第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における経済環境は、海外では、中国を中心とした新興国経済の失速、原油の大幅下落、中東における地政学的リスクの高まりなど不安定要素が増してきましたが、米国及び欧州は好調だったことから、底堅い推移となりました。国内では、新興国減速の影響や年明けから急速に進んだ円高が国内経済の先行きに不透明感を生むなど、力強さに欠ける展開となりました。当社が関連する分野では、自動車市場は、国内及び中国を含むアジアでは先行き不透明な状態が続いておりますが、北米と欧州では堅調に推移いたしました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は、主に平成27年3月31日に第一化成ホールディングス株式会社の全株式を売却しプラスチック事業の大部分が連結対象から除外されたことにより、前連結会計年度比35.3%減の190億73百万円となり、営業利益も同様の理由により、同38.2%減の6億68百万円となりました。経常利益は、同32.3%減の6億71百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、同9.7%増の5億87百万円となりました。

 

セグメントの業績は以下のとおりであります。

なお、プラスチック事業は、平成27年3月31日の第一化成ホールディングス株式会社の全株式売却によって重要性が低下したため、当連結会計年度より精密ばね事業に統合いたしました。一方、重要性の高い海外事業を含めた地域別管理体制を強化したため、当連結会計年度より所在地別セグメントを報告セグメントとすることにいたしました。なお、前連結会計年度との比較は、当連結会計年度において用いた報告セグメントのベースで行っております。

 

① 日本

プラスチック事業の大部分が連結対象外となったほか、OA機器向けの減少ならびに固定費が増加したことなどにより、売上高は前連結会計年度比43.8%減の75億39百万円、セグメント損失は4億1百万円となりました。

② 米州

自動車向けが好調に推移したほか、インフラ向けが増加しました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比17.3%増の21億8百万円、セグメント利益は同9.2%増の28百万円となりました。

③ 欧州

医療向けが高水準を維持したほか、航空機向けが増加しました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比11.0%増の22億86百万円、セグメント利益は同14.5%増の3億50百万円となりました。

④ アジア

プラスチック事業の大部分が連結対象外となったことにより、売上高は前連結会計年度比41.5%減の71億38百万円、セグメント利益は同8.8%減の7億円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7億37百万円減少し、26億69百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により資金が14億15百万円増加(前連結会計年度は21億39百万円の資金増加)しました。 

主な要因は、税金等調整前当期純利益が7億57百万円、減価償却費による資金留保8億8百万円によるものであります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動により資金が28億64百万円減少(前連結会計年度は11億79百万円の資金減少)しました。

主な要因は、有形固定資産の取得による支出として18億54百万円及び定期預金の預入による支出として7億97百万円によるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動により資金が9億51百万円増加(前連結会計年度は7億94百万円の資金減少)しました。

主な要因は、有利子負債の増加によるものです。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更をしております。詳細は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)1 報告セグメントの概要(報告セグメントの変更等に関する事項)」をご覧ください。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

日本

7,480,801

△41.8

米州

2,191,275

14.0

欧州

2,224,070

3.1

アジア

7,068,560

△43.8

合計

18,964,706

△35.7

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 上記の金額は、販売価格によっております。

3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.当連結会計年度より、セグメントの変更を行っており、「前年同期比(%)」は前連結会計年度の生産実績を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更をしております。詳細は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)1 報告セグメントの概要(報告セグメントの変更等に関する事項)」をご覧ください。 

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本

7,081,771

△49.2

472,053

△49.2

米州

2,040,942

25.2

945,494

1.9

欧州

2,205,403

△6.1

745,836

△9.2

アジア

7,091,338

△41.8

68,468

△35.3

合計

18,419,455

△38.8

2,231,852

△19.8

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度より、セグメントの変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の受注実績を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更をしております。詳細は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)1 報告セグメントの概要(報告セグメントの変更等に関する事項)」をご覧ください。 

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

日本

7,539,482

△43.8

米州

2,108,822

17.3

欧州

2,286,414

11.0

アジア

7,138,389

△41.5

合計

19,073,108

△35.3

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度より、セグメントの変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の販売実績を変更後のセグメント区分に組替えて算出しております。

