第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

当社グループの経営に対する基本的な考えは「企業は株主・従業員・社会の3者の共有物であり、これにお客様、サプライヤー、金融機関等を加えた全てのステークホルダーに利益と誇りをもたらす(Profit and Pride for All Stakeholders)」ということであり、長期的利益の犠牲のもとに短期的利益を追求しないことを命題としております。そのために遵法精神に則り、「技術に裏打ちされた、独自性のある、かつ社会に有用な商品を世界中で安くつくり、適正価格で売る」ことにより、高い収益力を持った強い会社となるべく不断の企業活動を展開しております。

(2)経営環境及び対処すべき課題等

当社グループを取り巻く経営環境につきましては、世界経済は中国の景気減速は一服しているものの先行きの懸念があり、米国・欧州は引き続き堅調に推移すると見込まれますが、保護主義的外交政策の展開や、中東・東アジアの地政学的リスクなど、不透明感が高まっております。国内においては、個人消費は緩やかな回復基調となり、公共投資等の経済政策や設備投資は底堅く推移していくことが期待されますが、東アジア情勢、保護主義への警戒から円高が進行し、企業業績への影響も想定されます。

当社グループの事業におきましては、世界規模での業務提携や再編等により販売競争と調達コスト削減への取り組みが進んでおり、部品メーカーに対してさらなる原価低減、技術革新への要請が強まっております。また、地球環境保護、サステナビリティの実現に向けた動きを背景に、次世代自動車向け製品の開発をはじめ、各分野において、より環境や省力化に資する製品・サービスが求められております。また、IoT、AI(人工知能)等さらなるIT技術の進歩・普及にともない、半導体業界向け製品の需要拡大が見込まれます。

このような環境のもと当社グループは、持続的な企業の成長と発展のための強靭な事業体制を構築するべく、平成29年度より新たな3カ年計画を策定し取り組んでおります。概要は以下のとおりであります。

・基本方針     『持続性ある企業体質の構築』-Fly Sky High !

・期間       平成29年度から31年度

・主要推進項目

1.永遠のゼロ

「顧客から信頼される製品品質の確保」、「世界同一品質の確保」の実現

2.次世代商品開発

「次世代モビリティ・エネルギー」市場向けに固有技術を活かした製品開発

3.徹底したTCD、ムダ半

「Total Cost Down」、「ムダの排除~すべてを半分に~」 による利益創出

4.BCM

「Business Continuity Management」の構築

5.EagleBurgmann三極全体最適経営

日本・インド・アジアパシフィック地域の全体最適に向けた経営推進

6.ERP導入/活用

グローバル経営情報伝達・収集の基幹システムとしてのSAP導入完了

7.人間尊重経営/健康・安全

真に働き甲斐のある職場の実現、社員の健康・安全の推進

・目標経営数値(最終年度の目標経営数値)

1.売上高 1,800億円

2.営業利益 180億円

 

2【事業等のリスク】

(1) 自動車業界等への依存について

当社グループの製品のうち、約6割は自動車業界及び自動車部品業界向けが占めており、自動車生産及び販売動向の影響を受けております。なお、自動車業界及び自動車部品業界向けの販売については、当社のその他の関係会社であるNOK㈱と国内における販売代理店契約を締結しており、同社との協力体制の下、販売活動を行っております。

自動車業界においては、自動車部品業界も含めて、グローバル化の一層の進展、世界規模での販売競争と業務提携や再編、調達コスト削減が進んでおり、加えて、国内完成車メーカー等における海外生産へのシフトも進んでおります。これに伴い、当社を含む部品メーカーに対しては、品質向上や納期厳守は当然のことながら、抜本的な原価低減、技術革新、グローバルな対応などの要請が従来以上に強まっており、今後においても、当社グループの業績等はこれらの動向に影響を受ける可能性があります。

また、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池自動車等の今後の普及の進展によっても影響を受ける可能性があります。

(2) 原材料価格の動向について

当社グループの製品の主要原材料は、鋼板・鋼材及び合成ゴムであり、これらの原材料価格は、市況及び為替動向等により変動しており、調達コストが増加する可能性があります。

当社グループにおいては、合理化による原価低減及び一部は製品価格への転嫁等により吸収していく方針でありますが、今後におけるこれら原材料価格の動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 技術変化への対応について

