当連結会計年度における世界経済は、米国・欧州において緩やかな拡大が続いているものの、米国の新政権誕生や英国のEU離脱問題等により、先行き不透明な状況で推移しました。
一方、わが国経済は、雇用情勢の着実な改善等を背景に、緩やかな回復基調が続きました。
当社製品の主要市場である自動車産業におきましては、国内市場では販売台数が前年度と比べ増加となりました。また、海外市場では、中国・欧州において増加しており、インドネシアは緩やかな回復となりました。
当社グループにおきましては、「中期経営計画2020」の達成に向け、グループ一丸となり事業基盤の強化・事業領域の拡大を図っております。具体的には、米国子会社において第2工場を建設し、TNGA新規製品の自動変速機用部品やエンジン用部品等を順次立上げており、本年6月に稼働いたしました。タイ子会社においては、アセアン地域内の生産拠点の中心として事業基盤を整備してまいります。インドネシア子会社においては、2016年度からエンジン・駆動系の新規製品が立上りました。また、本年5月からは、ショックアブソーバー用部品のグローバル最適生産化も開始いたしました。中国子会社においては、当面堅調な生産が見込まれており、生産性と収益性の向上及び拡販活動を一層強化してまいります。国内におきましては、エンジン用バルブシートの生産を滋賀工場へ集約し生産効率を高めたことで、今後の量変動にも柔軟な対応体制を整備いたしました。
このような状況の中、当連結会計年度の業績は、売上高は374億76百万円(前年度比2.5%減)となりましたが、国内における生産体制の構築やロス低減活動による原価改善の成果に加え、原材料価格・エネルギー価格の下落等が収益に寄与し、営業利益は22億46百万円(前年度比0.1%増)、経常利益は20億49百万円(前年度比1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億77百万円(前年度比7.5%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 粉末冶金製品事業
自動車用部品の売上につきましては、海外の仕事量は増加したものの、円高による為替の影響等により減少となりました。一方、セグメント利益につきましては、原価改善活動の成果、原材料やエネルギー価格の下落等により増益となりました。また、鉄道車両用部品の売上につきましては、新規開発の新幹線用パンタグラフ集電用すり板及びブレーキライニングが正式採用となり、収益性の向上に寄与しました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は356億42百万円(前年度比2.7%減)となり、セグメント利益につきましては、35億65百万円(前年度比4.5%増)となりました。
② 油圧機器製品事業
国内メディカル・商社販売は減少したものの、海外メディカル・デンタル販売が既存顧客からの受注増等により好調でした。その結果、当連結会計年度における売上高は18億25百万円(前年度比0.8%増)となりましたが、セグメント利益につきましては開発体制の強化に伴う労務費増等により、5億3百万円(前年度比1.6%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、44億92百万円となり、前連結会計年度に比べ4億49百万円増加(前年同期比11.1%増)となりました。これは主に、仕入債務及び退職給付に係る負債の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、42億84百万円となり、前連結会計年度に比べ85百万円減少(前年同期比2.0%減)となりました。これは主に、固定資産取得による支出の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、1億66百万円となり、前連結会計年度に比べ2億44百万円減少いたしました。これは主に、短期借入の減少によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
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粉末冶金製品事業 |
35,627,949 |
△2.7 |
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油圧機器製品事業 |
1,834,615 |
0.3 |
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合計 |
37,462,565 |
△2.6 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
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粉末冶金製品事業 |
35,414,606 |
△3.4 |
3,114,665 |
△6.8 |
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油圧機器製品事業 |
1,828,135 |
△0.2 |
146,000 |
2.1 |
|
合計 |
37,242,741 |
△3.2 |
3,260,665 |
△6.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
粉末冶金製品事業 |
35,642,685 |
△2.7 |
|
油圧機器製品事業 |
1,825,135 |
0.8 |
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その他 |
8,581 |
△0.4 |
|
合計 |
37,476,402 |
△2.5 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
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トヨタ自動車㈱ |
8,013,592 |
20.8 |
8,108,143 |
21.6 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
〔基本理念〕
ものつくりを通し、すみよい社会と人々の幸せに貢献する
〔長期方針〕
① 21世紀に勝ち残る企業基盤を確立する
・品質第一に徹し、魅力ある商品・技術の実現
② 良い社風を築き、地域に信頼される企業を目指す
③ 明るく働きがいのある職場を築く
当社は、事業領域の拡大による売上高の伸張と、事業基盤の強化・付加価値の向上による売上高営業利益率を重要な経営指標としております。また、株主重視の視点から株主資本利益率(ROE)等を意識した経営を進めております。
当社グループは、事業環境を踏まえた中期経営計画の策定・推進を通して、持続的成長及び企業価値の向上を目指してまいります。
