(1)経営方針
私たちはグループ共通の《価値創造プロセス》に沿って、多様化する顧客・市場ニーズ、複雑化する社会的課題を迅速かつ的確に捉え、総合金属建材メーカーとして、“そこに住まう人”、“そこに働く人”に、安心して心地よく過ごしていただくための『快適空間』の創造を通じて、企業価値のさらなる向上と、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念である「国際化社会の中で、社員1人ひとりの自己の成長と企業の安定、発展をはかり、快適空間の創造を通じて社会に貢献します。」をグループの全社員で共有し、その実現のために次の3つの基本方針を掲げ実践しております。
・人間尊重の経営
・お客様第一の経営
・地域・社会と共生する経営
以上の基本方針を基に、経営の効率化と収益性の向上を重視し、株主価値の増大が図れるオンリーワン企業を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは経営の基本方針のもと、厳しい経営環境の中でも、安定的かつ持続的な成長が図れるレジリエントな経営基盤を確立するため、2022年度を初年度とする新中期3ヵ年経営計画「SANYO VISION 76」(2022年度~2024年度)をスタートしました。
同計画の骨子と基本経営戦略は以下のとおりです。
(骨 子)
① 経営ビジョン
わたしたちは、未来を守る確かな建材で快適空間の提案を行い、サステナビリティを意識した活動を通じて、全国のお客様に信頼され、社会から必要とされる価値創造グループを目指します。
② サステナビリティ基本方針
・事業活動を通じた社会的課題への取組み
・働き甲斐のある職場づくりと人材育成
・地球環境の保全に向けた取組み
・コーポレートガバナンスの充実
・地域社会への貢献
(基本経営戦略)
① 持続的な企業価値の向上を目指した経営基盤の強化
・健康経営の推進と働き甲斐のある職場づくり
・多様な人材の確保と育成強化
・強固な財務体質の維持と資本効率の向上
・品質マネジメントシステムの維持改善
・IT化の推進による業務の変革と業務効率の向上
・環境問題・気候変動への積極的な取組み
② 新製品開発と新事業の創出
・価値創造に向けたマーケティング活動の推進
・社会的課題や多様化する顧客・市場ニーズに対応した新製品開発の強化
・産官学との協創・協業による新製品・新事業の創出
③ 販売戦略の高度化
・成長戦略商品の増強と設計指定活動の強化
・IT技術やデータを活用した戦略的営業活動の推進
・営業員教育プログラムの導入による戦力強化
④ 生産量の拡大とコスト抑制
・生産技術の向上と新規内製品の拡大
・無人化、IT化による生産効率の向上と品質確保
・戦略的購買活動によるコスト抑制とサプライチェーンの把握
⑤ コーポレートガバナンスの強化
・コンプライアンスと内部統制の継続強化
・リスクマネジメントの実効性向上
・コーポレートコミュニケーションの充実
⑥ グループ会社によるサステナビリティへの取組みと企業価値の向上
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「快適空間の創造」を通じて事業を発展させ、安定的かつ持続的に企業価値を高めていくことを目標としており、売上高及び営業利益率を重要な経営指標として位置づけ、その向上に努めております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの対処すべき課題といたしましては、アフターコロナを見据えた様々な環境変化(顧客・市場・社会)に対し、当社グループの《価値創造プロセス》に沿って新たな提供価値を創出していくことが重要な課題であると認識しております。
こうした認識のもと当社グループでは、様々な社会的課題に対し、これまで培ってきたグループの強みと今般新たに作成した「サステナビリティ基本方針」を原動力に、2022年度を初年度とする新中期3カ年経営計画「SANYO VISION 76」(2022年度~2024年度)に沿ってさらなる収益性の拡大に挑戦してまいります。また、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資への対応やSDGs(持続可能な開発目標)への積極的な取組みを通じて、企業の存在価値を高め、社会から必要とされる価値創造グループを目指してまいります。
当社グループが《価値創造プロセス》に基づき社会へ提供する価値は、経営理念である「快適空間の創造」をはじめ、「革新的な製品・事業の創出」、「働き甲斐のある職場」、「CO2排出量の削減・環境負荷の低減」、「地域社会への貢献(建築・雇用創出)」、そして「ステークホルダーへの様々な価値の還元」であります。これらの提供価値を実現させる「SANYO VISION 76」のキャッチワードには、“サステナビリティ経営で次の世代、そして未来へと成長を繋ぐ”を標榜し、経営戦略等に掲げた6つの基本経営戦略をグループ全社で実行してまいります。また、健康経営の推進を柱に、より強固な経営基盤の確立を図りながら、持続可能な成長企業を目指し邁進していく所存であります。
当社グループとしましては、引き続き法改正等への対応に適切に取り組むと同時に、内部統制システムの運用と経営の公正性、透明性及び効率性を高め、コーポレートガバナンスの一層の充実化と強化に取り組み、皆様のご期待に添えるよう鋭意努力してまいります。
当社グループは、建築業界の動向等により影響を受ける可能性があり、事業上のリスク要因には次のようなものがあります。
