(1) 業績
≪全般的概要≫
[経済及び事業環境]
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境は改善しましたが個人消費が伸びず、景気は緩やかな回復に止まりました。海外では、中国経済の減速の影響はアジア新興国を始め周辺国経済に及びましたが、欧州では個人消費が経済を下支えし、米国でも雇用や所得環境の改善により、緩やかな景気回復が続きました。
当社グループの主な事業領域である自動車業界では、国内市場は軽自動車の販売が大きく落ち込むなど新車販売台数は前年度を下回る結果となりました。一方、世界市場では中国や景気回復が続く米国では高い需要を維持しました。
[連結業績]
このような環境の下、当社グループは自動車関連部品では米国・中国での販売が大幅に増加し、プリンター関連はベトナム・タイで伸長した結果、売上高はHDD用サスペンションの需要減少を吸収し367億30百万円(前年度比2.6%増)となりました。営業利益はHDD用サスペンションの減収に加え、メキシコ子会社の量産準備費用増や不採算製品の受注量増等により21億13百万円(同17.4%減)となりました。また第4四半期の急激な円高による為替差損や海外合弁会社の立上げ遅れに伴う持分法投資損失が発生し、経常利益は15億22百万円(同54.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億42百万円(同51.4%減)となりました。
≪製品区分別の売上業績≫
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製品区分の名称 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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|||
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自 平成26年4月1日 |
自 平成27年4月1日 |
増 減 |
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至 平成27年3月31日 |
至 平成28年3月31日 |
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||||
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金 額 |
構成比 |
金 額 |
構成比 |
金 額 |
前期比 |
||
|
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
|
|
自動車関連部品 |
24,743 |
69.1 |
26,669 |
72.6 |
1,926 |
7.8 |
|
|
精密機能材料 |
4,299 |
12.0 |
4,185 |
11.4 |
△113 |
△2.6 |
|
|
精密機能部品 |
20,443 |
57.1 |
22,484 |
61.2 |
2,040 |
10.0 |
|
|
電子情報通信関連部品 |
10,712 |
29.9 |
9,927 |
27.0 |
△784 |
△7.3 |
|
|
サスペンション |
4,907 |
13.7 |
3,799 |
10.3 |
△1,107 |
△22.6 |
|
|
プリンター関連 |
3,875 |
10.8 |
4,296 |
11.7 |
421 |
10.9 |
|
|
デジトロ精密部品 |
1,929 |
5.4 |
1,830 |
5.0 |
△98 |
△5.1 |
|
|
その他製品 |
361 |
1.0 |
133 |
0.4 |
△227 |
△62.9 |
|
|
合 計 |
35,816 |
100.0 |
36,730 |
100.0 |
914 |
2.6 |
|
[精密機能材料]
精密機能材料は、国内販売は減少しましたが、堅調な海外向け販売と円安効果により、売上高は前年同水準の41億85百万円となりました。
[精密機能部品]
精密機能部品は、国内では自動車販売台数低迷の影響を受けましたが、海外拠点の販売はエンジン用やミッション用部品を中心に好調に推移しました。結果として、売上高は224億84百万円(前年度比10.0%増)となりました。
[サスペンション]
サスペンションは、第2四半期以降HDD需要が回復しなかったことや新製品の立上げ遅延等により、売上高は37億99百万円(前年度比22.6%減)となりました。
[プリンター関連]
プリンター関連は、香港子会社では販売不振が続きましたが、ベトナム及びタイ子会社のローラー販売が好調を維持し、売上高は42億96百万円(前年度比10.9%増)となりました。
[デジトロ精密部品]
デジトロ精密部品は、日本国内でのOA機器用部品や北米子会社での光通信部品の販売が低迷したため、売上高は18億30百万円(前年度比5.1%減)となりました。
≪セグメント別の業績≫
[日本]
自動車関連部品は新車販売台数が低迷した影響を受けましたが、弁ばね材料等の輸出販売は底堅く推移しました。またサスペンションはHDD需要の低迷、新製品の立上げ遅延等により前年を大きく下回りました。
結果として、売上高は258億円(前年度比3.8%減)となり、営業利益もサスペンションの減収や不採算製品の原価改善が遅延したこと等により19億79百万円(同25.9%減)となりました。
