第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、経営理念のもとエンジニアリング企業としてお客様に最適なかたちでの価値の提供に努め、すべてのステークホルダーの皆様から「選ばれる企業」として高い信頼を得るため、持続的成長を目指します。

 

【経 営 理 念】

不二サッシは窓から夢をひろげていきます

私たちはお客様との絆を大切にします

私たちは心をこめた商品を世に出します

私たちは活力あふれる気風づくりに努めます

 

(2)経営環境

 新型コロナウイルスの世界的な拡大の影響による、国内外経済への影響は大きく、景気の先行きは予断を許さない状況が続いております。しかしながら一方で、ワクチン接種など感染拡大防止策が講じられることで景気の持ち直しの動きが続くものと期待されます。

 このような状況の中、当社グループの建材事業においては、新設住宅着工戸数が貸家を中心に減少し、先行きの不透明感は強まり、形材外販事業においては、市場環境の冷え込みにより物量が大幅に減少し、厳しい事業環境が続いております。

(3)経営戦略等

 このような環境下、当社グループが対処する課題は、コア事業である建材事業の安定的な収益確保、形材外販事業の抜本的改革、潜在成長性の高いリニューアル事業および環境事業の基盤強化、売上高1,000億円と利益率アップと認識しております。

 2020年度までの各事業における施策の結果は以下の様になります。

[コア事業]

 建材事業におきましては、市場環境に則した商品設定は順調に進みましたが、商品開発投資の増加により利益率は低下いたしました。また、マンションの大規模改修等のビル改装市場が停滞し、コロナ禍で室内に立ち入るサッシ改修は敬遠される一方、防水や塗装等の外装工事は堅調でした。

 形材外販事業におきましては、市場競争激化により売上・利益率ともに悪化いたしました。そのため、生産体制の見直しや不採算取引の改善等、収益力回復に向けた抜本的な取り組みを開始いたしました。

[注力事業]

 光建材事業については、建材とLED照明を融合したアルビームシステムの商品ラインナップを拡充し、ゼネコンや設計事務所への浸透により受注獲得に寄与しております。

[成長事業]

 海外事業については、海外拠点の新設等によりビル海外事業の営業強化を図りましたが、コロナ禍による渡航制限・物流制限により停滞いたしました。

 

 新型コロナウイルス感染症については、未だ収束の見通しが立っておりませんが、そのような中で2021年度は営業強化や継続的な経費削減、生産性向上を更に推し進めるとともに形材外販事業の抜本的改革により収益確保につなげてまいります。

[次期中期経営計画の策定について]

 2021年度は、2030年に迎える創業100年を見据えた、事業基盤の確立を目指す足場固めの事業年度とし、次期中期経営計画は2022年度を開始年度として策定いたします。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済状況について

 当社グループにおける営業収入の大部分は、日本国内における需要に大きく影響を受けます。このため、当社グループの経営成績は、日本国内の景気動向、建設会社の建設工事受注残高や住宅着工戸数の変動等の影響を受ける可能性があります。

 また、国内景気の悪化により、売掛金、受取手形等の債権が劣化した場合、貸倒引当金の積み増しが必要となるなど、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)原材料の市況変動の影響について

 当社グループは、アルミ地金を主たる原材料とする事業(建材事業、形材外販事業)が売上高の大半を占めております。このアルミ地金価格は、市況(為替相場およびロンドン金属取引所(LME)の価格相場)の変動により影響を受けることから、今後も市況が上昇する局面では、原材料費の上昇が押さえきれず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)市場環境について

 営業活動を展開する上で競業他社との競争は避けられませんが、そのような状況に耐えうるべく製品・サービスの向上に努めております。しかしながら、市場環境が大きく変化した場合、厳しい価格競争にさらされるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)経営成績の季節的変動について

 当社グループは、建材事業、特にビルサッシの売上比率が高く、このビルサッシの売上が季節的に大きく変動することから、営業年度の第2四半期及び第4四半期に売上が集中する傾向があります。

 

(5)特定事業への依存について

 当社グループは、売上・利益ともに建材事業への依存率が高く、この事業の業績に全体の経営成績が大きく影響される傾向があります。建築投資全体が縮小傾向で推移する状況に対して当社グループは、形材外販事業や環境事業等非サッシ事業およびリニューアル事業の拡大を積極的に推進しております。