当社グループの取扱商品は、ビルや住宅用の建築用金物及び資材であり、少子高齢化と人口減少の進行に伴い、新規の建築需要が漸次縮小化し、その影響で販売競争が激化する可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態(以下、「経営成績等」という。)に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした状況に対処するため、コスト低減に努めるとともに、経営理念に掲げた「快適空間の創造」を標榜し、「安心・安全」「環境・省エネ」「耐震・防災」をキーコンセプトとした魅力ある成長戦略商品の開発に積極的に取り組んでおります。
当社グループの取扱商品は、鋼材及びアルミを材料とするものが多く、こうした材料の市場価格は世界景気、地政学的リスク、需給バランス、為替変動等の影響を受けます。これにより、材料価格が高騰した場合、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした状況に対処するため、原材料価格の上昇に対して、原価低減や売価転嫁の施策等を通じて、極力その影響を軽減しております。また定期的に原材料価格の動向を把握し、適正な仕入先の選定及びリスク分散のための新規仕入先の開拓に努めております。
当社グループは、総合金属建材メーカーとして品質管理には万全を期しておりますが、製造物責任による損害賠償請求訴訟が提起された場合、あるいは施工面で重大な瑕疵があった場合には、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした状況に対処するため、「品質安全管理規程」を設け、これに基づき、適切な予防措置ならびに万一事故が発生した場合に迅速な対応と再発防止策が図れる体制を構築しております。
当社グループは、財務諸表の作成にあたり会計上の見積りが必要な事項について、合理的な基準に基づき見積りを行っておりますが、その不確実性から実際の結果と異なる場合があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
① 工事原価総額の見積り
工事契約では、必要となる原材料や人員、完成するまでの期間等を検討し、その結果に基づいて、工事収益総額、工事原価総額及び連結会計年度末における工事進捗度の見積りを行っております。工事内容の変更による契約金額の変更や原材料価格の変動等が収益認識に影響を与えるため、追加原価が発生した場合に不採算工事が発生するリスクがあります。そのため、毎月の会議体により工事進捗度管理、利益管理プロセスとして工事単位ごとの収支管理を行い、工事原価総額の見積りにおいても、最新の情報に基づいた見積りを行うよう運用しております。
② 債権の貸倒れ
当社グループは、全国に販売網があり多数の取引先がありますが、その大半は建築に関わる取引先であり、建築需要の減少による取引先の倒産等が発生した場合に、実際の貸倒れが回収不能見込額として計上した貸倒引当金を大幅に上回り、引当不足となる可能性があります。こうした状況に対処するため、与信管理規程を定め取引先ごとに与信限度額を設定・管理し、取引の実情に即した限度額となるよう適宜見直しを行うほか、信用悪化の兆候が見られるときは営業責任者と営業統括責任者が協議し債権保全等の対応措置を実施しております。
③ 資産の保有
当社グループは、事業用及び賃貸用不動産としての不動産並びに有価証券等を保有しておりますが、事業環境の変化等によって帳簿価額の回収が見込めなくなった場合、または時価の大幅な変動等があった場合には、減損処理が必要となる可能性があります。こうした状況に対処するため、当社グループが保有する土地の時価について定期的に調査し取締役会に報告するほか、子会社について業績悪化に伴う固定資産の減損の兆候を把握した際には子会社担当取締役から取締役会に報告し、適時に対策が打てるような体制を構築しております。
④ 退職給付
退職給付に係る資産及び負債は、退職給付債務と年金資産の動向によって変動しますが、数理計算上の仮定に変動が生じた場合、または運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、当該負債や年金に関する費用が増加する可能性があります。こうした状況に対処するため、総務部長を委員長とする年金資産運用委員会を四半期ごとあるいは臨時で開催し、資産運用状況及び見通しについて運用受託機関からの報告を受け、政策的資産構成の見直し等を協議及び審議し社長へ答申する体制をとっております。
⑤ 繰延税金資産
経営状況の悪化等により将来の課税所得等の見積りが変動した場合、または税率変更等の税制改正があった場合には、繰延税金資産の取崩しが必要となる可能性があります。こうした状況に対処するため、当社グループ各社の業績推移とその見通しについて取締役会に報告し、業績悪化の兆候を把握した際には適時に対策が打てるような体制を構築しております。
(5) 大地震、自然災害、感染症等に関するリスク
大地震、気候変動に伴う自然災害、感染症の蔓延等によって、営業活動や生産活動及び業務に支障をきたした場合には、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした状況に対処するため、「危機管理規程」を設け、万一不測の事態が発生した場合は、損失の最小化、損害の復旧、再発防止に取り組むこととしております。また、震災時においては、早期に復旧できるようBCPの策定及びその見直しを行っております。
