第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

東プレグループは、卓越した技術を駆使して製品・サービスを創造し、社会に貢献することを使命とします。経済的成果を追い求めるだけでなく、国際企業として社会から必要とされ、尊敬される企業として、高い倫理観と良識をもって企業活動を遂行します。世界中で働く東プレグループの職員はこの理念を共有し、社会への貢献と企業の永続的な繁栄を求めて行動します。

こうした基本理念に基づき、株主やお客様、取引先からの信頼と期待に応え、社会とともに成長することを念頭においた経営を実践しております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、2021年度を初年度とし、2023年度を最終年度とする中期経営計画を定めております。

 

<第15次中期経営計画ビジョン>

東プレは未来の社会に貢献するために進化します!

お客様の課題を解決するために、技術力をさらに進化させ持続的な成長につなげていきます

 

<第15次中期経営計画基本方針>

・東プレの“ものづくり”の価値観を追求します

・お客様の課題を解決するために開発体制を強化し、技術力を向上させます

・お客様の信頼をさらに獲得するために、品質の維持向上を目指します

・事業環境に対応した新しい業務・組織体制を構築します

・世界で活躍できる人材を育成します

・東プレを支える“匠”(技能習得者)を育成強化します

 

また、計画の概要については、当社ホームページをご参照ください。

 

(3)経営環境

世界経済におきましては、ロシアによるウクライナ侵攻、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済活動の停滞等により、経済的に重大なリスクを抱えております。気候変動および人権侵害等の問題は深刻化を増して、社会からの関心がさらに高まっております。

国内経済におきましても、新型コロナウイルス感染症の変異株の感染拡大、資源価格の高騰、半導体の供給不足等により、依然として先行きは不透明な状況であります。

このような環境の中で、自動車業界におきましては、世界的な半導体の供給不足により、自動車メーカー各社は減産を余儀なくされております。一方で、CASEやMaaS等、技術革新やモビリティの在り方の変化を受けて、業界全体の再編が進んでおります。当社グループを取り巻く環境も大きく影響を受けることが予想されます。

冷凍車業界におきましては、半導体の供給不足により車両の供給が追い付かず、減産を余儀なくされております。一方で環境問題など社会の課題に即した製品ニーズが増していくと考えられます。車両の電動化に対応した冷凍装置の開発等、さらなる技術力の向上が求められます。

その他の空調機器と電子機器の業界におきましても、他の業界と同様に新型コロナウイルス感染症の感染拡大、資源価格の高騰、半導体の供給不足等の影響を受け、生産調整や利益の圧迫等を余儀なくされております。

このような状況でありますが、電子機器部門では、高級キーボード「REALFORCE」ブランド「R3キーボード」を2021年11月に公式オンラインショップによる販売を開始し、多くのお客様から好評を得ております。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

このような状況のもと、当社グループにおきましては、コア技術の開発、コスト低減、生産体制の強化に努めてまいります。

プレス関連製品事業におきましては、年々増大する軽量化ニーズに対応するため、プレス加工技術の強化により、他社との差別化を図ってまいります。それに加え、コスト低減等による財務状況の改善を図り、自己資本比率の改善に努めてまいります。

定温物流関連事業におきましては、技術力の強化を図るとともに、社会の課題やお客様の多様なニーズに対応した商品の提供とサービス体制の拡充に取り組んでまいります。

その他の事業におきましては、空調機器部門では、高付加価値換気システムの拡販や、日本で培った技術を生かし、グローバルで快適な空調環境を提供する基盤を整えてまいります。電子機器部門では、高級キーボード「REALFORCE」ブランド力強化とともに、さらなる品質の向上に努めてまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業別の損益管理を行っております。「売上」、「営業利益率」を経営指標とし、損益の達成状況を管理しております。また、財務状況の健全性を維持するために、「自己資本比率」についても経営指標としております。

 

 

(6)会計基準の選択に関する基本的な考え方

当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的に、グループ内の会計処理基準の整備及びIFRSへの適用について、検討を進めております。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<海外事業について>

