第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における国内経済は、新興国の景気減速や株価動向など懸念材料があるものの、企業収益は改善傾向が続き、住宅着工戸数、設備投資も前年比で増加し、緩やかながら回復基調となりました。海外(1月~12月)においては、米国経済は、年初は悪天候の影響等により伸び悩んだものの、雇用・所得環境の改善から個人消費は堅調さを維持し、住宅投資も前年比で増加する等、緩やかながら拡大基調となりました。欧州経済は、雇用の底入れ、個人消費の改善、国毎にはばらつきが大きいものの住宅投資にも回復の動きが見られた一方、輸出の先行きの不透明さから設備投資環境は依然として低調に推移しました。

このような環境下、当社グループは、長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2020」第一次3ヵ年計画の最終年度を迎え、成長基盤の更なる強化に向け、国内においては、受注拡大やグループ各社の連携による多品種化の完全定着を進める等、今後の成長に向けた基盤整備に引続き注力しました。米国では、ドア事業等のコア事業の強化や新製品拡充によるシェア拡大や品質改善に努めました。欧州では、生産性の向上に注力すると共に前年度買収したアルファ社とのシナジー効果創出に努めるなど基盤強化を行いました。

以上の結果、連結業績は、2年連続で売上、利益共に過去最高を更新し、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ7.8%増の365,615百万円となりました。利益面では、営業利益は前連結会計年度に比べ2.0%増の26,870百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ0.7%増の26,161百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ13.8%増の14,627百万円となりました。

 

セグメントの業績は以下のとおりであります。

 

日本

主力のシャッターが堅調で多品種化商品である間仕切・エントランス・エクステリアも大幅増収となったことにより、売上高は前連結会計年度に比べ6.3%増の202,191百万円となりました。利益に関しましては、事業拡大のための支出や人件費等が増加しましたが、前連結会計年度に比べ5.9%増の22,692百万円のセグメント利益となりました。

 

北米

ドア事業が需要繁忙期に主力工場の生産に一部混乱が生じたことやカナダ経済鈍化により出荷が伸びず、車両ドア事業も前年の特需剥落で大幅減収、自動ドア事業は増収を確保しましたが外貨ベースでは1.7%減収となりました。円ベースでは為替の影響により売上高は前連結会計年度に比べ11.7%増の110,035百万円となりました。利益に関しましては、コスト削減に注力したものの、数量減少とドア事業での生産混乱によるコスト増加及びカナダドル安の影響で、前連結会計年度に比べ0.3%増に留まり5,804百万円のセグメント利益となりました。

 

③欧州

非住宅市場の低迷に伴い既存事業では減収となりましたが、前年度買収したアルファ社の業績が寄与し、また、ガレージドアは年央からの市場回復により増収となり売上高は前連結会計年度に比べ6.7%増(外貨ベースでは12.0%増)の53,281百万円となりました。利益に関しましては、増収効果と固定費削減に注力し、前連結会計年度に比べ11.2%増の1,570百万円のセグメント利益となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ17,089百万円減少し41,516百万円となりました。当連結会計年度における区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益が増加したことにより24,378百万円の資金増加(前連結会計年度は22,304百万円の資金増加)となりました。

 

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産及び有価証券の取得により15,641百万円の資金減少(前連結会計年度は27,080百万円の資金減少)となりました。

 

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済や社債の償還により25,702百万円の資金減少(前連結会計年度は10,625百万円の資金増加)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日  本

150,344

106.8

北  米

82,543

107.2

欧  州

35,972

108.6

合  計

268,860

107.1

 

(注) 1  上記の金額は、製造原価によっており、相殺消去前の金額であります。

2  上記の金額に、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

日  本

216,185

104.3

89,352

112.0

北  米

107,660

111.5

5,653

112.6

欧  州

55,277

80.2

5,886

102.5

合  計

379,123

101.7

100,892

111.5

 

(注) 1  上記の金額は、相殺消去前の金額であります。

2  上記の金額に、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメント等の名称

金額(百万円)

前期比(%)

日  本

202,191

106.3

北  米

110,035

111.7

欧  州

53,281

106.7

報告セグメント計

365,508

107.9

調 整 額

107

24.8

合  計

365,615

107.8

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  上記の金額に、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

 

当社グループは、「安全、安心、快適を提供することにより社会に貢献する」ことを使命と定め、この使命を具現化した商品とサービスをお客様に提供することにより、当社企業価値および株主共同の利益の確保・向上に取組んでまいります。

