第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、経営理念のもとエンジニアリング企業としてお客様に最適なかたちでの価値の提供に努め、すべてのステークホルダーの皆様から「選ばれる企業」として高い信頼を得るため、持続的成長を目指します。

 

【経 営 理 念】

不二サッシは窓から夢をひろげていきます

私たちはお客様との絆を大切にします

私たちは心をこめた商品を世に出します

私たちは活力あふれる気風づくりに努めます

 

(2)経営環境

 新型コロナウイルスの世界的な拡大による、国内外への影響は大きく、景気は悪化しており、先行きにつきましても、感染拡大の収束が見通せない中、予断を許さない状況が続くと予想されます。

 国内の建設市場におきましては、オリンピック後の首都圏を中心とした大型再開発の計画やインバウンド需要にともなうホテル等の計画が見込まれていたものの、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化することにより、建設投資の見直しによる抑制、先送りなどが予想され、事業環境に大きな影響が出ることが懸念されます。

(3)経営戦略等

 このような状況下ではありますが、中期経営計画「創造」の最終年度である2020年度へ向け本年度も各施策を遂行してまいります。

 2019年度までの進捗状況および施策は以下の様になります。

[コア事業]

 ビル建材事業は、提案力と競争力を強化し、シェアアップと収益の拡大を図っております。2019年度については、売上高はリニューアル事業領域を拡大したことにより増加し、ビル新築事業は営業強化により微増、事業全体では増収となりました。営業利益はビル新築事業の競争激化と継続的な商品開発投資等により減益となりました。

 形材外販事業は、アルミ形材・加工品の販路拡大を図っておりますが、厳しい市場競争とアルミ地金価格の低下、運送費の上昇等により減収減益となりました。

[注力事業]

 環境事業は、体制を強化し技術を生かしシェアアップを図るとともに、薬剤の売上拡大と破砕機などの商材拡大を図った結果、市場の変化による事業環境の厳しさは継続しているものの、提案営業によるメンテナンス案件の受注等により増収増益となりました。

[成長事業]

 光建材事業は、建築化照明の拡がりとともにアルビームシステムが建材事業の差別化商品として受注を拡大しております。

 マグネシウム事業は、中長期を視野に産学官での共同開発を推進してまいります。

 

 今後、新型コロナウイルスの感染拡大の収束時期や建設市場の動向は極めて不透明であります。

 このような中、当社は新型コロナウイルスの感染拡大による市場環境の悪化が危惧される状況を踏まえ、「緊急対策プロジェクト」を発足し、経費削減ならびに業務改革等に取り組み、様々な施策を講じることで、今年度事業計画を推進してまいります。

 なお、2020年度連結業績予想は、現段階において合理的に算定することが困難なため、未定とさせていただいております。

 今後、影響の見極めが進み、適正かつ合理的な業績予想の算定が可能となりましたら、速やかに公表させていただきます。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済状況について

 当社グループにおける営業収入の大部分は、日本国内における需要に大きく影響を受けます。このため、当社グループの経営成績は、日本国内の景気動向、建設会社の建設工事受注残高や住宅着工戸数の変動等の影響を受ける可能性があります。

 また、国内景気の悪化により、売掛金、受取手形等の債権が劣化した場合、貸倒引当金の積み増しが必要となるなど、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)原材料の市況変動の影響について

 当社グループは、アルミ地金を主たる原材料とする事業(建材事業、形材外販事業)が売上高の大半を占めております。このアルミ地金価格は、市況(為替相場およびロンドン金属取引所(LME)の価格相場)の変動により影響を受けることから、今後も市況が上昇する局面では、原材料費の上昇が押さえきれず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)市場環境について

 営業活動を展開する上で競業他社との競争は避けられませんが、そのような状況に耐えうるべく製品・サービスの向上に努めております。しかしながら、市場環境が大きく変化した場合、厳しい価格競争にさらされるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)経営成績の季節的変動について

 当社グループは、建材事業、特にビルサッシの売上比率が高く、このビルサッシの売上が季節的に大きく変動することから、営業年度の第2四半期及び第4四半期に売上が集中する傾向があります。

 

