文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
東プレグループは、卓越した技術を駆使して製品・サービスを創造し、社会に貢献することを使命とします。経済的成果を追い求めるだけでなく、国際企業として社会から必要とされ、尊敬される企業として、高い倫理観と良識をもって企業活動を遂行します。世界中で働く東プレグループの職員はこの理念を共有し、社会への貢献と企業の永続的な繁栄を求めて行動します。
こうした基本理念に基づき、株主やお客様、取引先からの信頼と期待に応え、社会とともに成長することを念頭においた経営を実践しております。
(2)経営戦略等
当社グループは、2021年度を初年度とし、2023年度を最終年度とする中期経営計画を定めております。
「お客様に必要な提案を出し続け成長していく企業になる」ことを目指し取り組んでまいります。
<第15次中期経営計画ビジョン>
東プレは未来の社会に貢献するために進化します!
お客様の課題を解決するために、技術力をさらに進化させ持続的な成長につなげていきます
<第15次中期経営計画基本方針>
・東プレの“ものづくり”の価値観を追求します
・お客様の課題を解決するために開発体制を強化し、技術力を向上させます
・お客様の信頼をさらに獲得するために、品質の維持向上を目指します
・事業環境に対応した新しい業務・組織体制を構築します
・世界で活躍できる人材を育成します
・東プレを支える“匠”(技能習得者)を育成強化します
また、計画の概要については、当社ホームページをご参照ください。
(3)経営環境
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により企業活動が停滞し、世界の経済環境は大幅に悪化しました。ワクチンの普及等により、徐々に正常に向かうと想定されますが、見通しはいまだ不透明であります。
国内経済においては、新型コロナウイルスの変異型の感染拡大ペースが加速し、緊急事態宣言が再発出および延長されました。現時点での国内消費の回復力は弱いものの、今後の外出自粛の緩和やワクチン接種の拡大により、緩やかな回復が期待されます。
世界経済におきましては、立ち直りつつある米国、中国が中心となって、回復に向かうことが期待されます。一方で、世界経済は、貿易摩擦や新興国の政治情勢などのリスクを依然抱えております。
自動車業界におきましては、中国を中心に自動車の生産および販売が回復しつつあります。しかしながら、世界的な半導体の供給不足により、自動車各社は一時的な減産を余儀なくされております。一方で、CASE,MaaS等、技術革新やモビリティの在り方の変化を受けて、業界全体の再編が進んでおります。当社グループを取り巻く環境も厳しいものとなることが予想されます。
冷凍車業界におきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり需要の高まりから、食品関連の需要が拡大し、大型車や中型車市場は好調でありました。一方で環境問題など、社会の課題に即した製品ニーズが増していくと考えられます。車両の電動化に対応した冷凍装置の開発等、さらなる技術力の向上が求められます。
空調機器業界におきましては、新型コロナウイルス感染拡大による企業活動の停滞を受け、受注が減少しております。
電子機器業界におきましては、巣ごもり需要により高級キーボード「REALFORCE」の販売が好調となっております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
このような状況のもと、当社グループにおきましては、コア技術の開発、コスト低減、生産体制の強化に努めてまいります。
プレス関連製品事業におきましては、「Topre America Corporation」での追加設備工事が継続しており、2021年度内の完了を予定しております。「Topre India Pvt.Ltd.」につきましては、2021年4月に新規工場が稼働しております。グローバルでの生産体制および品質管理体制をさらに強化してまいります。年々増大する軽量化ニーズに対応するため、プレス加工技術の強化により、他社との差別化を図ってまいります。それに加え、コスト低減等による財務状況の改善を図り、自己資本比率の改善に努めてまいります。
定温物流関連事業におきましては、技術力の強化を図るとともに、社会の課題やお客様の多様なニーズに対応した商品の提供とサービス体制の拡充に取り組んでまいります。
その他の事業におきましては、空調機器部門では、高付加価値換気システムの拡販や、日本で培った技術を生かし、グローバルで快適な空調環境を提供する基盤を整えてまいります。電子機器部門では、キーボードの「REALFORCE」のブランド力を強化し、さらなる品質の向上に努めてまいります。
当社グループでは、国内および海外における生産販売体制を維持・強化し、安定的な成長につなげてまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業別の損益管理を行っております。「売上」、「営業利益率」を経営指標とし、損益の達成状況を管理しております。また、財務状況の健全性を維持するために、「自己資本比率」についても経営指標としております。
(6)会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的に、グループ内の会計処理基準の整備及びIFRSへの適用について、検討を進めております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<海外事業について>
