(1)経営方針
私たちはグループ共通の《価値創造プロセス》に沿って、多様化する顧客・市場ニーズ、複雑化する社会的課題を迅速かつ的確に捉え、総合金属建材メーカーとして、“そこに住まう人”、“そこに働く人”に、安心して心地よく過ごしていただくための『快適空間』の創造を通じて、企業価値のさらなる向上と、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念である「国際化社会の中で、社員1人ひとりの自己の成長と企業の安定、発展をはかり、快適空間の創造を通じて社会に貢献します。」をグループの全社員で共有し、その実現のために次の3つの基本方針を掲げ実践しております。
・人間尊重の経営
・お客様第一の経営
・地域・社会と共生する経営
以上の基本方針を基に、経営の効率化と収益性の向上を重視し、株主価値の増大が図れるオンリーワン企業を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは経営の基本方針のもと、厳しい経営環境の中でも、安定的かつ持続的な成長が図れるレジリエントな経営基盤を確立するため、2022年度を初年度とする中期3ヵ年経営計画「SANYO VISION 76」(2022年度~2024年度)に取り組んでおります。
同計画の骨子と基本経営戦略は以下のとおりです。
(骨 子)
① 経営ビジョン
わたしたちは、未来を守る確かな建材で快適空間の提案を行い、サステナビリティを意識した活動を通じて、全国のお客様に信頼され、社会から必要とされる価値創造グループを目指します。
② サステナビリティ基本方針
・事業活動を通じた社会的課題への取組み
・働き甲斐のある職場づくりと人材育成
・地球環境の保全に向けた取組み
・コーポレートガバナンスの充実
・地域社会への貢献
(基本経営戦略)
① 持続的な企業価値の向上を目指した経営基盤の強化
・健康経営の推進と働き甲斐のある職場づくり
・多様な人材の確保と育成強化
・強固な財務体質の維持と資本効率の向上
・品質マネジメントシステムの維持改善
・IT化の推進による業務の変革と業務効率の向上
・環境問題・気候変動への積極的な取組み
② 新製品開発と新事業の創出
・価値創造に向けたマーケティング活動の推進
・社会的課題や多様化する顧客・市場ニーズに対応した新製品開発の強化
・産官学との協創・協業による新製品・新事業の創出
③ 販売戦略の高度化
・成長戦略商品の増強と設計指定活動の強化
・IT技術やデータを活用した戦略的営業活動の推進
・営業員教育プログラムの導入による戦力強化
④ 生産量の拡大とコスト抑制
・生産技術の向上と新規内製品の拡大
・無人化、IT化による生産効率の向上と品質確保
・戦略的購買活動によるコスト抑制とサプライチェーンの把握
⑤ コーポレートガバナンスの強化
・コンプライアンスと内部統制の継続強化
・リスクマネジメントの実効性向上
・コーポレートコミュニケーションの充実
⑥ グループ会社によるサステナビリティへの取組みと企業価値の向上
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「快適空間の創造」を通じて事業を発展させ、安定的かつ持続的に企業価値を高めていくことを目標としており、売上高及び営業利益率を重要な経営指標として位置づけ、その向上に努めております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの対処すべき課題といたしましては、様々な環境変化(顧客・市場・社会)に対し、当社グループの《価値創造プロセス》に沿って新たな提供価値を創出していくことが重要な課題であると認識しております。
こうした認識のもと当社グループでは、様々な社会的課題に対し、これまで培ってきたグループの強みを原動力に、「サステナビリティ基本方針」及び中期3カ年経営計画「SANYO VISION 76」に基づき、引き続き収益性の拡大に挑戦してまいります。また、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資への対応やSDGs(持続可能な開発目標)への積極的な取組みを通じて企業の存在価値を高め、ステークホルダーとの良好な関係をつくり、社会から必要とされる価値創造グループを目指してまいります。
当社グループが《価値創造プロセス》に沿って社会へ提供する価値は、経営理念である「快適空間の創造」をはじめ、「革新的な製品・事業の創出」、「働き甲斐のある職場」、「CO2排出量の削減・環境負荷の低減」、「地域社会への貢献(建築・雇用創出)」、そして「ステークホルダーへの様々な価値の還元」であります。これらの提供価値を実現させるため、“サステナビリティ経営で次の世代、そして未来へと成長をつなぐ”をキャッチワードに掲げ、「SANYO VISION 76」の6つの基本経営戦略をグループ全社で実行してまいります。また、非財務情報を充実させ、より強固な経営基盤の確立を図りながら、持続可能な成長企業を目指して中長期的な企業価値向上の実現に向けて邁進していく所存であります。