 

(6)法的規制について

 当社グループは、商品の設計・製造・販売・施工に関連して、多くの法的規制を受けております。「建設業法」に基づき、建材事業は建具工事業、環境事業は機械器具設置工事業の許可を受けて営業を行っており、この他にも水質汚濁防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律など環境関連法や消費生活用製品安全法など様々な法的規制を受けながら事業を展開しております。今後、これらの規則の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

(7)自然災害及び事故等の発生による影響について

 地震・津波などの自然災害および火災・停電等の事故災害によって、当社グループの生産・販売・物流拠点および設備が破損、機能不全に陥る可能性があります。災害による影響を最小限に抑える対策を講じていますが、災害による被害を被った場合は、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

(8)環境問題

 当社グループは、産業廃棄物の処理に関する法律及び大気、水質、騒音、振動、土壌汚染等の環境諸法令の適用を受けており、環境基本方針・行動指針に基づき環境マネジメントシステムの下、環境保全活動を行っております。

 しかしながら、今後何らかの環境問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、過去の事業活動における環境問題の事実を厳粛に受け止め教訓とし、徹底した社内管理体制を確立し、法令遵守に努めております。

 

(9)新型コロナウイルス感染症の影響について

 2019年暮れから発生した新型コロナウイルス感染症は世界各地で感染の拡大が続いておりますが、ワクチン接種など感染拡大防止策が講じられ、一部では状況の好転も見られます。

 一方、国内においては未だ感染の収束が見通せない状況であり、国内経済の先行きは非常に不透明な状況となっております。

 当社グループにおきましては、お客様および従業員の安全を第一に考えるとともに、政府や自治体の要請をふまえ、従業員の健康管理確認の徹底、テレワークの推進、社内会議、国内遠距離、海外出張の制限等の対応を実施しております。

 また、リモート対応の推進等による業務改革や効率化の推進など様々な施策を講じることで、業績への影響の低減を図っております。

 しかしながら、今後、事態の長期化等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により厳しい環境が続き、依然として先行き不透明な状況となっております。しかしながら、年度後半より、一部持ち直しの動きが見られております。

 このような状況の中、当社グループは2017年度にスタートさせました中期経営計画「創造」の4年目におきましても各施策を推進してまいりました。しかしながら、建材事業においては、新設住宅着工戸数が貸家を中心に減少し、先行きの不透明感は強まり、形材外販事業においては、市場環境の冷え込みにより物量が大幅に減少し、厳しい事業環境が続いております。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ4億5千3百万円減少し、917億2百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度に比べ14億4千9百万円減少し、704億9百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度に比べ9億9千6百万円増加し、212億9千3百万円となりました。

b.経営成績

 当連結会計年度の業績は売上高923億9千6百万円(前年同期比9.2%減)、営業利益5億3千4百万円(前年同期比6千2百万円減)、経常利益8億9千8百万円(前年同期比1億6千1百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益5億7千2百万円(前年同期比1億4千万円増)となりました。

 

セグメント毎の経営成績は次のとおりであります。

〔建材〕

 建材事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大による市場悪化を受け、売上高は685億9百万円(前年同期比9.0%減)と減収になりましたが、ビルサッシ事業の利益率改善により、セグメント利益19億6千9百万円(前年同期比3億9千7百万円増)と増益になりました。

 

〔形材外販〕

 形材外販事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大による市場環境の冷え込みや競争激化などの影響から、売上高は184億9千1百万円(前年同期比12.0%減)、セグメント損失7億4千1百万円(前年同期はセグメント利益2千5百万円)と減収減益になりました。

 

〔環境〕

 環境事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けましたが、営業力の強化により、売上高は32億1千4百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益2億5千1百万円(前年同期比8千9百万円増)と増収増益となりました。

 

〔運送〕

 運送事業においては、サッシ及び形材販売の出荷量減等の影響を受け、売上高18億1千3百万円(前年同期比2.7%減)と減収になりましたが、倉庫事業の強化により、セグメント利益3億3千7百万円(前年同期比3千4百万円増)と増益になりました。

