文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「良品声なくして人を呼ぶ」を創立以来のモットーとして、品質第一主義の経営理念をもって、お客様に満足頂ける製品・商品を提供し、品質に対する信頼を得てまいりました。
今後は、更に全社員参加の品質保証システムを確立すると共に、自然環境との共生並びに少子高齢化時代を見据えた新たな製品・商品開発にチャレンジし、お客様のニーズに機敏に対応出来る企業として、常に高い目標に向かって邁進し社会に貢献することを経営の基本としております。
(2) 経営戦略等
営業力の戦力強化による売上拡大と更なるトータルコストの縮小を図り、収益性を高めるとともに、引き続き少子高齢化時代を見据えたツールの軽量化および軽労化、地域性や特殊用途の機能性を重視した製品開発をはじめ、海外事業およびEC事業の強化の他、新規販路、新規市場の開拓とその市場に合わせた製品開発に取り組み、また、堺工場における生産体制の強化、生産効率の向上に向け、生産設備の刷新、改修を図ることにより経営基盤をより一層安定させることを目指しております。
海外事業では、これまでのアメリカ・中東をはじめ、欧州各国やオーストラリア、韓国、台湾等、世界18ヵ国へ輸出しておりますが、今後は特にドイツ・イギリスを中心とした欧州の売上拡大に向け、現地の仕様にあった商品開発に取り組んでまいります。また、現場の職人の声を聞き、お客様からのご要望にお応えできる商品開発に取り組み、ホームセンターや専門店はもちろん、EC事業においてもさらに強化してまいります。
(3) 経営環境
当社は寛文元年(1661年)に創業いたしました。その後、1893年にショベル、スコップの国産化に成功して以来、「良品声なくして人を呼ぶ」という経営理念に沿った品質第一主義の製品・商品創りに徹し、象印のシンボルマークをもって業界をリードするメーカーとしての地位を築いてまいりました。その間、幾多の激動と変転の波にもまれつつも、時代の変遷の中で常に「人の生活」をテーマに、アウトドア用品から物流システム事業まで幅広く事業展開を重ねてまいりました。
近年、世界の経済・産業構造は時代の流れとともに著しく変容しつつある中、古い歴史に培われた専門技術と経験を生かし、常に新しいアイデアを盛り込みながら、ひたむきな行動力と豊かな創造力でさらなる前進を重ね、新しい時代を創ろうと取り組んでおります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は品質第一主義の経営方針に基づき、お客様に満足頂ける製品・商品の開発や品揃えを中長期的経営の重点目標としております。また、販路の拡大と粗利益の改善を図る一方、販売費及び一般管理費の削減に努め合理的かつ効率的な経営を推進し、ROE(自己資本利益率)の向上を目指し、株主利益の拡大に努めてまいります。
会社が対処すべき課題として、現在展開中の具体的な取り組みは以下のとおりであります。
①当社の主力製品であるショベル・スコップについては、海外からの廉価品との競合等、厳しい環境下にあるが、ユーザー志向に沿った製品の品揃えを目指し、生産体制の強化および生産効率の向上に向け、生産設備の刷新、改修を図る。
②土農工具・園芸用品については、新製品の開発、既存商品の改善、改良を重視し更なる拡充を図る。
③物流システム関連商品については、新規販路の拡大に加え、納入実績のあるユーザーに対するサービスの強化・掘起しを重点に顧客の満足度を満たす営業活動と時代に応じた技術の向上に力を注ぐ。
④少子高齢化時代に即応した安全で使いやすい商品の提供をはじめ防災関連用品等、時代の変化にマッチした斬新な商品企画・商品改革に全力を尽くす。
⑤その他人材の育成については、安全教育の徹底及びモラールの向上と規律正しい活力ある組織作りを目指し経営の効率性を図ると共にコンプライアンスの徹底、適時適正開示、リスク管理等を含め内部統制の更なる充実に力を注ぐ。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営上の目標状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、ROE(自己資本利益率)であります。
2025年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
売上高につきましては、ショベル類を含む生活関連用品については、ホームセンターおよび専門店ルートに対して積極的な営業活動に努力してまいりましたが、販売価格改定の影響や消費動向の変化等により売上が伸び悩みました。物流機器類については、新たな受注は減少傾向にありましたが、前期末までに受注した案件の売上が上期に集中したこと等により、売上が順調に推移いたしましたが、計画比 51,761千円の減少となりました。利益面につきましては、物流機器類の売上増収に加え、原材料や物流費が高騰する中、引き続きコストの低減と諸経費の節減等に努めました結果、営業利益は計画比 104,722千円、経常利益は計画比 76,647千円、当期純利益は計画比 52,649千円の増加となりました。なお、ROEは利益目標を大きく上回った影響で 5.5%となりました。
|
指標 |
2025年3月期 (計画) |
