文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
東プレグループは、卓越した技術を駆使して製品・サービスを創造し、社会に貢献することを使命とします。経済的成果を追い求めるだけでなく、国際企業として社会から必要とされ、尊敬される企業として、高い倫理観と良識をもって企業活動を遂行します。世界中で働く東プレグループの職員はこの理念を共有し、社会への貢献と企業の永続的な繁栄を求めて行動します。
こうした基本理念に基づき、株主やお客様、取引先からの信頼と期待に応え、社会とともに成長することを念頭においた経営を実践しております。
(2)経営戦略等
当社グループは中期経営計画を策定し目指すべきビジョンを定め、基本方針として実行しております。しかしながら、2020年度~2022年度を対象期間とする第15次中期経営計画については、新型コロナウイルス感染拡大により経済の先行きが不透明であり、合理的な算定が困難な為、発表を延期いたしました。
新中期経営計画につきましては、数値目標等の合理的な算定が可能になった時点で開示します。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、自動車プレス関連製品、定温物流関連、空調機器関連、電子機器関連を中心とした製品を製造、販売する企業です。製造業として、経営資源の効率的な投入、結果の分析は重要なことと認識しており、そのため、事業別、工場別における「変動費」・「固定費」の管理、分析に力を入れております。その上で、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、「営業利益」、「ROE」を使用しており、効率的な経営が出来ているかの判断をしております。
同時に、財務状況の健全性を向上させることにも努めており、一定の「自己資本比率」を維持することにより、グループの成長を促進させつつ安定的な財務基盤の構築に努めております。
(4)経営環境
国内の経済環境は、雇用・所得環境の改善や個人消費の持ち直しなどにより、米中貿易摩擦による世界経済の減速があったものの緩やかな景気回復が続きましたが、2020年年初より顕在化した、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の抑制から大幅に下押しされたことにより、厳しい状況となりました。
海外におきましては、米国経済は緩和的な金融政策などの各種政策が下支えとなり、景気回復が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による、経済活動の抑制によって、足下で景気は下押しされております。
中国におきましては、米国との貿易摩擦による対米輸出の減少から景気は減速傾向でありました。さらに新型コロナウイルス感染症の影響による、経済活動の大幅な縮小が生じたことで、足下で景気は減速しております。
タイにおきましては、雇用・所得環境の改善や低金利を背景に、個人消費の高い伸びを維持したものの、政府支出がマイナスに転じたことに加え、輸出も大きく減少しております。
インドにおきましては、輸入の減少を主因に純輸出のプラス寄与が続いたものの、政府消費が減速したことなどから景気が下押しされております。
世界経済全体としては、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響による経済活動の抑制によって、経済活動が停滞しており、当面は厳しい状況が続くと見込まれます。
自動車業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の流行以前から、2019年10月の消費税増税の影響により減少傾向にありました。新車の販売台数は、予期されていたほどの落ち込みではなかったものの、引き続き弱い動きとなっており、新型コロナウイルス感染症の影響により国内消費は弱い動きが続くと見込まれます。
また、海外におきましても、北米では新型コロナウイルス感染症の影響により、小売販売に落ち込みが見られます。
中国では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が抑えられつつある中で、工場の生産開始が進み、販売が力強く回復しつつあります。世界全体といたしましては、新型コロナウイルス感染症の拡大と、それに伴うロックダウンの影響で経済活動が抑制されたため、今後数か月に渡り弱い動きとなることが見込まれます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
このような状況のもと、当社グループでは引き続き、コア技術の開発・熟成および発展、コスト低減、グローバルで「需要のあるところでのモノづくり」を展開・加速させることにより、お客様からの受注に応えられる体制をとってまいります。プレス関連製品事業におきましては、国内では、相模原工場において、再構築を行っており、ホットプレスラインをはじめとする、プレスラインを3ライン設置することにより、生産能力の増強を図ってまいります。また、自然災害等の緊急時に当社グループが現在持っている他のプレスラインの代替ラインにもなり、事業継続の観点から国内基盤を強化することができます。
海外では、「Topre America Corporation」および「東普雷(武漢)汽車部件有限公司」の各拠点で2021年中の稼働に向けて追加設備投資が継続しており、更なるプレス部品の生産体制を強化してまいります。
定温物流関連事業におきましては、物流業界における冷凍車のニーズは高まるものの、引き続きお客様の多様なニーズに対応したサービス体制の拡充に取り組んでまいります。
その他の事業では、空調機器部門におきまして、消費増税後の需要低迷により、住宅着工戸数の減少が予測されるものの、高付加価値換気システムの市場投入により新規売上の増加が期待されます。電子機器部門では、キーボードの「REALFORCE」やPCマウス「REALFORCE MOUSE」といった製品において引き続きハイエンドユーザーの皆様からのニーズに対応し、さらなる品質の向上に努めてまいります。