当社グループといたしましては、法改正等への対応に適切に取り組むと同時に、内部統制システムの運用と経営の公正性、透明性及び効率性を高め、コーポレートガバナンスの一層の充実化と強化に取り組み、皆様のご期待に添えるよう鋭意努力してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、サステナビリティに関する取り組みについては、当社の所管業務を担当する当該各部門及び各種委員会(安全衛生委員会、環境委員会、品質安全委員会等)がグループ全体に対し責任をもってこれに対応しております。
各部門及び各種委員会(委員長やメンバーには取締役や執行役員を含む)では、サステナビリティに係る情報の共有やサステナビリティ全般に関する実施状況のモニタリング及び関連部門との連携を行い、中長期的な企業価値向上に係る重要課題の特定やリスクの識別、優先的に対処すべき内容を検討し当社社長、経営会議及び取締役会へ報告します。
社長及び経営会議では各部門や各種委員会からの報告を受け、指導や助言を行っています。
取締役会では、各部門及び各委員会からの報告内容を協議するとともに、事案に対する決議を行い、決定した内容については当該業務を所管する各部門長が執行いたします。
サステナビリティ体制図

当社グループでは、事業活動を通じて地球環境問題や社会的課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を図るため、サステナビリティ基本方針を制定し、以下の5つの戦略を実践して中長期におけるグループ全体の持続的成長を目指しております。
① 事業活動を通じた社会的課題への取り組み
環境をはじめとする社会的課題に対応した製品やお客様に満足していただける価値ある製品をより良い品質とサービスを持って提供し、持続可能な社会の実現に貢献します。
② 働き甲斐のある職場づくりと人材育成
企業の持続可能性の源泉は「社員」であり、一人ひとりの成長が当社グループの成長、発展に繋がります。社員の人権、多様な価値観を尊重し、健康的で働きやすい職場環境の構築に努めるとともに、社員が創造性を発揮できる組織づくりと人事・教育制度の整備に取り組みます。
③ 地球環境の保全に向けた取り組み
企業活動が環境に与える影響の重要性を認識し、事業活動を通じて環境負荷の低減と循環型社会の形成及び自然との共生に取り組み、より良い地球環境の実現に貢献します。
④ コーポレートガバナンスの充実
コンプライアンスの徹底と、内部統制及びリスクマネジメントの継続強化に努め、経営の公正性、透明性及び効率性を高め、併せて適時適切な情報開示を通じてステークホルダーとの信頼関係を築き、コーポレートガバナンスの充実化に取り組みます。
⑤ 地域社会への貢献
良き企業市民として地域社会との共生を目指し、さまざまなステークホルダーとの信頼関係を築くとともに、事業活動を通じて地域社会の発展や豊かな生活環境づくりに努め、持続可能な社会の発展に貢献します。
また、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、他社での経験を活かし活躍が期待出来る方を対象とした中途採用も性別を問わず積極的に行っております。
なお、当社グループにおける、人材の多様性確保を含む、人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下の通りです。
人材育成方針
当社グループは、事業戦略に合致した経営や事業運営を行う上で、必要な社員像を明らかにし、その育成に取り組んでいきます。
職位、職能ごとに求められる能力や専門知識の習得を目的とした研修、また社員のスキル向上やサステナビリティ関連の教育を実施しています。
① プロフェッショナルな人材の育成
目指す社員像を明らかにし、必要な資格の取得や専門性の向上を目指した教育・研修制度を充実していきます。
② 自立した人材の育成
自ら考え行動できる人材や、成長へのキャリアをデザインできるような人材を育成していきます。
③ 健康意識が高い人材の育成
自身の健康管理だけでなく、職場の健康への配慮、健康的な職場環境に改善できる人材を育成していきます。
④ 人権の尊重やコンプライアンス遵守ができる倫理観を持った人材の育成
社員の多様性を尊重受容し、社会の倫理規範を遵守できるような人材を育成していきます。
⑤ 良き市民として社会に貢献できる人材の育成
地域に溶け込み、ステークホルダーとの信頼関係をつくり、公私ともに環境活動をはじめとする社会貢献が
できる人材を育成していきます。
社内環境整備方針
当社グループは、経営理念に「社員一人ひとりの自己の成長を図る」を掲げ、「創造」、「挑戦」、「信頼」という行動指針を設け、基本経営方針に人間尊重の経営を掲げています。
また、多様性の確保が革新や変化に順応していけるとの認識の下、社員一人ひとりの行動を尊重し、その能力や個性を伸ばすことを通じて、会社のみならず社会にも貢献し、より良い未来を築いていける『人財』を輩出することができると考えています。
① 自己の成長や挑戦を支援し、公正な評価で報いる風土の醸成
