当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資が持ち直し、個人消費に底堅い動きが見られるなど、緩やかな回復基調が続きました。一方で資源価格の下落による新興国経済の減速と中国の内需主導への転換が図られる中、金融、資本市場の不安定な動向が世界経済に与える影響について不確実さが増すなど、不透明な状況が続きました。
このような状況の中、当社グループは、金属製品事業について、魅力ある製品群の充実を図り、新規に生産設備の導入を行うことにより生産性を向上させるとともに、技術開発力の強化に一層の努力を続けました。一方、お客様の満足度を高めるため、顧客ニーズを捉えた製品の提案に注力し、ブランドの強化や新規需要の創造に取組みながら、国内、輸出事業両輪でさらなる成長を図りました。
環境関連事業については、グループ全体での事業効率向上と収益力の強化を目的として、事業再編を行い、電力小売り自由化を控えて、競争基盤の強化と業務の効率化を推進してまいりました。なお、企業収益の安定化と環境への貢献を図るため、平成27年12月に太陽光による第3期発電所が稼働し電力供給を開始しました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比25.4%増の10,830百万円(前連結会計年度は、8,639百万円)となりました。また利益面につきましては、原材料や商品の仕入価格の上昇等による影響を受けましたが、販売体制の強化による売上高の増加と効率的な生産体制の推進及びコスト削減に努めた結果、営業利益は前連結会計年度比13.7%増の914百万円(前連結会計年度は、804百万円)、経常利益は前連結会計年度比11.0%増の824百万円(前連結会計年度は、742百万円)、当期純利益は前連結会計年度比17.0%増の534百万円(前連結会計年度は、457百万円)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
〔金属製品事業〕
作業工具では、交通インフラ整備などを伴なう首都圏の再開発需要が継続する中で、スムースな供給体制を整備し、既存製品と新製品の相乗的ミックスにより付加価値の高い製品開発に取組み、多面的な提案営業を展開した結果、国内販売は順調に推移いたしました。海外市場では、経済成長の減速により新興国での売上高は伸び悩みましたが、既存取引国向けでは堅調に推移いたしました。
産業機器では、宿泊施設の開発に伴なう建築物向け及び、高層建築物のメンテナンス向け製品への需要が安定したほか、工作機械市場には精密、半導体関連企業向け製品が堅調に推移し、また倉庫、物流業の整備と高度化の進展によりクレーン類の需要が継続し、売上髙は順調に推移いたしました。
これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.6%増の5,104百万円(前連結会計年度は、5,026百万円)、セグメント利益は前連結会計年度比2.3%増の1,083百万円(前連結会計年度は、1,059百万円)となりました。
〔環境関連事業〕
省エネ技術の活性化により、自然エネルギーの効率的な活用と制御が進むとともに、大規模事業所では太陽光発電所等の構築物の有効利用への関心が続き、また、中小規模事業所では消費税の増税が意識され、「無理をしない省エネ」の導入意欲が高まったことなどにより、売上高は順調に推移いたしました。
これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比58.6%増の5,729百万円(前連結会計年度は、3,613百万円)、セグメント利益は前連結会計年度比81.1%増の191百万円(前連結会計年度は、105百万円)となりました。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,544百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、税金等調整前当期純利益810百万円、たな卸資産の減少366百万円及び前渡金の減少164百万円等により資金の増加がありましたが、売上債権の増加312百万円等により、1,138百万円資金が増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、投資有価証券の売却による収入44百万円等により資金の増加がありましたが、有形固定資産の取得による支出148百万円等により、82百万円資金が減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、長期借入れによる収入300百万円等により資金の増加がありましたが、長期借入金の返済による支出540百万円、短期借入金の減少521百万円及び配当金の支払額187百万円等により、949百万円資金が減少となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
金属製品事業 | 4,707,917 | +1.0 |
環境関連事業 | - | - |
合計 | 4,707,917 | +1.0 |
(注) 1 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 環境関連事業における生産はありません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) |
金属製品事業 | 298,974 | △17.4 |
環境関連事業 | 4,641,046 | +23.3 |
消去 | △2,774 | - |
合計 | 4,937,247 | +19.6 |
(注) 1 各セグメントの金額にはセグメント間取引を含んでおります。
2 金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
金属製品事業 | 5,104,659 | +1.6 |
環境関連事業 | 5,729,506 | +58.6 |
消去 | △3,177 | - |