[北米]
光通信部品の販売低迷の影響はあったものの、高需要が続いた自動車市場を背景にエンジン用やミッション用の部品販売が伸長し売上高は前年を大幅に上回りました。利益面では増収効果やコスト改善等がありましたが、メキシコ子会社の量産準備費用が膨らみました。
結果として、北米セグメントの売上高は48億40百万円(前年度比30.7%増)、セグメント損失は2億28百万円(前年度は95百万円のセグメント損失)となりました。
[アジア]
タイとベトナム子会社のプリンター用ローラーの販売は伸長しましたが、香港子会社のプリンター及びデジトロ関連部品は低調な状況が続きました。自動車関連は中国子会社ではエンジンやミッション用の部品販売が高水準を維持し、タイ子会社でも堅調でした。
この結果、アジアセグメントの売上高は94億16百万円(前年度比17.0%増)、セグメント利益は増収効果と製造ライン見直し等の原価改善により10億49百万円(同61.6%増)と大幅な増収増益となりました。
(2) キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ17億89百万円減少し、当連結会計年度末には74億66百万円となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、29億96百万円の収入(前年度比3億82百万円の収入減)となりました。主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益(17億43百万円)、減価償却費(23億26百万円)があり、主な減少要因としては、法人税等の支払額(11億94百万円)、たな卸資産の増加(5億47百万円)があったこと等によります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、42億74百万円の支出(前年度比5億80百万円の支出減)となりました。これは主に固定資産の取得による支出(41億33百万円)及び関係会社株式の取得による支出(3億25百万円)があったことによります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億21百万円の支出(前年度比98百万円の支出増)となりました。これは主に、配当金の支払(5億71百万円)に対し、リース関連取引により純収入(2億1百万円)等があったことによります。
当社グループの生産、受注及び販売の状況は売上状況に類似しているため、「1〔業績等の概要〕」をご参照下さい。
世界経済が大きく変動する中、顧客の海外生産移管が急速に進み、新興国メーカーとの激しい競争等、当社グループを取り巻く環境は厳しさを増してきています。
当社グループは、現在進めている中期経営計画において、コア技術である精密塑性加工技術をベースに、自動車やデジタル製品、光通信のグローバル市場でのシェア拡大を進め、連結売上高500億円を目指しております。その中で、次の項目を対処すべき主な課題として、収益力の向上に取組んでまいります。
(1) 自動車関連事業の拡大
グローバル市場での競争が激化する中、既存製品群とその応用製品での販売拡大を進めます。自動車関連事業は、2020年頃には世界販売台数として約1億台が予想され、さらに成長が見込める市場と考えております。そこで、自動車関連事業が当社連結売上の約70%を占める当社は、自動車市場における強みを大いに発揮し、さらに一層のシェアの維持・拡大に努めてまいります。
(ア)弁ばね用材料事業の拡大
弁ばね用材料事業において、今後、業界全体及び当社への需要が伸びる可能性が高く、例えば中国における2015年後半から見られた販売量増加、及びメキシコにおける需要旺盛等により、さらなるシェア拡大の余地が十分に見込まれます。当社は、この潮流を踏まえて、グローバルな生産体制の整備を行っており、京都工場においては既にフル操業、メキシコにおいては2016年には垂直立上げを行い、BCP対応も含めて万全の態勢で臨んでまいります。
(イ)「材料から製品まで一貫生産」の強みを活かす
・シートベルト用ぜんまいばねと材料のシェア拡大
シートベルト用ぜんまいばね事業におきましては、世界的にますます右肩上がりの需要が見込まれます。そこで当社は、材料の供給能力の増強、材料の韓国合弁会社への移管及び外販の拡大、速水発条との合弁会社を通じた北米市場参入等によりシェア拡大を目指します。
・ミッション用高強度ばねの採算改善
自動車ATミッションの多段化が進み、衝撃吸収のための高強度ばねに対する需要、アイドリングストップから発車する際に発生する衝撃吸収・緩和に対する需要の拡大が見込まれることから、採算改善を強力に進めてまいります。具体的には、手動から自動化ラインへの変更、外注工程の内製化、自動検査機・測定機の導入、及び弁ばね用材料からの転用等により生産体制を整備してまいります。
・材料開発
さらに当社は、「材料から製品までの一貫生産」の強みを一層強化するため、HV車用弁ばね材料の開発、及び製品から材料へのフィードバック等も上記施策に併せて行ってまいります。
(2) HV・EV・PHV・FCV車向け新製品開発と自動車以外への展開
当社は、これまで注力してまいりましたHV・EV・PHV・FCV車向け新製品開発において培いました精密塑性加工技術・塗装技術・接合技術を、自動車分野以外にも展開してまいります。具体的には次のとおりです。
・シャントonバスバー