(6) コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、事業活動を展開する上で、製品の品質や安全性、知的財産、労務・安全衛生、会計基準、税法、取引管理、その他環境保全に関する事項など、様々な法規制を受けております。このような法規制に対し重大なコンプライアンス違反を起こした場合は、当社グループの社会的信用を失墜させ、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした状況に対処するため、「コンプライアンス基本規程」を制定しコンプライアンス体制を構築するとともに、「コンプライアンス・マニュアル」においてグループ共通の価値観・倫理観に基づく社員の行動基準を定め、コンプライアンス研修等を通じて、法令及び社会的規範の遵守に取り組んでおります。また、社内通報制度を設け、法令違反ないし不祥事の防止及び早期発見、自浄プロセスの機動性の向上に努めております。
上記の文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、事業を遂行する上ではこれら以外にもリスクが発生する可能性があります。なお、当社グループではこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の普及や政府の各種政策等によって新規感染者が減少し、一時的に持ち直しの動きが見られました。しかしながら、原油や原材料価格の高騰、さらには地政学的リスクの顕在化等によって、景気の先行きは依然として予断を許さない不透明かつ不安定な状況が続いております。
当社グループの関連する建築業界におきましては、新設住宅着工戸数が持ち直しの傾向にあったほか、民間非居住建築物においても事務所や工場などを中心に回復の動きが見られました。他方、原材料価格の高騰をはじめ、物流費や建設労働者不足による人件費の上昇、さらにはコロナ禍の影響によって工事の遅延や延期を余儀なくされるなど、経営環境は依然として厳しい状況にありました。
こうした状況の中で当社グループは、最終年度を迎えた中期3ヵ年経営計画「SANYO VISION 73」の達成を目指し、“持続的な成長に向けたNEXT STAGEへの挑戦”をグループスローガンに、あらゆる戦略・施策にチャレンジしてまいりました。具体的には、現下の社会的課題である「安心・安全」「環境・省エネ」「耐震・防災」をキーワードとした新製品開発に注力するとともに、川上戦略である設計指定活動の強化や成長戦略商品の拡販及び製造コストの抑制と内製化の推進にグループの総力を挙げて取り組んでまいりました。また、CSR活動の一環として、ESG対応やSDGsへの取組み、人材の育成・確保及びITの有効活用など、持続的な成長に向けた経営基盤の強化にも全力を傾注してまいりました。
なお、新製品の開発状況としましては、既に全国の劇場や音響ホール、商業施設、学校講堂などに納入実績のある準構造化天井下地「SZG」のバリエーションとして、複雑な天井への施工性を向上させた新製品「SZGJ」を発売いたしました。そして、地震対策用天井として質量2㎏/㎡以下のプール天井「SZプール天井TMX」に意匠性・施工性を向上させた「SZプール天井 TMXⅡ」を順次開発し、SZシーリングシリーズの充実を図ってまいりました。また、倉庫業法における強度基準2500N/㎡及び石膏ボードメーカー取得の耐火認定に対応可能な建築用鋼製壁下地「High SICS 2500TWS」を開発し、市場投入を図りました。
以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、工事の遅延や延期など長引くコロナ禍の影響を受け、全体の売上高は24,533百万円(前期比4.5%減)となりました。また、利益面におきましては、コストアップへの対応や販管費の削減に注力してまいりましたが、売上高の低下に伴う売上総利益の減少分を補えず営業利益は866百万円(前期比34.2%減)、経常利益においては1,084百万円(前期比29.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は735百万円(前期比28.4%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
ア 三洋工業
主力製品群である軽量壁天井下地につきましては、新設住宅着工戸数が持ち直し傾向にあることに加え、ビ
ル及び商業施設用の一般製品においても受注量が増大したことなどから、軽量壁天井下地全体の売上高は増加い
たしました。
また、床システムにつきましては、主力製品である学校体育館などスポーツ施設用の鋼製床下地材製品をはじめ、再生木材を使用したデッキシステム、エコマーク商品の置敷式OAフロアが堅調に推移しましたが、マンシ ョンなど集合住宅用の遮音二重床製品やその他床関連製品等が落ち込んだことなどから、床システム全体の売上高は減少いたしました。
アルミ建材につきましては、主力製品であるエキスパンション・ジョイントカバーや、手摺が伸長しましたが、アルミ笠木やスパンドレルなどが伸び悩んだことなどから、アルミ建材全体の売上高は減少いたしました。
この結果、売上高は19,792百万円(前期比3.1%減)、セグメント利益は643百万円(前期比33.1%減)となりました。
イ システム子会社
