第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用情勢の回復基調で推移してきました。しかしながら、中国をはじめとする海外経済の減速に加え、年初から急速に進む株安・円高により、景気の先行きは不透明な状況にあります。

 当シャッター業界におきましては、民間設備投資が底堅く推移しつつあるという経営環境の好転はあるものの、非住宅着工床面積の落ち込みもあり、決して楽観できる状況ではありません。

 このような状況下、当社グループは、中期経営計画『POWER UP3』の初年度として、積極的な営業活動による受注確保・販売拡大を展開し、業務全般にわたる効率化を進めて事業基盤を固めるとともにさらなる原価低減に努めてまいりました。しかしながら、需要動向を図る指標の一つであります非住宅着工床面積もリーマン・ショックでの急激な落込み以降回復基調でありましたが、昨年度、当年度と低減傾向となりました。これにともない当年度の売上につながる案件が減少し、競争激化となり利益率が低下いたしました。

 また、当社が平成18年5月より平成24年4月まで製造・販売しました防火シャッターにおきまして、構成部品の一部である「中継器」が絶縁劣化し、ごく稀ではありますがシャッターが自重降下する可能性のあることが判明したため、当中継器を自主改修することにいたしました。この結果、当社は改修費用として597,785千円を特別損失として計上しました。株主の皆様をはじめ、多くの方々に深くお詫び申し上げますと共に、今後、お客様に満足して頂ける製品づくりに一層努力して参る所存でございます。

 この結果、当連結会計年度における受注高は前年同期比7.9%減の18,242,373千円となり、売上高は前年同期比1.4%減の18,540,088千円、営業利益は1,166,977千円(前年同期比291,041千円減少)、経常利益は1,106,603千円(前年同期比279,038千円減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は280,492千円(前年同期比568,847千円減少)となりました。

 なお、平成15年3月に発行した第1回優先株式につきましては、普通株式への転換に伴う希薄化や配当負担が経営の最重要課題のひとつであると考えておりました。そこで平成28年3月7日に公表しましたとおり、株主の皆様や多くの方々のご支援を賜り、同年3月30日に発行済第1回優先株式の全てである2百万株を取得し、同日付で取得株式の全てを消却いたしました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べて142,152千円減少し、971,855千円となりました。

 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は前連結会計年度末に比べて159,556千円減少し、478,888千円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は前連結会計年度末に比べて81,757千円減少し、91,372千円となりました。これは主に固定資産の取得によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は前連結会計年度末に比べて212,545千円増加し、529,668千円となりました。これは主に自己株式の取得によるものです。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループは、報告セグメントが単一であるため、セグメントごとの記載を省略しておりますが、以下に製品別の生産、受注及び販売の状況を示しております。

(1)生産実績

 当連結会計年度における製品別の生産実績は、次のとおりであります。

品名

数量

前年同期比(%)

軽量シャッター

148,027

103.27

重量シャッター

151,003

98.09

シャッター関連

14,183

110.42

シャッター計

313,213

100.99

(注) ドア・サッシ、金物については数量表示が困難なため、表示しておりません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における製品別の受注実績は、次のとおりであります。

品名

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

軽量シャッター

2,590,062

104.89

285,352

104.24

重量シャッター

10,031,794

85.21

3,237,756

79.86

シャッター関連

1,512,326

117.38

150,567

130.61

シャッター計

14,134,182

91.01

3,673,675

82.68

スチールドア

3,475,979

94.19

2,136,306

126.39

建材他

632,212

109.13

65,609

165.05

合計

18,242,373

92.13

5,875,590

95.18

(注) 上記の金額には消費税等は、含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における製品別の販売実績は、次のとおりであります。

品名

金額(千円)

前年同期比(%)

軽量シャッター

2,578,446

104.82

重量シャッター

10,848,383

100.29

シャッター関連

1,477,043

114.78

シャッター計

14,903,872

102.33

スチールドア

3,029,862

83.21

建材他

606,354

100.75

合計

18,540,088

98.58

(注) 上記の金額には消費税等は、含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

当社グループといたしましては、中期経営計画『POWER UP3』の初年度の競争激化の状況はしばらく続くものと判断しましたことを踏まえ、平成27年5月12日に公表いたしました中期経営計画を修正いたしました。