◎ 長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2020」

「動く建材」のグローバル・メジャーとして、世界中のお客様に安全、安心、快適な商品とサービスを提供する。

当社グループは、「三和2010ビジョン」(2001年~2012年)の基本構想である「企業価値創造のグローバルグループ経営」を継承し、グローバル経営を初期段階から新たな飛躍の段階へと進化させるため、長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2020」を策定し、2013年度よりスタートいたしました。

<目指す姿>

1.日・米・欧において、各地の市場特性に応じた発展により、トップブランドの地位を不動のものとする。

2.各地域でお客様が満足する最大の付加価値を提供するため、サービス分野の強化を中心にビジネスモデルを拡大する。

3.アジアを中心とした新興国におけるシャッター・ドア事業を、グループの事業の一つの柱とし、トップブランドに育成する。

4.各地に展開する強みを結集し、グローバル市場における全体最適を推進する。

○ 中期経営計画(第二次3ヵ年計画 2016年~2018年)

「三和グローバルビジョン2020」の実現に向けて、グローバル・メジャーとしての競争力を強化する3ヵ年として以下の重点方針と経営目標を掲げ『第二次3ヵ年計画』(2016年~2018年)をスタートさせました。

<重点方針>

1.日・米・欧における競争力の強化とトップブランドの確立

国内グループ会社:

既存事業の強化、多品種化による更なる成長、連携による事業強化・拡大、点検法制化対応

米国グループ会社:

基幹事業の強化および成長、川下事業戦略、海外事業拡大

欧州グループ会社:

グループ経営の推進、耐火ドアの全欧州への拡販、産業用ドア事業の拡大、セクショナルガレージドアのシェア拡大

 

2.サービス分野の強化とビジネスモデル拡大

国内事業会社:

サービス事業の強化、修理・メンテナンス体制の強化(工事力強化と法制化対応)、支店・各ブロックにおける営業体制のための各種インフラ整備

米国事業会社:

カナダの販売会社と米国のドア施工直販部門を統合して施工・サービス部門を新たに設置、自動ドア事業での収益改善とM&Aによる業容拡大

欧州事業会社:

欧州全域でのサービス機能の再構築、プロユーザー向けのWebを活用したスペアパーツの欧州全域での拡販

 

3.アジア事業の事業基盤の強化

① 各重点マーケットでトップシェアを目指す

② ローカル化の更なる推進

③ グループ会社間のシナジー連携強化

④ アジア域内の横断的な商機拡大

4.グローバル展開による競争力の発揮

① グループ調達活動の拡大

② グローバル営業ネットワーク

③ グローバルベースの商品開発・展開

5.社会から信頼される企業体質の維持強化

① コーポレートガバナンス強化

② コンプライアンス、品質・安全の徹底

 

 

 

 

当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)

 

当社は、平成26年5月16日開催の当社取締役会において、会社の支配に関する基本方針(以下「基本方針」といいます。)に基づき、従来の当社株式の大量取得行為に関する対応策に所要の修正を加えた対応策(以下「本プラン」といいます。)への更新を決議いたしました。本プランは、平成26年6月26日開催の当社第79期定時株主総会において、承認可決されております。

 

1 基本方針の内容の概要

 当社グループは、「安全、安心、快適を提供することにより社会に貢献する」ことを使命と定め、この使命を具現化した商品とサービスをお客様に提供することにより、当社企業価値および株主共同の利益の確保・向上に取組んでおります。

 その上で、当社グループは以下を経営理念として定め、これらを実践することが、当社グループの企業価値の源泉であると考えています。

①お客さますべてが満足する商品、サービスを提供する

②世界の各地域で評価されるグローバルな企業グループとなる

③個人の創造力を結集してチームワークにより企業価値を高める

 かかる経営理念のもと、現在、当社グループは、日本における強固な事業基盤を基礎としつつ、米国、欧州、中国(アジア)等の世界主要地域に事業展開しています。かかる各地域でその地域特性を生かした販売、調達、生産、技術開発および新ビジネスの開拓を各々の地域のグループ会社が分担するとともに、当社グループとしてグローバル・シナジーを最大限に発揮することが、お客様が満足する競争力の高い製品、サービスを提供するために必要と考えております。また、当社グループは、「日・米・欧における『動く建材』の不動のトップブランド」を目指した取組みを行っておりますが、ブランドの育成、確立は一朝一夕にできるものではなく、役職員が一丸となって、お客様に対し、安全、安心、快適を中長期的に安定的に提供するとともに、社会の期待と信頼に応えるべく情報公開の拡充や法令遵守、環境保全、社会貢献等による企業の社会的責任の達成等を図ることで、はじめて皆様からの信頼を得られるものと考えております。