(5)特定事業への依存について

 当社グループは、売上・利益ともに建材事業への依存率が高く、この事業の業績に全体の経営成績が大きく影響される傾向があります。建築投資全体が縮小傾向で推移する状況に対して当社グループは、形材外販事業や環境事業等非サッシ事業およびリニューアル事業の拡大を積極的に推進しております。

 

(6)法的規制について

 当社グループは、商品の設計・製造・販売・施工に関連して、多くの法的規制を受けております。「建設業法」に基づき、建材事業は建具工事業、環境事業は機械器具設置工事業の許可を受けて営業を行っており、この他にも水質汚濁防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律など環境関連法や消費生活用製品安全法など様々な法的規制を受けながら事業を展開しております。今後、これらの規則の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

(7)自然災害及び事故等の発生による影響について

 地震・津波などの自然災害および火災・停電等の事故災害によって、当社グループの生産・販売・物流拠点および設備が破損、機能不全に陥る可能性があります。災害による影響を最小限に抑える対策を講じていますが、災害による被害を被った場合は、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

(8)環境問題

 当社グループは、産業廃棄物の処理に関する法律及び大気、水質、騒音、振動、土壌汚染等の環境諸法令の適用を受けており、環境基本方針・行動指針に基づき環境マネジメントシステムの下、環境保全活動を行っております。

 しかしながら、今後何らかの環境問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、過去の事業活動における環境問題の事実を厳粛に受け止め教訓とし、徹底した社内管理体制を確立し、法令遵守に努めております。

 

(9)新型コロナウイルス感染症の影響について

 2019年暮れから発生した新型コロナウイルス感染症は世界各地で感染の拡大が続いております。各国は渡航制限や都市封鎖等の対策に追われるなど、これまでにない脅威となっております。

 一時的に感染の拡大が収まりましても、第二波、第三波と感染がさらに広がる可能性も指摘されており、世界経済の先行きは非常に不透明な状況となっております。

 当社グループにおきましては、お客様および従業員の安全を第一に考えるとともに、政府や自治体の要請をふまえ、従業員の健康管理確認の徹底、テレワークの推進、社内会議、国内遠距離、海外出張の制限等の対応を実施しております。

 また、リモート対応の推進等による業務改革や効率化の推進など様々な施策を講じることで、業績への影響の低減を図ってまいります。

 しかしながら、今後、事態の長期化および感染拡大が進行することになりましたら、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済における米中貿易摩擦の長期化の影響や消費税増税にともない、景気の弱さが見られておりましたが、足元では新型コロナウイルスの感染拡大の影響により急速に悪化しており、先行きが見通せない極めて厳しい状況にあります。

 このような状況の中、主力とするビルサッシを中心とした建材事業分野においては、新設住宅着工戸数が貸家を中心に減少し、マンション販売戸数が減少するなど、先行きが不透明な状況が続いております。形材外販事業においては、市場競争が年々激化しており、事業環境は厳しさが増しております。環境事業においては、概ね計画通りに進捗いたしました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ13億2千3百万円増加し、921億5千5百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度に比べ10億1千2百万円増加し、718億5千8百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度に比べ3億1千1百万円増加し、202億9千7百万円となりました。

b.経営成績

 当連結会計年度の業績は売上高1,017億8千9百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益5億9千6百万円(前年同期比5億5千6百万円減)、経常利益7億3千7百万円(前年同期比5億3千5百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益4億3千2百万円(前年同期比4億4千4百万円減)となりました。

 

セグメント毎の経営成績は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

〔建材〕

 建材事業においては、連結子会社の増加に加え、住宅建材事業は高断熱商品拡販により堅調に推移し、売上高は753億2千3百万円(前年同期比7.2%増)と増収になりましたが、ビル建材事業における商品開発投資による固定費増加等により、セグメント利益15億7千1百万円(前年同期比6億8千8百万円減)と減益になりました。

 

〔形材外販〕

 形材外販事業においては、市場価格の低迷による競争激化や諸資材価格上昇の影響などから、売上高は210億1百万円(前年同期比6.7%減)、セグメント利益2千5百万円(前年同期比2千8百万円減)と減収減益になりました。

 

〔環境〕

 環境事業においては、市場の変化による事業環境の厳しさが増していますが、営業力及びプロセス管理を強化したことなどにより、売上高は31億4千4百万円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益1億6千1百万円(前年同期比5千5百万円増)と増収増益となりました。

 