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、当社の保有する第一化成ホールディングス株式会社の全株式を平成27年3月31日付けで台湾の能率集団(ABICOグループ)に譲渡し、インサート成形以外のプラスチック事業を売却しました。これに伴い、平成32年3月期を最終年度とする中期経営計画“Breakthrough to 2020”を策定しました。今後は金属加工分野にフォーカスし、金属加工総合メーカーとして持続的な成長と連結企業価値の向上を図るため、グループ一丸となって、次の課題に重点的に取り組んでまいります。

 

(1) 精密ばねをコアとする金属加工分野における事業基盤の強化と領域拡大

① グローバルビジネス展開拡大に向けた積極投資

新興国市場において日系・欧米系自動車部品メーカー向けの販路拡大を目的に、積極的な海外投資を進めてまいります。

アジアにおいては、ベトナム工場の増強、インドの工場新設及び中国事業の再編等を進めてまいります。

欧州においては、現状の英国中心のビジネス展開から、欧州大陸の自動車ビジネスへの拡大を図るべく、ドイツに販売会社を設立しました。今後はチェコの工場新設を検討してまいります。

米州においては、中南米向けのビジネスを強化するべく新設したメキシコ第二工場の本格稼動を進めるとともに、新たに金属プレス事業に参入するべく検討してまいります。

② 自動車関連市場をコア市場とする成長戦略

ばね需要の大部分を占める自動車市場において、成長機会を追求し、日系及び欧米系部品メーカーとの取引拡大を目指してまいります。国内においては、昨年10月に自動車部品専用工場として新設した埼玉工場の本格稼動を図るとともに、好調な受注に対応するべく平成31年には増築を計画しております。また、自動車、OA機器に次ぐ第3の柱の確立をめざし、医療機器市場向け及びインフラ・住設関連市場向けの販売強化を図ってまいります。

③ 自社製品(規格品)の開発強化と売上拡大

当社のビジネスは、お客様の仕様に合わせて設計するカスタム品が主流ですが、今後は規格品ビジネスも積極的に展開してまいります。そのために3,266種類の規格ばねをラインナップするとともに、タングレス・インサートやロックワン等のネット直販や商社経由の販売を強化してまいります。

④ M&Aによる事業領域と市場領域の拡大

国内においては、平成26年に買収した船橋電子株式会社の優れた深絞り加工技術を更にグループ内に展開し、主に自動車及び医療向け製品の開発と海外生産に向けたサポートを進めてまいります。また、更なる技術領域の拡大を目指し、金属加工メーカーのM&Aを検討してまいります。

海外においては、平成28年1月にインドネシア市場への事業拡大を図るべく、金属プレス及びインサート成形部品の製造販売をおこなっているPT.Yamakou Indonesiaの株式の14%を取得しました。今後も段階的に出資比率を高めグループ会社化を計画してまいります。更なる海外生産エリアの拡大を実現するための手段として、M&Aは有効な施策のひとつと位置づけております。

 

(2) 財務体質の改善と株主還元

借入金の返済を進めるとともに、自己資本の充実に努め、株主還元の強化を図ってまいります。利益還元に関する基本方針につきましては、連結業績に連動して配当性向30%を目指してまいります。また、平成27年度から株主優待制度を新たに導入したほか、資本効率の向上を通じ株主への利益還元を図るため、自己株式の取得を機動的に実施してまいります。

 

(3) 企業統治の強化とグループ最適経営

連結における実効性の高いコーポレート・ガバナンスが命題として与えられている中、内部統制の仕組みを強化するとともに、グループのパートナーシップを維持しつつも、これまで以上にグループの全体最適を目指した経営を進めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある重要なリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 国際的活動及び海外進出に係るもの

当社グループは米州や欧州及びアジアの日本国外において生産及び販売活動を行っております。これらの海外市場への事業進出に伴い、予期しない政策や法律または規制の変更、テロまたは戦闘行為の発生、自然災害の発生、疫病の発生等が当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レートの変動に係るもの

当社グループの国際活動及び海外進出に伴い、次のような為替レート変動リスクが内在しており、著しい為替レート変動が当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

① 輸出及び輸入取引における、外貨建て売上高及び仕入高の現地通貨換算における増減。

② 外貨建て短期債権債務の時価評価における差損益。

③ 連結財務諸表作成における連結子会社の外貨建て財務諸表の円貨換算高の増減。

 

(3) 特定の取引先への依存に係るもの

当社グループの取引先の中に、売上構成比の高い主要顧客企業があります。このことから、主要顧客企業の業績や外注政策等、当社グループが管理できない要因により当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 災害等に係るもの

