当連結会計年度におけるわが国経済は、生産性の向上を目的とした省力化投資の進展と海外市場の需要の底堅さを背景に、国内製造業では緩やかな回復基調が続きました。一方、資源価格の持ち直しにより、新興国においては電力、交通などのインフラ事業が進み、米国経済も順調に推移しましたが、政情不安、財閥系の不振に揺れる韓国や、地政学的リスクや不良債権問題を抱える欧州では不透明な経済状況が続きました。
このような状況の中、当社グループは、金属製品事業について、生産リードタイムの改善と生産工程の最適化を図りながら、より魅力的な価値を備えた新製品を開発し、また、多くのユーザーニーズに応えるため東部物流センター(さいたま市)を開設するなど積極的な先行投資を行い、物流の効率化に努めてまいりました。
環境関連事業については、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の改正、入札制度の開始を控えて、発電事業者はメガソーラーの新設には慎重な姿勢ですが、自家消費へ向かう条件が整うことから、創蓄連携だけでなく、総合的な提案の充実に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比25.3%減の8,086百万円(前連結会計年度は、10,830百万円)となりました。また利益面につきましては、販売・流通体制の強化と効率的な生産体制の推進及びコスト削減に努めましたが、東部物流センター開設の先行投資、原材料や商品の仕入価格の上昇による影響などにより、営業利益は前連結会計年度比13.9%減の787百万円(前連結会計年度は、914百万円)、経常利益は前連結会計年度比14.8%減の702百万円(前連結会計年度は、824百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比13.3%減の463百万円(前連結会計年度は、534百万円)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
〔金属製品事業〕
作業工具では、国内市場において、中核都市での市街地再開発やインフラ整備に資する受注が続くとともに、
観光・宿泊施設の大規模リニューアル需要が高まっておりますが、慢性的な労働需給の逼迫により事業の進捗に遅れが見られました。一方、海外市場では、アジア新興国市場で積極的な開拓を進めましたが、韓国経済の低迷や、一部の地域では資源安の影響を受けた投資活動の停滞と不安定な為替の影響もあり、売上高は前年並みに推移いたしました。
産業機器では、防災・減災の取り組みが多くの建設分野で進み、資材の運搬需要を捉えた吊りクランプ類の受注が順調に推移するとともに、老朽化設備の更新や補助金による工作機械の需要に伴い治工具類が堅調に推移しました。また、東部物流センター(さいたま市)内に治具ブロック製品の在庫スペースを確保し、当該製品の拡販に注力いたしました。
これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比0.1%増の5,108百万円(前連結会計年度は、5,104百万円)、セグメント利益は前連結会計年度比1.1%減の1,071百万円(前連結会計年度は、1,083百万円)となりました。
〔環境関連事業〕
事業用では、制度改正による厳しい事業環境のなか、系統接続の条件が恵まれた物件に最適な提案を行いながら、設置コストや運用面で利点がある水上設置型の施工を推進してまいりました。また、売電事業では、大阪府内にある3カ所の発電所が安定的に稼働し、収益の安定化に寄与いたしました。
これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比48.0%減の2,977百万円(前連結会計年度は、5,729百万円)、セグメント利益は前連結会計年度比53.8%減の88百万円(前連結会計年度は、191百万円)となりました。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,575百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、税金等調整前当期純利益702百万円、売上債権の減少638百万円、仕入債務の増加269百万円及び減価償却費191百万円等により資金の増加がありましたが、法人税等の支払額333百万円等により、1,596百万円資金が増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、有形固定資産の取得による支出490百万円等により、490百万円資金が減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、長期借入れによる収入600百万円等により資金の増加がありましたが、長期借入金の返済による支出465百万円、配当金の支払額187百万円及び短期借入金の減少20百万円等により、72百万円資金が減少となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
金属製品事業 |
4,650,066 |
△1.2 |
|
環境関連事業 |
- |
- |
|
合計 |
4,650,066 |
△1.2 |
(注) 1 金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
2 環境関連事業における生産はありません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
金属製品事業 |
274,697 |
△8.1 |
|
環境関連事業 |
1,912,962 |
△58.8 |
|
合計 |
2,187,660 |
△55.7 |
(注) 1 各セグメントの金額にはセグメント間取引を含んでおります。