当社グループでは、プレス関連製品事業における海外拠点として、北米地区におきましては米国アラバマ州、テネシー州、オハイオ州、ミシシッピ州のTopre America Corporation、メキシコ合衆国ケレタロ州のTopre Autoparts Mexico, S.A. de C.V.、アジア地区におきましては中国広東省の東普雷(佛山)汽車部件有限公司、中国湖北省の東普雷(襄陽)汽車部件有限公司、中国湖北省の東普雷(武漢)汽車部件有限公司、中国広東省の広州三池汽車配件有限公司、タイ王国サムットプラカーン県のTOPRE(THAILAND)CO., LTD.、またインド共和国グジャラート州のTopre India Pvt. Ltd.を設けております。それぞれの国内の景気変動、自動車の販売状況、各種の法律および規制の発動又は変更、為替の変動、また感染症・疫病などの発生・蔓延等により当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。また、定温物流関連事業における海外拠点として2015年5月に設立したPT.TOPRE REFRIGERATOR INDONESIAにおきましても、今後同様に影響をおよぼす可能性があります。
<製品の不具合について>
当社グループは、自動車用プレス部品をはじめ、冷凍機器、空調機器、電子機器等の多様な製品を生産しており、それぞれの製品に合わせた品質保証体制のもとに製品を出荷しております。製品の不具合を防止するため、品質保証に関わる組織の充実を図るとともに、新たな品質管理手法を取り入れるなど体制の強化を進めております。
また、万が一当社の品質不具合を原因として製造物責任賠償を請求されるような事態に備えるため保険に加入し、こうした事態の発生に伴う費用負担に対応しております。しかしながら、不具合の内容や規模によっては製造業としての当社グループの評価に重大な損失を与え、当社グループの経営成績に影響をおよぼす可能性があります。
<災害等のリスクについて>
当社グループは国内及び海外において事業を展開しており、台風やハリケーン、地震などの自然災害や、ストライキ、騒乱、感染症・疫病等の発生・蔓延などの影響を受けることが考えられます。これらの事態が発生した事業所では生産活動の停滞や停止、設備投資の遅延が生じる可能性があります。また、取引先においても同様に生産活動に支障をきたす可能性があり、いずれも長期間におよんだ場合には当社グループの経営成績に影響をおよぼす可能性があります。
<新型コロナウイルスの感染拡大について>
2020年年初に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は、世界的規模で経済活動に影響をおよぼしています。当社グループは、時差出勤や在宅勤務を実施し、感染防止を図りつつ事業を継続するための体制の整備に努めております。しかし今後、事態が更に深刻化・長期化した場合は、資機材の生産・物流の停滞に伴う生産活動の遅延や工場建設をはじめとした設備投資計画の遅延などが生じる可能性があり、これらが当社グループの事業環境や、売上高をはじめとした経営成績およびキャッシュ・フローなどに重大な影響を与える可能性があります。
<車載向け半導体部品の不足について>
新型コロナウイルスの感染拡大による在宅勤務や遠隔医療、オンライン学習の機会の増加及び、第5世代通信機器の人気に伴うパソコンやスマートフォンの需要急増と自動車の需要回復により、半導体部品の需要が高まる一方で、日本国内大手半導体メーカーの主力工場火災や、アメリカの寒波による半導体生産の停止が発生したことにより、世界的に車載向け半導体部品不足の長期化が懸念されております。そのため、各自動車メーカーが販売計画の見直しや減産を予定しており、これらが、当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローに影響をおよぼす可能性があります。
<移転価格税制について>
当社は、海外連結子会社各社との間でロイヤリティの受領、製品の輸出などの海外取引を行っております。当該取引は、独立した第三者間で通常行われる取引価格に準じて取引価格を決定しておりますが、税務当局との見解に相違が生じた場合、当社の経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ433億2千3百万円増加の3,097億9千万円(前年同期比16.3%増)、負債合計は、前連結会計年度末に比べ270億8千7百万円増加の1,441億5千8百万円(同23.1%増)、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ162億3千6百万円増加の1,656億3千2百万円(同10.9%増)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高2,145億4千4百万円(同0.4%増)、営業利益108億3千3百万円(同21.6%減)、経常利益164億8千7百万円(同53.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益125億5千9百万円(同48.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
