第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、米国をはじめとする先進国が堅調に推移したのに対し、中国および東南アジアを中心に新興国の景気が減速し、また今年に入ってからは世界経済の変調が顕著になってまいりました。一方、わが国経済は、企業収益の改善を背景に緩やかな回復基調が続きました。

当社製品の主要市場である自動車産業におきましては、国内市場では軽自動車税増税の影響等もあり販売台数が減少した一方、海外市場では、米国・中国において堅調な伸びを示しました。

当社グループにおきましては、2015年6月に公表しました「中期経営計画2020」の達成に向け、グループ一丸となった活動を着実に推進しております。具体的には、米国子会社において第2工場を建設し、TNGA関連製品の自動変速機用部品やエンジン用部品等の生産準備を行っており、2017年6月以降順次立上げ予定です。また、インドネシア子会社でも2016年6月以降のエンジン用部品や駆動系部品等の順次立上げのため、生産能力増強を進めており、更に、タイ・インドネシア子会社では、最適生産供給体制の構築に取り組むなど、グローバルな生産体制の整備・強化を進めております。国内においては、生産体制の再構築により、生産効率および設備稼働率の向上を推進しております。

このような状況の中、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は384億47百万円(前年度比1.6%増)と微増でしたが、海外を中心に新規品の立上げが収益に寄与したことと、国内における高効率な生産体制の構築やロス低減活動による原価改善の成果に加え、原材料価格の下落・原油安によるエネルギーコスト負担減等が収益に寄与し、営業利益は22億44百万円(前年度比90.2%増)、経常利益は20億29百万円(前年度比72.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億2百万円(前年度比82.4%増)となりました。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。 

 

  セグメントの業績は、次のとおりであります。

 ① 粉末冶金製品事業

自動車用部品につきましては、国内における売上高は減少傾向ではありますが、米国および中国での無段変速機用部品等、新規品の立上げなどで堅調に推移しました。また、鉄道車両用部品につきましては、新開発の新幹線用ブレーキライニングの受注増などにより、売上高が増加しました。

これらの結果、連結売上高は2.1%増加し366億29百万円となりました。

 ② 油圧機器製品事業

油圧機器製品の売上高は、国内では医療機器メーカー、海外では北米デンタル業界の市場低迷のため、前年度比7.7%減少し18億9百万円となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、40億42百万円となり、前連結会計年度に比べ2億12百万円増加(前年同期比5.5%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、43億70百万円となり、前連結会計年度に比べ8億97百万円増加(前年同期比25.8%増)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出の増加によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、4億10百万円となり、前連結会計年度に比べ16億57百万円増加いたしました。これは主に、長期・短期借入れによる収入の増加によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

粉末冶金製品事業

36,632,263

2.0

油圧機器製品事業

1,829,741

△6.0

合計

38,462,004

1.6

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 金額は販売価格によっております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

粉末冶金製品事業

36,655,979

1.4

3,342,745

0.8

油圧機器製品事業

1,831,928

△4.8

143,000

18.2

合計

38,487,908

1.1

3,485,745

1.4

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

粉末冶金製品事業

36,629,237

2.1

油圧機器製品事業

1,809,928

△7.7

その他

8,616

△6.2

合計

38,447,782

1.6

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

8,487,946

22.4

8,013,592

20.8

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、コンプライアンスの徹底や内部統制機能の充実を図りつつ、持続的成長の実現のために、以下4つの重点課題について、経営体質の強化と企業価値の最大化に取り組んでまいります。

① 海外事業拡大への対応

自動車用部品につきましては、お客様の現地調達ニーズにお応えするため、供給体制を整備するとともに価格・品質競争力を強化し、より一層の拡販に努めます。また、油圧機器製品につきましても海外向け拡販を進めます。

② 新製品開発

材料・工法・設備のあらゆる面で競争優位を確保するため、技術開発分野への経営リソーセスを重点投入してまいります。

③ ものつくり改革

品質・原価・生産の柔軟性において競争力を確保するため、「低投資・省スペースで高効率な革新ライン」、「多技能人材の育成を通した要員配置の最適化」、「良品製作条件を科学的に管理する現場マネジメント」の三つを融合した強い「ものつくり」を目指してまいります。