合計 | 10,830,988 | +25.4 |
(注) 1 各セグメントの金額にはセグメント間取引を含んでおります。
2 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
JFEプラントエンジ㈱ | 1,113,570 | 12.9 | 3,244,289 | 30.0 |
㈱エイワット | 1,398,656 | 16.2 | 1,369,022 | 12.6 |
トラスコ中山㈱ | 1,221,865 | 14.1 | 1,254,139 | 11.6 |
㈱山善 | 1,011,715 | 11.7 | 1,084,577 | 10.0 |
㈱オノマシン | 875,770 | 10.1 | 918,401 | 8.5 |
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4 平成28年4月1日付でJFE電制㈱は、JFEメカニカル㈱と合併し、JFEプラントエンジ㈱として社名変更しております。
次期の見通しにつきましては、企業業績の底堅い伸長を背景として、個人消費の回復が期待されますが、為替や資源価格の低迷による関係国経済の下振れの影響など、引き続き不透明な事業環境が続くと見込まれます。
このような状況の中、当社グループは、お客様第一に顧客満足度を高める方針のもと、さまざまな事業環境に対応し、ユーザー視点で製品の高付加価値化に取組み、また、新規生産設備の更なる導入等により中長期的に原価低減活動を行い、より安全で作業効率性の高い製品開発に傾注してまいります。また、お客様を第一に考えた組織体制を再構築することにより、当社ブランド価値の向上に努力してまいります。
主要事業である金属製品事業については、国内市場において、事業環境の変化に対応した機能的な製品開発を追求した新製品を導入できるよう努力するとともに、既存製品の刷新による新たな価値への転換を進め、収益基盤の強化を進めてまいります。また、都市再開発等のための大規模改修に対応した製品を効果的に投入するため、基礎技術の蓄積を重ね、高機能化と製品力の強化に取組んでまいります。海外市場では、新興国では成長力の減速感が見られますが、日本製品の信頼性、高付加価値力を訴求しながら、製品の拡販と新規取引先の獲得活動を展開してまいります。
環境関連事業については、太陽光による再生可能エネルギーの買取価格が年々引下げられる中、当社グループは、従来の太陽光モジュールの卸売に加え、設置・施工を含めた太陽光システム販売に事業領域を広げることにより付加価値の高い事業に転換してまいります。また、太陽光以外の再生可能エネルギーに対する取組みについても、今後、積極的に推し進めてまいります。このように太陽光発電を含む再生可能エネルギーに係る周辺機器の個性的なユニット型提案を展開するとともに、施工部門との連携を深化しながら、お客様の省電力化への取組みへの本格化を受けた顧客満足度の高い受注の拡大を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの主要な市場である国及び地域の経済環境の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの主要な市場である国内、アジア及びヨーロッパ等の市場において、景気後退により個人消費や設備投資が減少した場合、製商品需要の減少や価格競争の激化が進展する可能性があり、売上高や収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
生産効率の向上等により徹底したコストダウンに努めていますが、需給関係の動向等で鋼材、その他原材料価格が上昇した場合、製造コストが上昇し経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品は、徹底した品質管理のもと生産しておりますが、万一製品に品質上の問題が生じた場合、損害賠償の発生や製品品質への信頼の低下等が業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、不測の事態に備え製造物賠償責任保険に加入しております。
火災等による事故や災害による損害を防止するため、設備点検の実施、安全装置、消火設備等安全対策を実施していますが、これらの施策にかかわらず事故や地震等の自然災害が起こった場合、生産能力の低下による販売への影響や、生産設備修復のための多額の支出が発生する可能性があります。
当社グループは、貿易取引において外貨建て決済を行うこと等に伴い、外国為替相場の変動によるリスクを有しており、この外国為替相場の変動は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これらの取引に対し、先物為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、これにより完全に為替相場の変動によるリスクが回避される保証はありません。
当社グループは、国又は地方公共団体が支援する住宅用太陽光発電導入支援補助金の制度、エネルギー環境負荷低減推進設備の取得等による特別償却又は税額控除の税制優遇措置、電力取引の売電価格の変動等の政府の施策より、太陽光パネル等を使用するエンドユーザーの太陽光発電システムの導入意欲に変化が生じた場合、環境関連事業の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要な販売先のうち、連結財務諸表の売上高に占める割合が10%を超える販売先は下表のとおりであり、特定販売先への依存度が高い状況にあります。これらの販売先との関係は現在良好であると認識しておりますが、同社の経営施策や取引方針の変更により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
顧客の名称 | 第54期 | 第55期 | 第56期 | |||
売上高(千円) | 売上高割合(%) | 売上高(千円) | 売上高割合(%) | 売上高(千円) | 売上高割合(%) | |