当社グループでは、多岐にわたる業界の幅広い要求に対応すべく、長年にわたり蓄積した回転・固定・往復動の密封技術を基盤にシナジーある新製品の開発を進めております。また、近年においては、燃料電池自動車及び電気自動車の開発も進んでおり、将来の普及に備え、搭載可能な新製品等に関する研究開発も進めております。しかしながら、今後において各業界における技術革新や品質向上にかかる要求等への対応が困難となった場合又は当社グループが保有する技術等について陳腐化が生じた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 舶用シール事業について

当社グループは、従来より舶用シール製品販売を重要事業の一つと位置づけております。

今後においては、アジア地域を中心として世界の海運需要等への対応を図り、当該分野における事業拡大を図る方針でありますが、造船需要の落ち込み等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 金利の変動について

当社グループは、有利子負債の削減・圧縮に努めておりますが総資産に占める割合はまだ高い状況であります。現在の金利水準は比較的低い水準で推移しておりますが将来の金利情勢により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 為替レートの変動について

海外における事業活動に係る外貨建取引等は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これらは換算時の為替レートの変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 海外展開について

当社グループにおける海外展開については、顧客の需要、品質及び生産コスト等を考慮し、最適地生産を行うことを基本方針としております。また、顧客の海外展開についても必要な対応を進めており、国内に加えて、欧州、米国、メキシコ、中国、台湾、韓国、タイ、インド及びニュージーランド等の地域において、製品供給体制を構築しております。さらに、ドイツを中心としてメカニカルシール等の製造販売を行うイーグルブルグマンジャーマニー社との間で、一般産業機械業界向け(建設機械・舶用・航空宇宙業界向けを除く)メカニカルシール等の製造及び販売について合弁事業を推進しております。当社グループにおける海外事業の拡大に伴い、海外情勢や為替変動、海外市場の需給動向、所在地の法令改正等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、同社との今後のアライアンス及び海外事業展開が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 災害や社会インフラの障害について

当社グループでは製造設備などの主要施設に関して、防火、耐震対策等を実施し、災害などによる生産活動の停止や製品供給面での混乱を最小限におさえるべく努めております。しかしながら、想定を超える大地震や天変地異、それによる社会インフラの損壊等により生産・販売活動に著しい障害が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製品の品質問題が及ぼす影響について

当社グループは、各生産拠点において世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しておりますが、予測できない原因による製品の品質不具合やクレームの発生を皆無にすることは困難であります。万が一大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の不具合が発生した場合、多大な対応コストや社会的信用の低下により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済情勢は、米国では、堅調な個人消費を背景に拡大基調が続き、欧州においてもドイツを中心にほぼ全域で景気は上向いて推移しました。中国では、引き続き過剰設備削減をはじめ構造調整を要する状況にありますが、民間消費の増大により安定的な経済成長が持続し、東南アジア、インドにおいても緩やかな成長が維持されました。一方、年度後半になって、東アジアの地政学リスクや、米国での保護主義的政策への傾斜で金融市場が混乱するなど不透明感が増す状況も生まれました。

日本経済においては緩和的な金融政策を背景に企業業績が緩やかに上向き、実体経済にも徐々に回復の兆しが見える状況となりました。しかし、足元で東アジア情勢、保護主義への警戒から円高が進行し、今後の推移次第では企業業績への影響が想定される状況となりました。

このような経済環境のもと、当社事業においては、自動車・建設機械業界向け事業及び一般産業機械業界向け事業は堅調に推移し、舶用業界向け事業にも緩やかに市況の回復が見られました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ58億34百万円増加し、1,664億93百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ49億61百万円減少し、812億12百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ107億95百万円増加し、852億80百万円となりました。

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は1,508億15百万円(前期比7.3%増)、営業利益は117億32百万円(前期比5.5%増)、経常利益は138億83百万円(前期比14.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は104億1百万円(前期比42.7%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

[自動車・建設機械業界向け事業]

当事業は、自動車向け製品の販売が国内及び中国・欧州・米国市場もほぼ堅調に推移するとともに、建設機械市場も好調であり、当セグメントの売上高は991億69百万円(前期比9.7%増)となりました。営業利益は66億14百万円(前期比10.8%減)となりました。

[一般産業機械業界向け事業]

