当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による継続的な経済政策や日銀による金融緩和策を背景として、企業収益や雇用・所得環境に改善の動きが見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、中国をはじめとするアジア新興国の景気の下振れや、英国のEU離脱問題、さらには米国の政策動向による影響などから景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの関連する建築業界におきましては、住宅ローン金利の低下や相続税対策を追い風に賃貸住宅が牽引役となり新設住宅着工戸数が伸長いたしましたが、政府建設投資が伸び悩んだほか、民間非住宅建設投資についても、土木を除いた建築投資が低調に推移するなど、需要規模は総じて厳しい状況にありました。
こうした事業環境の中で当社グループは、平成28年度をスタート年度とする中期3ヵ年経営計画に沿って、基本経営戦略である「環境変化と市場ニーズを捉えた価値創造による収益性の向上」「コスト低減と品質確保による内製化の推進」「成長を支える経営基盤の強化」及び「グループ企業の連携による収益力の強化」に注力し、収益性の改革に取り組んでまいりました。
また、新製品開発におきましては、多様化する顧客ニーズや社会的要請を踏まえ、「安心・安全」「環境・省エネ」「耐震・防災」をテーマとした魅力ある製品づくりにチャレンジしてまいりました。具体的には、太陽熱を用いて室内を快適に温める高効率集熱システムや、夏場の急激な室温上昇を抑制する折板屋根向け遮熱工法及び可動量50%を実現した幅広タイプのエキスパンション・ジョイントカバー等の開発に取り組み、順次、市場投入を果たしました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績につきましては、売上高は27,342百万円(前期比5.0%減)となり、利益面におきましては、営業利益824百万円(前期比7.2%減)、経常利益930百万円(前期比7.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益849百万円(前期比21.7%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 三洋工業
主力製品群である軽量壁天井下地につきましては、堅調な新設住宅着工戸数の伸びに支えられ戸建住宅用製品が伸長しましたが、ビルや商業施設用の一般製品においては厳しい市況環境を背景に受注量が落ち込んだことなどから、軽量壁天井下地全体の売上高は微減となりました。
床システムにつきましては、主力製品である学校体育館などスポーツ施設用の鋼製床下地材製品や環境配慮型のデッキフロアが伸長しましたが、分譲マンションの着工減少等の影響を受け遮音二重床製品が低迷したほか、オフィス用OAフロア等の落ち込みも相まって、床システム全体の売上高は減少となりました。
また、アルミ建材につきましては、主力製品であるアルミ笠木やエキスパンション・ジョイントカバーが低調に推移したものの、きめ細やかな受注対応によって外装パネルやその他のアルミ関連製品が伸長したことなどから、アルミ建材全体の売上高は横ばいとなりました。
この結果、売上高は21,714百万円(前期比5.6%減)、セグメント利益454百万円(前期比6.8%減)となりました。
② システム子会社
当社の子会社であるシステム会社(株式会社三洋工業九州システムほか)におきましては、鋼製床下地材製品を中心に設計指定活動や提案営業に積極的に取り組んでまいりましたが、厳しい市況環境の中で、首都圏をはじめ一部地域において受注量が落ち込んだことなどから、システム会社全体の売上高は6,087百万円(前期比4.6%減)、セグメント利益は200百万円(前期比17.5%減)となりました。
③ その他
その他につきましては、売上高846百万円(前期比1.3%増)、セグメント利益30百万円(前期比32.6%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,855百万円となり、前連結会計年度末に比べて223百万円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,158百万円(前連結会計年度は981百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,029百万円、減価償却費532百万円、退職給付に係る負債の減少額197百万円、法人税等の支払額260百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は313百万円(前連結会計年度は488百万円の使用)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出268百万円、無形固定資産の取得による支出176百万円、投資不動産の売却による収入120百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は621百万円(前連結会計年度は259百万円の使用)となりました。
これは、長期借入金の純返済額281百万円、社債の償還による支出100百万円、配当金の支払額207百万円などによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、システム子会社につきましては、三洋工業より購入した製品の販売を行っており、生産は行っておりません。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
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三洋工業 |
5,699 |
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△12.2 |