イノベーティブな考えを持つ人、挑戦をする人、自律して成長を望む人などを支援し、一人ひとりが成長し、組織目標と個人の自己実現の達成を目指す目標管理制度を基軸に、成果を出した人には年齢・性別・学歴に関係なく、公正な評価で報いる働き甲斐のある職場環境づくりに取り組みます。
② 安全で健康的な職場環境づくり
差別やハラスメントがなく、プライバシーや多様な価値観が守られ、労働災害等の防止による安全衛生の確保や、社員の心身両面にわたる健康管理に重点を置いた職場環境づくりに取り組みます。
③ 社員が働きやすい環境づくり
仕事と子育ての両立を支援するなど、ワークライフバランスに配慮し、全ての社員がその能力や創造性を十分に発揮できるような働きやすい環境づくりに取り組みます。
なお、健康経営、安全衛生、環境等に関する情報については、弊社ウェブサイトのサステナビリティページ(https://www.sanyo-industries.co.jp/csr/)をご参照ください。
当社グループでは、サステナビリティに関するリスク管理について、所管業務を担当する当該各部門及び各種委員会(取締役または執行役員が委員長)がグループ全体に対し責任をもってこれに対応しております。
各部門及び各種委員会では、サステナビリティに係るリスクの識別や優先的に対処すべきリスクの絞り込みなどの詳細な検討を行い、特定した主要なリスクについては情報を関連部門と共有し、適切な管理を行い、リスクの低減を図ります。リスクについては社長と経営会議及び取締役会に報告しております。
社長及び経営会議は、各部門及び各種委員会に対し指導や助言を行い、定期的にモニタリングを行っております。
社会への影響が大きく、特に重要視される環境については、チャンスとリスクを意識しながら活動を行い、「環境経営方針」に沿って環境マネジメントシステムの継続的改善と汚染の予防に取り組んでいます。また、緊急事態への準備及び対応として、手順の確認や訓練を毎年グループ全事業所において行っております。
なお、経営に重要な影響を及ぼす自然災害等の危機やトラブル等不測の事態が発生した場合には、社長の判断により早急に招集される「危機管理体制」を構築できる「危機管理規程」を設けております。
当社グループでは、中期経営計画や各種マネジメントシステムにおいて各々目標を設定しながら推進しております。上記「(2)戦略」において記載した、当社グループの根幹をなすサステナビリティ基本方針に関する5つの具体的な取り組みにおいて指標を用いており、当該指標に関する目標および実績は次のとおりであります。
なお、当社においては関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みを行っておりますが、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
① 事業活動を通じた社会的課題への取り組み
② 働き甲斐のある職場づくりと人材育成
③ 地球環境の保全に向けた取り組み
④ コーポレートガバナンスの充実
⑤ 地域社会への貢献
当社グループでは、日本全国をカバーできる販売・生産ネットワークを通じて製品の安定供給を図るとともに、現地のお客様とタイアップしながら地域に密着した販売活動を展開し、地域に必要な建物の建設に携わりながら、「住み続けられるまちづくり」に貢献をしています。また雇用の維持・創出にも寄与するほかイベントに参加するなど地域社会に溶け込み、共生できるよう目指しております。なお、これによる具体的指標、目標に関しては設定しておりません。
当社グループは、建築業界の動向等により影響を受ける可能性があり、事業上のリスク要因には次のようなものがあります。
当社グループの取扱商品は、ビルや住宅用の建築用金物及び資材であり、少子高齢化と人口減少の進行に伴い、新規の建築需要が漸次縮小化し、その影響で販売競争が激化する可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態(以下、「経営成績等」という。)に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした状況に対処するため、コスト低減に努めるとともに、経営理念に掲げた「快適空間の創造」を標榜し、「安心・安全」「環境・省エネ」「耐震・防災」をキーコンセプトとした魅力ある成長戦略商品の開発に積極的に取り組んでおります。
当社グループの取扱商品は、鋼材及びアルミを材料とするものが多く、こうした材料の市場価格は世界景気、地政学的リスク、需給バランス、為替変動等の影響を受けます。これにより、材料価格が高騰した場合、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした状況に対処するため、原材料価格の上昇に対して、原価低減や売価転嫁の施策等を通じて、極力その影響を軽減しております。また定期的に原材料価格の動向を把握し、適正な仕入先の選定及びリスク分散のための新規仕入先の開拓に努めております。