プレス関連製品事業は、売上高1,606億2百万円(同2.0%増)、セグメント利益(営業利益)30億3千6百万円(同52.7%減)、定温物流関連事業は、売上高447億4千4百万円(同4.2%減)、セグメント利益(営業利益)68億2百万円(同6.6%増)、その他(空調機器部門、電子機器部門)は、売上高91億9千7百万円(同2.9%減)、セグメント利益(営業利益)9億9千4百万円(同2.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は392億6千8百万円(同40.8%増)となり、前連結会計年度末に比べ113億6千9百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは247億1千8百万円(同14.7%増)の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは339億3千5百万円(同7.2%増)の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは195億1千5百万円(同9.2%増)の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
プレス関連製品事業 |
156,297 |
91.1 |
|
定温物流関連事業 |
45,841 |
106.5 |
|
その他 |
9,024 |
94.9 |
|
合計 |
211,162 |
94.2 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
プレス関連製品事業 |
169,986 |
119.3 |
24,521 |
162.0 |
|
定温物流関連事業 |
49,786 |
108.6 |
13,711 |
158.2 |
|
その他 |
9,099 |
94.6 |
1,365 |
93.3 |
|
合計 |
228,873 |
115.6 |
39,598 |
156.7 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
プレス関連製品事業 |
160,602 |
102.0 |
|
定温物流関連事業 |
44,744 |
95.8 |
|
その他 |
9,197 |
97.1 |
|
合計 |
214,544 |
100.4 |
(注)主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
日産自動車㈱ |
86,691 |
40.6 |
85,421 |
39.8 |
|
本田技研工業㈱ |
38,630 |
18.1 |
39,158 |
18.3 |
|
トヨタ自動車㈱ |
23,175 |
10.9 |
23,801 |
11.1 |
※1.上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客への販売高を集約して記載しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、低価法による売却用金型等の正味売却価額の見積り、減価償却資産の耐用年数の設定、有価証券の減損、貸倒引当金、退職給付債務、税効果会計等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。その際、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、当該見積りに関する新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (追加情報)」を参照下さい。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
イ.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ433億2千3百万円増加の3,097億9千万円となりました。流動資産は、主に仕掛品が減少したものの、現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ219億5千5百万円増加の1,301億6千2百万円となりました。固定資産は、主に設備投資により、建物及び構築物、機械装置及び運搬具などの有形固定資産が増加したことから、前連結会計年度末に比べ213億6千7百万円増加の1,796億2千8百万円となりました。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ270億8千7百万円増加の1,441億5千8百万円となりました。流動負債は、815億2千5百万円となりました。固定負債では、主に社債や長期借入金の増加などにより、626億3千3百万円となりました。
(純資産合計)
主に、利益剰余金の増加や、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ162億3千6百万円増加の1,656億3千2百万円となりました。
ロ.経営成績
(売上高と営業利益)
主にプレス関連製品事業における新車種立ち上がりにより金型売上が増加している北米や、新型コロナウイルスによる影響から早急に回復し、好転した状態を維持している中国などを中心とする海外拠点の好調により、売上高は前期を上回りました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う物量減や、新車種立ち上げによるコスト増などにより、営業利益は前期を下回りました。
これらにより、当社グループの業績は、売上高2,145億4千4百万円、前年同期比9億5千2百万円の増収(0.4%増)となりました。
営業利益は、108億3千3百万円、前年同期比29億9千3百万円の減益(21.6%減)となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、為替差益36億7千6百万円、助成金収入14億1千2百万円の計上などにより、56億5千3百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ、87億3千2百万円の増益となりました。これは、主に前連結会計年度の為替差損41億3千万円が為替差益に転じたことなどによります。