JFEプラントエンジ㈱ | 2,754,726 | 30.5 | 1,113,570 | 12.9 | 3,244,289 | 30.0 |
㈱エイワット | 1,047,272 | 11.6 | 1,398,656 | 16.2 | 1,369,022 | 12.6 |
トラスコ中山㈱ | 1,097,436 | 12.1 | 1,221,865 | 14.1 | 1,254,139 | 11.6 |
㈱山善 | 979,029 | 10.8 | 1,011,715 | 11.7 | 1,084,577 | 10.0 |
㈱オノマシン | 830,878 | 9.2 | 875,770 | 10.1 | 918,401 | 8.5 |
※平成28年4月1日付でJFE電制㈱は、JFEメカニカル㈱と合併し、JFEプラントエンジ㈱として社名変更しております。
太陽光パネル等の仕入及び販売を、環境関連事業として当社グループの主たる事業セグメントとしておりますが、この事業については、大手企業を含む多くの企業が事業展開しているため、競合各社との競争は大変厳しいものがあります。今後、競合各社との価格競争が激しくなった場合や、他企業の新規参入等により競争が更に激化した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、平成27年7月27日開催の取締役会におきまして、当社の100%連結子会社であるYHS株式会社と、YHS株式会社の100%子会社(当社の孫会社)である株式会社スーパーツールECOの合併を決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係) 共通支配下の取引等」に記載のとおりであります。
当社グループは、一般作業工具、治工具類及び吊クランプ、クレーンなどの荷役運搬用省力機器を主要製品として、土木建設業界、鉄鋼業界、造船業界、電子機器業界など、各産業界の生産拠点において、作業効率と生産性の向上に貢献しております。また、これまでの生産技術、研究開発活動の蓄積により、安定した品質と幅広い領域の製品を提供するとともに、新技術の開発、研究開発の効率化に取組んでまいりました。
当連結会計年度の研究開発活動のうち金属製品事業につきましては、建築物の補修改修やインフラ整備事業向けのほか、ストック型社会への価値観の変化を捉えた住宅リノベーション市場の拡大に向けて、製品開発を展開し、市場へ投入しております。
主な新製品としましては、「スクリューカムクランプ・ダブルアイ型」は、H型鋼などで横吊りを行う際に、作業者の自然な作業動作によりねじ締め込み等の作業効率が向上し、また視認性が高まったことにより、安全確実な作業が可能になりました。また、「スクリューサポート・ロングストロークタイプ」は、 独立したストローク調整用ねじを搭載した3段構成のおねじ式とすることで、加工対象物を傷つけにくい構造となり、また、位置決め、微調整作業が軽減するとともに、幅広いサイズに対応することができます。
配管用工具類では、「インパクトドライバ対応型フレアリングツール」は、電動インパクトドライバに対応したフレア作業により、一般的な手作業と比較して能率的な加工作業が可能になり、作業者の負担を大幅に軽減することができます。また、ダブルクラッチ機構を採用することにより、過付加・戻し過ぎを防止する安全設計になっています。
環境関連につきましては、社内に単結晶太陽光パネルを使用した発電設備(25キロワット/H)及び多結晶太陽光パネルを使用した発電設備(20キロワット/H)をそれぞれ設置し発電環境と発電量、太陽光パネルの精度、発電能力等の研究・検証を継続しております。
このほか、新しい分野の製品開発を行うとともに、ユーザーからの提案、要望を検討し、使いやすくて効率性の良い製品の開発、リニューアルを行っております。
以上の活動により、当連結会計年度の研究開発費の総額は69,681千円となりました。
なお、その他においては、特記すべき事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度比0.7%減の11,447百万円(前連結会計年度は、11,530百万円)、となり前連結会計年度末に比べ82百万円減少しました。
この主な要因は、流動資産では、商品及び製品の減少410百万円、前渡金の減少164百万円、現金及び預金の増加106百万円、受取手形及び売掛金の増加337百万円であり、固定資産では、投資有価証券の減少65百万円及び有形固定資産の増加121百万円であります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度比12.5%減の3,639百万円(前連結会計年度は、4,158百万円)となり前連結会計年度末に比べ518百万円減少しました。
この主な要因は、流動負債では、短期借入金の減少480百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少116百万円、未払法人税等の増加162百万円及び未払金の増加119百万円、固定負債では、長期借入金の減少123百万円及び再評価に係る繰延税金負債の減少112百万円であります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度比5.9%増の7,808百万円(前連結会計年度は、7,372百万円)となり前連結会計年度末に比べ436百万円増加しました。
この主な要因は、利益剰余金の増加347百万円、土地再評価差額金の増加112百万円及び繰延ヘッジ損益の減少22百万円であります。
セグメントごとの状況につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,544百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社製品製造のための材料及び部品の購入費、その他の製造費用、販売費及び一般管理費、連結子会社が環境関連商品を仕入れるための購入費等の営業費用によるものであります。