本製品は、バスバー一体型の電流センサーであり、シンプル構造で低コスト、一体型で省スペース、かつ高精度であることから、Li-ion電池の大電流まで高精度に検出可能であり、車載やエネルギー分野における電流検出、電流制御、電流監視、家庭用・産業用バッテリーマネジメントへの使用が可能な製品です。
・バスリング
当社のバスリングは、モーターの配線作業を大幅に簡素化できる新しいバスリングで、1本の銅の平角線からの成形でプレス金型が不要であり、小ロット対応が可能な製品です。これによりHV車、EV車等のモーター、産業用モーター等に使用が可能な製品です。
・ワイヤレス給電コイル
当社の給電コイルは、当社の異形断面材のエッジワイズ曲げ技術、及びリアクトコイルの加工後塗装技術の応用等による大電流用の非接触給電コイル製品であり、異形断面性による丸線の約半分のコイル厚、及び加工後塗装による高い耐電圧性及び安定形状による周波数安定性を有しております。これらの特性により、当社の給電コイルは、EV車や電車等大電流用の給電コイル、高速道路の移動給電システム用給電コイル等に使用可能な製品です。
・角線マグネットワイヤ
当社のモーターコイル用マグネットワイヤは、当社の特許技術・圧延技術により実現した角線を使用することによりモーターの小型化、並びにアルミ製による軽量化及び耐熱性の向上等の特性を有しております。これらの特性により、当社のモーターコイル用マグネットワイヤは、車載モーターや電気製品搭載モーターのコイル材として使用可能な製品です。
(3) 医療・介護機器市場への参入
当社は、当社の精密塑性加工技術を利用し、医療機器・福祉トレーニング機器分野への進出に向けて鋭意製品開発を進めております。具体的には、当社は、病気や事故による歩行困難な状況を必要なタイミングで最小の力でアシストを行うことで患者本来の歩行能力に戻すことが可能な装着型運動支援装置「KAI-R」の事業化を進めております。当社は、2016年中に医療機器製造販売事業の認証を取得し、その後2017年中に量産体制準備を行った上で、2018年には量産機生産を開始するとともに、病院・リハビリ施設への販売展開を計画しております。
(4) 環境・エネルギー関連市場への参入
当社は、独自開発した連続炭化装置により、竹を燃やすことなく炭にすることに成功しております。当社の技術の特性としましては、高温水蒸気を使用しているため炭化のために材料を燃やす必要が無いため、CO2削減が可能です。また、炭化の際の圧力が常圧であり爆発の危険もありません。なお今後は、付加価値の高い微粒子炭の内製化と用途開発に挑戦してまいります。
(5)当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)
当社は、平成26年5月14日開催の取締役会において、「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策(以下「本プラン」という。)を更新することを決議し、平成26年6月25日開催の第97期定時株主総会において承認されました。本プランの概要は、以下のとおりです。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、特定の者の大規模な株式買付行為に応じて当社株式の売買を行うかどうかは、最終的には当該株式を保有する株主の皆様のご判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかしながら、近時、わが国の資本市場においては、対象会社の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大規模買付提案を強行する動きが顕在化しております。こうした大規模買付提案の中には、その目的等からみて企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が大規模買付提案の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
また、当社グループの企業価値を将来にわたって向上させるためには、中長期的な視点での企業経営が必要不可欠であり、そのためには、お客様、お取引先、従業員、地域社会などとの良好な関係の維持はもとより、昭和18年の創業以来、当社が築き上げてきたさまざまな専門的・技術的なノウハウの活用など、当社グループの深い理解による事業の運営が必須です。
したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方といたしましては、当社の企業理念、企業価値のさまざまな源泉及び当社を支えていただいているステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させるものでなければならないと考えております。したがいまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。
② 基本方針の実現に資する取組み
(イ) 当社の企業価値の源泉
当社は、昭和18年、航空機用エンジンの弁ばね用高級鋼材料を製造する目的で創業しました。創業以来、技術集約型精密製品の創造をビジネステーマとして、Fine Precision Products(超精密製品)の機能創造を通じて、顧客の問題解決を図り社会に貢献することを基本理念に、今日まで歩んできました。
創業時から培われた精密金属塑性加工技術は、異形ダイス開発、超精密金型技術と融合して省資源化に役立つ高精度異形線開発に発展し、“ばね”を中心とした弾性利用部品の設計技術を通じて、自動車用部品の分野で世界でもユニークな材料から加工品までの一貫メーカーの地位を不動なものとしています。