〔運送〕

 運送事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響による荷動きの鈍化傾向が見られるものの、建材及び形材外販事業の物量確保により、売上高18億6千4百万円(前年同期比0.9%減)、セグメント利益は3億2百万円(前年同期比1億4千万円増)となりました。

 

〔その他〕

 その他事業には、保管管理・不動産業等がありますが、売上高は4億5千4百万円(前年同期比5.7%増)、セグメント利益は6千1百万円(前年同期比5千7百万円減)と増収減益になりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ5億4千5百万円増加し、当連結会計年度末には136億5千6百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、48億3千万円(前年同期は36億4百万円の獲得)となりました。これは主に前受金の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、25億9百万円(前年同期は29億7百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、17億6千9百万円(前年同期は16億7千6百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

建材(百万円)

74,167

110.2

形材外販(百万円)

21,001

93.3

環境(百万円)

3,113

98.7

運送(百万円)

報告セグメント計(百万円)

98,283

105.7

その他(百万円)

1,318

103.4

合計(百万円)

99,601

105.7

 (注) 上記の金額は、販売価格により表示しております。なお、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

受注高

(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

建材

53,883

93.8

54,263

96.0

 (注) 上記の金額は、販売価格により表示しております。なお、消費税等は含まれておりません。

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

建材(百万円)

75,323

107.2

形材外販(百万円)

21,001

93.3

環境(百万円)

3,144

100.5

運送(百万円)

1,864

99.1

報告セグメント計(百万円)

101,334

103.6

その他(百万円)

454

105.7

合計(百万円)

101,789

103.6

 (注) 上記の金額は、販売価格により表示しております。なお、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の数値、各連結会計年度における収入・費用の数値に影響をおよぼす見積り計上を行っております。主に繰延税金資産、貸倒引当金、工事損失引当金、退職給付に係る負債、資産除去債務等に対しまして過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、これらの見積りについては、実際の結果と異なる場合があります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、2017年度にスタートさせました中期経営計画「創造」の3年目におきましても各施策を推進し、リニューアル事業につきましては、日本防水工業株式会社および日本スプレー工業株式会社の株式を取得し、業容の拡大を図ってまいりました。

(売上高)

 売上高は主に連結子会社の増加による業容の拡大もあり、1,017億8千9百万円(前年同期比3.6%増)となりました。建材事業におけるビルサッシを中心とした新設住宅着工戸数減少の影響や、形材外販事業における市場競争激化の影響などもありましたが、住宅建材事業における高断熱商品拡販が堅調に推移しました結果、全体で増収となりました。

(営業利益)

 営業利益は主に建材事業の利益率の悪化により、5億9千6百万円(前年同期比5億5千6百万円減)と減益になりました。形材外販事業の競争激化や諸資材価格の上昇により利益率が悪化した他、建材事業における商品開発投資に伴い固定費が増加いたしました。

 なお、セグメント別の売上高及び営業利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 営業外損益においては、営業利益減少に加え、為替差損が増加したほか、特別損益において、子会社における不適切会計に伴う調査費用を特別損失(特別調査費用等)8千3百万円を計上したこと等により、税金等調整前当期純利益は6億5千1百万円(前年同期比3億5千6百万円減)と減益になり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、税金費用が増加し、4億3千2百万円(前年同期比4億4千4百万円減)と減益になりました。

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は536億8千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ7千6百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が3億8千6百万円、仕掛品が19億7千万円増加し、受取手形及び売掛金が9億1千7百万円、電子記録債権が12億1千8百万円、商品及び製品が1億3千5百万円減少したことによるものであります。固定資産は384億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億4千6百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が7億8百万円、のれんが2億7千8百万円、投資その他の資産が2億6千6百万円増加したことによるものであります。この結果、総資産は921億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億2千3百万円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は450億2千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億6百万円増加いたしました。これは主に前受金が29億2千7百万円増加し、支払手形及び買掛金が11億6千4百万円、電子記録債務が4億6千3百万円、短期借入金が5億4千3百万円減少したことによるものであります。固定負債は268億3千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億6百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が9億4千5百万円増加し、社債が1億7千5百万円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は718億5千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億1千2百万円増加いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は202億9千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億1千1百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が2億4千3百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は21.9%(前連結会計年度末は21.9%)となりました。

(キャッシュ・フローの状況の分析・資本内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報)