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その他 |
265 |
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4.6 |
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合計 |
5,965 |
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△11.6 |
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(注) 1 金額は実際原価によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは受注生産を行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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三洋工業 |
20,827 |
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△4.9 |
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システム子会社 |
5,945 |
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△4.7 |
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その他 |
570 |
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△9.4 |
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合計 |
27,342 |
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△5.0 |
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(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 販売実績の100分の10を超える主要な販売先はありません。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)経営方針
会社の経営の基本方針
当社グループでは、「国際化社会の中で、社員一人ひとりの自己の成長と企業の安定、発展をはかり、快適空間の創造を通じて社会に貢献する」という経営理念を標榜し、その実現のために次の3つの基本方針を掲げております。
・人間尊重の経営
・お客様第一の経営
・地域・社会と共生する経営
以上の基本方針を基に、経営の効率化と収益性の向上を重視し、株主価値の増大が図れるオンリーワン企業を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、経営の基本方針のもと、収益性の改革を推し進め、厳しい事業環境の中にあっても、安定的かつ持続的な成長が図れる強固な経営基盤を確立するため、以下の中期的な経営戦略に沿って、諸施策を実行してまいります。
<経営ビジョン>
わたしたちは、「快適空間」の提案と確かな「品質」で、全国のお客様に信頼され社会から必要とされる価値創造グループを目指します。
<基本経営戦略>
① 環境変化と市場ニーズを捉えた価値創造による収益性の向上
・成長戦略商品を中核とした収益力の増強と既存重点製品による安定的収益確保
・価値創造に向けた技術開発力の強化と技術研究所の有効活用
・新しい事業領域の創出・進出
② コスト低減と品質確保による内製化の推進
・生産効率の最適化と製品付加価値の向上
・品質管理の徹底による品質の確保
・仕入資材・商品調達力の強化
③ 成長を支える経営基盤の強化
・CSRへの取組み強化
・人材確保と人材の育成
・新基幹情報システムの活用と自社最適性の継続的探究
④ グループ企業の連携による収益力の強化
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「快適空間の創造」を通じて事業を発展させ、安定的かつ持続的に企業価値を高めていくことを目標としており、売上高及び営業利益率を重要な経営指標として位置づけ、その向上に努めております。
(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
少子高齢化と人口減少の進行に伴い、今後、建築需要が漸次縮小していく中で、当社グループの対処すべき課題としましては、如何にして安定的に利益を確保し、持続的な成長を遂げられるかが重要な課題であると認識しております。そのためには、多様化する顧客ニーズや社会的要請を的確に捉え、こうした変化に機動的かつ柔軟に対応できる体制整備と、健全な財務体質に基づくより強固な経営基盤の構築が必要であると考えております。
当社グループではこうした課題認識のもと、中長期的な経営戦略である経営ビジョンと基本経営戦略に基づき、成長戦略の根幹をなす新製品開発の一層の強化と成長戦略商品の更なる拡販及び時代を先取りした新しい事業領域の創出・進出に迅速果断に取り組んでまいります。また、これらを支える経営基盤の強化に全力を傾注し、社会から必要とされる持続可能な成長企業を目指し邁進していきたいと考えております。
当社グループとしましては、引き続き内部統制システムの適切な運用と経営の公正性、透明性及び効率性を高め、コーポレートガバナンスの一層の充実と強化に取り組み、株主・投資家の皆様のご期待に添えられるよう鋭意努力してまいる所存です。
当社グループは、建築業界の動向により影響を受ける可能性があり、事業上のリスク要因には次のようなものがあります。