一方、早くから電子情報通信分野の飛躍的発展にも注力し、高精度金属塑性加工にエンジニアリングプラスチック、ファインセラミックス加工技術を取り入れ、クリーン技術、界面技術、精密組立技術と融合させて、高度情報化社会を支える大容量記憶装置(ハードディスクドライブ)、プリンター(複写機、レーザープリンター、インクジェットプリンター)、光通信装置のキーパーツを供給しています。
こうした精密製品の生産技術力、開発力が当社の企業価値の源泉であると考えております。
(ロ) 中長期的な企業価値向上に向けた取組み
当社グループは、中期経営計画において、コア技術である精密金属塑性加工をベースに、自動車やデジタル製品、光通信のグローバル市場でのシェア拡大を進め、2018年度に連結売上高500億円を目指しています。
世界経済が大きく変動する中、顧客の海外生産移管が急速に進み、新興国のメーカーとの激しい競争に直面するなど、当社グループを取り巻く環境は厳しくなってきています。当社グループでは、次の項目を対処すべき主な課題として取組んでいます。
(ⅰ) 売上高の拡大
自動車部品分野では、既存製品の販売拡大を図るとともに、HV・EV車向け製品への参入を進めます。情報技術分野ではハードディスクドライブ向けマイクロアクチュエーター付きサスペンションや顧客仕様に改良した光通信用コネクター/アダプターなど開発製品の市場展開を進めます。プリンター用ローラーについては、新用途への活用提案により販売拡大に努めます。
(ⅱ) グローバル生産体制の強化
自動車関連はアジアや北米向けの需要が今後ますます伸びることが見込まれます。また、為替リスクなど外部環境の変化に対応すると同時に、新興国メーカーとの競争で優位性を維持しなければなりません。継続した投資を行い日本、アジア、北米の3極生産体制を強化していきます。また弁ばね用線は合弁事業による中国での生産を開始し、拡大する需要に対応していきます。なお、北米事業体制強化のため2013年9月に設立したメキシコ現地法人は、現在、弁ばね用線の製造に向けた工場建設及び製造ライン設置を進めております。
(ⅲ) 新製品開発体制の強化
次世代自動車HV・EV・FCVに搭載されるコア技術を応用した製品、バイオマスを利用した環境製品及び医療・福祉製品となる装着型運動支援システムの開発に注力します。
(ⅳ) グローバル競争に勝ち抜く原価低減
生産工程を省略しコンパクトな生産ラインにつながる素材開発、生産性を高めたラインへの改造や現場における地道な改善活動など当社グループ一丸となった原価改善活動を通じ、原価低減を進めていきます。
(ⅴ) 内部統制システムの精度アップと業務の効率化
「内部統制システムの充実」は、業務の効率化、適正化等を通じてさまざまな利益をもたらすと同時に、証券市場に対する内外の信頼を高め、当社を取り巻く全てのステークホルダーに多大な利益をもたらすものと認識しております。業務ルールの標準化・文書化による責任・権限の明確化・業務の可視化、IT活用による不正・誤謬の発生しないシステムのさらなるレベルアップに取り組んでおります。
(ⅵ) コンプライアンスの推進
当社の一員として、社会人として良識と責任のある行動をとるよう日頃から「コンプライアンス委員会」を軸に推進しております。社員1人ひとりが特に留意すべき事項を「行動規範」として定めており、社員が常に日頃の業務遂行の指針とするよう各職場で繰り返し読み合わせするなどして徹底しております。また、年に一度「コンプライアンス強化週間」を設け、トップメッセージの発信や、コンプライアンスアンケートを実施し、全員参加でコンプライアンスを推進する機会としております。
こうした精密製品の製造・販売、内部統制・コンプライアンスの充実を通じて、株主・投資家をはじめすべてのステークホルダーの皆様方の期待に応えるべく、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指した活動を継続してまいります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財産及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社取締役会は、当社株券等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保するために、当社株券等の大規模な買付行為への対応策(以下「本プラン」といいます。)を導入しております。
本プランは、当社株券等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資さない当社株券等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。
大規模買付行為を行う者又は提案する者(以下「大規模買付者」といいます。)が当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け又は当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けのいずれかにあたる買付けを行った場合は、新株予約権の無償割当て、その他当社取締役会が適切と認めた対抗措置(以下「本新株予約権の無償割当て等」といいます。)を行うか否かを検討いたします。