この中期経営計画の目標達成に向け全社一丸となって邁進するとともに顧客のニーズに対応できる商品開発と サービスのさらなる改善・強化によって企業品質の向上を実現し、従来からめざしていますシャッター・ドア・金物専業メーカーとしての地位を万全のものにするよう努めてまいります。

よって、平成29年3月期の損益計画としては、売上高は19,000百万円、営業利益は1,000百万円、経常利益は900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は620百万円を見込んでおります。

 

[経営ビジョン]

既存事業の飛躍と新たな発見に努め、未来に向かって進撃を続けます。

効率化と改革に挑戦し続け、環境変化に負けない企業体力の充実を図ります。

・社員は企業品質を磨き、業務に誇りを持ち、個々の責任を果たします。

社員や共に働く人々が全員参加のもと、強くて温かい会社をつくります。

 

[中期経営計画骨子]

 中期経営計画『POWER UP3』期間における建設投資は、日本経済の回復基調と東京オリンピックの需要があるとはいえ楽観は許されない状況でありますが、会社総合力の一層の向上を目指し、以下の重点施策の遂行により、収益力の確保を図ってまいります。

 

・コーポレートガバナンス重視の経営により、内部統制の充実と意思伝達の迅速化を図ります。

・主力製品であるシャッターとスチールドアの受注増強を図り、収益力の向上を実行します。

・環境の変化に対応し、地域毎に強力な営業基盤を構築します。

・メンテナンス事業に経営資源を投入し、ストックマーケットにおける基盤を構築します。

・生産体制の整備充実を継続し、更なる効率化を目指します。

・ユーザーニーズに対応した商品開発を行い、商品ラインナップの拡充も図ります。

・全社統合システムの構築により、経営の意思決定の迅速化を図ります。

・社内教育の拡充と自学自習風土の定着を通じて、強い社員、強い組織、強い会社を実現します。

 

[経営目標]

                               (単位:百万円)

 

平成27年度(実績)

平成28年度

平成29年度

売上高

18,540

19,000

19,500

営業利益

1,166

1,000

1,100

経常利益

1,106

900

1,000

親会社株主に帰属する当期純利益

280

620

670

 

[配当方針]

・効率化改革に資する設備投資や研究開発費に必要な内部留保の確保、財務状況や業績等を勘案しながら株主 の皆様に利益還元を行ってまいります。

・本中期経営計画期間中は安定的な配当を目指し、配当性向20%を目途に年間の配当を計画しております。

 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 

1 経済環境

 経済環境すなわち設備投資動向、為替変動、金利変動等の悪化により、受注競争の激化、コストの上昇等から当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

2 原材料

 当社グループは主原材料である鋼材の確保に万全の体制を取っております。しかし、鋼材の需給動向、市況によりましては、当社グループの生産、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

3 特定の仕入先への依存

 当社グループはシャッターの重要部品の一部をグループ外の特定供給元に依存しております。重要部品の確保には留意して万全の体制を取っておりますが、重要部品の不足が生じない保証はありません。その場合、生産への影響等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

4 特定の商品への依存

 当社グループの中核事業であるシャッター・スチールドアが当連結会計年度で売上の96.7%を占めております。殆どが受注生産で堅実な対応に努めておりますが、代替商品の開発等の予期しない変化で、需要に極端な影響があった場合、当社グループの業績が悪化する可能性があります。

5 債権の貸倒れ

 普段より債権管理には十分注意し、貸倒れの発生防止に努めております。しかし、予期しない事象により大口の貸倒れが発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

6 固定資産の減損について

 景気の動向や不動産価格の変動等により、資産グループのキャッシュ・フローが大幅に減少したとき、あるいは、時価の下落等により減損処理が必要となったとき、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

7 商品開発

 当社グループの商品に関しましては、豊富な経験と優れた技術により関連法律に対応した商品を製造しております。しかし、法的規制が変更となり、当社グループが新しい対応商品の開発に遅れた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

8 災害・事故

 当社グループは普段より、災害・事故の防止に努めております。しかし、自然災害も含め、予期しない事象により大規模な災害・事故が発生した場合、生産等への影響から、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