当社の子会社であるシステム会社(株式会社三洋工業九州システムほか)におきましては、主力製品である鋼製床下地材製品を中心に設計指定活動や提案営業に積極的に取り組んでまいりましたが、コロナ禍の影響によって工事の遅延や見直し等があったことなどから、システム子会社全体の売上高は5,408百万円(前期比9.6%減)、セグメント利益は45百万円(前期比61.6%減)となりました。
ウ その他
その他につきましては、売上高802百万円(前期比3.1%増)、セグメント利益48百万円(前期比55.0%増)となりました。
財政状態の状況については、次のとおりであります。
ア.資産・負債の状況
当連結会計年度末の資産合計は、主に現金及び預金、電子記録債権が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1,006百万円増加し、26,239百万円となりました。
負債につきましては、主に未払消費税等や未払法人税等が減少した一方、電子記録債務が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ396百万円増加し、9,096百万円となりました。
イ.純資産の状況
当連結会計年度末の純資産は、主に配当金の支出があったものの、収益認識会計基準の適用により利益剰余金の期首残高が増加したことや親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ609百万円増加し、純資産合計は17,143百万円となりました。この結果、自己資本比率は65.3%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6,445百万円となり、前連結会計年度末に比べ698百万円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,292百万円(前連結会計年度は1,467百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,083百万円、減価償却費452百万円、棚卸資産の増加額467百万円、
仕入債務の増加額991百万円、法人税等の支払額436百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は315百万円(前連結会計年度は231百万円の使用)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得による支出211百万円、無形固定資産の取得による支出102百万円などによ
るものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は278百万円(前連結会計年度は243百万円の使用)となりました。
これは、主に配当金の支払額255百万円などによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社は、運転資金及び設備投資資金につきまして、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行等からの借入金により資金調達をしております。資金計画につきましては基本的に営業活動により得られた資金を有効活用し有利子負債の削減を図ることとしております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、システム子会社につきましては、三洋工業より購入した製品の販売を行っており、生産は行っておりません。
(注) 金額は実際原価によっております。
当社グループは受注生産を行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 販売実績の100分の10を超える主要な販売先はありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績及び経営成績に重要な影響を与える要因
2021年度における当社グループの経営環境は、長期化するコロナ禍の影響に加え、原材料価格の高騰や物流費及び建設労働者不足による人件費の上昇等も相まって、厳しい状況で推移いたしました。こうした状況の中で当社グループは、最終年度を迎えた中期3ヵ年経営計画「SANYO VISION 73」の達成に向け、基本経営戦略である「社会動向や市場ニーズを捉えた価値創造による収益性の向上」「戦略的コストダウンと品質確保による内製化の推進」「持続的な成長に向けた経営基盤の強化」及び「グループ企業の連携による収益力の強化」に全力で取り組み、収益性の改革にチャレンジしてまいりました。具体的には、「安心・安全」「環境・省エネ」「耐震・防災」といった社会的な課題をテーマとした新製品開発に注力するとともに、成長戦略商品の販売強化と製造コストの抑制及び内製化の推進等にグループの総力を傾注してまいりました。また、ESG対応やSDGsへの取組み、人材の育成・確保及びITの有効活用など、持続的な成長に向けた経営基盤の強化にも積極的に取り組んでまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績につきましては、長引くコロナ禍の影響によって工事の遅延や見直し等の影響を受け、売上高は前期比1,157百万円減の24,533百万円(前期比4.5%減)となりました。