 これらの取組みによって、当社グループの企業価値および株主共同の利益を持続的かつ長期的に向上させるためには、株主の皆様はもとより、お客様、取引先、従業員、地域関係者等のステークホルダーとの適切な関係を維持、発展させていくことが極めて重要であり、これらのステークホルダーの利益にも十分配慮した経営を行う必要があります。

 従って、当社の株券等の大量取得の提案を受けた場合、その大量取得が当社の企業価値および株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断するためには、買収者の大量取得の目的、買収者の提案する事業計画の実現可能性・適法性、当社グループのブランド・人的資源を含む有形無形の経営資源、ステークホルダーに与える影響とそれが企業価値に及ぼす影響、世界中の各地域の有機的結合により実現されるシナジー効果等、当社グループの企業価値を構成する要素が十分に把握される必要があります。

 当社は当社株主の在り方について、株主は市場における自由な取引により当社株式を取得した株主に必然的に決まるものと認識しており、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるか否かの判断も、最終的には、当社株主の総体的意思に委ねられるべきものと考えています。しかし、上記の様々な要素に鑑みて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資さない当社株券等の大量取得を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えております。

 

 

2 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の上記基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

(1)企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の実現に向けた取組みについて

 当社では、上記基本方針の実現に資する取組みとして、平成25年5月に策定した長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2020」を実行することにより、当社グループの経営資源を有効に活用し、当社グループの企業価値および株主共同の利益の向上を実現していく考えであります。

 

◎ 長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2020」

 当社グループは、長期経営ビジョン『三和2010ビジョン』(2001年~2012年)にて掲げた基本方針に基づき、国内においては、シャッター依存型からドア、フロント、間仕切、ステンレスなどの多品種化を進展させました。また、欧州、アジア各地域への進出により、日本、米国、欧州、アジアの4極に拠点を築き、グローバル化の基礎を構築しました。残された課題としては、アジア事業の拡大、サービス事業のグローバル展開、グローバルシナジーの強化などがあります。以上の成果と課題を踏まえ、『三和2010ビジョン』の基本構想である「企業価値創造のグローバルグループ経営」を継承し、グローバル経営を初期段階から新たな飛躍の段階へと進化させるため、長期経営ビジョン『三和グローバルビジョン2020』を次のとおり策定しました。

 

「三和グローバルビジョン2020」

「動く建材」のグローバル・メジャーとして、世界中のお客様に安全、安心、快適な商品とサービスを提供する。

《目指す姿》

○日・米・欧における不動のトップブランド

○サービス分野のビジネスモデル確立

○アジアを中心とした新興国でのシャッター・ドア事業を拡大し、トップブランドに育成する

○グローバル市場におけるグループシナジーの推進

 

(2)企業価値および株主共同の利益の向上の基盤となる仕組み

 当社は、当社グループの企業価値および株主共同の利益の向上の基盤として、従来よりコーポレート・ガバナンスおよび企業の社会的責任への取組みの強化を図っております。

①コーポレート・ガバナンスの強化

 当社では、執行役員制度を導入し、取締役会における経営意思決定と執行役員の業務執行を分離することにより、経営の効率化と取締役が執行役員の業務執行を監督する機能について強化を図ってまいりました。また、経営の客観性、公正性を高めるため、社外取締役1名、社外監査役2名をそれぞれ選任しており、いずれの社外取締役、社外監査役も独立役員として指定しております。

 当社は、今後も、コーポレート・ガバナンスの強化に注力し、効率性かつ透明性の高い企業経営を実現することで企業価値および株主共同の利益の向上に努めてまいります。

②企業の社会的責任

 当社グループが、持続的な発展を続けるためには、世界各国、地域社会に対し積極的に貢献し、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)を果たすことにより、社会からの信頼を高めていくことが必要不可欠であります。当社グループは、引き続き法令遵守、環境保全、社会貢献等のための活動を推進していきます。

 

 

3 本プラン(上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み)の内容の概要

 本プランは、上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであり、当社の企業価値、株主共同の利益を確保し、または向上させることを目的とするものです。

 本プランは、当社株券等に対する買付等(①当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他の取得、または②当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け等)を行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)が従うべき手続等について定めております。