2025年3月期 (実績) |
2025年3月期 (計画比) |
|
売上高 |
8,500,000千円 |
8,448,238千円 |
51,761千円減( 0.6%減) |
|
営業利益 |
200,000千円 |
304,722千円 |
104,722千円増(52.4%増) |
|
経常利益 |
260,000千円 |
336,647千円 |
76,647千円増(29.5%増) |
|
当期純利益 |
175,000千円 |
227,649千円 |
52,649千円増(30.1%増) |
|
ROE(自己資本利益率) |
4.7% |
5.5% |
0.8ポイント増 |
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、園芸用品や除雪関連用品等の季節商品の比重が多く、気候変動をはじめとする環境問題への対応は、重要な経営課題のひとつとして認識しており、環境対策委員会を設置しております。年2回開催される環境対策委員会では、環境問題によるリスクと機会について審議し、適切な対応への取り組みを行っており、これらの結果については、定期的に取締役会へ報告しております。また、人的資本に係る事項については、毎月開催される総務会議において人材の確保と育成、多様性、就業環境等について議論しております。
(2)戦略
当社は、倫理行動規範として、「私たちは、地球環境を経営資源のひとつとして認識し、自然との共生を図り、次の世代に持続可能な社会を引き渡す事ができるよう努める」を掲げて環境問題に取り組み、また、「私たちは、従業員の生活の向上と安全で働きやすい環境を確保し、あらゆる差別や嫌がらせを排除する」を掲げており、人材の育成および働きやすい環境づくりに取り組んでおります。
・人材の育成
当社では、各部門の目標に沿った個人目標を設定する、目標管理制度を導入しております。個人が自主的に目標設定することで業務に対する自主性を高め、目標達成のため創意工夫することで能力開発に繋がると考えております。また、必要な研修を受講するなど将来の管理職の育成を行っております。
・多様な人材
多様性の確保にかかる具体的な目標値は定めておりませんが、性別や採用ルートを問わず、人物主義で各従業員の能力に基づいて人事評価を行い、昇進等の処遇を行っております。現在、外国人の従業員はおりませんが、女性や中途採用者については管理職に登用しており、引き続き、意欲と能力のある従業員を育成し、管理職として登用します。女性の管理職はまだ少ないですが、ここ数年は係長や主任への登用も増え、今後も女性が活躍できる環境を整えてまいります。
・働きやすい環境
従業員一人ひとりが健康であるために、ストレスチェックの実施やインフルエンザワクチン投与費用の支援、受動喫煙の防止など従業員の健康増進に取り組むとともに、有給休暇の取得促進として、半日および時間単位有給休暇や計画的付与制度を導入し、有給休暇取得率目標70%以上を掲げて取り組んでおります。この他、コンプライアンス研修やあらゆるハラスメントを防止するための全社員対象のアンケート調査や研修会、安全衛生委員会による各職場のパトロールなどの安全衛生活動を実施し、すべての従業員が安全で働きやすい環境づくりに取り組んでおります。
・環境対策
環境問題の取り組みとしては、二酸化炭素排出の削減として敷地内緑化に努め、当社ショベル・スコップの売上金の一部を、地球環境基金を通じて国内外の環境保全活動に役立てられるよう支援しております。この他、ハイブリッド車等、低公害社用車の積極的な導入や天候や湿度等に応じて適切に判断しながら年間を通じて省エネや節電を意識し、働きやすい服装で業務を行う「ASAKA BIZ STYLE」を実施するなど、様々な対策を行い、消費電力の抑制にも取り組んでおります。
(3)リスク管理
当社は、リスク管理委員会を設置し、サステナビリティ関連を含む様々なリスクの管理を行っております。リスク管理委員会は、管理本部本部長が委員長となり、各部門責任者よりヒアリング等を年2回実施し、新規リスクの確認や現状リスクの評価を行い、優先順位を付けて対応しております。また、重要なリスクは総務会議へ報告しております。
(4)指標及び目標
当社の労働者に占める女性労働者の割合は14.4%で、そのほとんどが事務専従者であり、数年内に管理職に占める女性労働者の割合を上げることは難しく、目標数値を掲げておりません。また、男性労働者の育児休業取得率は、対象者が非常に少なく、目標数値を掲げておりません。
戦略で記載している有給休暇の取得率につきましては、70%以上の目標を掲げて取り組みを推進した結果、117期 65.7%、118期 74.8%、119期 72.6%、120期 75.0%、121期 77.5%となり、直近4年間は目標を達成しております。
なお、環境問題に関する指数および目標につきましては、CO2排出量の削減を念頭に、目標とする指数を現在検討しております。
当社の経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 不良債権発生によるリスク