当社グループでは、プレス関連製品事業における海外拠点として、北米地区におきましては米国アラバマ州、テネシー州、オハイオ州、ミシシッピ州のTopre America Corporation、メキシコ合衆国ケレタロ州のTopre Autoparts Mexico, S.A. de C.V.、アジア地区におきましては中国広東省の東普雷(佛山)汽車部件有限公司、中国湖北省の東普雷(襄陽)汽車部件有限公司、中国湖北省の東普雷(武漢)汽車部件有限公司、中国広東省の広州三池汽車配件有限公司、タイ王国サムットプラカーン県のTOPRE(THAILAND)CO.,LTD.、またインド共和国グジャラート州のTopre India Pvt. Ltd.を設けております。それぞれの国内の景気変動、自動車の販売状況、各種の法律および規制の発動または変更、為替の変動、また感染症・疫病などの発生・蔓延等により当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。また、定温物流関連事業における海外拠点として2015年5月に設立したPT.TOPRE REFRIGERATOR INDONESIAにおきましても、今後同様に影響をおよぼす可能性があります。

 

<製品の不具合について>

当社グループは、自動車用プレス部品をはじめ、冷凍機器、空調機器、電子機器等の多様な製品を生産しており、それぞれの製品に合わせた品質保証体制のもとに製品を出荷しております。製品の不具合を防止するため、品質保証に関わる組織の充実を図るとともに、新たな品質管理手法を取り入れるなど体制の強化を進めております。

また、万が一当社の品質不具合を原因として製造物責任賠償を請求されるような事態に備えるため保険に加入し、こうした事態の発生にともなう費用負担に対応しております。しかしながら、不具合の内容や規模によっては製造業としての当社グループの評価に重大な損失を与え、当社グループの経営成績に影響をおよぼす可能性があります。

 

<災害等のリスクについて>

当社グループは国内及び海外において事業を展開しており、台風やハリケーン、地震などの自然災害や、ストライキ、騒乱、感染症・疫病等の発生・蔓延などの影響を受けることが考えられます。これらの事態が発生した事業所では生産活動の停滞や停止、設備投資の遅延が生じる可能性があります。また、取引先においても同様に生産活動に支障をきたす可能性があり、いずれも長期間におよんだ場合には当社グループの経営成績に影響をおよぼす可能性があります。

 

<新型コロナウイルスの感染拡大について>

2020年年初に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は、世界的規模で経済活動に影響をおよぼしております。当社グループは、時差出勤や在宅勤務を実施し、感染防止を図りつつ事業を継続するための体制の整備に努めております。しかし今後、事態が更に深刻化・長期化した場合は、資機材の生産・物流の停滞に伴う生産活動の遅延や工場建設をはじめとした設備投資計画の遅延などが生じる可能性があり、これらが当社グループの事業環境や、売上高をはじめとした経営成績およびキャッシュ・フローなどに重大な影響を与える可能性があります。

 

<車載向け半導体部品の不足について>

新型コロナウイルスの感染拡大による在宅勤務や遠隔医療、オンライン学習の機会の増加及び、第5世代通信機器の人気に伴うパソコンやスマートフォンの需要急増と自動車の需要回復により、半導体部品の需要が高まる一方で、供給不足は解消されておらず、世界的に車載向け半導体部品不足の長期化が懸念されております。これらが、当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローに影響をおよぼす可能性があります。

 

<移転価格税制について>

当社は、海外連結子会社各社との間でロイヤリティの受領、製品の輸出などの海外取引を行っております。当該取引は、独立した第三者間で通常行われる取引価格に準じて取引価格を決定しておりますが、税務当局との見解に相違が生じた場合、当社の経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ102億2千2百万円増加の3,200億1千3百万円、負債合計は、前連結会計年度末に比べ46億1千万円減少の1,395億4千7百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ148億3千3百万円増加の1,804億6千5百万円となりました。

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高2,336億1百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益68億5千3百万円(同36.7%減)、経常利益170億1千3百万円(同3.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益109億9千8百万円(同12.4%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