 財務戦略の基本的な考え方

 当社グループは、強固な財務基盤の構築を目指しながら、企業価値向上を図るため、収益や成長ができる事業へ資源を集中する戦略(事業ポートフォリオ戦略)を推進し、グループの経営資源の最適配分することを財務戦略の基本としております。

 強固な財務基盤の構築につきましては、2020年度を最終年度とする中期経営計画「創造」における自己資本

比率の目標値を22.5%に設定しております。

 なお、2019年度末における自己資本比率は21.9%でしたが、この水準を下限として強固な財務基盤の構築を

図ってまいります。

 経営資源の配分に関する考え方

 当社グループは、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。

手元現預金および多様な資金調達の活用により、成長のための投資、株主還元の充実を図ってまいります。

 資金需要の主な内容

 当社グループの資金需要の主なものは、製品製造のための原材料、部品の購入、外注加工費、人件費等の営業活動資金と、持続的な成長のために商品競争力を高める研究開発投資や、生産性向上を図る設備投資を実施する投資活動資金となっております。

 資金調達

 当社グループの事業活動の維持および拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を調達し有効に活用しております。設備投資は営業キャッシュフローの範囲内とすることを基本としておりますが、多様な資金調達手段を活用し、金融機関からの借入やリースによる固定資産購入等を行っております。

 

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、資産・負債及び収益・費用の測定並びに開示に与える影響のうち、将来事象の結果に依存するため確定できない金額については見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績や適切な仮定に基づいて合理的な判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。

 なお、新型コロナウイルスの感染拡大により、主に当社グループの建材事業及び形材外販事業において、大きな影響を受ける懸念があります。このため、当連結会計年度においては、将来の課税所得への影響を一定の前提のもとで見積り、繰延税金資産の算定を行っております。

 

(経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

 当社グループは、売上高および営業利益ならびに自己資本比率を重要な経営指標として位置づけております。

 当連結会計年度においては、売上は1,017億8千9百万円(前年比3.6%増)と前年に比べ増収となりましたが、ビルサッシ建材事業における商品開発投資による固定費増加等などにより、営業利益は5億9千6百万円(前年同期比5億5千6百万円減)と減益になりました。

 また、自己資本比率につきましては、9期連続の黒字決算を重ねることにより着実に改善してきており、当連結会計年度末において21.9%となっております。

 中期経営計画「創造」の最終年度であります2020年度は各施策を遂行してまいりますが、新型コロナウイルスの感染拡大の収束時期や建設市場の動向が極めて不透明であり、今後の予測が困難な状況であります。従いまして、2021年3月期の連結予想につきましては、合理的な予想の算出が困難であるため、未定とさせていただきます。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、一般サッシからカーテンウォールまで総合外装メーカーとして一貫した商品開発を行っております。多様化する顧客ニーズへの対応と安全・安心社会実現に向けた開発をテーマに掲げ、さらには、環境負荷低減、高耐久化技術を取り入れた新商品開発に注力しております。
 当社の研究開発は、技術本部管轄の商品開発部、技術管理部、性能研究部、研究開発部により推進しており、研究開発スタッフは、全体で72名にのぼり、これは全従業員数の約2.3%に当たっております。
 また、次世代素材分野開拓に向け、連結子会社の不二ライトメタル㈱の開発・技術本部が研究開発に注力しております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は、1,732百万円となっております。

 

[建材]

 2019年の新設住宅着工戸数が約90万戸と前年の約94万戸に対し約4.0%減となり、3年連続での減少となりました。建築業界におきましては、「パリ協定」の目標達成等に向け、住宅・建築物の省エネルギー対策を強化するため、2019年5月、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律が公布され、段階的に施行されています。2021年4月からは建築物省エネ法の適合義務化が300㎡以上の建築物まで拡大され、住宅においては設計者である建築士から建築主に対して省エネ性能に関する説明が義務付けられます。

 また、2019年11月からトップランナー制度の対象に、注文戸建住宅・賃貸アパートを供給する大手住宅事業者が追加されるなど、住宅・建築物の省エネルギー対策が強化されつつあります。一方では、省エネ誘導策として省エネ性を高めた「低炭素建築物の認定制度」、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実現に向けた「先進的省エネルギー建築物の導入に向けた補助金制度」、既築住宅における「高性能建材による住宅の断熱リフォーム事業」・「次世代省エネ建材支援事業」などの各種補助・助成制度、融資制度および税制優遇制度が推進されております。

