第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策や日銀による金融政策などを背景に企業収益や雇用環境の改善など穏やかながら回復傾向となり設備投資や輸出に持ち直しの動きがみられました。また、中国では各種政策効果により持ち直しの動きがありましたが、米国の経済政策の動向や地政学的なリスクの高まりなどで経済全体の先行きについては不透明な状況で推移しました。

 当社グループが関連いたします建設市場におきましては、公共投資は堅調に推移し、民間設備投資は労務費や材料費などの高騰の影響で、受注環境は厳しい状況で推移しました。

 また、住宅投資につきましては、金融緩和や政府による各種施策などの対策が継続的に行われておりますが、新設住宅着工戸数は全体として前年を下回る状況で推移しました。当社の受注先である戸建住宅も減少傾向で推移しており当社の受注環境は厳しい状況となりました。

 このような経営環境のもと当社グループは、当初売上目標達成と利益確保を最重要課題とした受注活動に取組んでまいりました。

 ビル設備部門におきましては、2020年のオリンピック・パラリンピックを控えて首都圏に於いて大型事務所ビル再開発案件やリニューアル案件など拡大傾向が続いておりますが本格的な受注には至らず、価格競争の激化もあり厳しい受注環境のなか、当社の主力製品であるダンパー・吹出口・VAVを含むシステム機器の販売を重点に営業活動を行ってまいりました。

 一方で住宅設備部門の新製品の全館空調システム、住宅用空調換気システム「Kankimaru」、ふく射冷暖房システム「クール暖」、IH調理器専用排気システム「スリムハイキⅡ」では、新規住宅着工戸数が減少傾向で推移するなか既存顧客の受注件数の増加や新規顧客の獲得を行い、前連結会計年度に比べ売上高が8億18百万円の増加となりました。

 グループ全体では当連結会計年度の売上高は88億27百万円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。

 売上高を主な製品別で見ますと、ビル設備部門のダンパー33億34百万円(前連結会計年度比0.8%増)、吹出口21億41百万円(前連結会計年度比14.0%減)、ファスユニット69百万円(前連結会計年度比72.6%増)、住宅設備部門の24時間換気システムなど20億65百万円(前連結会計年度比65.7%増)となりました。

 一方利益面におきましては、不採算案件の見直しや高付加価値製品の販売に重点をおいた営業活動で利益の確保を行ってまいりました。また、工場原材料の海外調達による変動費の抑制、労務費や製造経費の徹底したコスト削減、生産の能率アップにより製造原価の低減に寄与したことで、最終的には売上原価率は70.2%(前連結会計年度69.2%)となりました。

販売費及び一般管理費におきましては、現在全社挙げてのコスト削減を目指して毎月経費分析をおこなうとともに経費の低減活動をおこなってまいりました。

 その結果、営業利益は6億78百万円(前連結会計年度比18.4%増)、経常利益は7億13百万円(前連結会計年度比17.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億69百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。

 なお、当社グループは、空調・防災関連機器の製造販売並びにこれらに付帯する事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

   (2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前年同期に比べ2億41百万円減少し22億71百万円となりました。主な要因は次のとおりです。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の収入は前年同期と比較して7億41百万円減少して3億64百万円となりました。これは、主に売上債権及びたな卸資産並びに仕入債務の増加、法人税等の支払いによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の収支は前年度9億31百万円の支出でしたが当年度は5億1百万円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得及び投資有価証券の取得による支出によるものです。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の収支は前年度10百万円の支出でしたが当年度は1億8百万円の支出となりました。これは主に配当金の支払いによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループは、空調・防災関連機器の製造販売並びにこれらに付帯する事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況につきましては、セグメント別に代えて製品・商品区分別に記載しております。

(1) 生産実績

製品区分の名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

  金額(千円)

前年同期比(%)

ビル用

 

 

ダンパー

3,325,133

104.2

吹出口

2,223,635

89.9

ファスユニット

50,394

241.7

小計

5,599,162

98.5

住宅用

 

 

