文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「より良い世界の為に単なる満足以上を提供するネットワーク」をミッション(企業使命)とし、精密技術分野においてユニークで新しいアイデアと問題解決を提案することによって、継続的に成長することを企業目的としています。
上記の経営理念のもと、連結経営を重視し、当社グループの人材・技術リソースを活かしながら、顧客に価値と満足を提供する提案型企業として活動してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中期的な目標として連結売上高315億円、連結営業利益25億円、自己資本利益率(ROE)22%を掲げております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
今後の世界経済は拡大が見込まれますが、一方で米国政府による各種政策の影響、英国BrexitやEU主要国における右派の動向、中国の成長鈍化、朝鮮半島情勢、円高リスクなど不確実性も高まっており、楽観できない状況が続くと見ています。
当社グループは、精密金属加工総合メーカーとして持続的な成長と連結企業価値向上を図るため、グループ一丸となって、次の課題に重点的に取り組んでまいります。
① 精密ばねをコアとする金属加工分野における事業基盤の強化と領域拡大
1)グローバルビジネス展開拡大に向けた積極投資
当社が保有する線ばね、板ばね、フォーミング加工、インサートモールド、深絞り加工などの多様な技術を海外子会社に展開することで当社のグローバル生産体制を強化します。さらにその優位性を活用するべく、今後も新興国を中心に積極的な投資を進めてまいります。
アジアにおいては新設したインド工場や、4倍の面積を持つ新拠点に移転したベトナム工場を中心に、引き続き投資を行ってまいります。
欧州においては、新設したチェコ工場にて医療向けや精密機器向け製品の生産を開始するべく準備をいたします。
米州においては、中南米向けのビジネスを強化するべく特にメキシコケレタロ州の新工場への投資を進めてまいります。
2)自動車関連市場をコア市場とする成長戦略
ばね需要の大部分を占める自動車市場において成長機会を追求し、日系及び欧米系部品メーカーとの取引拡大を目指してまいります。国内においては、埼玉の自動車部品専用工場の増築工事が完了しましたので、EV(電気自動車)の基幹部品向けなど最先端の製品の受注を拡大していきます。海外においては、メガサプライヤーと呼ばれる大手の自動車部品メーカーに対して当社のグローバル供給体制をアピールすることなどにより取引量の拡大を図ってまいります。
また、自動車、OA機器に次ぐ第3の柱の確立をめざし、医療機器市場及びインフラ・住設関連市場向けの販売強化を図ってまいります。
3)自社製品(規格品)の開発強化と売上拡大
当社のビジネスは、お客様の仕様に合わせて設計するカスタム品が主流ですが、規格品ビジネスも展開しています。好調な航空機産業を背景に売上拡大中の「タングレス・インサート」をはじめ、ボルト・ナットの脱落防止具でインフラや建築業界で浸透しつつある「ロックワン」や、地震による天井の落下を防止する新製品の「インスタントロック」などの拡販を図ってまいります。
② 財務体質の改善と株主還元
借入金の返済を進めるとともに自己資本の充実に努め、株主還元の強化を図ってまいります。利益還元については連結業績に連動して配当性向を30%とすることを基本方針としていますが、将来的な収益拡大の見通しも勘案し実施してまいります。また、株主優待は継続いたします。
③ 企業統治の強化とグループ最適経営
連結における実効性の高いコーポレート・ガバナンスが命題として与えられている中、内部統制の仕組みを強化するとともに、グループの有機的な連携を維持しつつも、これまで以上にグループ全体の最適化を目指した経営を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 国際的活動及び海外進出に係るもの
当社グループは米州、欧州及びアジアの日本国外において生産及び販売活動を行っております。これらの海外市場への事業進出に伴い、予期しない政策や法律または規制の変更、テロまたは戦闘行為の発生、自然災害の発生、疫病の発生等が当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替レートの変動に係るもの
当社グループの国際活動及び海外進出に伴い、次のような為替レート変動リスクが内在しており、著しい為替レート変動が当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
① 輸出及び輸入取引における、外貨建て売上高及び仕入高の現地通貨換算における増減。
② 外貨建て短期債権債務の時価評価における差損益。
③ 連結財務諸表作成における連結子会社の外貨建て財務諸表の円貨換算高の増減。
(3) 特定の取引先への依存に係るもの
当社グループの取引先の中に、売上構成比の高い主要顧客企業があります。このことから、主要顧客企業の業績や外注政策等、当社グループが管理できない要因により当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 災害等に係るもの
当社グループの国内における主な生産拠点は新潟県柏崎市及び埼玉県本庄市であります。この地域において大規模な災害等が起こった場合、当社グループの精密ばね製品の生産能力が著しく低下すると共に、物流に支障を来す可能性があります。
(5) 原材料価格の変動に係るもの
鉄や原油等の原産国における政情の変化や資源に対する需要増加等に伴い、ステンレスや伸銅品などの金属材料価格や樹脂原料価格が上昇し、競合他社との激しい価格競争の環境下で販売価格に材料コスト増加分を転嫁することが困難な場合、当社グループの製造コストの増加と収益率の悪化につながる可能性があります。
(6) 退職給付債務に係るもの
当社は、2011年11月1日付で適格退職年金制度から、一部確定拠出年金制度に移行しておりますが、当社グループの従業員退職給付費用及び退職給付引当金は、割引率、年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される基礎率や前提条件に基づいて算出され、さらに過去の年金資産の運用成果等が反映されております。割引率及び年金資産の運用成果の悪化は、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、米国は雇用拡大や個人所得の改善などにより堅調に推移しました。中国は米中貿易摩擦の深刻化により企業業績への影響が出始めており消費の減速が鮮明になりました。欧州は足元では堅調に推移しているものの英国EU離脱などの政治不安を抱えており先行き不透明感が強まっています。日本は概ね堅調に推移したものの同貿易摩擦の影響が出始めるなど不安感が高まっています。当社が関連する分野においては、自動車市場は中国及び欧州では足元の市場減速の影響は受けているものの、国内及び米州では堅調に推移しました。