当社グループは、総合金属建材メーカーとして品質管理には万全を期しておりますが、製造物責任による損害賠償請求訴訟が提起された場合、あるいは施工面で重大な瑕疵があった場合には、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした状況に対処するため、「品質安全管理規程」を設け、これに基づき、適切な予防措置ならびに万一事故が発生した場合に迅速な対応と再発防止策が図れる体制を構築しております。
当社グループは、財務諸表の作成にあたり会計上の見積りが必要な事項について、合理的な基準に基づき見積りを行っておりますが、その不確実性から実際の結果と異なる場合があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
① 工事原価総額の見積り
工事契約では、必要となる原材料や人員、完成するまでの期間等を検討し、その結果に基づいて、工事収益総額、工事原価総額及び連結会計年度末における工事進捗度の見積りを行っております。工事内容の変更による契約金額の変更や原材料価格の変動等が収益認識に影響を与えるため、追加原価が発生した場合に不採算工事が発生するリスクがあります。そのため、毎月の会議体により工事進捗度管理、利益管理プロセスとして工事単位ごとの収支管理を行い、工事原価総額の見積りにおいても、最新の情報に基づいた見積りを行うよう運用しております。
② 債権の貸倒れ
当社グループは、全国に販売網があり多数の取引先がありますが、その大半は建築に関わる取引先であり、建築需要の減少による取引先の倒産等が発生した場合に、実際の貸倒れが回収不能見込額として計上した貸倒引当金を大幅に上回り、引当不足となる可能性があります。こうした状況に対処するため、与信管理規程を定め取引先ごとに与信限度額を設定・管理し、取引の実情に即した限度額となるよう適宜見直しを行うほか、信用悪化の兆候が見られるときは営業責任者と営業統括責任者が協議し債権保全等の対応措置を実施しております。
③ 資産の保有
当社グループは、事業用及び賃貸用不動産としての不動産並びに有価証券等を保有しておりますが、事業環境の変化等によって帳簿価額の回収が見込めなくなった場合、または時価の大幅な変動等があった場合には、減損処理が必要となる可能性があります。こうした状況に対処するため、当社グループが保有する土地の時価について定期的に調査し取締役会に報告するほか、子会社について業績悪化に伴う固定資産の減損の兆候を把握した際には子会社担当取締役から取締役会に報告し、適時に対策が打てるような体制を構築しております。
④ 退職給付
退職給付に係る資産及び負債は、退職給付債務と年金資産の動向によって変動しますが、数理計算上の仮定に変動が生じた場合、または運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、当該負債や年金に関する費用が増加する可能性があります。こうした状況に対処するため、総務部長を委員長とする年金資産運用委員会を四半期ごとあるいは臨時で開催し、資産運用状況及び見通しについて運用受託機関からの報告を受け、政策的資産構成の見直し等を協議及び審議し社長へ答申する体制をとっております。
⑤ 繰延税金資産
経営状況の悪化等により将来の課税所得等の見積りが変動した場合、または税率変更等の税制改正があった場合には、繰延税金資産の取崩しが必要となる可能性があります。こうした状況に対処するため、当社グループ各社の業績推移とその見通しについて取締役会に報告し、業績悪化の兆候を把握した際には適時に対策が打てるような体制を構築しております。
(5) 大地震、自然災害、感染症等に関するリスク
大地震、気候変動に伴う自然災害、感染症の蔓延等によって、営業活動や生産活動及び業務に支障をきたした場合には、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした状況に対処するため、「危機管理規程」を設け、万一不測の事態が発生した場合は、損失の最小化、損害の復旧、再発防止に取り組むこととしております。また、震災時においては、早期に復旧できるようBCPの策定及びその見直しを行っております。
(6) コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、事業活動を展開する上で、製品の品質や安全性、知的財産、労務・安全衛生、会計基準、税法、取引管理、その他環境保全に関する事項など、様々な法規制を受けております。このような法規制に対し重大なコンプライアンス違反を起こした場合は、当社グループの社会的信用を失墜させ、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした状況に対処するため、「コンプライアンス基本規程」を制定しコンプライアンス体制を構築するとともに、「コンプライアンス・マニュアル」においてグループ共通の価値観・倫理観に基づく社員の行動基準を定め、コンプライアンス研修等を通じて、法令及び社会的規範の遵守に取り組んでおります。また、内部通報制度を設け、法令違反ないし不祥事の防止及び早期発見、自浄プロセスの機動性の向上に努めております。