24時間換気システム

679,240

120.6

小計

679,240

120.6

合計

6,278,403

100.5

 (注)1.金額は、販売価格にて記載しております。

        2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

  (2) 商品仕入実績

製品区分の名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

  金額(千円)

前年同期比(%)

吹出口

 

 

(ガラリ、パンカー、その他)

2,209,122

142.3

小計

2,209,122

142.3

合計

2,209,122

142.3

 (注)1.金額は、仕入価格にて記載しております。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

(3)受注状況

 当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は、業務用においては受注生産方式であり、住宅用においては基本は見込み生産ですが、一部特注品については受注生産を行っております。

製品区分の名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 

 

ビル用

 

 

 

 

ダンパー

3,390,560

89.3

421,533

72.1

吹出口

3,003,476

90.9

422,069

131.8

ファスユニット

460,705

102.2

25,280

33.3

小計

6,854,742

90.8

868,882

88.6

住宅用

 

 

 

 

24時間換気システム等

2,065,467

165.7

小計

2,065,467

165.7

製品計

8,920,210

101.4

868,882

88.6

商品

 

 

 

 

吹出口

 

 

 

 

(ガラリ、パンカー、その他)

1,216,158

100.8

商品計

1,216,158

100.8

合計

10,136,369

101.3

868,882

88.6

 (注)1.金額は、販売価格にて記載しております。

     2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

 (4)販売実績

製品区分の名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

製品

 

 

ビル用

 

 

ダンパー

3,334,126

100.8

吹出口

2,141,714

86.0

ファスユニット

69,864

172.6

小計

5,545,705

95.0

住宅用

 

 

24時間換気システム等

2,065,467

165.7

小計

2,065,467

165.7

製品計

7,611,173

107.4

商品

 

 

吹出口

 

 

(ガラリ、パンカー、その他)

1,216,158

100.8

商品計

1,216,158

100.8

合計

8,827,332

106.4

 (注)1.金額は、販売価格にて記載しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

 

前連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

住友商事マシネックス㈱

   1,517,597

     18.3

   1,729,481

     19.6

3.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1.経営方針

 当社グループは「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類・社会の進歩発展に貢献すること」を経営の基本理念として掲げ「常にお客様を第一に考え、品質の満足のいく製品づくりを通じ、人にやさしい空気調和のシステムづくりに貢献すること」を基本方針としております。

2.目標とする経営指標

 当社グループは、売上高、営業利益、売上高営業利益率を重視する経営管理を行っております。

3.中期的な会社の経営戦略

 当社グループは、新製品の全館空調システム及び住宅用空調換気システム「Kankimaru」並びにふく射冷暖房システム「クール暖」の販売体制の充実を図り、主力製品のダンパー・吹出口と空調ユニットシステム、低炭素エコ素材「ル・エコ」や業務用厨房フード「ハイ・フード」の拡販と合わせ業績向上に邁進していく所存であります。

4.経営環境及び対処すべき課題等

 当社グループを取りまく事業環境は、今後も企業収益や雇用・所得環境の景気回復が期待され、設備投資についても改善が見込まれますが、米国の政策の経済的な影響、為替相場や原油価格の動向による原材料費の上昇など懸念材料もあり、先行きは依然として不透明な状況が続くものと予想されます。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、経営環境や経営課題の変化を柔軟に対応できるよう経営の質を充実させ、競争力と収益力を強化し、業績向上に邁進していく所存であります。

 そのための対処として、グループ経営力の強化、海外事業戦略の拡充、代理店販売店網の拡充と、当社の基幹製品のダンパー・吹出口生産において作業工数削減2.5%を目標に掲げるとともに、ISOの活動を通して“品質を作り込む”製品作りに取り組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(平成29年12月31日)において当社グループが判断したものであります。

(1)経済情勢・需要変動等に係るリスク

当社グループの製品需要は国内の経済情勢及び景気動向の影響を受けます。特に主要製品のダンパー及び吹出口は設備投資向けであるため、建設需要の動向、企業の設備投資動向の程度、並びに同業者間による受注獲得のための単価下落によって業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)売掛債権等の貸倒れリスク