2 金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
金属製品事業 |
5,108,596 |
+0.1 |
|
環境関連事業 |
2,977,462 |
△48.0 |
|
合計 |
8,086,059 |
△25.3 |
(注) 1 各セグメントの金額にはセグメント間取引を含んでおります。
2 主な相手先別の販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
トラスコ中山㈱ |
1,254,139 |
11.6 |
1,302,288 |
16.1 |
|
JFEプラントエンジ㈱ |
3,244,289 |
30.0 |
1,183,102 |
14.6 |
|
㈱山善 |
1,084,577 |
10.0 |
1,104,294 |
13.7 |
|
㈱オノマシン |
918,401 |
8.5 |
837,313 |
10.4 |
|
㈱エイワット |
1,369,022 |
12.6 |
677,058 |
8.4 |
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
次期の見通しにつきましては、内外需要の順調な拡大を背景として、個人消費の回復が期待されますが、欧州で予定される選挙を巡る政治情勢や米国の通商政策の影響など、引き続き不透明な事業環境が続くと見込まれます。
このような状況の中、当社グループは、お客様第一に顧客満足度を高める方針のもと、さまざまな事業環境に対応し、ユーザー視点で製品の高付加価値化に取り組み、また、省力化により、生産性を向上させるとともに中長期的に原価低減活動を行い、より安全で作業効率性の高い製品開発に傾注し、企業価値の向上に努力してまいります。
主要事業である金属製品事業につきましては、国内市場では、IOT時代に対応した無線通信によるトルク管理や、国内最大のメモリ数、防滴機能など多彩な機能を備えたデジタルトルクレンチといった新製品など顧客ニーズに沿った魅力的な製品の企画開発力を強化するとともに、新規販路の開拓や製造コストの低減努力を継続して、収益基盤の強化を進めてまいります。また、再開発による都市機能の変化に対応して、需要に応じた製品を投入するため、技術力の向上と更なる迅速な供給体制の強化に取り組んでまいります。海外市場では、政情不安に端を発した韓国経済の低迷が依然として続いておりますが、韓国を含めたアジア諸国、資源国、経済新興国の再成長に伴って、日本製品の優位性を訴求した市場のてこ入れと製品の拡販および新規取引先の獲得活動を展開してまいります。
環境関連事業につきましては、大阪府河南町及び柏原市に設置した3ヵ所の発電所は順調に稼働しており、収益の安定化に寄与しておりますが、環境関連事業を取り巻く環境は、厳しさを増しております。この環境関連事業に加え、当社グループのさらなる発展のための新規事業にも取組む方針であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの主要な市場である国及び地域の経済環境の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの主要な市場である国内、アジア及びヨーロッパ等の市場において、景気後退により個人消費や設備投資が減少した場合、製商品需要の減少や価格競争の激化が進展する可能性があり、売上高や収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
生産効率の向上等により徹底したコストダウンに努めていますが、需給関係の動向等で鋼材、その他原材料価格が上昇した場合、製造コストが上昇し経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品は、徹底した品質管理のもと生産しておりますが、万一製品に品質上の問題が生じた場合、損害賠償の発生や製品品質への信頼の低下等が業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、不測の事態に備え製造物賠償責任保険に加入しております。
火災等による事故や災害による損害を防止するため、設備点検の実施、安全装置、消火設備等安全対策を実施していますが、これらの施策にかかわらず事故や地震等の自然災害が起こった場合、生産能力の低下による販売への影響や、生産設備修復のための多額の支出が発生する可能性があります。
当社グループは、貿易取引において外貨建て決済を行うこと等に伴い、外国為替相場の変動によるリスクを有しており、この外国為替相場の変動は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これらの取引に対し、先物為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、これにより完全に為替相場の変動によるリスクが回避される保証はありません。
当社グループは、国又は地方公共団体が支援する住宅用太陽光発電導入支援補助金の制度、エネルギー環境負荷低減推進設備の取得等による特別償却又は税額控除の税制優遇措置、電力取引の売電価格の変動等の政府の施策より、太陽光パネル等を使用するエンドユーザーの太陽光発電システムの導入意欲に変化が生じた場合、環境関連事業の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要な販売先のうち、連結財務諸表の売上高に占める割合が10%を超える販売先は下表のとおりであり、特定販売先への依存度が高い状況にあります。これらの販売先との関係は現在良好であると認識しておりますが、同社の経営施策や取引方針の変更により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