9 法的規制

 当社グループは、事業展開を行う国内において、建設業法や建築基準法等の事業関連法規、その他さまざまな法的規制の適用を受けております。当社グループはコンプライアンス遵守を徹底し、内部統制の充実に努めておりますが、これらの規制等に抵触するような行為が指摘された場合には、行政処分等を課される等により、業績に悪影響を及ぼす場合があります。また、これらの法的規制の改定等があった場合も業績等に影響を及ぼす場合があります。

10 排除措置命令及び課徴金納付命令に対する審判について

 提出会社は、平成22年6月9日、公正取引委員会より、シャッター等の販売及び受注に関し独占禁止法第3条に違反する行為があるとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けております。

 この排除措置命令及び課徴金納付命令については、その内容において当社と解釈が異なり、承服できないところがありますので、平成22年7月に公正取引委員会に審判手続開始を請求し、現在審判中であります。

  今後の審判の内容により、訴訟に発展する可能性もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

11 財務制限条項について

 当社グループの取引金融機関との金銭消費貸借契約においては、財務制限条項が付されている契約があります。その条項は2点あり、①連結貸借対照表の純資産の部における純資産の残高(優先株式による資本金額は除く)の維持に関する事項、②連結損益計算書における経常損益に関する事項であります。

 財務制限条項に抵触する場合、契約における期限の利益喪失請求が行われる可能性があります。

 

 以上の文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月24日)現在において、当社グルー

プが判断したものであります。

5【経営上の重要な契約等】

業務提携契約による合弁事業

契約締結先

内容

出資額

合弁会社名

設立年月

ハーマンGmbH(ドイツ)

特定のハーマン社製品の製造及び販売

当社

40,000千円

ハーマン・ジャパン株式会社

(資本金1億円)

平成23年5月

ハーマンGmbH

160,000千円

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、「私たちは、企業品質の向上を目指し、安全・安心・快適・感動を提供すると共に社会の進歩発展に貢献します」を念頭に置き、設計・製造・施工・メンテナンスの観点より製品の改良・改善を実施すると共に高度化する社会的ニーズに対応する為の商品見直しを行い、お客様にとって付加価値の高い商品を提供できるよう努力しております。

具体的には建築基準法等、関連法規の性能基準化に合わせた新しい構造・機構のシャッター・ドア等、新防災事業に関する新技術の導入に注力すると共に、時代の流れと環境の変化にあったお客様が必要とする商品の開発を目指します。

現在、当社グループでは技術提携も含め、モノづくりの原点に返り当社のノウハウを生かした商品開発と品揃えを行う為、製品における材料・形状の見直し並びに機能性能を維持向上させた安全性の高い製品を目指し、市場が求める安全・安心をお客様にお届けできる製品づくりに取り組んでおります。

当連結会計年度におきましては、従来の製品に対する機能・性能アップに取り組み、お客様から満足と信頼を頂ける商品の開発を行うと共に併行して来期に向けての更なる新商品のご提供をさせて頂く準備期間としての取り組みを行って参ります。

今後も企業品質の更なる向上と社会への「安全・安心・快適・感動の提供」を目標に社会的ニーズに沿った商品開発を目指していきます。

なお、当連結会計年度の研究開発関連費の総額は180,323千円であり、そのほとんどが鋼製建具関連です。よって、セグメント別の研究開発費は記載しておりません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループの財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりです。文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月24日)現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)財政状態の分析

(資産の状況)

 当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末に比べて268,750千円減少し、8,154,586千円となりました。これは主にその他に含まれる未収金の減少によるものです。

 固定資産は前連結会計年度末に比べて125,891千円減少し、8,231,241千円となりました。これは主に退職給付に係る資産の減少によるものです。

 

(負債の状況)

 当連結会計年度末における流動負債は前連結会計年度末に比べて2,229,920千円減少し、6,954,677千円となりました。これは主に短期借入金の減少によるものです。

 固定負債は前連結会計年度末に比べて3,144,305千円増加し、4,038,794千円となりました。これは主に長期借入金の増加によるものです。

 

(純資産の状況)

 当連結会計年度末における純資産は前連結会計年度末に比べて1,309,027千円減少し、5,392,356千円となりました。これは主に優先株式の取得に伴い自己株式の消却を行ったことによる利益剰余金の減少によるものです。

 

(2)キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(3)経営成績の分析

 経営成績の分析は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。