当事業は、原油価格の安定を受け、プラント向け製品の販売が国内・インド・東南アジア共に堅調に推移したことから当セグメントの売上高は357億33百万円(前期比12.6%増)、営業利益は40億56百万円(前期比22.7%増)となりました。

[舶用業界向け事業]

当事業は、新造船需要は底打ちの気配がみられるものの低調に推移した一方、修繕需要が欧州、東南アジア地域で回復傾向にあり、当セグメントの売上高は104億54百万円(前期比1.3%減)となりました。営業利益は10億30百万円(前期比207.8%増)となりました。

[航空宇宙業界向け事業]

当事業は、前期に含めていた光工学業界向け事業の撤退に伴う販売減により、当セグメントの売上高は54億58百万円(前期比30.4%減)、営業利益は26百万円(前期比62.6%減)となりました。なお、当連結会計年度より報告セグメントの名称を「航空宇宙・光工学業界向け事業」から「航空宇宙業界向け事業」へ変更しております。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は204億22百万円となり、前連結会計年度末対比6億22百万円の増加となりました。

各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は118億14百万円(前期比26.4%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益160億46百万円、減価償却費83億36百万円を計上した一方、仕入債務が48億73百万円減少したこと及び法人税等の支払により41億68百万円支出したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は85億66百万円(前期比23.8%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得により134億88百万円支出した一方、投資有価証券の売却によ42億27百万円獲得したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は27億46百万円(前期比0.7%増)となりました。これは主に長期借入れにより120億12百万円獲得した一方、長期借入金の返済により119億35百万円、配当金の支払により30億86百万円支出したことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

当連結会計年度における生産、受注及び販売の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

a.生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期増減率(%)

自動車・建設機械業界向け事業(百万円)

98,135

109.8

一般産業機械業界向け事業(百万円)

33,374

112.5

舶用業界向け事業(百万円)

10,454

98.6

航空宇宙業界向け事業(百万円)

4,666

103.1

合計(百万円)

146,631

109.3

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

セグメントの名称

受注高

前年同期増減率(%)

受注残高

前年同期増減率(%)

自動車・建設機械業界向け事業(百万円)

100,368

111.0

8,084

117.4

一般産業機械業界向け事業(百万円)

36,669

115.1

4,555

125.9

舶用業界向け事業(百万円)

9,511

102.6

2,027

68.3

航空宇宙業界向け事業(百万円)

6,173

72.3

5,314

115.6

合計(百万円)

152,724

109.0

19,980

110.6

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

c.販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期増減率(%)

自動車・建設機械業界向け事業(百万円)

99,169

109.7

一般産業機械業界向け事業(百万円)

35,733

112.6

舶用業界向け事業(百万円)

10,454

98.7

航空宇宙業界向け事業(百万円)

5,458

69.6

合計(百万円)

150,815

107.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

NOK株式会社

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

36,920

26.3

34,441

22.8

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、3カ年計画(平成29年4月~平成32年3月)の初年度でありましたが、売上高、営業利益とも当初計画どおり進捗しました。前期から引き続き、新製品の研究開発・経営体質強化のためのERP導入・「永遠のゼロ」をスローガンとした品質改善活動など、中長期的な成長を見据え将来に向けた投資を重点的に実施したことに加え、事業環境において、舶用事業低迷や値引きの増加があり、収益を圧迫する要因となりました。次期以降は、これまで実施した投資と販売増により利益の拡大を見込んでおります。なお、当連結会計年度において、持分法適用関連会社の持分を売却し特別利益を22億4百万円計上しております。

 

当連結会計年度末の資産合計は1,664億93百万円(前期比3.6%増)となりました。これは主に設備投資により有形固定資産が増加したことによるものであります。負債合計812億12百万円(前期比5.8%減となりました。これは主に支払条件の変更に伴い電子記録債務が減少したことによるものであります。純資産合計852億80百万円(前期比14.5%増となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び為替換算調整勘定の増加によるものであります。

 

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については金融機関からの短期借入金で、生産設備などの長期資金は、金融機関からの長期借入金で調達しております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は389億67百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は204億22百万円となっております。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

[自動車・建設機械業界向け事業]

