第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度における事業環境は、政府の景気対策の効果もあり、国内経済は緩やかな回復基調で推移したものの、海外景気の下振れリスクなど不透明感が継続いたしました。新設住宅着工におきましては、住宅取得マインドに力強さを欠くなか、企業間の価格競争は激しさを増し、依然として厳しい状況が続きました。

 このような状況のなかで、当社グループは、3カ年中期経営計画「The Next Stage 80 ~新たな挑戦~」の達成に向け、お客様への新たな価値の提供をめざした強固な事業基盤づくりに取り組みました。

 商品面では、安全・安心、快適、環境面からのニーズや生活スタイルの変化に対応した商品開発に取り組み、昨年7月に幅広で浴び心地の良い浴室用サーモスタット式水栓「オーバーヘッドシャワー」や、8月に美しいフォルムにこだわったキッチン用シングルレバー式シャワー付混合栓「グースネック水栓」、10月にはワンタッチで湯水の出し止めができる浴室用サーモスタット式水栓「楽ダス水栓」を市場に投入いたしました。

 営業面では、お客様との接点を拡げるため昨年4月に京滋出張所を新設、7月に鹿児島出張所を営業所に昇格させ、10月に静岡出張所、本年1月には千葉出張所を新設し、営業体制を「4支社15営業所5出張所」に拡充し、販売とアフターサービスの両面からより地域に根ざした営業活動を推し進めました。また、昨年7月には、お客様の視点に立ち札幌営業所を幹線道路沿いへ移転するとともに物流倉庫を併設し、北海道内全域に翌日配送できる物流体制を整備いたしました。

 生産面では、KPS(KVK Production System)活動を柱に、あらゆる無駄を排除し、コスト競争力の強化を推進いたしました。出荷に合わせて必要なモノをタイミングよくつくるため、受注から調達・生産・出荷・納品までの全工程のモノと情報の“見える化”を追求するとともに、グループ一丸となって国内外どこで生産・調達するのが最適かを常に把握しながら、為替・受注の変動に柔軟に対応できる最適生産体制づくりに取り組みました。また、本年1月より富加工場内において新樹脂めっき設備による量産を開始し工場の高付加価値化にも取り組んでおります。なお、昨年4月に着工した新砂型鋳造設備工事は本年10月の稼働をめざし順調に進んでおります。

 当連結会計年度の業績につきましては、上期の住宅市況の回復遅れが影響し、売上高は233億82百万円(前期比1.4%減)となりました。利益面につきましては、グループ一丸となってトータルのコスト管理を強化し、固定費・変動費の引き下げに努めた結果、営業利益は19億2百万円(前期比10.7%増)、経常利益は20億9百万円(前期比13.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は子会社の税務上の繰越欠損金の影響に伴う法人税負担の軽減などにより14億19百万円(前期比36.4%増)となりました。

 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、次に述べる売上高はセグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

 日本におきましては、新設住宅着工に関して住宅取得マインドに力強さを欠くなか、企業間の価格競争の影響で市況は厳しく、売上高は234億92百万円(前期比1.5%減)となりました。また、固定費・変動費の引下げに努めたものの売上高の減少により、営業利益は21億16百万円(前期比9.2%減)となりました。

 中国におきましては、日本向けの輸出売上が減少したことで、売上高は47億75百万円(前期比1.2%減)となりました。その一方で、販売価格の見直し及びコスト削減により、営業利益は3億77百万円(前期は1億39百万円の営業損失)となりました。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ1億73百万円減少し、37億13百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、20億59百万円の収入(前期比4億7百万円の収入減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益19億83百万円、減価償却費6億66百万円、法人税等の支払額4億97百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、18億30百万円の支出(前期比16億20百万円の支出増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出17億46百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、3億25百万円の支出(前期比1百万円の支出減)となりました。これは主に配当金の支払額2億95百万円によるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当社グループは、水栓金具専門メーカーとして、同一セグメントに属する水栓金具の製造、販売を行っているため、所在地別のセグメントを記載しております。

 当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

日本

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

中国

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

合計

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

単独水栓(千円)

1,114,710

1,742,892

2,857,602

湯水混合水栓(千円)

7,196,185

417,816

7,614,002

シャワー付湯水混合水栓(千円)

8,346,680

538,992

8,885,673

その他(千円)

3,315,348

192,100

3,507,449

合計(千円)

19,972,924

2,891,802

22,864,727

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注実績

 当社グループは、大部分の品目につき見込み生産を行っておりますので、記載を省略しております。

(3) 販売実績

 当社グループは、水栓金具専門メーカーとして、同一セグメントに属する水栓金具の製造、販売を行っているため、所在地別のセグメントを記載しております。

 当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

日本

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

中国

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

合計

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

単独水栓(千円)

2,693,824

2,825

2,696,650

湯水混合水栓(千円)