 具体的には、買付者等には、買付等に先立ち、意向表明書および買付情報等を記載した買付説明書等を当社に提出していただきます。これを受け、独立委員会において、独立した専門家の助言を得ながら、買付者等から提出された情報や当社取締役会から提出された代替案(もしあれば)等の検討、買付者等と当社取締役会から提出された事業計画等に関する情報収集・検討、買付者等との協議・交渉等を行うとともに、当社においては、適時に情報開示を行います。

 独立委員会は、本プランに定める手続を遵守しない買付等や当社の企業価値および株主共同の利益の確保、向上に対する明白な侵害をもたらす虞のある買付等であって、かつ、本新株予約権の無償割当てを実施することが相当である場合等には、取締役会に対し、新株予約権の無償割当てを実施すべき旨を勧告します。この新株予約権には、買付者等による権利行使は原則として認められない旨の行使条件および原則として当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項等が付されております。

 当社取締役会は、独立委員会の勧告等を最大限尊重して新株予約権の無償割当ての実施または不実施に関する会社法上の機関として決議を行うものとし、また、株主意思確認総会が開催された場合には、これに従うものとします。買付者等は、本プランに従い当社取締役会が新株予約権の無償割当ての不実施に関する決議を行うまでの間、買付等を行ってはならないものとします。

 本プランの有効期間は、平成29年3月期に係る定時株主総会の終結の時までとなります。但し、有効期間満了前であっても、(i)当社株主総会において本プランに係る新株予約権の無償割当てに関する事項についての取締役会への委任を撤回する旨の決議がなされた場合、または(ii)取締役会において本プランを廃止する旨の決議がなされた場合は、その時点をもって本プランは廃止されるものとします。

 

4 基本方針の実現に資する特別な取組みおよび本プランに対する取締役会の判断およびその理由

 当社取締役会は、上記2に記載の長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2020」を実行していくことが、当社の企業価値および株主共同の利益を確保し、向上させることを目的とするものであることから、基本方針に沿うものであり、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと判断しております。

 また、当社取締役会は、本プランについても、第79期定時株主総会において株主の皆様の承認を得ていること、その有効期間が3年間であり、さらに、本プランの有効期間満了前であっても、当社株主総会または取締役会の決議によりいつでも廃止できるとされていること、当社経営陣から独立した者によって構成される独立委員会が設置されており、本プランにおける対抗措置の発動に際しては独立委員会による勧告を経ることが必要とされていること、本プランの内容として合理的な客観的要件が設定されていること、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を全て充足していることなどから、基本方針に沿うものであり、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと判断しております。

 

 

4 【事業等のリスク】

 

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。当社グループでは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、平素より予防、軽減及び発生した場合の対応に努めております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)資材・部品等の調達について

①鋼材価格等原材料の価格高騰、安定確保に係るもの

当社グループの主要原材料である鋼材(鋼板・ステンレス等)価格は、一時、円安等の影響により、上昇傾向にあり、鋼材価格が再度、高騰する可能性があります。

当社グループは、コストダウンに全力で取り組んでおりますが、全てを吸収することは困難であり、製品価格の引き上げに取り組んでおります。しかし、価格競争の厳しい市場下で原材料価格上昇を完全にカバーできるかはなお不透明であり、経済環境の悪化に伴う価格引き下げ圧力の増大など当社グループの収益に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②特定の供給元への依存に係るもの

当社グループは、製品の主要部品の一部を永年の取引関係とそれに基づいた諸条件等から、グループ外の特定供給元に依存しております。主要部品の確保には留意して万全の体制を取っておりますが、供給元の状況の変化等により主要部品の不足が生じない保証はありません。その場合、生産・販売、また代替品対応等の影響等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)製品性能について

①製品品質上の問題に係るもの

当社グループは、製品の品質確保には留意して万全の体制を取っております。しかしながら、予期せぬ状況の発生等により、製品、資材、部品、その他のサービス等に欠陥または何らかの品質上の問題が全く生じないとは言い切れません。万一そうした状況が発生した場合は、当社グループの製品の信頼性やブランド価値に悪影響を及ぼす可能性があります。また、代替品等の対応により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②製品の安全性と保守点検に係るもの