また、利益面においては、原材料価格等の高騰によるコストアップへの対応や販管費の削減に注力してまいりましたが、売上高の低下に伴う売上総利益の減少分をカバーすることができず、営業利益は前期比449百万円減の866百万円(前期比34.2%減)、経常利益においては前期比456百万円減の1,084百万円(前期比29.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比291百万円減の735百万円(前期比28.4%減)となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因としては、土木を除く建設投資額の多寡、原材料価格の動向、市場ニーズの変化、同業他社との競争、法改正や各種補助金の有無、自然災害の発生、その他、新型コロナウイルスなど各種感染症の拡大による影響などが挙げられます。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、固定資産の能力増強及び合理化などによる購入費用のほか、仕入商品や製造経費、また販売費及び一般管理費等の営業費用であります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入等を基本としており、設備投資や長期運転資金の調
達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は999百万円、現金及び現
金同等物の残高は6,445百万円となっております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
ア.三洋工業
財政状態におきましては、自己資本比率が50%を超えていることから、健全な財務体質であると認識しておりますが、企業維持への財務体質の構築を念頭に置きつつ、内部留保が経営資本等に有効活用されるよう随時検討し、収益性の向上が図れる持続可能な経営体質を目指してまいります。
なお、経営成績につきましては、コロナ禍の影響によって、三つの主力製品群のうち、床システムとアルミ建材が低調であったことなどから、売上高は前期比634百万円減の19,792百万円(前期比3.1%減)となりました。また、セグメント利益においては、コスト抑制や販管費等の削減に努めたものの、前期比317百万円減の643百万円(前期比33.1%減)となりました。
イ.システム子会社
財政状態におきましては、資金の確保及び安全性等の観点から、財務体質に特段問題はないものと認識しておりますが、必要に応じて適切な設備投資を行い、設計指定活動の更なる強化と人材育成等を通じて、業績の回復に努めてまいります。
なお、経営成績につきましては、主力製品である鋼製床下地材製品を中心に設計指定活動や提案営業に積極的に取り組んでまいりましたが、コロナ禍を背景に工事の遅延や見直し等の影響を受けたことによって、システム子会社全体の売上高は前期比571百万円減の5,408百万円(前期比9.6%減)、セグメント利益は前期比72百万円減の45百万円(前期比61.6%減)となりました。
該当事項はありません。
自然災害への不安が高まる中、お客様の笑顔で安心な暮らしに少しでも貢献する為、当社グループでは「安心・安全」、「防災・減災」をキーワードとした研究開発を進めております。
また、社内におけるマーケティング体制を見直すと共に、会報誌等を通じて三洋会会員様との繋がりを強化する事で、お客様の声を反映し、より社会ニーズに応えた製品改良・開発を目指しております。
以下、当該活動における主な開発新製品につきましてその概要をご説明致します。
当社地震対策天井(SZシリーズ)の新たなラインナップとして、「SZプール天井TMXⅡ」及び「準構造化天井用下地SGZJ」の2製品を開発・製品化致しました。
「SZプール天井TMXⅡ」は、「プール施設にも軽い天井で安心を」をコンセプトとして、天井板を製造時の環境負荷が少なく、断熱性能が高いものに刷新すると共に、天井構成を今迄以上に軽量化した安心・安全かつ環境に配慮した製品となっております。
また、「準構造化天井用下地SGZJ」は、「劇場やホール等の天井重量が重く、複雑な天井の耐震化」をコンセプトとして、従来の「SZG」では対応しきれなかった部分を補った設計自由度が高く、かつ安心・安全性能もかね備えた製品となっております。
なお、内装製品関連におきましても、「High SICS 2500TWS」及び「天井ルーバー木目調鋼製スタッド WOCSS」の2製品を新たに開発・製品化致しました。
「High SICS 2500TWS」は、コロナ禍後も物流・倉庫市場の増加傾向が続くとの予測のもと、既に発売しております鋼製壁下地材「High SICS 2500(倉庫業法対応仕様)」の品揃えとして、「内装ボード材メーカーへの対応力強化」をコンセプトに開発した製品となっております。
「天井ルーバー木目調鋼製スタッド WOCSS」は、「アルミ製のルーバー材と比べて低コストでかつ意匠性の高い製品の提供」をコンセプトに開発した製品となっております。
また、当該WOCSSを天井に利用した製品として、施工が簡単なルーバー天井システムを開発しております。
これら研究開発の結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
今年度におきましては、新中期3ヵ年経営計画「SANYO VISION 76」の初年度として、成長製品として位置付けております「安心・安全関連製品」、「環境配慮型関連製品」、「戸建住宅関連製品」及び「リニューアル市場関連製品」といった社会的課題、市場ニーズを捉えた製品の開発強化に取り組んでまいります。