6,135,615

25,401

6,161,017

シャワー付湯水混合水栓(千円)

9,760,020

26,195

9,786,216

その他(千円)

4,725,942

12,713

4,738,655

合計(千円)

23,315,402

67,136

23,382,539

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

     2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先(日本)

前連結会計年度

  (自 平成26年4月1日

  至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

  (自 平成27年4月1日

  至 平成28年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

パナソニックエコソリューションズ住宅設備株式会社

3,038,315

12.8

2,948,989

12.6

    3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

 今後の見通しにつきましては、住宅ローン減税など住宅取得支援策による効果が期待されるものの、急激な為替・原材料価格の変動や4月中旬に発生した熊本地震の影響など先行き不透明な経営環境が予想されます。

 こうしたなか、当社グループは、中期経営計画の最終年度として持続的成長の実現に向け、“必要なモノを必要な時に必要なだけつくる”というマーケット・インの視点に立ち返り、過去の発想にとらわれない新しい諸施策を一つずつ着実に実行し、外部環境に左右されない筋肉質で小回りの利いた機敏かつ柔軟な経営体質づくりに挑戦し続けてまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月30日)現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢などによって影響を受ける可能性がある事業などのリスクはこれらに限られるものではありません。

(1) 経済動向による影響

 当社グループの営業収入の大部分は、国内需要に大きく影響を受けます。法律・制度の規制緩和や住宅政策の転換、金利動向などにより新築・リフォーム需要が大きく変動した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 競争の激化

 当業界における価格競争は、熾烈なものとなっています。当社グループは、市場ニーズにマッチした品質・機能・価格面において競争力を有する商品・サービスを市場投入できるメーカーであると考えておりますが、将来においても競争優位に展開できる保証はなく、激しい価格競争にさらされた場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 製品の欠陥

 当社グループは、品質管理基準に従い商品を製造しておりますが、全ての商品について欠陥がなく、将来においてリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。万一、大規模なリコールが発生した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 原材料価格の高騰

 当社グループは、銅合金などを使用した水栓金具を製造しております。素材価格の高騰から、材料価格が上昇傾向にあり、コスト削減・販売価格への転嫁などで吸収を図っておりますが、予想以上の素材価格高騰によっては、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 海外での事業活動

 当社グループは、中国においても事業活動を行っており、法律・規制や租税制度の変更、テロ・戦争・内乱などによる政治的社会的混乱や予期し得ない経済情勢の悪化により、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 為替レートの変動

 当社グループは、為替リスクを回避するため円建取引を原則としておりますが、中国における子会社で現地生産・現地販売による外貨建取引があり為替変動によっては、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 自然災害等

 当社グループは、製造ラインの中断による影響を最小化するために、生産設備などにおける定期的な災害防止点検を行っております。しかし、生産施設で発生する人的あるいは自然災害などによる影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。当社グループの工場は岐阜県(岐阜市・加茂郡・飛騨市)・中国大連と分散しているものの、当社グループを取り巻くサプライ・チェーンは中部地区に集中しており、当地方における大規模な地震やその他操業に影響する災害などが発生した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 減損会計

 当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用に伴い、今後の地価の動向や事業展開などに伴う減損損失の計上により、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 退職給付債務

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。このため、実際の金利水準の変動や年金資産の運用利回りが悪化した場合、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、給水栓・給排水金具・継手及び配管部材の製造及び販売を主事業とする専門メーカーとして、研究開発本部を中心に、水まわりにおける快適性・利便性・安全性等住環境の向上をめざし、多様化する市場ニーズに応える製品開発を行っております。

 子会社である大連北村閥門有限公司は、給水栓のうち主に単独水栓を製造し、大部分を親会社である当社へ輸出をしている関係から、子会社独自での研究開発活動は行っておりません。

 当連結会計年度における主な研究開発は以下の通りであります。

 キッチン用ではエレガントな曲線美と切替操作のし易いタンブラー式切替ボタンを採用したグーズネック水栓KM6061EC『eレバー』を発売すると共に、更に、その好評なデザインにセンサー機能を搭載したKM6071シリーズの開発を終えており今春発売致します。

 浴室用では独自の散水構造『eシャワー』で快適性を追求したオーバーヘッドシャワーKF3060シリーズを新たに発売しております。また、お子さまからお年寄りまでボタン操作で簡単に出し止めができる新開発の止水機構を採用したワンタッチ式サーモ水栓『楽ダス』KF3070シリーズを発売しました。