当社グループは、平成16年3月に発生した自動回転ドア(当社グループ会社設置)事故の教訓をもとに、新製品開発における安全対策をさらに強化徹底すべく努めております。

当社グループは、保守点検契約を獲得し安全性確保を目指すべく既設製品のデータベース化を進めております。平成28年6月より防火設備の定期検査・報告制度が導入されておりますが、全ての防火設備が対象となっておらず、それら以外の製品の保守点検は、法制上強制ではなく任意の契約となっていることもあり、依然として保守点検契約率は高くはありません。このことは、製品性能が部品の磨耗等により正常に発揮されない、潜在的なリスクとなっています。また、そして万一重大事故が発生すれば、当社グループの信頼性やブランド価値が損なわれ、業績・株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3)経済状況、市場動向及び地域的多様性について

当社グループの業績は、それぞれ公共事業投資や民間設備投資、新規住宅着工の状況、個人消費動向及び主要販売先の業績変動等において影響を受ける場合があります。

当社グループは平成8年に米国のOverhead Door Corporationグループを買収、平成15年には欧州のNovofermグループを買収しており、事業の約4割が欧米地域での生産、販売となっております。またアジア地域においても中国を中心に事業を拡大しつつあります。これらにより、日本、米国、欧州、アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退、及びそれに伴う需要の縮小によって、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性が高くなっていると言えます。このことは、グループ全体としての事業のリスクが分散された反面、純粋に経済状況、需要動向による要因のほかに特に以下の新たなリスク顕在化の可能性が生じております。

 

①事業展開地域の地政学的リスクに係るもの

海外に事業展開することで進出地域それぞれの政治的・社会的環境のもとで事業をすることになり、それらの変化が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

・製品仕様等に関わる予期しない法律または規制の変更

・海外移転税制等、外国資本に対する不利な政策または経済要因

・テロ、戦争、パンデミック等を含む伝染病、反日暴動などその他の要因による社会的混乱

 

②ストライキ等の労使関係に係るもの

当社グループが進出している海外の各地域・国において労働慣行の相違が存在しており、法環境の変化、経済環境の変化など予期せぬ事象を起因とした労使関係の悪化、ストライキ等労働争議などのリスクが存在しております。万一そのような問題が発生、長期化した場合は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)為替レート、金利、有価証券価格等、金融市場の変動について

各地域における売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成に当たり円換算しております。これらの項目の各期の円換算後の業績は為替レート如何によって事前の想定範囲を超えて影響を受ける可能性があります。

金利の変動については当社の金融資産、負債(特に長期負債)の評価に影響を与える可能性があり、また保有する有価証券価格についても価格変動のリスクがあります。

 

(5)業績の季節変動への対応について

当社グループの事業は、年度末の完工物件が多い公共事業や民間設備などの比率が高いため、業績は上半期より下半期の比重が高くなる傾向にあります。このことは適切な人員配置が困難になる、あるいは設備能力の設定ができないなどの問題につながり、結果として当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)コンプライアンス・リスクについて

当社グループは、法令遵守と倫理に基づいた企業活動を行う旨を宣言し、当社の取締役及び従業員が事業遂行にあたって、各種法令や倫理基準並びに社内コンプライアンス行動規範等から逸脱した行為を行うことがないよう、グループ全体への徹底を図っております。しかし、万一それらの行為が発生し、当社がコンプライアンス上の問題に直面した場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起や社会的信用の失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。

 

 

(7)事業買収について

当社グループは、保有する経営資源の効率的運用を考慮し、企業価値の最大化を目的として事業買収を実施することがあります。なお、買収後において当社が認識していない問題が明らかとなった場合や、市場環境や競合状況の変化または何らかの事由により事業展開が計画通りに進まない場合、投資価値の減損損失を行う必要が生じるなど、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

上記以外に次のようなリスクが考えられます。

 

・気象条件、地震等自然災害またはテロ・暴動などの騒乱に係るもの

・製品・サービス開発、価格競争等市場での競合に係るもの

・人材確保に係るもの

・公的規制への対応に係るもの

・訴訟対応に係るもの

・情報及び情報システムの管理に係るもの

・企業買収・事業提携等に係るもの

・環境規制に係るもの

・退職給付債務に係るもの

・取引先からの債権回収に係るもの

・固定資産の価値下落に係るもの

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

 

当連結会計年度における研究開発活動は、用途別市場に対する品揃えとプラットフォーム化推進、商品・部材・部品の整理統合を図り、かつ、品質、安全、施工性の向上及びコストダウンを推し進めながら、新製品の開発及び既存製品の改良に取組みました。なお、研究開発費の総額は3,868百万円となっております。

セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。

 