当社グループでは、国内生産拠点の基盤を強化するとともに、今後一層の拡大が見込まれる海外展開へのニーズに応えるべく、グローバルな生産販売体制を構築し、今後の海外市場での事業拡大と収益性を高めてまいります。
(6)会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的に、グループ内の会計処理基準の整備及びIFRSへの適用について、検討を進めております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<海外事業について>
当社グループでは、プレス関連製品事業における海外拠点として、北米地区におきましては米国アラバマ州、テネシー州、オハイオ州、ミシシッピ州のTopre America Corporation、メキシコ合衆国ケレタロ州のTopre Autoparts Mexico, S.A. de C.V.、アジア地区におきましては中国広東省の東普雷(佛山)汽車部件有限公司、中国湖北省の東普雷(襄陽)汽車部件有限公司、またタイ王国サムットプラカーン県のTOPRE(THAILAND)CO., LTD.を設けており、その他にインド共和国グジャラート州及び中国湖北省武漢市に新たな生産拠点を準備中でありますが、それぞれの国内の景気変動、自動車の販売状況、各種の法律および規制の発動または変更、為替の変動、また感染症・疫病などの発生・蔓延等により当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。また、定温物流関連事業における海外拠点として2015年5月に設立したPT.TOPRE REFRIGERATOR INDONESIAにおきましても、今後同様に影響をおよぼす可能性があります。
<製品の不具合について>
当社グループは、自動車用プレス部品をはじめ、冷凍機器、空調機器、電子機器等の多様な製品を生産しており、それぞれの製品に合わせた品質保証体制のもとに製品を出荷しております。製品の不具合を防止するため、品質保証に関わる組織の充実を図るとともに、新たな品質管理手法を取り入れるなど体制の強化を進めております。
また、万が一当社の品質不具合を原因として製造物責任賠償を請求されるような事態に備えるため保険に加入し、こうした事態の発生にともなう費用負担に対応しております。しかしながら、不具合の内容や規模によっては製造業としての当社グループの評価に重大な損失を与え、当社グループの経営成績に影響をおよぼす可能性があります。
<災害等のリスクについて>
当社グループは国内及び海外において事業を展開しており、台風やハリケーン、地震などの自然災害や、ストライキ、騒乱、感染症・疫病等の発生・蔓延などの影響を受けることが考えられます。これらの事態が発生した事業所では生産活動の停滞や停止、設備投資の遅延が生じる可能性があります。また、取引先においても同様に生産活動に支障をきたす可能性があり、いずれも長期間におよんだ場合には当社グループの経営成績に影響をおよぼす可能性があります。
<新型コロナウイルスの感染拡大について>
2020年年初に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は、世界的規模で経済活動に影響をおよぼしています。当社グループは、時差出勤や在宅勤務を実施し、感染防止を図りつつ事業を継続するための体制の整備に努めております。しかし今後、事態が更に深刻化・長期化した場合は、資機材の生産・物流の停滞に伴う生産活動の遅延や工場建設をはじめとした設備投資計画の遅延などが生じる可能性があり、これらが当社グループの事業環境や、売上高をはじめとした経営成績およびキャッシュフローなどに重大な影響を与える可能性があります。
<移転価格税制について>
当社は、海外連結子会社各社との間でロイヤリティの受領、製品の輸出などの海外取引を行っております。当該取引は、独立した第三者間で通常行われる取引価格に準じて取引価格を決定しておりますが、税務当局との見解に相違が生じた場合、当社の経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ272億9千4百万円増加の2,664億6千7百万円、負債合計は、前連結会計年度末に比べ371億6千7百万円増加の1,170億7千1百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ98億7千3百万円減少の1,493億9千5百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高2,135億9千1百万円(前年同期比6.1%増)、営業利益138億2千7百万円(同30.7%減)、経常利益107億4千7百万円(同50.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益84億3千5百万円(同45.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
プレス関連製品事業は、売上高1,574億1千7百万円(同10.5%増)、セグメント利益(営業利益)64億1千9百万円(同49.5%減)、定温物流関連事業は、売上高467億1百万円(同4.4%減)、セグメント利益(営業利益)63億8千3百万円(同5.9%増)、その他(空調機器部門、電子機器部門)は、売上高94億7千3百万円(同6.1%減)、セグメント利益(営業利益)10億2千4百万円(同16.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は278億9千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億4千3百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは215億4千5百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは365億4千9百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは178億7千4百万円の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