④ 非自動車分野の事業拡大

鉄道車両用部品につきましては、当社の集電・摩擦材料技術を応用したカーボン系集電材とブレーキ部品がご好評をいただいており、一層の性能向上と価格・品質競争力の強化を進め、拡販に向けた取り組みの強化に努めてまいります。

油圧機器製品につきましては、小型・高機能化商品の開発を進め、用途・市場の拡大に取り組みます。海外は北米を中心として、アジア、欧州への拡販を強化してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

(1) 原料価格の変動
 当社グループでは粉末冶金製品の原材料として鉄粉等の金属粉を使用していますが、これらの原料価格が高騰し、その際、製品価格に反映することが困難な場合は、業績に影響を与える可能性があります。
(2)為替変動によるリスク
 当社の海外の連結子会社は外貨建ての輸出入が中心であるため、為替レートの変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)金利の変動
 当社グループの借入金は、今後の市場金利の動向によっては、業績に影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

6 【研究開発活動】

 当社グループは粉末冶金工法を活用した自動車部品、鉄道車両部品、その他産業用機械部品の開発、製造販売、ならびに粉末冶金部品を組み込んだ油圧機器製品の製造販売を行っております。
 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の金額は2億31百万円であります。
 
 セグメントごとの研究開発活動状況は以下のとおりであります。
 
① 粉末冶金製品事業
 自動車部品に関しては、開発のスピードアップを狙い、技術開発と生産技術を大部屋化した開発生技部を主体に材料開発と工法・設備開発を効率的に取組んでおります。
 材料に関しては、新しい高熱伝導材料・高剛性材料・高強度材料を開発中であり、開発を完了したレアメタルレスの安価材については量産展開を進めております。
 また、MIM部品に関しては、短時間焼結工法の開発を完了し量産展開中であります。加えて、Ti、SUS材の用途開発にも取り組んでおります。設備については、国内、海外とも成形プレス、焼結炉など主要な設備を自前で開発したスリムで一貫生産が可能な革新ラインでのプラネタリーキャリア量産化を進めております。また、グリーン加工による機械加工費低減の取組みに関しても、より安価な設備を開発し海外展開を進めております。
 鉄道車両部品については、カーボン系パンタグラフ集電材の耐欠損性・耐摩耗性・トロリ線摩耗低減効果が得意先より高い評価を受け、新規車両向けの開発を共同で行っております。また、新規展開として、当社の集電・摩擦材料技術を応用した製品開発に取り組んでおり、一部の製品では採用に向け、得意先にて試験中であります。

② 油圧機器製品事業
 油圧製品は、歯科・医療・介護福祉業界、車両・設備業界等からの多様なニーズに対応した製品開発を行っております。昨年度は、医療機器向けに小型高圧タイプの電動油圧ポンプ及び制御バルブユニットを開発し製品化しました。また、ロボット市場向けに精密制御用油圧機器の新規開発に着手し、更なる小型・高性能化を目指した製品の開発を進めております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 財政状態の分析

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで40億42百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローで43億70百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローで4億10百万円増加、現金及び現金同等物に係る換算差額で1億15百万円減少したことにより、前連結会計年度より現金及び現金同等物について31百万円減少しております。
 流動資産につきましては、原材料及び貯蔵品の増加(前期末比1億20百万円増)、繰延税金資産の増加(前期末比61百万円増)等により、155億46百万円(前期末比2億27百万円増)となりました。固定資産につきましては、新規設備投資により有形固定資産が増加(前期末比10億52百万円増)したこと等により、256億71百万円(前期末比6億51百万円増)となりました。
 この結果、資産合計は412億18百万円(前期末比8億78百万円増)となりました。
 流動負債につきましては、支払手形及び買掛金と設備関係支払手形並びに電子記録債務を合わせた仕入債務が増加(前連結会計年度末比5億15百万円増)等により、161億38百万円(前期末比11億7百万円増)となりました。固定負債につきましては、退職給付に係る負債が増加(前期末比8億17百万円増)等により、85億22百万円(前期末比6億59百万円増)となりました。
 この結果、負債合計は246億61百万円(前期末比17億67百万円増)となりました。
 純資産の合計は前期末に比べ、利益剰余金が6億72百万円増加、その他有価証券評価差額金が3億22百万円減少、為替換算調整勘定が7億53百万円減少したことにより、非支配株主持分を除くと147億63百万円(自己資本比率35.8%)となりました。

 

(2) 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

   「1 業績等の概要の(1)業績及び(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。