上記の文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、事業を遂行する上ではこれら以外にもリスクが発生する可能性があります。なお、当社グループではこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が弱まりつつある中、個人消費や設備投資、企業収益が改善し、緩やかに持ち直しの傾向が見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー価格や原材料価格の高騰及び世界的な金融引き締めによる海外景気の下振れなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの関連する建築業界におきましては、新設住宅着工戸数が建設コストの増加や住宅ローン金利の上昇の懸念などにより、僅かながら減少傾向が見られたものの、民間非居住建築物においては工場や店舗などを中心に増加の動きが見られたことから、全体的な建設需要は前年度を上回る傾向にありました。
こうした経営環境の中で当社グループは、2022年度をスタート年度とする中期3ヵ年経営計画「SANYO VISION 76」(2022年度~2024年度)に沿って、“サステナビリティ経営で次の世代、そして未来へと成長をつなぐ”をグループ共通のキャッチワードに、これまで実行してきた基本経営戦略を更に強化するとともに、「社会的価値」と「経済的価値」の両立が図れる持続可能な成長企業を目指し邁進してまいりました。
具体的には、社会的な課題や市場ニーズを捉えた新製品開発に注力し、成長戦略商品の拡販や設計指定活動の強化、ITを活用した販売戦略の実施、コスト低減に向けた諸施策及び無人化等による生産効率の向上に全力を傾注し、また、高騰を続ける原材料価格への対応策として、グループ内での市況情報の共有化を進め、適正な販売価格への見直し及び改定を実施いたしました。
新製品の開発状況といたしましては、近年、木材や木目調建材が増えていることから、軽量かつ強度がある鉄の特長を活かした天井ルーバー木目調鋼製スタッド「WOCSS」や、耐候性に優れ幅広い用途で建物の意匠性を向上できる木目シート貼りアルミ製ルーバー「スカイマーカーType WS」、及び環境配慮型製品である太陽光架台、陸屋根用ユニット式「サンライトベースFR」を開発し、市場投入を図りました。
サステナビリティ経営の取り組みといたしましては、環境経営方針に基づく気候変動や環境問題への対応をはじめ、健康経営の推進や人材育成、並びにコンプライアンスと内部統制の強化によるコーポレートガバナンスの充実など、持続的な成長に向けた経営基盤の更なる強化に向け、グループ全社で取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、全体の売上高は28,283百万円(前期比15.3%増)となり、利益面におきましては、営業利益は1,756百万円(前期比102.6%増)、経常利益においては1,988百万円(前期比83.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,621百万円(前期比120.4%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
ア 三洋工業
主力製品群である軽量壁天井下地につきましては、新設住宅着工戸数がやや減少したものの、ビル及び商業施設用の一般製品において受注量が増大したことなどから、軽量壁天井下地全体の売上高は大幅に増加いたしました。
また、床システムにつきましては、主力製品である学校体育館などスポーツ施設用の鋼製床下地材製品やその他床関連製品、再生木材のデッキシステムが減少しましたが、マンションなど集合住宅用の遮音二重床製品、OAフロアシステムが伸長したことから、床システム全体の売上高は増加いたしました。
アルミ建材につきましては、主力製品であるエキスパンション・ジョイントカバーや、外装パネル、ルーバーが伸長しましたが、アルミ笠木や手摺、スパンドレルなどが伸び悩んだことなどから、アルミ建材全体の売上高はほぼ横ばいでした。
この結果、売上高は22,860百万円(前期比15.5%増)、セグメント利益は1,370百万円(前期比113.1%増)となりました。
イ システム子会社
当社の子会社であるシステム会社(株式会社三洋工業九州システムほか)におきましては、設計指定活動の強みを活かし、主力製品である鋼製床下地材製品の受注獲得に尽力したことによりシステム子会社全体の売上高は6,112百万円(前期比13.0%増)、セグメント利益は225百万円(前期比397.1%増)となりました。
ウ その他
その他につきましては、売上高750百万円(前期比6.5%減)、セグメント利益25百万円(前期比48.3%減)となりました。
財政状態の状況については、次のとおりであります。
ア.資産・負債の状況