大規模買付者は、当社取締役会が別段の定めをした場合を除き大規模買付行為の実行に先立ち、当社取締役会に対して、大規模買付者の買付内容の検討に必要な情報(以下「本必要情報」といいます。)及び当該大規模買付者が大規模買付行為に際して本プランに定める手続きを遵守する旨の誓約文言等を記載した書面(以下「買付説明書」と総称します。)を当社の定める書式により提出していただきます(大規模買付者から当社への連絡は、書面または口頭を問わず、全て日本語にてなすものとします。)。
当社取締役会は、当該買付説明書の記載内容が本必要情報として不十分であると判断した場合には、買付者等に対し、追加的に情報を提供するよう求めることがあります。この場合、買付者等においては、かかる情報を追加的に提供していただきます。
当社取締役会は、大規模買付者から提供された情報・資料等に基づき、また、必要に応じて外部専門家等(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)の助言を得ながら、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から、大規模買付者による大規模買付行為の内容の検討を行い、当社取締役会による代替案の検討及び大規模買付者と当社取締役会の事業計画等に関する情報収集・比較検討等を行います。
さらに、大規模買付者から大規模買付行為に係る提案がなされた事実とその概要、本必要情報の概要その他の状況及び当社取締役会としての意見を速やかに情報開示します。
当社は、対抗措置の発動の賛否に関する株主意思の確認手続きとして、株主意思確認総会における株主投票、又は書面投票のいずれかを選択できるものとします。株主意思確認総会は、定時株主総会又は臨時株主総会と併せて開催される場合もあります。但し、(a)大規模買付ルールが遵守されない場合、(b)大規模買付ルールが遵守され、かつ、当社取締役会が当該買収提案が当社の企業価値ひいては株主共同の利益の最大化に資すると判断した場合、(c)大量買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が当社企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に反すると判断される場合には、株主意思の確認手続きは行われません。
④ 具体的な取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社取締役会は、上記②記載の取組みが、当社の企業理念に根ざした企業価値向上策として、また、上記③記載の取組みが下記に記載するような合理性を有する買収防衛策として、いずれも上記①記載の基本方針に沿うものであり、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
・買収防衛策に関する指針の要件を全て充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を全て充足しています。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」において示された考え方に沿うものであります。
・株主共同利益の確保・向上の目的をもって更新されていること
本プランは、当社株式に対する大規模買付行為が行われた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報や時間、あるいは当社取締役会による代替案の提示を受ける機会を確保すること等を可能にするものであり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって更新されるものです。
・株主意思を重視するものであること
本プランは、平成26年6月25日開催の当社第97期定時株主総会において承認の決議を得て更新されたもので、その有効期間は平成29年6月開催予定の定時株主総会終結の時までです。また、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において、本プランの変更又は廃止の決議がなされた場合には、当該決議に従い変更又は廃止されることになります。
さらに、大規模買付ルールに従った大規模買付行為が行われた場合には、原則として、対抗措置の発動の賛否に関する株主意思を確認し、本プランに基づいた対抗措置の実施について、株主の皆様に直接ご判断いただくこととなっております。
・合理的な客観的発動要件の設定
本プランは、予め定められた合理的客観的発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しています。
・第三者専門家の意見の取得
大規模買付者が出現した場合、独立した第三者の助言を得ることができることにより、当社取締役会による判断の公正さ・客観性がより強く担保された仕組みとなっています。
・デッドハンド型若しくはスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により廃止することができることから、当社の株券等を大規模に買付けた者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成される取締役会により、本プランを廃止することが可能です。したがって、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