プレス関連製品事業は、売上高1,804億6千9百万円(同12.4%増)、セグメント利益(営業利益)6億7千3百万円(同77.8%減)、定温物流関連事業は、売上高437億1千8百万円(同2.3%減)、セグメント利益(営業利益)52億7千3百万円(同22.5%減)、その他(空調機器部門、電子機器部門)は、売上高94億1千3百万円(同2.4%増)、セグメント利益(営業利益)9億5百万円(同8.9%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は498億9千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ106億2千3百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは386億4百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは185億5百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは124億5千6百万円の減少となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

プレス関連製品事業

174,664

111.8

定温物流関連事業

39,692

86.6

その他

9,843

109.1

合計

224,200

106.2

(注)金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

プレス関連製品事業

190,920

112.3

34,973

142.6

定温物流関連事業

41,083

82.5

11,076

80.8

その他

9,832

108.1

1,784

130.7

合計

241,837

105.7

47,834

120.8

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

プレス関連製品事業

180,469

112.4

定温物流関連事業

43,718

97.7

その他

9,413

102.4

合計

233,601

108.9

(注)主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日産自動車㈱

85,421

39.8

82,352

35.3

本田技研工業㈱

39,158

18.3

33,523

14.4

トヨタ自動車㈱

23,801

11.1

31,123

13.3

(注)上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客への販売高を集約して記載しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、低価法による売却用金型等の正味売却価額の見積り、減価償却資産の耐用年数の設定、有価証券の減損、貸倒引当金、退職給付債務、税効果会計等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。その際、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

また、当該見積りに関する新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (追加情報)」を参照下さい。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

イ.財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ102億2千2百万円増加の3,200億1千3百万円となりました。流動資産は、主に受取手形及び売掛金、仕掛品が減少したものの、現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ32億5千6百万円増加の1,334億1千9百万円となりました。固定資産は、主に設備投資により、建物及び構築物、機械装置及び運搬具などの有形固定資産が増加したことから、前連結会計年度末に比べ69億6千5百万円増加の1,865億9千4百万円となりました。

(負債合計)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ46億1千万円減少の1,395億4千7百万円となりました。流動負債は、876億1千8百万円となりました。固定負債では、主に長期借入金の減少などにより、519億2千8百万円となりました。

(純資産合計)

主に、利益剰余金、為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ148億3千3百万円増加の1,804億6千5百万円となりました。

 

ロ.経営成績

(売上高と営業利益)

主にプレス関連製品事業において、新型コロナウイルス感染症拡大により大幅に物量が減少した前期に対し、北米を中心に物量が増加したことや、為替影響による増収効果により、売上高は前期を上回りました。しかしながら、北米において、人手不足や生産準備遅れにより製造費用が増加したことで、損失の改善が遅れたため、営業利益は前期を下回りました。

これらにより、当社グループの業績は、売上高2,336億1百万円、前年同期比190億5千7百万円の増収(8.9%増)となりました。

営業利益は、68億5千3百万円、前年同期比39億8千万円の減益(36.7%減)となりました。

(営業外損益と経常利益)

当連結会計年度の営業外損益は、為替差益90億2千2百万円、助成金収入6億3千3百万円の計上などにより、101億6千万円の利益となり、前連結会計年度に比べ、45億6百万円の増益となりました。これは、主に前連結会計年度より為替差益が53億4千6百万円増加したことなどによります。

この結果、経常利益は、170億1千3百万円、前年同期比5億2千6百万円の増益(3.2%増)となりました。

 

 

(特別損益)

当連結会計年度の特別損益は、主に固定資産売却益6千3百万円、投資有価証券売却益6億3千1百万円の計上などにより、5億9千7百万円の利益となり、前連結会計年度に比べ、4億7千5百万円の増益となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比15億6千1百万円の減益(12.4%減)となり、109億9千8百万円となりました。

 