 

〔その他〕

 その他事業には、不動産業等がありますが、売上高は3億6千7百万円(前年同期比19.2%減)と減収になりましたが、セグメント利益は1億5千4百万円(前年同期比9千3百万円増)と増益になりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ22億2千9百万円増加し、当連結会計年度末には158億8千6百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、34億8千7百万円(前年同期は48億3千万円の獲得)となりました。これは主に売上債権の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、23億5千1百万円(前年同期は25億9百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、10億8千6百万円(前年同期は17億6千9百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の純増加額によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

建材(百万円)

64,779

87.3

形材外販(百万円)

18,491

88.1

環境(百万円)

3,197

102.7

運送(百万円)

報告セグメント計(百万円)

86,468

88.0

その他(百万円)

1,268

96.2

合計(百万円)

87,736

88.1

 (注) 上記の金額は、販売価格により表示しております。なお、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

受注高

(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

建材

53,980

100.2

53,698

99.0

 (注) 上記の金額は、販売価格により表示しております。なお、消費税等は含まれておりません。

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

建材(百万円)

68,509

91.0

形材外販(百万円)

18,491

88.0

環境(百万円)

3,214

102.2

運送(百万円)

1,813

97.3

報告セグメント計(百万円)

92,029

90.8

その他(百万円)

367

80.8

合計(百万円)

92,396

90.8

 (注) 上記の金額は、販売価格により表示しております。なお、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の数値、各連結会計年度における収入・費用の数値に影響をおよぼす見積り計上を行っております。主に繰延税金資産、貸倒引当金、工事損失引当金、退職給付に係る負債、資産除去債務等に対しまして過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、これらの見積りについては、実際の結果と異なる場合があります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、2017年度にスタートさせました中期経営計画「創造」の4年目におきましても各施策を推進してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が大きく、主力とするビルサッシを中心とした建材事業分野における新設住宅着工戸数の減少や、形材外販事業における市場環境の冷え込みによる物量の大幅減少など、厳しい事業環境が続いております。

(売上高)

 売上高は主に新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、923億9千6百万円(前年同期比9.2%減)と減収になりました。建材事業については、住宅建材事業の市場悪化と新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、また、マンションの大規模改修等のビル改装市場が停滞し、全体で減収となりました。また、形材外販事業については新型コロナウイルス感染症拡大の影響ならびに競争激化による受注の大幅な減少により、減収となりました。

(営業利益)

 営業利益は主に建材事業における利益率の改善、経費削減等に尽力いたしましたが、売上・物量減少による減益要因を上回ることができず、5億3千4百万円(前年同期比6千2百万円減)と減益になりました。

 なお、セグメント別の売上高及び営業利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 営業外損益においては、雇用調整助成金などの補助金収入が増加したことに加え、特別損益において、保険事業にかかる営業権の譲渡契約の締結により特別利益(事業譲渡益)2億9千1百万円を計上したこと等により、税金等調整前当期純利益は10億4千8百万円(前年同期比3億9千6百万円増)と増益になり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、税金費用が増加いたしましたが、5億7千2百万円(前年同期比1億4千万円増)と増益になりました。

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は529億7千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億8百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が22億5千8百万円、電子記録債権が9億2千2百万円増加し、受取手形及び売掛金が26億7百万円、仕掛品が12億1千8百万円減少したことによるものであります。固定資産は387億2千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億5千5百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が6億2千4百万円、投資その他の資産のその他が1億4千5百万円増加し、繰延税金資産が2億7千1百万円、有形固定資産が2億2千万円減少したことによるものであります。この結果、総資産は917億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億5千3百万円減少いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は470億3千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億1千2百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が27億6千6百万円、1年内償還予定の社債が24億9千5百万円増加し、支払手形及び買掛金が21億8千3百万円、前受金が6億円、その他が3億1千3百万円減少したことによるものであります。固定負債は233億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ34億6千1百万円減少いたしました。これは主に退職給付に係る負債が3億2千4百万円増加し、社債が27億1千万円、長期借入金が9億2千5百万円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は704億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億4千9百万円減少いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は212億9千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億9千6百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が3億8千3百万円、その他有価証券評価差額金が4億3千5百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は23.1%(前連結会計年度末は21.9%)となりました。