プレス関連製品事業 |
171,652 |
119.2 |
|
定温物流関連事業 |
43,054 |
95.7 |
|
その他 |
9,506 |
97.7 |
|
合計 |
224,214 |
112.8 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
プレス関連製品事業 |
142,478 |
95.8 |
15,137 |
50.3 |
|
定温物流関連事業 |
45,843 |
103.3 |
8,668 |
91.0 |
|
その他 |
9,620 |
97.8 |
1,463 |
111.2 |
|
合計 |
197,942 |
97.6 |
25,269 |
61.8 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
プレス関連製品事業 |
157,417 |
110.5 |
|
定温物流関連事業 |
46,701 |
95.6 |
|
その他 |
9,473 |
93.9 |
|
合計 |
213,591 |
106.1 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
日産自動車㈱ |
80,933 |
40.2 |
86,691 |
40.6 |
|
本田技研工業㈱ |
41,143 |
20.4 |
38,630 |
18.1 |
|
トヨタ自動車㈱ |
17,149 |
8.5 |
23,175 |
10.9 |
※1.上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客への販売高を集約して記載しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、変動対価の売上計上、低価法による在庫評価、減価償却資産の耐用年数の設定、有価証券の減損、貸倒引当金、退職給付債務、税効果会計等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。その際、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
また、当該見積りに関する新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (追加情報)」を参照下さい。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
イ.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ272億9千4百万円増加の2,664億6千7百万円となりました。流動資産は、主に受取手形及び売掛金が減少したものの、仕掛品の増加などにより前連結会計年度末に比べ64億9千8百万円増加の1,082億6百万円となりました。固定資産は、主に設備投資により、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、建設仮勘定などの有形固定資産が増加したことから、前連結会計年度末に比べ207億9千5百万円増加の1,582億6千万円となりました。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ371億6千7百万円増加の1,170億7千1百万円となりました。流動負債は、主に未払法人税等が減少したものの、短期借入金や一年内返済予定の長期借入金が増加したことなどから、769億8千3百万円となりました。固定負債では、主に社債や長期借入金の増加などにより、400億8千7百万円となりました。
(純資産合計)
主に、連結子会社であるトプレック株式会社の株式取得による非支配株主持分の減少および資本剰余金の減少などにより前連結会計年度末に比べ98億7千3百万円減少の1,493億9千5百万円となりました。
ロ.経営成績
(売上高と営業利益)
主にプレス関連製品事業における「Topre Autoparts Mexico, S.A. de C.V」での新車種の立ち上がりや「東普雷(襄陽)汽車部件有限公司」での物量増など海外拠点の好調により、売上高は前年同期を上回りました。しかしながら、新車種立ち上げや金型製作の高負荷などを原因として費用が先行したことによる売上原価の増加、及び新拠点立ち上げに伴う販管費の増加などにより、営業利益は前年同期を下回りました。
これらにより、当社グループの業績は、売上高2,135億9千1百万円、前年同期比122億2千6百万円の増収(6.1%増)となりました。
営業利益は、138億2千7百万円、前年同期比61億2千6百万円の減益(30.7%減)となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、受取配当金4億5千3百万円、為替差損41億3千万円の計上などにより、30億8千1百万円の損失となり、前連結会計年度に比べ、48億3千万円の減益となりました。これは、主に前連結会計年度の為替差益5億9百万円が為替差損に転じたことなどによります。
この結果、経常利益は、107億4千7百万円、前年同期比109億5千7百万円の減益(50.5%減)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、主に固定資産売却益11億9千7百万円、投資有価証券評価損8億9千万円の計上などにより、7億4千4百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ、10億3千1百万円の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比69億3千6百万円の減益(45.1%減)となり、84億3千5百万円となりました。
