当連結会計年度におけるわが国経済は、政府及び日銀による経済政策や金融緩和策等を背景に企業業績や雇用環境が改善し、国内景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかし一方で、中国をはじめとする新興国経済の減速や資源国の経済悪化などにより、為替や株式市場への影響が懸念され、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの関連する建築業界におきましては、政府建設投資が低水準であったことに加え、新設住宅着工戸数の伸び悩みや、企業の設備投資に対する慎重姿勢から民間非住宅建設投資についても限定的な伸びに止まるなど、当連結会計年度における建築需要は総じて低調な状況で推移いたしました。
当社グループはこうした市場環境の中で、最終年度を迎えた中期3ヵ年経営計画の総仕上げを図るべく、グループの総力を挙げて経営戦略に沿った諸施策に取り組んでまいりました。具体的には、既存重点製品の収益性を確保しつつ、「環境・省エネ」「安心・安全」「耐震・防災」に関連した成長戦略商品の販売強化に注力し、併せて生産性の効率化と工場内製化の推進によってコストダウンの実現と製品付加価値の向上に努めてまいりました。
また、新製品開発においては、時代ニーズを捉え、免震機構を一体化したOAフロアシステムの共同開発や、体育館の耐震化ニーズに応えた置床式鋼製下地用の耐震ブレースユニットの開発、更には製品ラインナップの充実化を図るため、陸屋根用の太陽光架台や既存天井を撤去せずに落下防止対策が図れる地震対策用フェイルセーフシステムの開発にも取り組み、順次、市場投入してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績につきましては、売上高は28,779百万円(前期比2.4%減)となり、利益面におきましては、営業利益888百万円(前期比5.9%減)、経常利益1,001百万円(前期比5.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益697百万円(前期比20.4%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 三洋工業
主力製品群である軽量壁天井下地につきましては、商業施設やビル用の一般製品が需要低迷の影響を受け、受注量が減少したほか、戸建住宅用製品においても、新設住宅着工戸数が伸び悩みを続ける中で低調に推移いたしました。しかし、地震対策用の天井等が、安心・安全に対する社会的な要請を背景に、売上高が好調に推移したことなどから、軽量壁天井下地全体の売上高は増加いたしました。
床システムにつきましては、遮音二重床製品が集合住宅のみならず、老人ホームや病院施設等に幅広く採用されたほか、スチール製OAフロアやオフィス用置敷式OAフロア等も堅調に推移いたしましたが、主力製品である学校体育館やスポーツ施設用の鋼製床下地材製品の受注量が落ち込んだことなどから、床システム全体の売上高は減少いたしました。
アルミ建材につきましては、主力製品であるアルミ笠木や手摺り、エキスパンション・ジョイントカバーなどが、前期好調な伸びを示したものの、低迷する需要を背景に受注量が低下したことなどから、アルミ建材全体の売上高は減少いたしました。
この結果、売上高は22,992百万円(前期比3.7%減)、セグメント利益487百万円(前期比0.2%増)となりました。
② システム子会社
当社の子会社であるシステム会社(株式会社三洋工業九州システムほか)におきましては、設計指定活動を中心に主力取扱い製品である鋼製床下地材製品や床関連製品の販売強化に努めてきたことなどから、システム子会社全体の売上高は6,382百万円(前期比3.7%増)となりましたが、利益面においては、厳しい市況を反映し利益率が低下したことなどから、セグメント利益は242百万円(前期比22.4%減)となりました。
③ その他
その他につきましては、売上高835百万円(前期比7.6%減)、セグメント利益45百万円(前期比28.2%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,632百万円となり、前連結会計年度末に比べて233百万円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は981百万円(前連結会計年度は1,266百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益979百万円、売上債権の減少額549百万円、仕入債務の減少額648百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は488百万円(前連結会計年度は1,438百万円の使用)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得による支出289百万円、無形固定資産の取得による支出259百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は259百万円(前連結会計年度は205百万円の使用)となりました。
これは、主に配当金の支払額208百万円などによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、システム子会社につきましては、三洋工業より購入した製品の販売を行っており、生産は行っておりません。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) | ||
三洋工業 | 6,491 |
| △7.2 |
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その他 | 253 |
| △13.4 |
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合計 | 6,745 |
| △7.5 |
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(注) 1 金額は実際原価によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは受注生産を行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) | ||
三洋工業 | 21,909 |
| △4.2 |
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システム子会社 | 6,241 |
| 4.3 |
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その他 | 629 |
| △0.4 |
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合計 | 28,779 |
| △2.4 |
