては、売上高20,000百万円、営業利益900百万円の目標達成に向け邁進してまいります。

 

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するために、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行っております。当社は、過去の実績や現在の状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積りを行っておりますが、見積りには不確実性を伴うことから、実際の結果とは異なることがあります。

当社の財務諸表の作成にあたり使用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

イ.完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上

当事業年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。また、工事原価総額の見積りが工事収益総額を上回る可能性が高く、かつ、その損失見込額を合理的に算定できる場合、当該損失見込額を損失が見込まれた期に工事損失引当金として計上しております。

なお、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度については信頼性をもって見積っておりますが、その見積りが変更された場合には、当該事業年度の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

ロ.繰延税金資産

当社は、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。しかしながら、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性の見直しが必要となった場合や税率の変更等を含む税制の変更があった場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。その結果、繰延税金資産の取崩が必要となった場合には、当該事業年度の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

新型コロナウイルス感染症の収束時期を予測することは困難でありますが、世界的な感染拡大に歯止めがかからず、国内においても大都市圏から地方への感染拡大や職場や家庭におけるクラスターが発生するなど予断を許さない状況が続いている一方、経済活動の再開と感染拡大防止の両立を模索する動きが見られるも、今後、相当の期間にわたり当該影響が継続すると仮定して、会計上の見積りを行っております。

なお、新型コロナウイルスによる経済活動への影響は不確実性が高いため、先述の仮定に状況変化が生じた場合は当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当事業年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

建築構造物の高層化に伴い、溶接組立箱形断面柱(以下、4面BOX柱)の鋼材の高強度化、極厚化、大断面化が進んでおり、4面BOX柱の製作に対して、溶接の高能率化が求められております。

そこで、当事業年度は4面BOX柱(角継手、内ダイアフラム継手)の生産性向上を図るために、

・4面BOX柱角継手の生産性向上の一環として、板厚80mm(550N/mm2級鋼材)を用いた 2パスSAWによる溶接実験

・4面BOX柱(550N/mm22級鋼材)の内ダイアフラム板厚70mm(従来は内ダイアフラム板厚65mmが溶接可能範囲)を対象に、内ダイアフラム溶接継手の高能率化溶接を目的として、エレクトロスラグ溶接(以下、ESW)による柱スキンプレートと内ダイアフラム板厚の組合わせの差(3、4、5サイズ差)が、ESW部の機械的性能に与える影響に関する溶接実験

等の溶接実験を実施し、いずれも健全溶接継手で良好な機械的性能が得られました。この研究成果の一部と昨年度の研究成果の一部は、2020年度建築学会論文大会に論文を投稿致しました。

来年度も、鉄骨製作の生産性向上(溶接の高能率化)に焦点を当てて、以下の研究テーマを計画しております。

① 当事業年度継続研究テーマとして、柱スキンプレートの強度レベルを590N/mm22級鋼材に着目して、内ダイアフラム板厚70mm(従来は内ダイアフラム板厚65mmが溶接可能範囲)を対象に、柱スキンプレート(590N/mm2級鋼材)と内ダイアフラムの板厚差(3、4、5サイズ差)がエレクトロスラグ溶接部の溶接継手と機械的性能に与える影響に関する溶接実験

② 550N/mm2級鋼材の冷間成形角形鋼管に着目して、従来ロボット溶接を用いるSBCP385Bによる溶接試験を計画しており、また、新材料・新工法導入の一環としてNBFW(Non Brittle Fracture Welding)法の適用が回避可能な鋼材であるSBCP385TF材による溶接施工試験等の溶接実験を計画しております。

一方、外部活動としては、日本建築学会の鉄骨工事運営委員会、日本鋼構造協会の研究委員会及び鉄骨建設協会の技術研究委員会にも積極的に参加し、当社技術レベルアップに努めております。

当事業年度における研究開発費は、9百万円であります