当事業は、自動車・建機ともに販売は増加しましたが、販売価格の低下や固定費の増加等により減益となりました。海外市場を中心とした既存品のシェアアップによる販売増及びコストダウン生産性向上に注力し収益を確保してまいります。また、「グローバル生産体制の構築」を目標に掲げ、顧客の動向に合わせた世界各地での適地生産検討を続けるとともに、BCM対策の面からも、各拠点間で連携し生産分散化も検討してまいります。

次世代自動車への取り組みとして、将来の主要市場と想定される欧州・中国において、顧客や技術動向把握のため、平成31年度初旬にドイツ(ヘッペンハイム)・中国(無錫)にそれぞれR&Dセンターの開設を予定しております。また、新規開発製品についてもメカニカルシールや水素制御弁等の開発を行っております。

[一般産業機械業界向け事業]

当事業は、原油価格の上昇もあり、国内・インド・東南アジアともに販売が堅調に推移し増収増益となりました。今後もインド・東南アジアを中心にこれまで投資したプロジェクト案件のアフター回収による利益増を見込んでおります。引き続き投資回収期間にかかわらず、現在価値計算を踏まえて総合的に投資効果が見込まれるプロジェクト案件は積極的に受注し、アフターサービスの回収に注力してまいります。

[舶用業界向け事業]

当事業は、新造船向け製品の需要は底打ちの気配がみられるものの低調に推移しました。一方で修繕需要が欧州、東南アジア地域で回復傾向となり増益となりました。平成28年1月の米国バラスト水規制発効前に急増した駆け込み需要の反動から、アフターサービスも減少し、収益も低迷しておりましたが徐々に回復してまいりました。また、この駆け込み需要から5年後に船舶の定期点検が再度行われることから、アフターサービス・部品販売は平成31年度以降に需要の増加を見込んでおります。新造船向けの販売もここ数年は低迷しておりましたが、当期に底を打ち今後は緩やかに回復していく見込みです。

[航空宇宙業界向け事業]

当事業は、前期に含めていた光工学向け製品の撤退により減収減益となりました。今後は民間航空機用エンジンシールの拡販による販売と利益増を見込んでおります。

当社グループの航空宇宙関連製品は、航空機・ロケットのエンジンのほか人工衛星などの宇宙機器にも使用されております。平成29年12月、平成30年2月に打上げが行われたH-2Aロケットにはエンジンにシール部品、また固体燃料を使用するイプシロンロケット、人工衛星にはバルブ・フィルターなどの機器製品を納入しています。なお、開発中の新型基幹ロケットH-3に搭載予定のLE-9エンジンの開発試験にも継続して参画しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

主要な契約は次のとおりであります。

(1)技術導入契約

契約会社名

相手先

契約年月日

内容

対価

期間

名称

国名

イーグル工業㈱

Weir Valves& Controls USA INC.

米国

平成21年5月6日

電力業界向バルブに関する技術

左記製品販売額に対して一定率

10年

イーグル工業㈱

Goodrich
Corporation

米国

平成24年12月31日

ダイアフラム・カップリングに関する技術

一時金及び左記製品販売額に対して一定率

10年

 

(2)販売代理店契約

契約会社名

相手先

契約年月日

内容

期間

イーグル工業㈱

NOK㈱

昭和57年9月30日

当社製品(自動車用、家電用及び建機用メカニカルシール、その他)の代理店販売

3年

(その後1年

毎の更新)

 

(3)合弁事業契約

契約会社名

相手先

契約年月日

内容

名称

国名

イーグル工業㈱

EagleBurgmann Germany GmbH&Co.KG

ドイツ

平成17年10月17日

一般産業機械業界(舶用、建設機械、航空宇宙業界を除く)向けのメカニカルシール等の製造販売に係る合弁事業契約

Burgmann International
GmbH

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、グローバルに展開される回転装置軸封部品のソリューションプロバイダーとしての責務を果たすべく、主に、トライボロジー・材料技術・流体力学をはじめとするシール技術に必要な専門分野に特化した研究開発活動を行っております。

特に、近年の環境負荷低減の社会的背景を踏まえ、各マーケット分野に対して最適な低摩擦技術の開発に重点を置いております。

なお当社グループの研究開発活動は当社技術本部が主体となり、当社グループの各技術部門・生産部門・営業部門との連携のもとに、各セグメントで推進しております。

研究スタッフは163名でこれは総従業員数の2.5%にあたり、当連結会計年度の研究開発費は2,329百万円です。

当連結会計年度における各部門別の研究開発状況は次のとおりです。

 