この結果、経常利益は、164億8千7百万円、前年同期比57億4千万円の増益(53.4%増)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、主に固定資産売却益7千2百万円、投資有価証券売却益9千7百万円の計上などにより、1億2千2百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ、6億2千2百万円の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比41億2千3百万円の増益(48.9%増)となり、125億5千9百万円となりました。
ハ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は392億6千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ113億6千9百万円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは247億1千8百万円の増加となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益166億9百万円、減価償却費204億2千9百万円であります。減少要因は、売上債権の増加86億7千7百万円、法人税等の支払額37億2千4百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは339億3千5百万円の減少となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出334億1千8百万円、無形固定資産の取得による支出11億3千6百万円であります。増加要因は、有価証券の売却及び償還による収入2億5百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入6億1千4百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは195億1千5百万円の増加となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入224億8千万円、社債の発行による収入99億5千万円であります。減少要因は短期借入金の返済による支出42億7千4百万円、長期借入金の返済による支出80億7千2百万円などであります。
ニ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、鋼材をはじめとした素材価格の高騰に対しては、生産活動に支障をきたさぬよう、安定供給の確保を第一に、そして価格面の影響も最小限にすべく対策を講じてきております。しかし、これは、短期的に収束が期待できない重要な課題であると認識しております。
また、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおり、諸所の課題を認識しており、体制の構築等に取り組んでおります。
ホ.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要となっております。
運転資金需要は生産活動に必要な材料及び部品の仕入、製造費、また販売費及び一般管理費等の営業費用等であります。設備資金需要は工場建設費用、機械装置及び金型等の投資等によるものであります。
(財務政策)
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては内部資金の充当を基本としております。不足となった場合は、運転資金は短期借入金、設備資金は長期借入金及び社債の発行により資金調達しております。
設備資金の調達は、国内・海外子会社を含めたグループ全体の長期的な投資計画に基づき、当社で調達計画を作成し、一元管理しております。
ヘ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、「売上」「営業利益率」、「自己資本比率」等を使用しております。
ト.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(プレス関連製品事業)
自動車関連部門におきましては、新車種立ち上がりにより金型売上が増加している北米や、新型コロナウイルスによる影響から早急に回復し、好転した状態を維持している中国などを中心とする海外拠点の好調により、プレス関連製品事業全体での売上高は、1,606億2百万円、前年同期比31億8千5百万円の増収(2.0%増)となりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う物量減や、新車種立ち上げによるコスト増などにより、セグメント利益(営業利益)は、30億3千6百万円、前年同期比33億8千3百万円の減益(52.7%減)となりました。
セグメント資産は、主に機械及び装置などの有形固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ388億2千2百万円増加の2,575億1千7百万円となりました。
(定温物流関連事業)
冷凍車部門におきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛による、家食の高まりから、スーパーマーケット関連の需要が拡大し、大型車や中型車の受注・生産は好調だったものの、外食を控えていることによる影響から、外食関連の需要が減少し、小型車や宅配向け軽自動車の売上は前年を下回りました。これにより、定温物流関連事業全体での売上高は、447億4千4百万円、前年同期比19億5千7百万円の減収(4.2%減)となりました。一方、セグメント利益(営業利益)は、固定費削減や売上構成の良化により、68億2百万円、前年同期比4億1千9百万円の増益(6.6%増)となりました。