このような経済環境のもと、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3.3%増の209億67百万円となり、営業利益は同74.4%減の66百万円となりました。経常利益は同70.7%減の69百万円となり、親会社株主に帰属する当期純損失は1億7百万円(前連結会計年度は49百万円の利益)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
自動車向けが好調に推移したことなどから売上高は前連結会計年度比6.4%増の83億12百万円となりましたが、材料費が高騰したことなどから、セグメント損失は1億15百万円(前連結会計年度は87百万円の損失)となりました。
(米州)
自動車と医療向けが好調に推移したことなどから売上高は前連結会計年度比11.9%増の24億54百万円となりましたが、メキシコ工場の立ち上げコストが増加したこと及び材料費が高騰したことなどから、セグメント損失は3億60百万円(前連結会計年度は3億69百万円の損失)となりました。
(欧州)
自動車と航空機向けが好調に推移したことなどから売上高は前連結会計年度比8.1%増の20億23百万円となりましたが、チェコ新工場の開設準備費用等が発生したことなどから、セグメント利益は同21.4%減の1億87百万円となりました。
(アジア)
米中貿易摩擦やインドネシアルピア安の影響などにより売上高は前連結会計年度比2.9%減の81億77百万円、セグメント利益は同26.3%減の3億60百万円となりました。
当連結会計年度末における総資産は227億5百万円と、前連結会計年度末に比べ23億90百万円増加しました。
主な要因は以下のとおりです。
(資産)
資産の部においては、流動資産合計額が2億38百万円減少し、119億51百万円となりました。主な理由は、たな卸資産が5億5百万円増加しましたが、現金及び預金が6億19百万円、受取手形及び売掛金が3億9百万円減少したことによるものであります。また、固定資産合計額は26億28百万円増加し、107億53百万円となりました。有形固定資産が当社の工場リノベーション等により30億19百万円増加したことによるものであります。
(負債)
負債の部においては、負債合計額は166億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億44百万円増加しました。主な理由は、支払手形及び買掛金が4億87百万円、借入金が18億31百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産の部においては、純資産合計額が60億79百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億53百万円減少しました。主な理由は、株主資本が2億10百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ6億68百万円減少し、28億64百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、営業活動により資金が12億78百万円増加(前連結会計年度は3億11百万円の資金増加)しました。主な要因は、たな卸資産で5億1百万円の資金減少がありましたが、売上債権の減少による資金増加3億13百万円、仕入債務の増加による資金増加4億83百万円及び減価償却費による資金留保10億8百万円の資金増加によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資活動により資金が35億89百万円減少(前連結会計年度は14億96百万円の資金減少)しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出37億87百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、財務活動により資金が16億56百万円増加(前連結会計年度は14億36百万円の資金増加)しました。主な要因は、有利子負債の増加によるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額は、販売価格によっております。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」に記載のとおりであります。
なお、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、2015年2月の中期経営計画の公表以来、その達成に向け船橋電子株式会社の編入、埼玉工場の開設、メキシコ工場の開設、米国のElectronic Stamping Corporationの事業譲受、インドネシアのPT.Advanex Precision Indonesiaの完全子会社化など積極的な投資を実施してきましたが、それらの新拠点がブレイクイーブンポイント到達までに時間を要し全体の収益を圧迫していることなどから、当社グループの当連結会計年度の経営成績は厳しい結果となりました。一方、それら新工場は量産開始を控えた新製品の案件を多く抱えており売上拡大による黒字化の目処が立っていること、新工場に人的・財務的支援を強化すること、既存工場は引き続き収益拡大を見通していることなどにより、最終年度の目標を見据えつつ、先ずは中間目標である2021年3月期に連結売上高265億円、連結営業利益12億円の達成を目指します。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は生産設備取得等生産体制の構築、情報システムの整備等に支出されております。これらの必要資金は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部資金により賄うことを基本方針としております。
当連結会計年度におきましては、Advanex de Mexico S.de R.L.de C.V.やPT.Advanex Precision Indonesia等の連結子会社による設備投資等を実施したため、金融機関からの借入により資金調達をいたしました。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ6億68百万円減少し、28億64百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況の詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、精密な金属加工技術を中心に、成形技術、組立技術など生産技術の革新や生産性のさらなる向上に向けての研究開発活動を行っております。この結果、当連結会計年度における研究開発費は、総額
(日本)
主に自動車市場、医療市場向け及び住設市場向け精密ばね、あるいは精密金属加工並びに、それらを樹脂にインサート成形するための研究開発費は、
(米州)
主に自動車市場、住設市場向け精密ばねにおける研究開発費は、
(欧州)
該当事項はありません。
(アジア)
該当事項はありません。