1社集中型の取引が多くなりつつある現況の中で、小規模な取引も含めて債権管理をより一層強化していく方針であります。その貸倒れのリスクを軽減するために一部の取引につきましては、預り保証金の確保、裏書き手形による入金、定期的な調査会社資料の入手を行っておりますが、予測不能な事態が生じた場合には、業績と財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 天候不順によるリスク
アウトドア用品類、工事・農業用機器類および除雪関連用品等の季節商品の比重が大きく、需要期における製品・商品の安定供給ができる体制を整え、状況に応じて適正在庫を慎重に検討しておりますが、梅雨や猛暑の長期化、暖冬による小雪等の天候不順により業績と財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外取引にかかるリスク
輸出については、アメリカ・中央アフリカ等主要輸出国での不況と為替の動向如何によっては、業績と財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、原材料および商品等の輸入については、外貨建ての取引となっております。その外国為替相場の変動リスクを軽減するために為替予約によるヘッジを行っておりますが、為替相場に大幅な変動があった場合には、業績と財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 災害等によるリスク
製造ラインの中断による潜在的なマイナス影響を最小化するために設備における定期的な災害防止検査、設備点検および老朽化設備の刷新を行っております。しかし、生産設備で発生する災害、停電またはその他中断事象による影響を完全に防止できる保証はありません。従って大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、生産能力が著しく低下する可能性があります。
(5) システムによるリスク
販売等の業務は基幹システムを導入し、業務運営を行っております。その基幹システムにつきましては、自然災害や情報漏洩等の対策を施された外部データセンターに設置し、販売拠点における受発注業務代替システムについては、受発注システムを全拠点において同条件でアクセスできる体制となっており、出荷体制についても、外部委託先の出荷システムは、データセンターでの一括処理システムに刷新され、緊急時には弊社の主要出荷拠点(本社・茨城)のどちらからでも出荷できるようになっており、万全の対策を行っておりますが、システム障害やインターネット環境に何らかのトラブルが発生した場合は、業績と財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境が改善傾向にある他、インバウンド需要の高まり等により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、急激な為替の変動や金利の上昇に加え、物価上昇による消費者マインドの悪化懸念の他、アメリカの新政権移行後の政策動向やロシア・ウクライナおよび中東情勢の地政学的リスク等、依然として先行き不透明な状況となっております。
このような情勢下におきまして、ショベル類を含む生活関連用品については、ホームセンターおよび専門店ルートに対して積極的な営業活動に努力してまいりましたが、販売価格改定の影響や消費動向の変化等により売上が伸び悩みました。物流機器類については、新たな受注は減少傾向にありましたが、前期末までに受注した案件の売上が上期に集中したこと等により、売上が順調に推移いたしました。これらの結果、売上高は8,448百万円(対前期比1.6%減)となりました。
利益面につきましては、物流機器類の売上増収に加え、原材料や物流費が高騰する中、引き続きコストの低減と諸経費の節減等に努めました結果、営業利益は304百万円(対前期比2.2%減)、経常利益は336百万円(対前期比9.0%減)、当期純利益は227百万円(対前期比24.8%減)となりました。
また、財政状態につきましては、前事業年度末と比べ、資産は482百万円減少し6,844百万円、負債は689百万円減少し2,622百万円、純資産は207百万円増加し4,222百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べて20百万円減少し、1,082百万円となりました。
なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、234百万円(前期は27百万円の収入)となりました。これは主に仕入債務の減少額および法人税等の支払額の合計が817百万円となったものの、税引前当期純利益、売上債権の減少額および棚卸資産の減少額の合計が1,075百万円となったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、285百万円(前期は90百万円の収入)となりました。これは主に保険積立金の払戻による収入が52百万円となったものの、有形固定資産の取得による支出が330百万円となったためでありま
す。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、30百万円(前期は56百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額が48百万円となったものの、長期借入金の純増額が95百万円となったためであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前期比(%) |
