第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当期におけるわが国経済は、企業収益の改善が設備投資、雇用を拡大し、中国経済の減速、為替相場動向等の懸念があったものの緩やかな回復基調が持続した。

 当業界においては、公共投資、民間設備投資ともに底堅く推移する一方で労務費の高騰など予断を許さない状況におかれた。

 このような情勢下において、当社グループは懸命な事業活動を展開した結果、当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度を24%下廻る21,581百万円、売上高については前連結会計年度を27%上廻る28,767百万円となり、次期への繰越高は前連結会計年度を13%下廻る26,418百万円となった。

 利益については、工事採算の改善に努めた結果、経常利益は2,879百万円(前連結会計年度は1,508百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,116百万円(同1,008百万円)となった。

 セグメント別内訳については、売上高は鉄構建設事業が前連結会計年度を26%上廻る25,520百万円となり、不動産事業については、前連結会計年度を36%上廻る3,247百万円となった。営業利益については、鉄構建設事業は1,244百万円(前連結会計年度は440百万円)、不動産事業は1,440百万円(同995百万円)となった。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を

適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としている。

 

(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末残高に比べ863百万円増加し5,801百万円(前連結会計年度比17.5%増加)となった。

 営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリーキャッシュ・フローは、5,603百万円のプラス(前連結会計年度末残高は2,146百万円のプラス)となった。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

・営業活動によるキャッシュ・フロー

  当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、5,735百万円(前連結会計年度は2,390百万円の収

 入超)となった。

  これは、税金等調整前当期純利益の増加に加え、未成工事支出金の減少による資金の増加及び未成工事受入

 金が増加したこと等が主な要因である。

・投資活動によるキャッシュ・フロー

  当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、131百万円(同243百万円の支出超)となった。

  これは、主に有形固定資産等の取得による支出によるものである。

・財務活動によるキャッシュ・フロー

  当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、4,739百万円(同1,956百万円の支出超)となっ

 た。

  これは、長・短借入金の返済及び社債の定時償還等が主な要因である。

 

2【受注及び売上の状況】

 

(1)受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

(百万円)

鉄構建設事業

28,216

21,581(23.5%減)

 (注)不動産事業については、受注概念になじまないため、記載していない。

(2)売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

(百万円)

鉄構建設事業

20,226

25,520(26.2%増)

不動産事業

2,394

3,247(35.6%増)

合計

22,621

28,767(27.2%増)

 (注)当社及び連結子会社では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

建設業における受注工事高及び売上高の状況

(1)受注工事高、売上高及び次期繰越工事高

期 別

区 分

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期売上高

(百万円)

次期繰越工事高

(百万円)

       前事業年度

 (自平成26年4月1日

  至平成27年3月31日)

  鉄構建設事業

22,366

28,216

50,583

20,226

30,356

  不動産事業

2,379

合計

22,606

       当事業年度

 (自平成27年4月1日

  至平成28年3月31日)

  鉄構建設事業

30,356

21,581

51,938

25,520

26,418

  不動産事業

2,792

合計

28,312

  (注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその

            増減額を含む。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれる。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期売上高)である。

(2)受注工事高の受注方法別比率

 工事受注方法は、特命と競争に大別される。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

鉄構建設事業

30.7

69.3

100

当事業年度

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

鉄構建設事業

23.5

76.5

100

 (注)百分比は請負金額比である。

(3)売上高

① 完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

鉄構建設事業

6,850

13,376

20,226

当事業年度

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

鉄構建設事業

9,149

16,370

25,520

 (注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

前事業年度

関東地方整備局   圏央道利根川高架橋上部(その1)工事

昭和飛行機工業㈱  モリパークアウトドアヴィレッジ新築工事

TDK㈱      MCC秋田工場集積部品及び第2積層工場他改修工事

鉄建建設㈱     新橋駅改良(Ⅰ期)その2工事

東洋ガラス㈱    同社川崎工場解体工事

当事業年度

㈱大林組      日野自動車㈱古河第4工場鉄骨工事

関東地方整備局   湾岸道路本牧地区3・4号橋工事

大日本土木㈱    四日市市新総合ごみ処理施設建設工事

㈱サウンドクルー  同社本社屋新築工事

㈻大谷学園     同学園瀬谷校他整備事業I新校舎建築工事

 