セグメント資産は、主に現金及び預金の増加により、前連結会計年度末に比べ43億6千3百万円増加の413億1千3百万円となりました。
(その他)
電子機器部門におきましては、外出自粛による巣ごもり需要が増えたことにより、キーボード「REALFORCE」の販売は引き続き国内を中心に好調でありました。またタッチパネルなどの企業向け製品の売上につきましても、前年を上回りました。空調機器部門におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響による受注数の減少により、売上、営業利益ともに前年を下回りました。その結果、その他の事業全体での売上高は、91億9千7百万円、前年同期比2億7千6百万円の減収(2.9%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は、9億9千4百万円、前年同期比2千9百万円の減益(2.9%減)となりました。
セグメント資産は、主に投資有価証券の増加により前連結会計年度末に比べ1億3千8百万円減少の109億6千万円となりました。
当連結会計年度末現在で、継続している経営上の重要な契約等は次のとおりであります。
(1)技術援助を与えている契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
東プレ㈱ (当社) |
広州東昇機械 有限公司 |
中国 |
自動車用 プレス製品・金型 |
技術情報の提供及び ノウハウの実施許諾 |
2021年2月18日から 2022年2月17日まで |
|
東プレ㈱ (当社) |
FSD Group |
フランス |
自動車用 プレス製品・金型 |
技術情報の提供及び ノウハウの実施許諾 |
2019年5月21日から 2024年5月20日まで |
(注)上記の技術援助契約において、ロイヤリティーとして相手方が売上げた契約品目の一定割合を受取ることとしております。
(2)資本提携契約
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は主に当社が一括して行っております。当社の研究開発活動は、開発部においては当社コア技術を応用して追求分野を広げ新製品の開発・新規事業化を行っており、各事業部においては新機能を追求した新製品、新技術の開発活動を行っております。
なお、当年度中に支出した研究開発費は、
研究開発の概要
<プレス関連製品事業>
自動車向けプレス部門については、世界初適用となる1470MPa級冷間ハイテンプレス部品の開発が完了し、量産を開始しました。今後適用拡大に向けた提案を行ってまいります。ホットスタンプにおいては、更なる高強度化を実現する新しい素材及び工法の適用技術開発を行っており、併せて生産性を向上させる取り組みを行っております。アルミについては、北米にて大型骨格部品の量産を開始し、新たに開発した手法を織り込むことでプレス、溶接において安定的な生産を実現しております。
<定温物流関連事業>
冷凍機器部門については、業界に先駆け地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒R452A、R513Aを採用した直結式冷凍装置の販売を開始しました。環境配慮型電動冷凍装置については、電気トラックやハイブリッドトラック等に対応したシステムの開発を進めており、各トラックメーカーと連携し実用評価中であります。また、2021年度には冷凍装置の操作部である温度コントローラーについて、お客様の要望を取り入れたモデルチェンジにより商品性アップを計画しております。冷凍コンテナについては、小型車格(4ナンバー)用コンテナのモデルチェンジを行い2020年5月に販売開始しました。航空輸送用カーゴコンテナについては、自社初の“蓄冷式保冷カーゴコンテナ”の発売に続き、今年度中に2種類のコンテナをラインナップに加える予定であります。引き続き、お客様のニーズに沿った商品開発を推進してまいります。
<その他事業>
空調機器部門については、送風・ヒートポンプ・デシカント等、自社保有技術の応用商品として、省エネ性・快適性を両立した住宅向けマルチ換気ユニット「デシトップマルチベント」の商品開発を完了し、2月に市場投入しました。その他にも、住宅全体を冷暖房する全館空調システムなど居住者の快適性向上に繋がる製品開発をしており、お客様のニーズに応える商品を提供してまいります。
電子機器部門については、主力商品で多くのお客様からご支持をいただいておりますREALFORCEブランド製品の拡充として、新しいインターフェースへの対応や、新しい機能を追加した商品を企画し、開発を進めております。さらに、標準仕様の組込型セキュリティPINパッドのATMメーカーでの採用、および、長年培ってきた組込技術を生かし、お客様の仕様に対応した組込型タッチパネルモニターや、組込型キーボードの開発など、お客様のニーズに沿った商品開発を進めております。また、自社保有技術である静電容量技術を応用した新製品の開発・市場の開拓を展開しております。
<開発部>
開発部については、冷熱技術、電子技術等の自社保有技術に新技術を加え、新規事業の創出及び既存事業の拡大に繋がる商品の開発を行っております。新規事業の創出では、農業用水や工場用排水の未利用エネルギーを利用したナノ水力発電システムの開発から実用化を目標にフィールド検証を展開しております。冷凍・空調機器関連では、蓄熱技術を用いた冷凍および空調システムの開発から実用化を目標にフィールド検証を展開しております。電子機器関連では、アナログセンシング技術を応用した電子ピアノ用鍵盤の実用化を目標に展開しております。また、工場内の温熱環境改善を目的としたシステム構築に向け基礎データの蓄積を展開しております。