(1) 日本

主にシャッター製品、ドア製品の開発に注力しており、シャッター製品については、重量シャッターでは、施工の省力化や改修工事に対応するため溶接を使用せず施工ができる「重量シャッター溶接レス工法」を標準設定としました。また、物件対応として仙台駅に袖扉連動防火防炎シャッター「マックスペース」のステンレス袖扉仕様を納め、今後、このステンレス袖扉仕様の標準設定を進めてまいります。住宅用窓シャッターでは、「マドモア」シリーズでパナソニック株式会社が販売する「スマートHEMS」と連携が可能な「HEMS仕様」を開発し、「スマートHEMS」専用のモニターに加え、スマートフォンやタブレット端末などにより、宅内の離れた場所から電動窓シャッターを個別または一括で開閉操作が可能になりました。ブラインドタイプ「マドモア ブラインド」では、業界初のHEMSによるブラインド角度調整に対応し、6段階で通風・採光をコントロール可能な仕様の品揃えも行いました。

マンションドア市場では、主力マンションドアの「エックスドール」ハンズフリーシステムに三和オリジナル仕様の「Akimasシステム」を追加し、IDキー(Akimasキー)をかばんやポケットなどに閉まったまま、ドアの施解錠ができ、また、共用部のエントランス自動ドアや宅配・メールボックスなども「Akimasシステム」を搭載することで一つのキーで操作可能な製品の開発を行いました。

環境関連製品では、「ウォーターガード Sタイトドア」において外部を目視できるよう腰窓使用を追加し、セキュリティー対応として電気錠もオプションで選択できるよう仕様追加を行いました。この製品は、「防水シャッター」、「Wタイトドア」に引き続き、一般財団法人建材試験センター中央試験所において浸水防止性と合せて構造安全性や使用安全性、容易性、耐久性、環境影響性等の審査を受けており、技術評価認定を取得しております。

なお、当セグメントに係る研究開発費は、1,578百万円であります。

 

(2) 北米

主に住宅用・商業用開閉機の開発に注力しており、商業用開閉機については、高速開閉、高頻度、高耐風圧仕様のシートシャッターの開発や火災関連感知システム連動機能を搭載した開閉機の開発、主に空港セキュリティーで利用されるスウィングドアの開発等を行いました。車両用ドアについては、業界初のトラック・トレーラー向け、1枚扉断熱ドアの開発等を行いました。

なお、当セグメントに係る研究開発費は、1,766百万円であります。

 

(3) 欧州

主に欧州建材製品基準の統合に対応すべくNE16034基準を満たした製品の開発を行いました。また、新型ガレージドア用開閉機として従来のイメージを一新した薄型でLEDライトを使用した革新的なデザインの開閉機を開発しました。

なお、当セグメントに係る研究開発費は、523百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、決算日における資産・負債の報告数値、偶発債務の開示、各連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき行っており、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、主に現金及び預金の減少により前連結会計年度末と比べ13,057百万円減少し310,269百万円となりました。負債は、主に社債の償還により前連結会計年度末と比べ16,644百万円減少し179,934百万円となりました。純資産は、主に利益剰余金が増加したことから、前連結会計年度末と比べ3,586百万円増加し130,334百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比べ2.6ポイント増加し41.7%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益が増加したことにより24,378百万円の資金増加(前連結会計年度は22,304百万円の資金増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産及び有価証券の取得により15,641百万円の資金減少(前連結会計年度は27,080百万円の資金減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済や社債の償還により25,702百万円の資金減少(前連結会計年度は10,625百万円の資金増加)となりました。

以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ17,089百万円減少し41,516百万円となりました。

 

(4)経営成績の分析

当社グループは、長期経営ビジョン「三和グローバルビジョン2020」第一次3ヵ年計画の最終年度を迎え、成長基盤の更なる強化に向け、国内においては、受注拡大やグループ各社の連携による多品種化の完全定着を進める等、今後の成長に向けた基盤整備に引続き注力しました。米国では、ドア事業等のコア事業の強化や新製品拡充によるシェア拡大や品質改善に努めました。欧州では、生産性の向上に注力すると共に前年度買収したアルファ社とのシナジー効果創出に努めるなど基盤強化を行いました。

その結果、連結業績は、2年連続で売上、利益共に過去最高を更新し、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ7.8%増の365,615百万円となりました。利益面では、営業利益は前連結会計年度に比べ2.0%増の26,870百万円、経常利益は前連結会計年度に比べ0.7%増の26,161百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ13.8%増の14,627百万円となりました。

なお、セグメント別の売上高及び利益の概況については、「第2事業の状況1業績等の概要」に記載しております。