|
生活関連用品(ショベル類) |
746,821 |
71.6 |
(注) 金額は平均販売価格によっております。
b.商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
商品仕入高(千円) |
前期比(%) |
|
生活関連用品 |
4,067,002 |
89.5 |
|
物流機器 |
3,270,965 |
95.5 |
|
合計 |
7,337,967 |
92.1 |
(注) 金額は平均販売価格によっております。
c.受注実績
当社の製品(ショベル類)は受注見込による生産方法をとっております。
d.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前期比(%) |
|
製品 生活関連用品(ショベル類) |
830,498 |
100.3 |
|
商品 生活関連用品 |
4,213,720 |
95.9 |
|
生活関連用品 計 |
5,044,218 |
96.6 |
|
物流機器 |
3,404,019 |
101.3 |
|
合計 |
8,448,238 |
98.4 |
(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
三菱ロジスネクスト株式会社 |
1,986,710 |
23.1 |
1,828,140 |
21.6 |
|
DCM株式会社 |
895,813 |
10.4 |
877,457 |
10.4 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末における資産の合計は、前事業年度末と比べ482百万円減少し6,844百万円となりました。これは主に電子記録債権が135百万円、建物が264百万円それぞれ増加したものの、売掛金が658百万円、商品及び製品が243百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債の合計は、前事業年度末と比べ689百万円減少し2,622百万円となりました。これは主に電子記録債務が148百万円増加したものの、支払手形が814百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産の合計は、前事業年度末と比べ207百万円増加し4,222百万円となりました。これは主に繰越利益剰余金が180百万円増加したことによるものであります。
経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ133百万円減少し、8,448百万円(対前期比1.6%減)となりました。これは生活関連用品のショベル類で2百万円、物流機器で43百万円それぞれ増加したものの、生活関連用品のアウトドア用品類、工事・農業用機器類で180百万円減少したことによるものであります。そのうち国内売上高は152百万円減少し、8,296百万円(対前期比1.8%減)、輸出売上高は18百万円増加し、151百万円(対前期比14.3%増)となりました。
(売上総利益)
当事業年度における売上総利益は、前事業年度に比べ4百万円増加し、2,290百万円(対前期比0.2%増)となりました。また、売上総利益率は、原材料等の高騰があったもののコストの低減に努め、前事業年度と比べ0.5ポイント増加し、27.1%となりました。
(営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、11百万円増加し、1,985百万円(対前期比0.6%増)となりました。これは人件費の増加や物価の高騰の影響によるものであります。なお、販管費率につきましても、前事業年度と比べ0.5ポイント増加し、23.5%となりました。
以上の結果、営業利益は、前事業年度に比べ6百万円減少し、304百万円となりました。
(経常利益)
当事業年度における営業外収益は、14百万円減少し、59百万円となりました。これは主に受取保険金が8百万円減少したことによるものであります。営業外費用は、11百万円増加し、27百万円となりました。これは主に為替差損3百万円、固定資産処分損4百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は、前事業年度に比べ33百万円減少し、336百万円となりました。
(税引前当期純利益)
当事業年度に発生した特別損益はなく、前事業年度に発生した投資有価証券売却益80百万円、会員権売却損5百万円、会員権評価損8百万円がそれぞれ減少したことにより、税引前当期純利益は、前事業年度に比べ99百万円減少し、336百万円となりました。
(当期純利益)
当事業年度における法人税等合計は、24百万円減少し、108百万円となりました。これは主に前事業年度に発生した投資有価証券売却益の減少により、課税所得が減少したことによるものであります。
以上の結果、当期純利益は、前事業年度に比べ74百万円減少し、227百万円となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(生活関連用品)