 さらに、集合住宅における各種ZEH-M支援事業などインセンティブを与える施策が進められています。

 中期経営計画「創造」の核となる次代商品体系構築では、計画した高断熱・高遮音・防火性・安全性等の付加価値を高め、ビル用CWに対応し、かつ形材断熱性能設計に自由度を持たすことができるカシメ断熱構造および、アルミ樹脂複合構造の「FNS-Ⅱ100R」の市場投入を完了し髙い評価を頂くと共に、CO2排出量の削減と建物の省エネルギー化に貢献しております。
 また、2019年6月より個別認定の防火設備の出荷が開始され、市場からは個別認定の品揃え拡充が求められる中、個別認定を必要とする開口部の室内側に防火ロールスクリーンを設置することで開口部に防火設備を必要としない「インナー防火スクリーン」の開発を終えました。既存の商品を活用できることから設計の自由度が広がることにより、一部の事業者様においては採用に向けた検討が進んでおり今後の展開を見込んでおります。

 住宅建材におきましては、2017年度より出荷を開始したZEH住宅を実現するヨーロッパ並みの超高断熱の次世代用高断熱サッシ商品である「SAJサッシ」にさらなる防火設備のバリエーションを展開し、対応範囲の拡大を行いました。

 光建材事業におきましては、建材と照明の融合をコンセプトとした「アルビームプラス 光壁」が2019年度グッドデザイン賞を受賞しました。建物のエントランスなどで多用されるガラスによる光壁を、従来では実現できなかった薄さで均一に発光させる新方式の光壁です。独自設計したLEDパネルを使用する事で、極薄の壁厚に仕上げられ、有効床面積を最大限に得られるという大きなメリットが生まれました。

 さらに、これまで販売を続けてきました「アルビームシステム」商品が、(一社)日本アルミニウム協会が主導する「2019年度 日本アルミニウム協会賞」において、アルミニウムの需要拡大に貢献のあった製品などに贈られる、「開発賞」を受賞いたしました。商業施設や店舗に使用するカーテンウォールやショップフロント建材にLEDモジュールを内蔵させる全く新しいコンセプトから生まれたシステム建材となります。光の演出は4タイプあり、配線経路やメンテナンスも考慮した設計になっております。

 特需事業におきましては、ユニットハウスを利用したユニバーサルトイレを開発し、レンタル事業者様への出荷を開始しております。

 建材に係る研究開発費は1,523百万円であります。

 

[形材外販]

 連結子会社の不二ライトメタル㈱において、2002年より研究開発をはじめました次世代耐熱マグネシウム合金(KUMADAI 耐熱マグネシウム合金)はRIMCOF技術研究組合にて航空機用マグネシウム合金開発に成功し、マグネシウム合金の輸送機器への適用に向け邁進しています。

 難燃性マグネシウム合金は、「革新的新構造材料等技術開発」として高速鉄道の車両用素材開発を進め、難燃性マグネシウム合金を使った高速鉄道車両試験用構体の試作に成功しました。

 医療デバイスの基材として期待されます生体吸収性マグネシウム合金は、素材作製から加工までの自社内一貫製造・供給(溶解・鋳造→押出→引抜)を行う設備にて素材の製作を行い、研究機関および医療機器開発メーカーと共に医療デバイスの研究開発を推進していきます。

 形材外販に係る研究開発費は208百万円であります。

 

 当社グループの研究開発活動の責任部署である技術本部は、「ISO9001品質マネジメントシステム」での設計品質の管理、ならびに公的試験機関と同等の国際的にも認められる「ISO17025」を取得した試験所での性能証明と、高品質商品を提供しております。さらに、文化シヤッター㈱との共同開発で、防災・減災商品や、断熱性と防火性を両立させる環境配慮対応商品に加え、日射遮蔽、通風対応での熱負荷低減対応等サッシとシャッターの相互の専門分野を活用した商品など、開口部への新しい価値の提供を目指し研究を進めております。今後もさらに一層の品質向上を目指し、お客様にご満足のいただける商品を提供するとともに、環境に配慮した商品の研究開発に努めてまいります。