当社グループの取扱商品は、ビル建築に関するものが多く、近年公共工事物件の減少により販売競争が激化しております。今後更に民間建築物件も減少しますと、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの取扱商品は、鋼材及びアルミを材料とするものが多く、近年鋼材及びアルミの価格が変動しております。これにより、材料価格が高騰した場合、販売価格に転嫁が出来なければ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、建築用金属製品のメーカーとして品質管理には万全を期しておりますが、製造物責任による損害賠償請求訴訟が提起された場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、全国に販売網があり多数の取引先がありますが、その大半は建築に関わる取引先であり、建築需要の減少による取引先の倒産等が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
上記の文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、事業を遂行する上ではこれら以外にもリスクが発生する可能性があります。なお、当社グループではこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
該当事項はありません。
当社グループでは、顧客志向の視点に立って市場ニーズや顧客情報を的確にキャッチし、建築需要の変化に対応した製品の開発を目標にしております。
そのために、開発、生産、購買、営業の各部門の連携体制をより緊密化させ、小集団による製品群ごとのチームを再編・強化し、開発の早期化を推進すると共に、差別化した高付加価値製品の開発と市場競争力を高めるコストダウン化を目指しております。
セグメント別では、システム子会社、その他において、該当事項はありません。
三洋工業の研究開発活動におきましては、建築用金物・資材事業に係わるものであり、環境関連としましては、太陽熱を利用した集熱パネルシステムの発売および地上設置型太陽光架台のモデルチェンジを実施しました。
耐震関連製品としましては、アルミ製品関連としましてエキスパンション・ジョイントカバーの品揃えとして50%可動仕様・幅広タイプの開発や、また軽量耐震天井シリーズの品揃えとしてプール天井の開発を実施し、発売を致しました。
さらに戸建住宅関連としましては、引続きユーザーのニーズに応えるべく鋼製下地システムの周辺部材の開発および外装関連部材についても開発をしてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は218百万円となりました。
今年度におきましては、新中期3ヵ年経営計画「SANYO VISION70」の2年目としまして、成長戦略製品と位置付けております「安心・安全」「環境・省エネ」「耐震・防災」といった社会的要請、市場ニーズに対応した高付加価値製品の開発強化に継続的に取り組んでまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、引当金や税効果会計など見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき計上を行っております。
(2) 財政状態に関する分析
① 資産・負債の状況
当連結会計年度末の資産合計は、商品及び製品が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ153百万円減少し、23,568百万円となりました。
負債につきましては、主に社債や長期借入金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ929百万円減少し、9,728百万円となりました。
② 純資産の状況
当連結会計年度末の純資産合計は、主に親会社株主に帰属する当期純利益が849百万円となったことにより、前連結会計年度末に比べ775百万円増加し、13,839百万円となりました。この結果、自己資本比率は58.7%となりました。
当連結会計年度の業績につきましては、新設住宅着工戸数の増加に伴い戸建住宅用製品が伸長したほか、改修案件の需要取り込みが奏功しスポーツ施設用の鋼製床下地材や環境配慮型のデッキフロア等が堅調に推移しました。しかし、政府建設投資や民間非住宅建設投資が低迷を続けるなど厳しい需要環境の中で、全体の売上高は前期を下回る結果となりました。
これにより、売上高は27,342百万円となり、前連結会計年度に比べ1,437百万円(5.0%)の減少となりました。
売上原価は、仕入商品や資材などのコスト削減や工事原価管理の徹底などにより、売上総利益率の上昇が見られ、売上総利益は7,446百万円となりました。販管費及び一般管理費は新基幹情報システムの稼働による減価償却費の増加などにより6,622百万円となりました。この結果、営業利益は824百万円となり、前連結会計年度に比べ64百万円(7.2%)の減少となりました。
営業外収益は、賃貸不動産からの賃料収入110百万円や売電収入の39百万円を含め194百万円となり、営業外費用は賃貸不動産に係る費用37百万円や売電費用33百万円を含め88百万円となりました。
これにより、経常利益は930百万円となり、前連結会計年度に比べ70百万円(7.1%)の減少となりました。
特別損益は、主に土地売却による固定資産売却益100百万円等であります。
これにより、税金等調整前当期純利益が1,029百万円となり、法人税・住民税及び事業税は251百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益が849百万円となり、前連結会計年度に比べ、151百万円(21.7%)の増加となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。