当連結会計年度末の資産合計は、主に現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産、電子記録債権が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ2,439百万円増加し、28,679百万円となりました。
負債につきましては、主に短期借入金が減少したものの、支払手形及び買掛金、電子記録債務、未払法人税等が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1,142百万円増加し、10,238百万円となりました。
イ.純資産の状況
当連結会計年度末の純資産は、配当金の支出があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により前連結会計年度末に比べ1,296百万円増加し、18,440百万円となりました。
この結果、自己資本比率は64.3%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の6,445百万円から985百万円増加し、7,430百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
連結累計期間末における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,169百万円の資金収入(前年同期は1,292百万円の資金収入)となりました。その要因は、売上債権の増加額1,489百万円、法人税等の支払額357百万円等の資金減少要因に対し、税金等調整前当期純利益2,399百万円、減価償却費415百万円、仕入債務の増加額675百万円等の資金増加要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結累計期間末における投資活動によるキャッシュ・フローは、327百万円の資金収入(前年同期は315百万円の資金支出)となりました。その要因は、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出170百万円等の資金減少要因に対し、賃貸不動産の売却による収入494百万円等の資金増加要因によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結累計期間末における財務活動によるキャッシュ・フローは、511百万円の資金支出(前年同期は278百万円の資金支出)となりました。その要因は、短期借入金の返済額200百万円、配当金の支払額235百万円等の資金減少要因によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社は、運転資金及び設備投資資金につきまして、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行等からの借入金により資金調達をしております。資金計画につきましては基本的に営業活動により得られた資金を有効活用し有利子負債の削減を図ることとしております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、システム子会社につきましては、三洋工業より購入した製品の販売を行っており、生産は行っておりません。
(注) 金額は実際原価によっております。
当社グループは生産計画に基づいて生産しており、受注生産を行っておりません。
当社グループの工事に関する受注残高は1,230百万円であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 販売実績の100分の10を超える主要な販売先はありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績及び経営成績に重要な影響を与える要因
2022年度における当社グループの経営環境は、コロナ禍の影響が弱まり、景気は持ち直しの傾向にありましたが、エネルギー価格や原材料価格の高騰などもあり、不透明な状況で推移いたしました。こうした状況の中で当社グループは、2022年度をスタート年度とする中期3ヵ年経営計画「SANYO VISION 76」の1年目の計画達成に向け、基本経営戦略である「持続的な企業価値の向上を目指した経営基盤の強化」 「新製品開発と新事業の創出」 「販売戦略の高度化」 「生産拡大とコスト抑制」 「コーポレートガバナンスの強化」 「グループ会社によるサステナビリティへの取組みと企業価値の向上」に全力で取り組んでまいりました。具体的には、社会的な課題や市場ニーズを捉えた新製品開発に注力するとともに、成長戦略商品の拡販や設計指定活動の強化、コスト低減に向けた諸施策及び無人化等による生産効率の向上、適正な販売価格への見直し及び改定等を実施してまいりました。