ハ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は278億9千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億4千3百万円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは215億4千5百万円の増加となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益114億9千1百万円、減価償却費174億5千万円、売上債権の減少84億8千4百万円です。減少要因は、たな卸資産の増加92億3千5百万円、法人税等の支払額72億1千万円などです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは365億4千9百万円の減少となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出458億7千2百万円です。増加要因は、有価証券の売却及び償還による収入20億3千9百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入53億5千2百万円、有形固定資産の売却による収入23億7千1百万円などです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは178億7千4百万円の増加となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入157億7百万円、社債の発行による収入199億7百万円です。主な減少要因は短期借入金の返済による支出55億5千3百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出112億6千9百万円です。
ニ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、鋼材をはじめとした素材価格の高騰に対しては、生産活動に支障をきたさぬよう、安定供給の確保を第一に、そして価格面の影響も最小限にすべく対策を講じてきております。しかし、これは、短期的に収束が期待できない重要な課題であると認識しております。
また、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおり、諸所の課題を認識しており、体制の構築等に取り組んでおります。
ホ.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要となっております。
運転資金需要は生産活動に必要な材料及び部品の仕入、製造費、また販売費及び一般管理費等の営業費用等であります。設備資金需要は工場建設費用、機械装置及び金型等の投資等によるものであります。
(財務政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては内部資金の充当を基本としています。不足となった場合は、運転資金は短期借入金、設備資金は長期借入金及び社債の発行により資金調達しております。
設備資金の調達は、国内・海外子会社を含めたグループ全体の長期的な投資計画に基づき、当社で調達計画を作成し、一元管理しております。
ヘ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、「営業利益」、「ROE」、「自己資本比率」等を使用しておりますが、それぞれの指標の直近の推移、及び中期経営計画(中計)の当連結会計年度末における達成度は以下のとおりとなっております。
|
指標 |
中期経営計画 (3ヵ年) |
2019年3月期 (中計2年目) |
2020年3月期 (中計3年目) |
中期経営計画 達成度 |
|
連結売上高 |
2,000億円 |
2,013億円 |
2,135億円 |
106.8% |
|
連結営業利益 |
240億円 |
199億円 |
138億円 |
57.6% |
|
ROE |
11.0%以上 |
10.6% |
5.7% |
51.8% |
|
自己資本比率 |
- |
62.4% |
54.9% |
- |
ト.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(プレス関連製品事業)
自動車関連部門におきましては、2019年5月に子会社化した三池工業株式会社の新規連結に伴う売上増加や、「Topre Autoparts Mexico, S.A. de C.V.」での新車種の立ち上がりによる物量増により、プレス関連製品事業全体での売上高は1,574億1千7百万円、前年同期比149億9千2百万円の増収(10.5%増)となりました。しかしながら、新車種立上げや金型製作の負荷などを原因として費用が先行したことによる売上原価の増加、および新拠点立ち上げに伴う販管費の増加などにより、セグメント利益(営業利益)は、64億1千9百万円、前年同期比62億8千3百万円の減益(49.5%減)となりました。
セグメント資産は、主に建設仮勘定などの有形固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ318億6千6百万円増加の2,186億9千5百万円となりました。
(定温物流関連事業)
冷凍車部門におきましては、軽自動車の販売台数は堅調に推移したものの、小型車の販売台数は見通しを大きく下回ったため、当社グループ全体での受注・生産は前年同期と比較して減少となりました。これにより、定温物流関連事業全体での売上高は、467億1百万円、前年同期比21億4千6百万円の減収(4.4%減)となりましたが、車種・車格構成の変化や、合理化よる生産性向上などにより、セグメント利益(営業利益)は、63億8千3百万円、前年同期比3億5千3百万円の増益(5.9%増)となりました。
セグメント資産は、主に投資有価証券の減少により、前連結会計年度末に比べ36億8千3百万円減少の369億4千9百万円となりました。
(その他)