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。

   前事業年度

           国土交通省      3,886百万円(19.2%)

   当事業年度

           国土交通省      2,584百万円(10.1%)

 

 ② 不動産事業売上高

期別

区分

売上高(百万円)

前事業年度

(自平成26年4月1日

至平成27年3月31日)

不動産販売

300

不動産賃貸

2,079

2,379

当事業年度

(自平成27年4月1日

至平成28年3月31日)

不動産販売

612

不動産賃貸

2,180

2,792

 

(4)次期繰越工事高

(平成28年3月31日現在)

 

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

鉄構建設事業

8,501

17,917

26,418

 (注)次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。

TDK㈱        同社フェライトマザー工場稲倉新築工事      平成28年8月完成予定

サミット酒田パワー㈱  同社バイオマス発電所木質ペレット倉庫建設工事  平成29年10月完成予定

兵庫県西宮市      市立南甲子園小学校校舎等改築工事        平成28年11月完成予定

㈱大林組        大手町二丁目地区再開発B棟工区建設工事     平成29年10月完成予定

㈱奥村組        杉並清掃工場建替工事              平成29年1月完成予定

 

 

3【対処すべき課題】

 今後のわが国経済の見通しについては、引き続き緩やかな景気回復が期待されるが、新興国経済の減速、為替相場の動向等、不透明な状況が見込まれる。

 当業界においては、堅調な民間設備投資、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた施設整備等の良好な市場環境の一方で、長期化する技能労働者不足、ポスト五輪問題など、予断を許さない厳しい経営環境が継続するものと思われる。

 当社グループとしては、このような情勢に対処するため、「技術立社」を掲げ独自技術の開発と提供を推進し、安全と高品質を確保する施工体制の下で顧客満足の向上と採算改善に努め、財務の健全性を堅持しつつ経営資源の持続的な有効活用を推進し企業収益の向上を目指していく所存である。

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクの主な事項は以下のとおりであり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があるものと考えている。

 なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

①建設市場の動向

官公庁事業、民間設備投資の減少があった場合には、企業間競争の激化等により、受注量、受注条件の悪化が業績等に影響を及ぼす場合がある。

②取引先の信用リスク

工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合、また、下請業者等が同様の事態に陥った場合、一取引における請負金額が多額の場合も多く、業績等に影響を及ぼす場合がある。

③資材価格、労務費の変動

原材料価格、労務費が高騰し、請負金額に反映することが困難な場合には、業績等に影響を及ぼす場合がある。

④資産保有リスク

不動産、有価証券等の資産を保有しているため、時価の変動により、業績等に影響を及ぼす場合がある。

⑤製品の欠陥

各種工事、製品において誤作、納期遅延又はかし担保責任及び製造物責任による損害賠償が生じた場合には、業績等に影響を及ぼす場合がある。

⑥新技術の実用化

新技術を実用化する場合、不測の事態により思わぬ損害が発生し、業績等に影響を及ぼす場合がある。

⑦法的規制

 当社グループは、現時点における法令・諸規則等に従って業務を遂行しているが、将来的に業務に関係する法令・諸規則、実務慣行、解釈等の変更が、業績等に影響を及ぼす場合がある。

⑧重大事故の発生

 事業の活動にあたって、人身や各種工事、製品などに関わる重大な事故が発生した場合、業績等に影響を及ぼす場合がある。

⑨災害リスク

地震等の天災、人災により、事業の継続に思わぬ支障が発生し、業績等に影響を及ぼす場合がある。

 

5【経営上の重要な契約等】

特記事項なし

6【研究開発活動】

 当社及び連結子会社は、技術開発を企業戦略の重要な柱と位置付け、新技術・新製品の開発・実用化研究による競争力の強化及び工場生産の合理化・省力化による生産性向上を推進するため、事業開発部及び関連部店において研究開発に幅広く取り組んでいる。

 当連結会計年度における研究開発費は、44,826千円であり、セグメント別の研究開発費及び主な研究開発状況は次のとおりである。

(1)セグメント別の研究開発費

事業別

鉄構建設事業(千円)

不動産事業(千円)

合計(千円)

研究開発費

44,826

44,826

 