また、サステナビリティ経営の取り組みとして、グループ全事業所での環境マネジメントシステムの認証維持や環境問題等への対応をはじめ、健康経営の認証制度である経済産業省「健康経営優良法人2023」や健康保険組合連合会「健康優良企業(銀の認定)」の認証取得、グループへの水平展開での健康経営の推進や人材育成、コーポレートガバナンスの充実など、持続的な成長に向けた経営基盤の更なる強化に向け、グループ全社で取り組んでまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績につきましては、全体的な建設需要が前年度を上回る傾向にある中で、売上高は前期比3,750百万円増の28,283百万円(前期比15.3%増)となりました。利益面におきましては、販売価格の改定をはじめ各種営業施策やコスト低減、生産効率の向上等により、売上の伸びに対し利益率を維持したことから営業利益は前期比889百万円増の1,756百万円(前期比102.6%増)、経常利益においては前期比904百万円増の1,988百万円(前期比83.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産売却も加わり前期比885百万円増の1,621百万円(前期比120.4%増)となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因としては、土木を除く建設投資額の多寡、原材料価格の動向、市場ニーズの変化、同業他社との競争、法改正や各種補助金の有無、自然災害の発生、その他、各種感染症の拡大による影響などが挙げられます。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、固定資産の能力増強及び合理化などによる購入費用のほか、仕入商品や製造経費、また販売費及び一般管理費等の営業費用であります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入等を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は818百万円、現金及び現金同等物の残高は7,430百万円となっております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
ア.三洋工業
財政状態におきましては、自己資本比率が50%を超えていることから、健全な財務体質であると認識しておりますが、企業維持への財務体質の構築を念頭に置きつつ、内部留保が経営資本等に有効活用されるよう随時検討し、収益性の向上が図れる持続可能な経営体質を目指してまいります。
なお、経営成績につきましては、三つの主力製品群のうち、軽量壁天井下地が大幅に増加し、また床システムも増加したことなどから、売上高は前期比3,067百万円増の22,860百万円(前期比15.5%増)となりました。また、セグメント利益においては、前期比727百万円増の1,370百万円(前期比113.1%増)となりました。
イ.システム子会社
財政状態におきましては、資金の確保及び安全性等の観点から、財務体質に特段問題はないものと認識しておりますが、必要に応じて適切な設備投資を行い、設計指定活動の更なる強化と人材育成等を通じて、業績の向上に努めてまいります。
なお、経営成績につきましては、主力製品である鋼製床下地材製品の受注獲得に尽力したことにより、システム子会社全体の売上高は前期比703百万円増の6,112百万円(前期比13.0%増)、セグメント利益は前期比179百万円増の225百万円(前期比397.1%増)となりました。
該当事項はありません。
自然災害への不安の高まりなど社会的な課題や市場ニーズを捉えた新商品開発に注力しております。研究開発にあたっては「安心・安全」、「防災・減災」をキーワードとし、開発研究テーマ選定のためのマーケティング活動組織の見直し、大学など教育機関との関係強化・共同開発に取り組んでおります。
また、お客さまとの繋がりを深化すべく、会報誌による情報発信や技術研究所展示ルームのVR化などを進めております。
既に市場投入した新製品としましては、近年のナチュラル志向への対応として、木目調でありながら軽量かつ強度がある鉄の特長を生かした天井ルーバー木目調鋼製スタッド「WOCSS」、耐候性に優れ建物の意匠性を向上できる「木目シート貼りアルミルーバー スカイマーカーTypeWS」、環境配慮型製品である太陽光架台「サンライトベースFR」を開発しました。
今後販売を本格化させていく開発製品としましては、自然災害のひとつである台風の多発化に対して、耐風圧性能を付加できる地震対策天井「SW耐風圧天井」、昨今のウッドショック等による木材不足に対応するパーティクルボードに代わる高比重パネル「ホームベース e LCU-EN」、階下への床衝撃音遮断性能を向上させた「サニーデッキYB」などを製品化しております。
これら研究開発の結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
次年度におきましては、中期3ヵ年経営計画「SANYO VISION 76」の2年目として、成長製品として位置付けております「安心・安全関連製品」、「環境配慮型関連製品」、「戸建住宅関連製品」及び「リニューアル市場関連製品」といった製品の開発強化に取り組んでまいります。