具体的な中期経営計画の目標は、2018年度の単体営業利益率5%、2020年度の連結売上高465億円、連結営業利益率10%の達成であり、目標達成に向けて、売上高に占める海外自動車比率を40%に、非自動車比率を25%に高める計画であります。
当社グループは持続的成長と企業価値向上の実現に向け、コーポレート・ガバナンスの体制を一層強化しつつ、4つの重点課題に取り組んでおります。「ものつくり改革」及び「新製品開発」を通じた、事業基盤の強化と「海外事業の展開」及び「非自動車分野の強化」による事業領域の拡大であります。
① 海外事業の展開
お客様の現地調達ニーズにお応えするため、海外生産拠点の一層の拡充に努めてまいります。
(タイ)
・アセアン地域内の生産拠点の中心として、事業基盤を整備
・ローカル人材の育成強化、自動化による生産性向上を図る
(北米)
・第2工場が完成し、TNGA新規品の生産準備を行うとともに、順次事業規模の拡大を図る
(中国)
・生産・収益性の向上と販路の一層の拡大を図る
(インドネシア)
・エンジン部品用大型設備、ショックアブソーバー汎用ライン等のグローバル最適生産を追求
② 非自動車分野の強化
鉄道車両用部品につきましては、当社の集電・摩擦材料技術を応用したパンタグラフ用集電材とブレーキライニングの一層の機能向上と価格・品質競争力の強化に努めてまいります。
油圧機器製品につきましては、小型・高機能化商品の開発、欧州・アジア地区への拡販、医療分野・ロボットの油圧システム等の分野への適用・拡大を目指しており、当社ブランド力強化とマーケットシェア拡大に努めてまいります。
③ ものつくり改革
生産拠点の再編・一貫生産ラインの構築、物流改革・物流動線の総見直しにより、国内の量変動に柔軟に対応してまいります。
④ 新製品開発
材料配合自由度の活用、社会・環境ニーズに対応する開発、焼結ならではの工法活用、トライボロジー製品の開発により、焼結技術の革新に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
(1) 原料価格の変動
当社グループでは粉末冶金製品の原材料として鉄粉等の金属粉を使用していますが、これらの原料価格が高騰し、その際、製品価格に反映することが困難な場合は、業績に影響を与える可能性があります。
(2)為替変動によるリスク
当社の海外の連結子会社は外貨建ての輸出入が中心であるため、為替レートの変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)金利の変動
当社グループの借入金は、今後の市場金利の動向によっては、業績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。
当社グループは粉末冶金工法を活用した自動車用部品、鉄道車両用部品、産業機械用部品等の開発・製造販売、ならびに粉末冶金部品を組み込んだ油圧機器製品の開発・製造販売を行っております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の金額は2億40百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動状況は以下のとおりであります。
① 粉末冶金製品事業
自動車用部品に関しては、新機能付与および製品競争力向上を狙って、材料から工法・設備に至る総合的な開発に取り組んでいます。
材料に関しては、新しい高熱伝導材料・高剛性材料・高強度材料を開発中であります。また、新しい硬質粒子を分散させた耐熱耐摩耗材料の開発を完了し、生産を拡大中であります。
また、自動車の電気駆動化拡大に備え、新しい材料の開発にも対応中であります。MIM部品に関しても、Ti、SUS材の用途開発にも取り組んでおります。
設備については、ロスのない一貫生産を狙いとして、成形プレス、焼結炉など主要な設備を自前で開発した革新ラインを実現しました。現在、ショックアブソーバー用部品、バルブシート、プラネタリキャリアの量産化を進め、国内、海外拠点に展開を進めております。また、グリーン加工による機械加工費低減の取組みに関しても、海外展開を進めております。
鉄道車両用部品については、カーボン系パンタグラフ集電材の耐欠損性・耐摩耗性・トロリ線摩耗低減効果が得意先より高い評価を受け、新規車両に搭載しての開発を共同で行っております。ブレーキライニングについては、得意先と共同で次期新幹線車両向けの開発に着手し、ダイナモ試験機評価を実施しております。また、新規展開として、当社の集電・摩擦材料技術を応用した製品開発に取り組んでおり、一部製品では採用が決定し、車両に搭載した量産前の試験が始まりました。
② 油圧機器製品事業
油圧機器製品は、歯科・医療・介護福祉業界、車両・設備業界等からの多様なニーズに対応した製品開発を行っております。具体的には、医療機器向けに小型一体式の電動油圧パッケージを開発し、製品化しました。また、医療分野向けに、油圧ロボット技術を応用した精密制御用油圧機器開発を進めております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローで44億92百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローで42億84百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローで1億66百万円増加したことにより、前連結会計年度より現金及び現金同等物について3億74百万円増加しております。
流動資産につきましては、現金及び預金の増加(前期末比3億86百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(前期末比3億80百万円増)等により、163億54百万円(前期末比8億7百万円増)となりました。固定資産につきましては、新規設備投資により有形固定資産が増加(前期末比10億22百万円増)したこと等により、270億39百万円(前期末比13億68百万円増)となりました。
この結果、資産合計は433億94百万円(前期末比21億75百万円増)となりました。
流動負債につきましては、1年内返済予定の長期借入金の増加(前期末比3億70百万円増)、短期借入金の増加(前期末比1億90百万円増)したこと等により、169億32百万円(前期末比7億94百万円増)となりました。固定負債につきましては、長期借入金が増加(前期末比2億17百万円増)等により、85億53百万円(前期末比30百万円増)となりました。
この結果、負債合計は254億86百万円(前期末比8億25百万円増)となりました。
純資産の合計は前期末に比べ、利益剰余金が7億69百万円増加、その他有価証券評価差額金が2億65百万円増加したこと等により、非支配株主持分を除くと159億15百万円(自己資本比率36.7%)となりました。
「1 業績等の概要の(1)業績及び(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。