ハ.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は498億9千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ106億2千3百万円増加しました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは386億4百万円の増加となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益176億1千万円、減価償却費237億2千5百万円であります。減少要因は、為替差損益83億7千5百万円、法人税等の支払額46億1千3百万円などであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは185億5百万円の減少となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出210億4千8百万円、無形固定資産の取得による支出9億5千3百万円であります。増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入29億3千7百万円、有形固定資産の売却による収入7億4千万円などであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは124億5千6百万円の減少となりました。主な減少要因は、短期借入金の返済による支出25億7千9百万円、長期借入金の返済による支出109億2千8百万円であります。増加要因は、短期借入れによる収入5億2千8百万円、長期借入れによる収入32億7千1百万円などであります。

 

ニ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、鋼材をはじめとした素材価格の高騰に対しては、生産活動に支障をきたさぬよう、安定供給の確保を第一に、そして価格面の影響も最小限にすべく対策を講じてきております。しかし、これは、短期的に収束が期待できない重要な課題であると認識しております。

また、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおり、諸所の課題を認識しており、体制の構築等に取り組んでおります。

 

ホ.資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要となっております。

運転資金需要は生産活動に必要な材料及び部品の仕入、製造費、また販売費及び一般管理費等の営業費用等であります。設備資金需要は工場建設費用、機械装置及び金型等の投資等によるものであります。

 

(財務政策)

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては内部資金の充当を基本としております。不足となった場合は、運転資金は短期借入金、設備資金は長期借入金及び社債の発行により資金調達しております。

設備資金の調達は、国内・海外子会社を含めたグループ全体の長期的な投資計画に基づき、当社で調達計画を作成し、一元管理しております。

 

 

ヘ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、「売上」「営業利益率」、「自己資本比率」等を使用しております。

 

ト.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(プレス関連製品事業)

プレス関連製品事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により大幅に物量が減少した前期に対し、北米を中心に物量が増加しました。売上高は、為替影響による増収効果も含め、1,804億6千9百万円、前期比198億6千6百万円の増収(12.4%増)となりました。利益面では、北米において、人手不足や生産準備遅れにより製造費用が増加したことで、損失の改善が遅れたため、セグメント利益(営業利益)が、6億7千3百万円、前期比23億6千2百万円の減益(77.8%減)となりました。

セグメント資産は、主に現金及び預金や機械及び装置などの有形固定資産の増加により、前連結会計年度末に比べ127億4千2百万円増加の2,702億6千万円となりました。

(定温物流関連事業)

定温物流関連事業におきましては、物流システム部門において、物流倉庫物件売上が前期を大きく上回ったものの、冷凍車部門の受注・生産は、部材不足の影響により小型車を中心に減少し、前期を下回りました。その結果、定温物流関連事業全体での売上高は、437億1千8百万円、前期比10億2千5百万円の減収(2.3%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は、材料価格高騰などの影響により、52億7千3百万円、前期比15億2千9百万円の減益(22.5%減)となりました。

セグメント資産は、主に受取手形及び売掛金の減少により、前連結会計年度末に比べ30億3千6百万円減少の382億7千6百万円となりました。

(その他)

空調機器部門におきましては、半導体や部品不足の影響で十分な生産ができず、受注を抑制せざるを得なかったため、売上・営業利益ともに前期を下回りました。一方、電子機器部門におきましては、タッチパネル応用製品などの企業向け製品の売上が引き続き好調であったことから、売上、営業利益ともに前期を上回りました。その結果、その他の事業全体での売上高は、94億1千3百万円、前期比2億1千6百万円の増収(2.4%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は、世界的な原材料の高騰の影響により、9億5百万円、前期比8千8百万円の減益(8.9%減)となりました。

セグメント資産は、主に現金及び預金や仕掛品の増加により前連結会計年度末に比べ5億1千5百万円増加の114億7千6百万円となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度末現在で、継続している経営上の重要な契約等は次のとおりであります。

 

(1)技術援助を与えている契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

東プレ㈱

(当社)