また、当社は期差任期制を採用していないため、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
なお、本プランの詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレスhttp://www.suncall.co.jp/)をご参照ください。
(1) 市場環境の変化
当社グループは、売上高の約70%程度を自動車用部品に依存している他、HDD用サスペンション、プリンター用部品もそれぞれ大きな比率を占めております。これらの市場動向の変化と技術革新は当社製品の生産販売量の変動につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替変動による影響
海外市場の積極的な開拓とグローバル化に伴う海外生産拠点の拡大にあわせて、外貨建て取引が増加しており、為替レートの変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 原材料市況の変動
世界的な原油・原材料価格変動の影響による当社の主要材料である特殊鋼市況の大きな変動は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(4) 海外事業におけるリスク
当社グループは、北米・中国・東南アジアにおいて生産及び販売活動を行っており、進出先での予期せぬ法律・規制の変更やテロ、治安の悪化等の影響により事業活動が停滞するリスクが考えられます。
(5) 自然災害・疫病の影響
当社グループは、国内5拠点・海外8拠点で生産活動を行っており、地震や大規模な自然災害・疫病の発生により生産活動が中断され、事業に影響を及ぼすリスクが考えられます。
(6) コンプライアンス等に関するリスク
法令遵守を極めて重要な企業の責務と認識しており、コンプライアンスプログラムを策定し、法令遵守の徹底を図っております。
しかしながら、こうした対策を行っても国内外の行政・司法・規制当局等による予期せぬ法令の制定や改廃が行われる可能性や、社会・経済環境の著しい変化等に伴う各種規制の大幅変更の可能性で、コンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。その場合には当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報セキュリティに関するリスク
すべての役員、従業員に対し、情報の取扱いに関する管理規程を定めることで、情報のセキュリティを確保することを重要な課題として認識しており、情報管理の徹底に取組んでいます。
しかしながら、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピューターウィルス侵入等による企業機密情報、個人情報の漏洩を完全に排除することはできません。このような場合には当社グループの事業に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社は、Fine Precision Products(超精密機能製品)の機能拡大を通じてお客様の問題解決を図り、事業を拡大することを使命ととらえております。自動車業界が安全、環境、運転支援技術の開発による自動車の電動化、軽量化が加速し、電子化製品の需要増加と素材転換が進む中、当社は得意とする精密塑性加工技術と電子情報通信部品製造技術を応用し、HV・EV・PHV・FCVに搭載されるキーパーツの開発と量産化を進め、将来の中核事業へ育成して参ります。
また、既存製品に代わる素材の研究開発に取り組んで参ります。更に、成長分野として医療・環境事業へ新規事業開拓を進め、事業基盤・領域の拡大を目指し、環境・エネルギー関連市場、医療・介護機器市場への参入を図ります。
なお、当連結会計年度の研究開発活動に要した費用は、9億40百万円であり、主な研究開発の成果は下記のとおりであります。費用は、品種別に対応させることが困難なため、総額で記載しております。
また、下記は主な製品区分ごとに記載し、対応セグメントは[ ]書きしております。
(1) 開発グループ[日本]
◎ダイヤモンドワイヤー開発・量産体制
太陽電池用シリコンウエハ切断及び次世代パワーデバイス(SiC、GaN)切断用の電着ダイヤモンドワイヤーの開発を行っております。太陽電池用途においては、単結晶のみならず多結晶切断も視野に入れ展開中、市場はカーフロス低減による細線化が急速に進んでおり、当社の得意とする極細素線(φ70μm以下)を用いた電着ダイヤモンドワイヤーで国内外のスライシングメーカーへPRし販売を進めてまいります。
◎装着型リハビリロボットの開発(医療関連)
京都大学COIプログラムで取組んでおります脳卒中後の装着型歩行リハビリロボット1号機が完成し2016年度より検証を進めてまいります。またKAI-R(人口膝関節置換手術後歩行リハビリロボット)の2018年上市に向け医療機器製造販売ライセンス取得も合わせて進めてまいります。
◎シャントonバスバーの開発(電気自動車、ハイブリッド自動車関連)
200~800アンペアもの大電流を直接測定し、高精度な電流計測を可能とする電流センサーでKOA株式会社と共同開発し展示会などで広くPRを行っています。バッテリーの管理用途として電気自動車やハイブリッド自動車、電動産業車両などに採用が期待されています。
(2) 精密機能材料[日本]
◎表面性状改善精密ピストンリング線材の開発