(2)主な研究開発状況

①防災関連技術の研究開発(鉄構建設事業)

当社保有の耐震関連製品(座屈拘束ブレース、摩擦ダンパー)の活用による、各種構造物の耐震安全性向上を目指した技術開発を行っている。

②送電線鉄塔技術の研究(鉄構建設事業)

各種鉄塔構造の合理化と構造信頼性の向上を目的に、耐風・耐震性の評価技術、継手耐力評価や既存鉄塔の補強方法、部材取替え工法に関する研究を行っている。また、既存鉄塔の延命化・診断技術として、非線形解析による基礎不同変位の耐力評価、鋼管部材内視鏡による劣化診断、高耐食性のボルト・ナット及び部材の開発等の実用化研究を推進している。

③立体構造技術の研究開発(鉄構建設事業)

鉄骨による大空間ドーム建築や競技場大屋根あるいは既存施設上部への屋根増設等、難易度の高い立体架構の技術的課題への取り組み、災害時避難所となる体育館等の耐震安全性向上と性能評価及びコスト低減を図る技術開発と設計法の研究を行っている。

④鋼構造物の架設方法に関する開発(鉄構建設事業)

立体構造に用いられてきたリフトアップ工法やスライド工法を既存駅舎建屋の増設に応用するなど、施工時構造解析、鉄構架設技術と機械制御技術を複合した技術開発とその実施に取り組んでいる。

⑤橋梁・土木技術に関する研究(鉄構建設事業)

架設工法の開発、合成床版の開発、提案に係る技術開発・実証実験、及び維持管理・調査技術を含めた橋梁全般における設計・施工技術の実用化研究を行っている。また、大型土木構造物の製作・施工に関する技術開発にも取り組んでいる。

⑥鉄構生産CAD/CAM化の推進研究(鉄構建設事業)

立体構造、橋梁、鉄塔、鉄骨などの鉄構製品の生産性・品質向上を図るために、工作図・現寸作業用CADの機能追加、鋼管鉄塔用CAD/CAMシステムの再構築、高性能設備導入などによりCAD/CAM連携の強化を推進している。

⑦電磁シールド技術の開発(鉄構建設事業)

電子機器の電波特性(電波漏洩、電波耐性)を測定するための施設である電波暗室の構築工法について、市場ニーズに応じて、様々な技術開発を行っている。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりである。

 なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 また、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用

し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としている。

 

(1)財政状態の状況の分析

 

(資産の部)

 資産合計は、前連結会計年度末に比べて4,304百万円減少し、51,151百万円(前連結会計年度55,455百万円)と

なった。
 これは、大型工事が完成計上されたことに伴う未成工事支出金の減少及び株式相場低迷に伴い投資有価証券が減少したこと等によるものである。

 

(負債の部)

 負債合計は、前連結会計年度末に比べて4,129百万円減少し、27,723百万円(同31,853百万円)となった。
 これは、未成工事受入金等が増加したが、長・短借入金の返済及び社債の定時償還を行ったこと等によるものである。

 

(純資産の部)

 純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金が増加したが、その他有価証券評価差額金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて174百万円減少し、23,428百万円(同23,602百万円)となった。

 

(2)経営成績の状況の分析

 当連結会計年度の売上高は、鉄構建設事業及び不動産事業における売上高の増加等により、28,767百万円(前連結会計年度は22,621百万円)となった。利益については、工事採算の改善に努めた結果、経常利益は2,879百万円(同1,508百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,116百万円(同1,008百万円)となった。

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

  営業活動によるキャッシュ・フローは、5,735百万円の収入超(前連結会計年度2,390百万円の収入超)となっ

 た。

  これは、税金等調整前当期純利益の増加に加え、未成工事支出金の減少による資金の増加及び未成工事受入金

 が増加したこと等が主な要因である。

  投資活動によるキャッシュ・フローは、131百万円の支出超(同243百万円の支出超)となった。

  これは、主に有形固定資産等の取得による支出によるものである。

  財務活動によるキャッシュ・フローは、4,739百万円の支出超(同1,956百万円の支出超)となった。

  これは、長・短借入金の返済及び社債の定時償還等が主な要因である。

  この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、5,801百万円(同4,937百万円)となった。