|
顧客の名称 |
第55期 |
第56期 |
第57期 |
|||
|
売上高(千円) |
売上高割合(%) |
売上高(千円) |
売上高割合(%) |
売上高(千円) |
売上高割合(%) |
|
|
トラスコ中山㈱ |
1,221,865 |
14.1 |
1,254,139 |
11.6 |
1,302,288 |
16.1 |
|
JFEプラントエンジ㈱ |
1,113,570 |
12.9 |
3,244,289 |
30.0 |
1,183,102 |
14.6 |
|
㈱山善 |
1,011,715 |
11.7 |
1,084,577 |
10.0 |
1,104,294 |
13.7 |
|
㈱オノマシン |
875,770 |
10.1 |
918,401 |
8.5 |
837,313 |
10.4 |
|
㈱エイワット |
1,398,656 |
16.2 |
1,369,022 |
12.6 |
677,058 |
8.4 |
太陽光パネル等の仕入及び販売を、環境関連事業として当社グループの主たる事業セグメントとしておりますが、この事業については、大手企業を含む多くの企業が事業展開しているため、競合各社との競争は大変厳しいものがあります。今後、競合各社との価格競争が激しくなった場合や、他企業の新規参入等により競争が更に激化した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、一般作業工具、治工具類及び吊クランプ、クレーンなどの荷役運搬用省力機器を主要製品として、土木建設業界、鉄鋼業界、造船業界、電子機器業界など、各産業界の生産拠点において、作業効率と生産性の向上に貢献しております。また、これまでの生産技術、研究開発活動の蓄積により、安定した品質と幅広い領域の製品を提供するとともに、新技術の開発、研究開発の効率化に取組んでまいりました。
当連結会計年度の研究開発活動のうち金属製品事業につきましては、建築物の補修改修やインフラ整備事業向けのほか、ストック型社会への価値観の変化を捉えた住宅リノベーション市場の拡大に向けて、製品開発を展開し、市場へ投入しております。
主な新製品としましては、「スクリューカムクランプ・シングルアイ型」は、ねじ式吊クランプのラインアップを拡大するもので、H型鋼、平鋼板などを横吊りする際に、固定作業時にワークとの干渉をなくすとともに、作業者に負担のかからない姿勢でのねじ締め込み作業を可能にします。
配管用工具類では、「パイプ溶接用外面クランプ」は、パイプ材を溶接する際に使用し、早送り機構の搭載により素早く固定作業ができます。またワークとの接触部分にステンレス材を採用しているので、鉄およびステンレス配管に適応しています。また、「溶接用マルチクランプ」は、配管類の溶接作業時に仮固定するクランプで、付属アダプタを使用することで、パイプ材だけでなく、平板、四角断面、L型断面など多種類のワークに対応します。また、早締め用のハンドルを設けるとともにねじ頭部を六角形状にしており、レンチ等で確実な固定ができます。
環境関連につきましては、社内に単結晶太陽光パネルを使用した発電設備(25キロワット/H)及び多結晶太陽光パネルを使用した発電設備(20キロワット/H)をそれぞれ設置し発電環境と発電量、太陽光パネルの精度、発電能力等の研究・検証を継続しております。
このほか、新しい分野の製品開発を行うとともに、ユーザーからの提案、要望を検討し、使いやすくて効率性の良い製品の開発、リニューアルを行っております。
以上の活動により、当連結会計年度の研究開発費の総額は68,529千円となりました。
なお、その他においては、特記すべき事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度比5.2%増の12,038百万円(前連結会計年度は、11,447百万円)となり前連結会計年度末に比べ591百万円増加しました。
この主な要因は、流動資産では、現金及び預金の増加1,030百万円、仕掛品の増加227百万円、商品及び製品の減少264百万円及び受取手形及び売掛金の減少638百万円であり、固定資産では、有形固定資産の増加173百万円及び投資有価証券の増加43百万円であります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度比5.5%増の3,839百万円(前連結会計年度は、3,639百万円)となり前連結会計年度末に比べ200百万円増加しました。
この主な要因は、流動負債では、支払手形及び買掛金の増加269百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少84百万円及び未払金の減少151百万円、固定負債では、長期借入金の増加219百万円、再評価に係る繰延税金負債の減少54百万円及び繰延税金負債の減少48百万円であります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度比5.0%増の8,199百万円(前連結会計年度は、7,808百万円)となり前連結会計年度末に比べ390百万円増加しました。
この主な要因は、利益剰余金の増加276百万円、土地再評価差額金の増加54百万円及びその他有価証券評価差額金の増加32百万円であります。
セグメントごとの状況につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,575百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社製品製造のための材料及び部品の購入費、その他の製造費用、販売費及び一般管理費、連結子会社が環境関連商品を仕入れるための購入費等の営業費用によるものであります。