 さらに、洗面用では洗髪シャワー『eレバー』商品の品揃えを充実し、継手部材では、多様な施工に対応できるよう部材の品揃えを進めております。

 今後も市場の声に耳を傾け、安全・安心で「快適性」・「使用性」を追求した商品、新たな市場を目指した商品の研究開発を推し進めてまいります。

 住宅設備機器メーカー様向けとしては、お客様の商品見直しに伴う専用水栓として浴室用・キッチン用・洗面用合わせて11機種を市場投入しました。

 なお、当連結会計年度における研究開発費は3億70百万円であります。

 (※)『eレバー』『eシャワー』『楽ダス』はKVKの登録商標です。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

(1) 財政状態

 当連結会計年度における資産合計及び負債純資産合計は、以下の要因により、前連結会計年度末に比べ6億79百万円増加し、228億69百万円となりました。

① 資産について

 資産は、前連結会計年度末に比べ6億79百万円増加し、228億69百万円となりました。これは主に固定資産が10億40百万円増加した一方、たな卸資産が3億42百万円減少したことによります。

② 負債について

 負債は、前連結会計年度末に比べ76百万円減少し、65億59百万円となりました。これは主に仕入債務が1億44百万円減少した一方、設備関係支払手形が73百万円増加したことによります。

③ 純資産について

 純資産は、前連結会計年度末に比べ7億55百万円増加し、163億9百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の発生により利益剰余金が11億3百万円増加したことによります。

 

(2) 経営成績

① 売上高及び営業損益について

 当連結会計年度における事業環境は、政府の景気対策の効果もあり、国内経済は緩やかな回復基調で推移したものの、海外景気の下振れリスクなど不透明感が継続いたしました。新設住宅着工におきましては、住宅取得マインドに力強さを欠くなか、企業間の価格競争は激しさを増し、依然として厳しい状況が続きました。

 このような状況のなかで、当社グループは、3カ年中期経営計画「The Next Stage 80 ~新たな挑戦~」の達成に向け、お客様への新たな価値の提供をめざした強固な事業基盤づくりに取り組みました。

 商品面では、安全・安心、快適、環境面からのニーズや生活スタイルの変化に対応した商品開発に取り組み、昨年7月に幅広で浴び心地の良い浴室用サーモスタット式水栓「オーバーヘッドシャワー」や、8月に美しいフォルムにこだわったキッチン用シングルレバー式シャワー付混合栓「グースネック水栓」、10月にはワンタッチで湯水の出し止めができる浴室用サーモスタット式水栓「楽ダス水栓」を市場に投入いたしました。

 営業面では、お客様との接点を拡げるため昨年4月に京滋出張所を新設、7月に鹿児島出張所を営業所に昇格させ、10月に静岡出張所、本年1月には千葉出張所を新設し、営業体制を「4支社15営業所5出張所」に拡充し、販売とアフターサービスの両面からより地域に根ざした営業活動を推し進めました。また、昨年7月には、お客様の視点に立ち札幌営業所を幹線道路沿いへ移転するとともに物流倉庫を併設し、北海道内全域に翌日配送できる物流体制を整備いたしました。

 生産面では、KPS(KVK Production System)活動を柱に、あらゆる無駄を排除し、コスト競争力の強化を推進いたしました。出荷に合わせて必要なモノをタイミングよくつくるため、受注から調達・生産・出荷・納品までの全工程のモノと情報の“見える化”を追求するとともに、グループ一丸となって国内外どこで生産・調達するのが最適かを常に把握しながら、為替・受注の変動に柔軟に対応できる最適生産体制づくりに取り組みました。また、本年1月より富加工場内において新樹脂めっき設備による量産を開始し工場の高付加価値化にも取り組んでおります。なお、昨年4月に着工した新砂型鋳造設備工事は本年10月の稼働をめざし順調に進んでおります。

 当連結会計年度の業績につきましては、上期の住宅市況の回復遅れが影響し、売上高は233億82百万円(前期比1.4%減)となりました。利益面につきましては、グループ一丸となってトータルのコスト管理を強化し、固定費・変動費の引き下げに努めた結果、営業利益は19億2百万円(前期比10.7%増)となりました。

② 営業外収益(費用)

 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の45百万円の収益(純額)に対し、1億6百万円の収益(純額)となりました。これは主に受取賃貸料が29百万円、作業屑売却益が22百万円、為替差益が45百万円発生したことによります。

③ 特別利益(損失)

 特別利益(損失)は、前連結会計年度の48百万円の損失(純額)に対し、25百万円の損失(純額)となりました。これは主に固定資産除却損25百万円を計上したことによります。

④ 税金等調整前当期純損益

 税金等調整前当期純損益は、前連結会計年度の17億16百万円の利益に対し、19億83百万円の利益となりました。

⑤ 法人税等

 税金等調整前当期純利益に対する法人税等は、5億30百万円(前期は5億28百万円)となりましたが、税効果会計による法人税等調整額を34百万円計上したことにより、法人税等の合計は5億64百万円となりました。

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は、14億19百万円(前期比36.4%増)となりました。なお、1株当たりの当期純利益は86円52銭となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。