空調機器部門におきましては、住宅用換気システムの販売は好調に推移しましたが、前年度好調だったビル空調システムの売上減少などにより、全体的な売上は前年同期を下回りました。また、電子機器部門においてはキーボード「REALFORCE」の売上台数は好調に推移しましたが、タッチパネルなどの企業向け製品の売上は前年同期を下回りました。その結果、その他の事業全体での売上高は、94億7千3百万円、前年同期比6億1千8百万円の減収(6.1%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は、10億2千4百万円、前年同期比1億9千6百万円の減益(16.1%減)となりました。
セグメント資産は、主に現金及び預金、未収入金の減少により前連結会計年度末に比べ8億8千8百万円減少の108億2千1百万円となりました。
当連結会計年度末現在で、継続している経営上の重要な契約等は次のとおりであります。
(1)技術援助を与えている契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
東プレ㈱ (当社) |
広州東昇機械 有限公司 |
中国 |
自動車用 プレス製品・金型 |
技術情報の提供及び ノウハウの実施許諾 |
2020年2月18日から 2021年2月17日まで |
|
東プレ㈱ (当社) |
FSD Group |
フランス |
自動車用 プレス製品・金型 |
技術情報の提供及び ノウハウの実施許諾 |
2019年5月21日から 2024年5月20日まで |
(注)上記の技術援助契約において、ロイヤリティーとして相手方が売上げた契約品目の一定割合を受取ることとしております。
(2)資本提携契約
当社は、三池工業株式会社との資本提携契約に基づき、2019年5月9日付で同社が実施する第三者割当増資による発行株式を取得いたしました。この結果、三池工業株式会社を当社の連結子会社としております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項 企業結合等関係」に記載しております。
当社グループの研究開発活動は主に当社が一括して行っております。当社の研究開発活動は、中期経営計画(3ヵ年計画)に基づいて、開発部においては当社コア技術を応用して追求分野を広げ新製品の開発・新規事業化を行っており、各事業部においては新機能を追求した新製品、新技術の開発活動を行っております。
なお、当年度中に支出した研究開発費は、
研究開発の概要
<プレス関連製品事業>
自動車向けプレス部門については、車体の最適構造提案が出来る体制の構築を行い、優位性のある技術を盛り込むことで、よりお客様のニーズに合致した提案を行っております。新規技術としては、1470MPa級冷間ハイテンプレス部品の量産品質確保に向けた開発を行っています。また、ホットスタンプにおいては新しい素材及び工法の適用技術開発をおこなっております。現在、新しく5つのホットスタンプラインが稼働を開始しつつあり、生産性向上に向けた取り組みを行っております。アルミについては、量産適用を見据えたプレス・溶接の技術開発に取り組んでおり、安定生産への手法を確立していきます。
<定温物流関連事業>
冷凍機器部門については、自社保有のヒートポンプ技術を利用した冷媒加温システムの開発を進め、小型車~中型車向けの1室用、2室用装置の販売を開始しており、現在大型車向け装置の開発を進めております。環境配慮型電動冷凍装置については、電気トラックやハイブリッドトラックに対応した商品の開発を進めており、市場での実用評価中です。冷凍コンテナについては、小型車格(4ナンバー)用コンテナのモデルチェンジを進め2020年5月の販売開始予定です。航空輸送用カーゴコンテナについては、2019年9月に国土交通省航空局の事業場認定と仕様承認を受け、自社初の「蓄冷式保冷カーゴコンテナ」の発売を開始しております。現在機種拡大の開発を進めており、今年度中に2種類のコンテナをラインナップに加える予定です。引き続き、お客様のニーズに沿った商品開発を推進していきます。
<その他事業>
空調機器部門については、工場や物流倉庫の作業環境改善機器としてニーズが増加している大型スポットクーラーの開発を行い、6月に市場投入しました。引き続き、更なる他社との差別化を図る性能向上に向けた新技術開発を展開します。また、省エネ・快適性を両立する中小ビル向けデシカント外気処理機については、住宅向け製品の開発を完了させ、2020年度に市場投入します。その他にも、住宅向けに居住者の快適性向上に繋がる製品開発をしており、ハウスメーカーへの提案活動を行い、商品化を目指していきます。
電子機器部門については、主力商品で多くのお客様からご支持をいただいていますREALFORCEブランドとして、マウスを新規に開発し、販売を開始しております。今後もREALFORCEブランドとしてキーボードとマウスのラインナップ拡充を図っていきます。さらに、標準仕様の組込型セキュリティPINパッドの券売機メーカーや精算機メーカーでの採用及び、長年培ってきた組込技術を生かし新しいインタ-フェースや異形LCDに対応した組込型タッチパネルモニターや表示用CPUボ-ドの開発など、市場のニ-ズに沿った商品開発を進めております。また、自社保有技術である静電容量技術を応用した新製品の開発・市場の開拓を展開しております。
<開発部>
開発部については、冷熱技術、電子技術等の自社保有技術に新技術を加え、新規事業の創出及び既存事業の拡大に繋がる商品の開発を行っております。新規事業の創出では、農業用水や工場用排水の未利用エネルギーを利用したナノ水力発電システムの開発に着手しました。冷凍・空調機器関連では、ヒートポンプ技術を応用した冷温水同時給水熱源ユニットのプロトタイプを試作し、社内での実証試験から製品化に向け展開しています。空調機器関連として、蓄熱式輻射空調システムの開発に着手しており、製品化を目標にフィールド検証に向けた展開をしています。電子機器関連では、静電容量技術を応用した新たな市場開拓を目標に開発に着手しております。また、各事業部のお客様ニーズに対応すべく、東プレ保有技術と新素材とを融合させ、新素材の技術開発を推進しております。