当社グループは取引先の財務状態に応じた与信設定を行い、信用の状態を継続的に把握するなど、不良債権の発生防止に努めておりますが、取引先の売上等の動向によっては、売掛債権等の貸倒れのリスクが高まる可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)原材料輸入価格及び為替相場の変動リスク

当社グループの主要製品のうち吹出口の主材料はアルミであるため、アルミの国際相場の変動により仕入価格が変動する場合に業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの仕入価格の高騰を回避するため海外調達を実施しておりますが、外貨建ての取引のため為替相場の変動により、損益に影響を及ぼす可能性があります。

(4)海外での事業展開に係るリスク

当社グループでは海外事業展開を図っております。海外市場での事業には予期しない法律や規則の変更、経済的変更、社会的混乱等のリスクが存在するため、これらの事象が生じた場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5)製品の品質

当社グループでは製品に欠陥が生じないよう品質基準書をはじめとする品質の標準を定め生産を行っております。また、欠陥による損害賠償等が発生した場合に備え、生産物賠償責任保険に加入し業績への影響を最小限に抑える手段を講じております。しかし製品の欠陥によるクレームに対処すべく製品保証、補修工事などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループでは、新規技術開発と既存製品の改良・コストダウンを行い、受注拡大と収益性の改善に努めてまいりました。

 

(技術開発)

ビル用設備機器として研究施設等に用いられるドラフトチャンバー給排気システム用の高速VAV(角型)を開発し、2017年から販売を開始しました。高速動作と安定制御を実現できる新製品です。

住宅設備機器としては新型全熱交換器を開発中で、2018年から販売を開始します。

  従来品より熱交換効率をアップし、施工性、メンテナンス性を向上できる新製品です。

これらの製品により各種バリエーション対応が可能となり、今後の受注拡大が見込まれます。

 

(既存製品の改良・コストダウン)

  ビル用設備機器として一般空調用VAVの改良、ダンパーの連結金具改良、アネモ型・シンメトリー型・その他吹出口の工法改良等を行い、標準製品の改良とコストダウンを実現いたしました。

 

 その結果、次期の見通しとして、年間で約3百万円のコストダウンが可能になりました。

 

 研究開発活動の成果である新製品、新技術に関しては、産業財産権の取得を積極的に行い、経営資源として活用しております。当連結会計年度末の当社グループの産業財産権数は国内外で148件です。(出願済・権利有効の件数。期間満了・途中放棄は含まない。)

 なお、当連結会計年度の研究開発費は18百万円となっております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5〔経理の状況〕〔連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項〕」に記載のとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

①売上高

売上高は、前連結会計年度から5億34百万円増加し88億27百万円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。

これは主に、住宅製品の当社主力製品である24時間換気システム・新製品の全館空調システム等の製品販売が前連結会計年度から8億18百万円増加したことによるものであります。

②営業利益

売上総利益は、前連結会計年度から78百万円増加し26億30百万円となりました。また、売上高に対する売上原価の比率は前連結会計年度の69.2%から1ポイント増加し、70.2%となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から26百万円減少し19億52百万円となりました。以上の結果、営業利益は前連結会計年度から1億5百万円増加し、6億78百万円(前連結会計年度比18.4%増加)となりました。

③経常利益

営業利益が増加したこと等により、経常利益も前連結会計年度から1億8百万円増加し7億13百万円(前連結会計年度比17.8%増加)となりました。

④親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益は、7億6百万円と前連結会計年度に比べ20百万円の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は4億69百万円と前連結会計年度から31百万円の増加となりました。

 

(3) 財政状態に関する分析

 総資産は、前連結会計年度に比べ6億99百万円増加し、107億46百万円となりました。主として、受取手形及び売掛金並びに電子記録債権、建物及び構築物の増加、建設仮勘定の減少によるものです。

 負債は、前連結会計年度に比べ2億30百万円増加し、52億71百万円となりました。主として支払手形及び買掛金の増加、未払金及び未払法人税等の減少によるものです。

 純資産は、前連結会計年度に比べ4億69百万円増加し、54億74百万円となりました。主として利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加、配当金の支払いによるものです。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況につきましては「〔業績等の概要〕(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。