(キャッシュ・フローの状況の分析・資本内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報)

 財務戦略の基本的な考え方

 当社グループは、強固な財務基盤の構築を目指しながら、企業価値向上を図るため、収益や成長ができる事業へ資源を集中する戦略(事業ポートフォリオ戦略)を推進し、グループの経営資源の最適配分することを財務戦略の基本としております。

 強固な財務基盤の構築につきましては、2020年度を最終年度とする中期経営計画「創造」における自己資本

比率の目標値を22.5%に設定しておりましたが、目標値を上回り、当連結会計年度末の自己資本比率は23.1%となりました。

 経営資源の配分に関する考え方

 当社グループは、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。

手元現預金および多様な資金調達の活用により、成長のための投資、株主還元の充実を図ってまいります。

 資金需要の主な内容

 当社グループの資金需要の主なものは、製品製造のための原材料、部品の購入、外注加工費、人件費等の営業活動資金と、持続的な成長のために商品競争力を高める研究開発投資や、生産性向上を図る設備投資を実施する投資活動資金となっております。

 資金調達

 当社グループの事業活動の維持および拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を調達し有効に活用しております。設備投資は営業キャッシュフローの範囲内とすることを基本としておりますが、多様な資金調達手段を活用し、金融機関からの借入やリースによる固定資産購入等を行っております。

 

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、資産・負債及び収益・費用の測定並びに開示に与える影響のうち、将来事象の結果に依存するため確定できない金額については見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績や適切な仮定に基づいて合理的な判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。

 繰延税金資産の回収可能性や減損損失の認識の判定等にあたっては、連結財務諸表作成時点で入手可能な情報に基づき、今後の新型コロナウイルス感染症による企業活動の制限等、不確実性の高い要素を反映させ、会計上の見積りを行っております。

 しかし、当該影響は不確定要素が多く、上記仮定に変化が生じた場合には、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

 当社グループは、売上高および営業利益ならびに自己資本比率を重要な経営指標として位置づけております。

 中期経営計画「創造」の最終年度であります2020年度の当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による市場悪化、競争激化などから、売上は923億9千6百万円(前年同期比9.2%減)、営業利益は5億3千4百万円(前年同期比6千2百万円減)と前連結会計年度に比べ減収減益となりました。

 また自己資本比率につきましては、10期連続の黒字決算を重ねることで、継続的に良化しており、当連結会計年度末で23.1%となりました。

 2021年度は、2030年に迎える創業100年を見据えた、事業基盤の確立を目指す足場固めの事業年度とし、次期中期経営計画は2022年度を開始事業年度として策定いたします。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、一般サッシからカーテンウォールまで総合外装メーカーとして一貫した商品開発を行っております。多様化する顧客ニーズへの対応と安全・安心社会実現に向けた開発をテーマに掲げ、さらには、環境負荷低減、高耐久化技術を取り入れた新商品開発に注力しております。
 当社の研究開発は、技術本部管轄の商品開発部、技術管理部、性能研究部、研究開発部により推進しており、研究開発スタッフは、全体で79名にのぼり、これは全従業員数の約2.6%に当たっております。
 また、次世代素材分野開拓に向け、連結子会社の不二ライトメタル㈱の開発・技術本部が研究開発に注力しております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は、1,505百万円となっております。

 

[建材]

 2020年9月に就任した菅内閣総理大臣が所信表明演説において、2050年までにCO2排出を実質ゼロ(カーボンニュートラル)宣言をした上、2021年4月には2013年度を基準とし、2030年26%削減から46%削減へ、大きな上積みを表明しました。この目標に対してはさらなる排出量の削減のみでは困難であり、エネルギー源については再生可能エネルギーの大幅な普及促進、水素やアンモニウムガスによる火力発電に関する技術開発などエネルギーミックスに関連する法整備などを含めた変革が求められております。