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(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 販売実績の100分の10を超える主要な販売先はありません。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの対処すべき課題といたしましては、少子高齢化と人口減少に伴い、建築市場が今後縮小していく中で、如何にして安定的に利益を確保し、持続的な成長を遂げることができるかが重要な課題であると認識しております。そのためには、変化する社会的要請や市場ニーズに機動的かつ柔軟に対応できる体制整備と経営基盤の更なる強化が必要であると考えております。
今般、当社グループではこうした課題認識のもと、前中期3ヵ年経営計画で取り組んできた成果と課題を十分に踏まえ、平成28年度をスタート年度とする新中期3ヵ年経営計画『SANYO VISION 70』を策定いたしました。基本経営戦略である「環境変化と市場ニーズを捉えた価値創造による収益性の向上」「コスト低減と品質確保による内製化の推進」「成長を支える経営基盤の強化」および「グループ企業の連携による収益力の強化」を図りながら、収益性の改革を通じて、持続可能な成長企業の実現に向け邁進してまいります。
当社グループといたしましては、今後も健全な利益思想のもと、内部統制システムの適切な運用と経営の公正性、透明性及び効率性を高め、コーポレートガバナンスの一層の充実と強化に取り組み、株主及び投資家の皆様のご期待に添えられるよう鋭意努力してまいる所存です。
当社グループは、建築業界の動向により影響を受ける可能性があり、事業上のリスク要因には次のようなものがあります。
当社グループの取扱商品は、ビル建築に関するものが多く、近年公共工事物件の減少により販売競争が激化しております。今後更に民間建築物件も減少しますと、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの取扱商品は、鋼材及びアルミを材料とするものが多く、近年鋼材及びアルミの価格が変動しております。これにより、材料価格が高騰した場合、販売価格に転嫁が出来なければ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、建築用金属製品のメーカーとして品質管理には万全を期しておりますが、製造物責任による損害賠償請求訴訟が提起された場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、全国に販売網があり多数の取引先がありますが、その大半は建築に関わる取引先であり、建築需要の減少による取引先の倒産等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
上記の文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、事業を遂行する上ではこれら以外にもリスクが発生する可能性があります。なお、当社グループではこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
該当事項はありません。
当社グループでは、顧客志向の視点に立って市場ニーズや顧客情報を的確にキャッチし、建築需要の変化に対応した製品の開発を目標にしております。
そのために、開発、生産、購買、営業の各部門の連携体制をより緊密化させ、小集団による製品群ごとのチームを再編・強化し、開発の早期化を推進すると共に、差別化した高付加価値製品の開発と市場競争力を高めるコストダウン化を目指しております。
セグメント別では、システム子会社、その他において、該当事項はありません。
三洋工業の研究開発活動におきましては、建築用金物・資材事業に係わるものであり、環境関連としましては、太陽光架台の品揃えにおいて陸屋根用架台やお客様要望にお応えする製品開発を進めて参りました。
耐震関連製品としましては、アルミ製品関連としましてエキスパンションジョイントカバーの品揃えとして免震床仕上げタイプの開発を実施し、また耐震天井の改良・改善やフェイルセーフ仕様のネット天井の製品開発を進めてまいりました。
さらに戸建住宅関連としましては、引続きユーザーのニーズに応えるべく鋼製下地システムの周辺部材を重点に開発をしてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は221百万円となりました。
今年度におきましては、新中期3ヵ年経営計画『SANYO VISION 70』のスタートの年度としまして、成長戦略製品と位置付けております「環境・省エネ」「安心・安全」「耐震・防災」といった社会的要請、市場ニーズに対応した高付加価値製品の開発強化に継続的に取り組んでまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、引当金や税効果会計など見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき計上を行っております。
(2) 財政状態に関する分析
① 資産・負債の状況
当連結会計年度末の資産合計は、受取手形及び売掛金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ318百万円減少し、23,722百万円となりました。
負債につきましては、主に支払手形及び買掛金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ763百万円減少し、10,657百万円となりました。
② 純資産の状況
純資産につきましては、主に親会社株主に帰属する当期純利益が697百万円となったことにより、前連結会計年度末に比べ445百万円増加し、純資産合計は13,064百万円となりました。この結果、自己資本比率は55.1%となりました。
当連結会計年度の業績につきましては、地震対策用の天井製品が社会的な要請を背景に伸長し、軽量壁天井下地の売上高を押し上げたものの、床システム及びアルミ建材については、主力製品であるスポーツ施設用鋼製床下地材製品やアルミ笠木、エキスパンション・ジョイントカバーなどの落ち込みにより、全体売上高は前期を下回る結果となりました。
これにより、売上高は28,779百万円となり、前連結会計年度に比べ703百万円(2.4%)の減少となりました。
売上原価は、仕入商品や資材などのコスト削減や工事原価管理の徹底などにより、売上総利益率の上昇が見られ、売上総利益は7,447百万円となりました。販売費及び一般管理費は人件費の増加などにより6,558百万円となりました。この結果、営業利益は888百万円となり、前連結会計年度に比べ55百万円(5.9%)の減少となりました。
営業外収益は、賃貸不動産からの賃料収入114百万円や売電収入の38百万円を含め215百万円となり、営業外費用は賃貸不動産に係る費用44百万円や売電費用38百万円を含め103百万円となりました。
これにより、経常利益は1,001百万円となり、前連結会計年度に比べ59百万円(5.6%)の減少となりました。
特別利益は、道路改良事業による土地収用の補償金28百万円であり、特別損失は収益低下による固定資産の減損損失50百万円等であります。
これにより、税金等調整前当期純利益が979百万円となり、法人税・住民税及び事業税は198百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益が697百万円となり、前連結会計年度に比べ、179百万円(20.4%)の減少となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。