近年自動車は性能向上のためピストンリングは鋳物製からスチール線材(精密異形線)が主流となりました。今後更なる性能向上及びコスト低減のため、線材形状精度及び表面清浄を極限まで高め、リング成形後の機械加工廃止及び低減(ニアネット線材)を求められております。
当社は従来引抜線材の課題であった線材性状を改善する新工法を開発し、量産供給開始致しました。線材表面性状改善新技術をベースに今後事業拡大を進めてまいります。
(3)精密機能部品[日本]
◎新可変動弁機構用ぜんまいの開発
次世代エンジンの新可変動弁機構用部品として、弁ばねと同等の高品質を有する異形断面材を用いたぜんまいバネの開発を行っておりましたが、国内外自動車メーカーでの採用が決定し、2014年5月から国内大手自動車メーカー向けに量産を開始しました。その後、順次同メーカー他エンジンにも展開され、2015年9月には外国自動車メーカー向けの量産も開始されました。また、次期モデル用の開発にも着手しています。
◎シートベルトリトラクター用高トルクぜんまいの開発
高トルクぜんまいばね用異形圧延材の開発により、トルク値を現行比10%高めることが出来ました。これにより、ぜんまい材の薄板化と全長削減が実現でき、重量軽減によるコスト低減が可能となります。2016年度の製品量産化とその後の拡販を目指し、顧客と開発推進中です。
(4) サスペンション[日本]
◎マイクロアクチュエータ搭載サスペンションの量産設備開発
磁気ヘッドの精密位置決めを可能にする次世代マイクロアクチュエータ搭載サスペンションの量産設備の開発を行いました。アクチュエータ素子を高速・高精度で実装出来る生産設備を設計・製作し、これを用いて2015年度第3四半期から量産を開始しました。
(5) プリンター関連[日本]
◎プリンターローラー用チューブシャフトの開発
インクジェットプリンター及びレーザビームプリンターで使用されるローラーとして、真直性が高く、軽量化を実現したチューブシャフトの開発から製品化を進めてまいりました。今後さらに適用品を拡大するために、周辺の応用技術を開発しながら顧客へのPRを進めております。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、自動車関連では日本国内の自動車販売台数が前年割れした影響がありましたが、米国や中国の自動車需要が高い水準で持続し、堅調に推移しました。また電子情報通信関連部品では、HDD用サスペンションが第2四半期以降需要は回復せず低調だったものの、プリンター関連部品であるローラー部品が順調な売上となりました。
結果として、売上高は前年度比9億14百万円増の367億30百万円(2.6%増)となりました。営業利益はメキシコ現地法人の量産準備費用が膨らんだことや不採算の自動車関連部品の受注増等で原価増となり21億13百万円(前年度比17.4%減)、営業利益率は前年度に比べ1.3ポイント低下し5.8%となりました。
営業外損益として主に為替差損と中国合弁会社にかかる持分法による投資損失を計上したことにより、経常利益は前年度比18億30百万円減少の15億22百万円(54.6%減)となりました。
特別損益として主に投資有価証券売却益2億45百万円を計上した結果、税金等調整前当期純利益は17億43百万円(前年度比46.0%減)となりました。
法人税等合計は7億1百万円(前年度比35.5%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は10億42百万円(前年度比51.4%減)となりました。
(セグメント別売上高・利益)
セグメント別の業績(売上高・利益)につきましては、「第2〔事業の状況〕の1〔業績等の概要〕」にて記載したとおりであります。
(2) 財政状態及び流動性の分析
(資産、負債及び純資産)
[資産]
総資産は430億48百万円(前年度比18億55百万円減)となりました。これは主に、商品及び製品等のたな卸資産が4億62百万円、有形固定資産が9億71百万円増加したことに対し、投資有価証券が売却や株価下落によって13億27百万円減少したことのほか、設備投資等の支出により現金及び預金が17億89百万円減少したこと等によります。
[負債]
負債は99億75百万円(前年度比10億27百万円減)となりました。これは主に、借入金や退職給付に係る負債が8億49百万円増加したことに対し、支払手形及び買掛金が4億63百万円、未払金が5億5百万円並びに繰延税金負債が4億61百万円減少したこと等によります。
[純資産]
純資産は330億73百万円(前年度比8億27百万円減)となりました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益により10億42百万円増加し、配当支払により5億70百万円減少しました。また、その他有価証券評価差額金等の包括利益項目が11億97百万円減少したことによります。
(設備投資額と減価償却費)
当連結会計年度における固定資産の投資額(キャッシュ・フロー・ベース)は、41億33百万円(前期比3億85百万円減)となりました。
固定資産の投資額(キャッシュ・フロー・ベース)は、経済や市場の環境変化、グローバルでの競争力の強化を図るため、主に自動車関連部品や電子情報通信関連部品等の増産や新規製品の生産を目的としたものです。
当連結会計年度における減価償却費については、前年同水準の23億26百万円となりました。
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2〔事業の状況〕の1〔業績等の概要〕」にて記載したとおりであります。