ショベル類につきましては、新製品の投入や専門店ルートを中心に懸命の拡販策を展開いたしましたが、原材料の高騰等による販売価格改定や消費者マインドの低下等の影響により、国内向け売上高は739百万円(対前期比1.5%減)となりました。輸出においては、上期は主要販売先であるアメリカ向けの売上が低迷したものの、下期は徐々に回復基調に転じ、売上高は90百万円(対前期比17.6%増)となり、ショベル類全体の売上高は830百万円(対前期比0.3%増)となりました。
アウトドア用品類、工事・農業用機器類につきましては、ショベル類同様に販売価格改定の影響がありましたが、徐々に回復の兆しが見られた他、新製品の開発やECサイトの充実を進めました。しかしながら、夏の記録的な暑さに加え、当期は一定量の降雪があったものの、前期の暖冬の影響による除雪関連用品の早期受注分が大きく落ち込み、売上高は4,213百万円(対前期比4.1%減)となり、生活関連用品全体の売上高は5,044百万円(対前期比3.4%減)となりました。
なお、セグメント利益につきましては、売上の減少に加え、原材料や物流費等の高騰の影響もあり、49百万円(対前期比56.3%減)となりました。
(物流機器)
物流機器類につきましては、引き合い案件が減少傾向にある中、当期の受注については減少しましたが、前期末までに受注した案件の売上が上期に集中したこと等により、売上高は3,404百万円(対前期比1.3%増)となりました。
なお、セグメント利益につきましては、売上の増加に加え、部材価格の高騰の影響もある中、コストの低減に努めました結果、458百万円(対前期比10.9%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況 」に記載のとおりであります。
なお、当社のキャッシュ・フロー関連の指標は以下のとおりであります。
|
回次 |
第117期 |
第118期 |
第119期 |
第120期 |
第121期 |
|
決算年月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
2025年3月 |
|
自己資本比率(%) |
48.4 |
48.1 |
50.5 |
54.8 |
61.7 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
23.4 |
21.4 |
19.6 |
21.4 |
22.0 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
5.8 |
2.1 |
23.5 |
36.3 |
4.6 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
20.9 |
54.3 |
4.7 |
3.2 |
20.5 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社は、運転資金及び設備資金については、営業活動から得られたキャッシュ・フロー又は銀行からの借入等により調達しており、健全な財務状況を維持するための必要な資金調達は十分に可能と考えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度における資産・負債や収益・費用に影響を与えるような見積りや判断を必要としております。これらの見積りや判断は、過去の実績や決算時点の状況・情報等を踏まえ、合理的と考えられる前提に基づき、継続的に行っておりますが、見積り特有の不確実性が伴うため実際の結果はこれらと異なる場合があります。
a.貸倒引当金
売掛金等の債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しておりますが、取引先の財政状態等が悪化し、支払能力が著しく低下した場合には、貸倒損失が発生する可能性があります。
b.賞与引当金
従業員に支給する賞与に充てるため、支給見込額に基づき計上しておりますが、実際の支給額につきましては、労使協議の結果により決定しますので引当金と大きく相違する可能性があります。
c.棚卸資産
棚卸資産の貸借対照表価額につきましては、収益性の低下による簿価切下げの方法によって計上しております。将来の市場環境に重要な変動が生じた場合は、これらの棚卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
d.投資有価証券
保有する有価証券について、期末日における時価が取得原価に比べ、50%以上下落した場合には期末時価まで減損処理を行い、30%以上50%未満の下落の場合には時価の回復可能性を総合的に勘案し、減損処理を慎重に検討しておりますが、株式市況や投資先の業績が著しく低下した場合には、投資有価証券の追加の減損処理を行う可能性があります。
e.繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得を十分に検討した上で回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、見積りの内容が実際の結果と異なり、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。