当社グループの国内における主な生産拠点は新潟県柏崎市であります。この地域において大規模な災害等が起こった場合、当社グループの精密ばね製品の生産能力が著しく低下すると共に、物流に支障を来す可能性があります。

 

(5) 原材料価格の変動に係るもの

鉄や原油等の原産国における政情の変化や資源に対する需要増加等に伴い、ステンレスや伸銅品などの金属材料価格や樹脂原料価格が上昇し、競合他社との激しい価格競争の環境下で販売価格に材料コスト増加分を転嫁することが困難な場合、当社グループの製造コストの増加と収益率の悪化につながる可能性があります。

 

(6) 退職給付債務に係るもの

当社は、平成23年11月1日付で適格退職年金制度から、一部確定拠出年金制度に移行しておりますが、当社グループの従業員退職給付費用及び退職給付引当金は、割引率、年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される基礎率や前提条件に基づいて算出され、さらに過去の年金資産の運用成果等が反映されております。割引率及び年金資産の運用成果の悪化は、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、精密な金属加工技術を中心に、成形技術、組立技術など生産技術の革新や、生産性のさらなる向上に向けての研究開発活動を行っております。この結果、当連結会計年度における研究開発費は、総額227,764千円となり、セグメントごとの研究開発費は以下のとおりとなっております。

(日本)

主に自動車市場、医療市場向け及び住設市場向け精密ばね、あるいは精密金属加工並びに、それらを樹脂にインサート成形するための研究開発費は、171,867千円であります。

(米州)

主に自動車市場、住設市場向け精密ばねにおける研究開発費は、55,896千円であります。

(欧州)

該当事項はありません。

(アジア)

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債並びに、繰延税金資産及び繰延税金負債であります。

なお、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における経済環境は、海外では、中国を中心とした新興国経済の失速、原油の大幅下落、中東における地政学的リスクの高まりなど不安定要素が増してきましたが、米国及び欧州は好調だったことから、底堅い推移となりました。国内では、新興国減速の影響や年明けから急速に進んだ円高が国内経済の先行きに不透明感を生むなど、力強さに欠ける展開となりました。当社が関連する分野では、自動車市場は、国内及び中国を含むアジアでは先行き不透明な状態が続いておりますが、北米と欧州では堅調に推移いたしました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は、主に平成27年3月31日に第一化成ホールディングス株式会社の全株式を売却しプラスチック事業の大部分が連結対象から除外されたことにより、前連結会計年度比35.3%減の190億73百万円となり、営業利益も同様の理由により、同38.2%減の6億68百万円となりました。経常利益は、同32.3%減の6億71百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、同9.7%増の5億87百万円となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度末における総資産は170億24百万円と、前連結会計年度末に比べ4億69百万円増加しました。

主な要因は以下のとおりです。

 

① 資産

資産の部においては、売上高減少により、受取手形及び売掛金が3億77百万円減少、棚卸資産が1億29百万円減少したことから、流動資産が3億47百万円減少しました。また、有形固定資産については、埼玉工場設立により6億57百万円の増加、無形固定資産については27百万円の増加、投資その他の資産については1億31百万円増加しました。

② 負債

負債の部においては、負債合計額は104億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億24百万円増加しました。主な要因は、災害損失引当金が1億3百万円減少しましたが、借入金が11億51百万円増加したことによるものであります。

③ 純資産

純資産の部においては、純資産合計額が65億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億54百万円減少しました。主な要因は、当連結会計年度において、5億87百万円の親会社株主に帰属する当期純利益が発生し、株主資本合計が3億66百万円増加しましたが、円高の影響により為替換算調整勘定が7億14百万円減少したことによるものであります。

 

各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ7億37百万円減少し、26億69百万円となりました。

 

(イ) 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により資金が14億15百万円増加(前連結会計年度は21億39百万円の資金増加)しました。

主な要因は、税金等調整前当期純利益が7億57百万円、減価償却費による資金留保8億8百万円によるものであります。

 

(ロ) 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動により資金が28億64百万円減少(前連結会計年度は11億79百万円の資金減少)しました。

主な要因は、有形固定資産の取得による支出として18億54百万円及び定期預金の預入による支出として7億97百万円によるものであります。

 

(ハ) 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動により資金が9億51百万円増加(前連結会計年度は7億94百万円の資金減少)しました。

主な要因は、有利子負債の増加によるものです。