(1) 自動車・建設機械業界向け事業

エンジン冷却水循環ポンプ用メカニカルシールについては、表面テクスチャ技術により密封性能を維持しながら大幅に摩擦力を低減させる次世代メカニカルシールを開発し、顧客へのPRを行い、顧客での評価及び市場モニタも開始されました。また、量産ラインの準備を進める段階にも到達しております。

ターボチャージャー等の各種高速回転機器の軸封部の密封性能と低トルク性能を両立させるために表面テクスチャ技術を応用した高速メカニカルシールの開発を行っています。

次世代自動車(EV・PHEV・FCV)についても表面テクスチャ技術を適用したメカニカルシールの開発を行っております。

電動ウォーターポンプ用途として開発した、耐摩耗性に優れたカーボン軸受は量産を拡大しております。また、材料強度及び摩擦力低減を狙った新カーボン材を開発し、量産を開始しています。

メカトロニクス製品及び金属ベローズ応用製品については、次世代車両用の製品として電気用安全部品やFCV車用制御弁の開発及び採用が車両タイプに左右されないサスペンション用制御弁の継続検討を行っております。

また、従来車用としては、車両の燃費向上を主目的にAT用制御弁の低フリクション化、エアコン用制御弁、燃料脈動吸収部品の機能向上及び熱マネジメント用製品の開発を行っております。また、海外技術拠点との人材交流を行うことで、技術の共有化、海外展開を図っております。

特に、EVシフトへの対応として、EV市場として重要な中国と欧州にR&Dセンターの設立を予定しており、迅速かつ的確に技術情報を把握し開発品へ反映できる体制を構築するとともに、EVに関する研究で著名な大学との技術的な連携も進めてまいります。

自動車・建設機械業界向け事業に係る研究開発費は1,467百万円であります。

(2) 一般産業機械業界向け事業

工業用メカニカルシールについては、東南アジアで前期とは別の新規大規模石油精製コンビナート建設において、米国石油協会のメカニカルシール規格(API682)に対応した多数の高負荷メカニカルシール、ベローズシールとシール液サプライシステムを受注し、設計、製造、納入を行っております。

磁性流体真空シールについては、引き続き超高速回転真空シールの開発を進めております。

ダイアフラムカップリングでは、海外の石油精製、石油化学コンビナート、シェールガス関連のコンプレッサ向けに採用されております。また、発電所向け用途の大型カップリングの受注もあり、製品開発に努めてまいります。

金属ベローズについては、半導体製造装置向け長寿命タイプの開発に取り組んでおります。

一般産業機械業界向け事業に係る研究開発費は838百万円であります。

(3) 舶用業界向け事業

船舶において一般的な、油潤滑の船尾管シールについては、環境に配慮した生分解性油をはじめ、様々な油種に適合するシール材の量産拡大に向けた活動に引き続き取り組んでおります。あわせて、高荷重下での軸受潤滑特性改善に向けた生分解油の改良にも取り組んでおります。

また、環境影響への配慮を目的とした取り組みとしては、水潤滑環境下でも信頼性を向上させた大型船用の船尾管シールの開発に引き続き取り組んでおります。

舶用業界向け事業に係る研究開発費は10百万円であります。

(4) 航空宇宙業界向け事業

民間航空機エンジン主軸シールの量産供給は順調であり、加えて新型量産エンジン用シールも納入を開始しました。航空機エンジンのギアボックスシールでは、表面テクスチャリング技術を応用した低トルクシールの開発を進めており、あわせて、シールの動特性把握による最適化などを図り、固有技術獲得にも引き続き取り組んでおります。

ロケットエンジン用シールでは、平成29年12月、平成30年2月に打ち上げが行われたH-2Aロケットのエンジンにはシール部品、固体燃料を使用するイプシロンロケット、人工衛星にはバルブ・フィルターなどの機器製品を納入しております。更に、開発中の新型基幹ロケットH-3のターボポンプや高圧配管、燃料タンク用のシール開発にも継続して参画しております。

航空宇宙業界向け事業に係る研究開発費は12百万円であります。