 また、2021年4月1日に改正建築物省エネ法が施行されて、中規模(300㎡)以上の事務所ビルや商業ビルの新築工事に対しては、現行の省エネ基準が義務化されております。国土交通省では省エネ基準の適用対象を拡大するため、法規制を視野に入れた検討会を設置しており、省エネルギー住宅について従来から指摘されている①外壁の高断熱化、②高遮熱性開口部、③高効率の空調などの新たな基準や既存ストック対策、再生可能エネルギーや非利用エネルギーの利用拡大などの検討に着手しております。

 なお住宅・建築物における省エネ対策の強化として高断熱建材の普及に向けた取組みである「建材トップランナー制度」、「窓の断熱表示制度」に加えて新築建築物や住宅の省エネ改修を対象とする支援事業などの施策が進められております。

 中期経営計画「創造」の核となる次代商品体系構築では、高断熱・高遮音・防火性・安全性等の付加価値を高めた商品体系を構築いたしました。高層ビル用カーテンウォールについては安全性を高めた材料の高強度化に対応しております。樹脂や木質より有利な金属の利点を生かし、形材間に樹脂をカシメた、断熱性能設計に自由度を持たすことができる断熱カシメ構造を採用しております。サッシやドアにはアルミと樹脂を複合した構造の「FNS-Ⅱ100R」の市場投入を完了し高い評価を頂くと共に、CO2排出量の削減と建物の省エネルギー化に貢献しております。
 また、2019年6月より個別認定の防火設備の出荷が開始され、市場からは個別認定の品揃え拡充が求められる中、個別認定を必要とする開口部の室内側に防火ロールスクリーンを設置することで開口部に防火設備を必要としない「インナー防火スクリーン」の開発を終えました。既存の商品を活用できることから設計の自由度が広がることにより、様々な建築デザインに対応できる商品として今後の展開を見込んでおります。

 住宅建材におきましては、2017年度より出荷を開始した次世代用高断熱サッシをモデルチェンジし、さらに断熱性を高めると共に、Hiサッシ(H2700)タイプも展開し、対応範囲の拡大を行いました。

 光建材事業におきましては、外装建材に内蔵したフルカラーLEDモジュールを制御し、建物の窓や壁面などに色や映像の演出が可能な「アルビーム ムーブ」が2020年度グッドデザイン賞を受賞しました。設計施工を省略化し建物にデジタル表現を取り入れやすくすることで、街の夜景観の向上・建物への付加価値の創造が可能になっております。

 特需事業におきましては、ユニットハウスを利用したスモーキングボックス及びオフグリッドハウスを開発し、レンタル事業者様に出荷を開始しております。

 建材事業に係る研究開発費は1,339百万円であります。

 

[形材外販]

 連結子会社の不二ライトメタル㈱において、2002年より研究開発をスタートしました次世代耐熱マグネシウム合金(KUMADAI 耐熱マグネシウム合金)はRIMCOF技術研究組合にて協同開発に成功しました航空機用マグネシウム合金を自動車等輸送機器への適用に向け邁進しております。

 難燃性マグネシウム合金は、高速鉄道の車両用素材開発を「革新的新構造材料等技術開発」にて進め、高速鉄道車両試験用構体による「鉄道車両構体における構造安全性確認試験(気密疲労試験)」が実施されました。

 医療デバイスの基材として期待されます生体吸収性マグネシウム合金は、素材作製から加工までの自社内一貫製造・供給(溶解・鋳造→押出→引抜)設備にて素材の製作を行い、研究機関および医療機器開発メーカーと共に医療デバイスの実用化推進を行ってまいります。

 形材外販事業に係る研究開発費は165百万円であります。

 

 当社グループの研究開発活動の責任部署である技術本部は、「ISO9001品質マネジメントシステム」での設計品質の管理、ならびに公的試験機関と同等の国際的にも認められる「ISO17025」を取得した試験所での性能証明と、高品質商品を提供しております。さらに、文化シヤッター㈱との共同開発で、防災・減災商品や、断熱性と防火性を両立させる環境配慮対応商品に加え、日射遮蔽、通風対応での熱負荷低減対応等サッシとシャッターの相互の専門分野を活用した商品など、開口部への新しい価値の提供を目指し研究を進めております。今後もさらに一層の品質向上を目指し、お客様にご満足のいただける商品を提供するとともに、環境に配慮した商品の研究開発に努めてまいります。