広州東昇機械

有限公司

中国

自動車用

プレス製品・金型

技術情報の提供及び

ノウハウの実施許諾

2022年2月18日から

2023年2月17日まで

東プレ㈱

(当社)

FSD Group

フランス

自動車用

プレス製品・金型

技術情報の提供及び

ノウハウの実施許諾

2019年5月21日から

2024年5月20日まで

(注)上記の技術援助契約において、ロイヤリティーとして相手方が売上げた契約品目の一定割合を受取ることとしております。

 

(2)資本提携契約

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は主に当社が一括して行っております。当社の研究開発活動は、開発部においては当社コア技術を応用して追求分野を広げ新製品の開発・新規事業化を行っており、各事業部においては新機能を追求した新製品、新技術の開発活動を行っております。

なお、当年度中に支出した研究開発費は、1,313百万円であります。

 

研究開発の概要

<プレス関連製品事業>

自動車向けプレス部門については、カーボンニュートラル達成に向けた取り組みとして、プレス部品の高強度化による軽量化を進めております。プレスに適用する冷間ハイテン材としては最高強度となる1470MPa材については、適用部品を拡大すべく様々な材料の適用技術開発を進めております。ホットスタンプについては、更なる高強度材の適用技術開発が完了し、量産化準備を行っております。また、構造解析技術を適用することで、車体全体の強度の最適化提案を行い車体の軽量化に貢献しております。

 

<定温物流関連事業>

冷凍機器部門については、自社保有技術であるヒートポンプ加温装置の付加価値を高めるため、冷凍車コンテナを急速に乾燥させ配送効率を向上させる庫内乾燥モードを開発し2022年4月より販売を開始しました。環境配慮型冷凍装置については、電動化の開発が進む商用トラックに対応するため電動冷凍装置のラインナップ化および車両との協調制御を行う通信ソフト開発を進めており、EV・HV・燃料電池車の市場評価を各トラックメーカーと進めております。冷凍コンテナについては、ボタン操作でドアを開錠可能な電子錠の開発を進めており、市場での実用評価中であります。航空輸送用カーゴコンテナについては、既に販売中の2機種に続き、今年度中に更に1機種のコンテナをラインナップに加える予定であります。引き続き、お客様のニーズに沿った商品開発を推進していきます。

 

<その他事業>

空調機器部門については、昨年市場投入しました住宅向けマルチ換気ユニット「デシトップマルチベント」に続き、送風・ヒートポンプ・デシカント等、自社保有技術を活かした住宅の快適性向上に繋がる空調製品を開発中であります。また、ビル・工場向け空調製品では、既存製品をより一層の省エネ化へ繋げる開発を展開中であります。

電子機器部門については、主力商品で多くのお客様からご支持をいただいておりますREALFORCEブランド製品の拡充として、新しい機能を追加した商品や、新しいデザインの商品を企画し、開発を進めております。さらに、標準仕様の組込型セキュリティPINパッドをバージョンアップし、既存ATMメーカーでの継続採用や、精算機などへの採用に向けた開発、および、長年培ってきた組込技術を活かし、お客様の仕様に対応した組込型タッチパネルモニターや、組込型キーボードの開発など、お客様のニーズに沿った商品開発を進めております。また、自社保有技術である静電容量技術を応用した新製品の開発や市場の開拓を展開しております。

 

<開発部>

開発部については、冷熱技術、電子技術等の自社保有技術に新技術を加え、新規事業の創出及び既存事業の拡大に繋がる商品の開発を行っております。新規事業の創出では、農業用水や工場用排水の未利用エネルギーを利用したナノ水力発電システムの製品化を目標に官民連携事業を展開しております。冷凍・空調機器関連では、工場や物流倉庫の環境改善を狙った大型シーリングファンの開発から実用化を目標にフィールド検証を展開しております。電子機器関連では、アナログセンシング技術を応用した電子ピアノ用鍵盤の実用化を目標に展開しております。また、脱炭素社会に向け、ノンフロンの冷熱商品の商品化に向け基礎データの蓄積を展開しております。