(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用・所得環境の改善によって家計部門が牽引する緩やかな景気拡大基調が続き、欧州でも堅調な個人消費が景気を下支えしていますが、中国経済減速、原油等資源価格下落、米国利上げによって、新興国経済は景気減速・自国通貨下落等、多大な影響を受けています。一方、わが国経済は、個人消費が弱含む中、回復基調にあった企業業績も年明けから急速に進行した円高によって下振れしており、景気回復への踊り場局面が依然続いています。
このような状況の下、当社グループは、海外生産の増強、グローバル市場での販売拡大、国内住宅関連市場の占有率拡大や非住宅関連市場の開拓などを目指し、戦略的な製品開発、生産、営業活動を展開いたしました。国内における売上は、主に住宅関連刃物などが前年同期から減少となりました。一方、海外での売上も、東南アジア市場、欧州市場向けなどが減少し、当連結会計年度における売上高は182億9千4百万円(前年同期比1.2%減)となりました。
利益面につきましては、利益率の良い一部の製品売上が減少したことに加え、日本及び中国での売上原価率上昇などが影響し、営業利益は14億2千万円(前年同期比26.7%減)となりました。経常利益は、急激な円高などにより為替差損2億8千3百万円を計上したことから11億5千2百万円(前年同期比45.8%減)となり、また、特別損失で固定資産除却損5千1百万円などを計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は6億8千4百万円(前年同期比48.0%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 日本
海外では金属切断用丸鋸が増加したものの、国内では住宅関連刃物が総じて減少したことなどにより、売上高は147億7千5百万円(前年同期比1.2%減)となり、営業利益は利益率の良い一部の製品売上が減少したことに加え、設備投資増加などにより売上原価率が上昇したことなどから5億3千7百万円(前年同期比26.7%減)となりました。
② インドネシア
木工関連刃物などが増加し、売上高は32億7千5百万円(前年同期比7.5%増)となりました。利益面では売上増と生産性向上などにより売上原価率が低下し、営業利益は4億1千5百万円(前年同期比9.9%増)となりました。
③ 米国
自動車関連刃物などが減少し、売上高は14億2千3百万円(前年同期比5.5%減)となり、営業利益は1億3千1百万円(前年同期比25.2%減)となりました。
④ 欧州
現地通貨ユーロ建て売上では増加したものの円換算額では減少となり、売上高は17億2千9百万円(前年同期比2.5%減)、営業利益は1億7千万円(前年同期比3.7%減)となりました。
⑤ 中国
木工関連刃物が減少したことなどにより、売上高は21億5千1百万円(前年同期比11.0%減)となり、生産性悪化などにより売上原価率が上昇し、営業利益は1億7千4百万円(前年同期比42.2%減)となりました。
なお、セグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。
また、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億9千5百万円減少し、当連結会計年度末には31億9千1百万円(前年同期比17.9%減)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は31億6千9百万円(前年同期比359.5%増)となりました。これは主に、仕入債務の減少で1億1百万円の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益が11億1百万円となり、減価償却費で14億1千万円の増加要因があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は33億5千3百万円(前年同期比164.6%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出で30億3千2百万円の支出があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3億9千6百万円(前年同期比90.0%増)となりました。これは、配当金の支払額であります。
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(千円) |
11,979,555 |
91.4 |
|
インドネシア(千円) |
2,668,288 |
97.9 |
|
米国(千円) |
19,998 |
95.4 |
|
欧州(千円) |
― |
― |
|
中国(千円) |
1,553,246 |
88.3 |
|
報告セグメント計(千円) |
16,221,089 |
92.1 |
|
その他(千円) |
― |
― |
|
合計(千円) |
16,221,089 |
92.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
日本(千円) |
11,233,333 |
96.7 |
904,654 |
82.2 |
|
インドネシア(千円) |
2,576,364 |
92.0 |
344,133 |
77.4 |
|
米国(千円) |
1,412,090 |
95.7 |
49,744 |
81.0 |
|
欧州(千円) |
1,753,196 |
92.8 |
510,967 |
105.0 |
|
中国(千円) |
1,006,410 |
97.5 |
54,774 |
76.4 |
|
報告セグメント計(千円) |
17,981,394 |
95.6 |
1,864,274 |
86.1 |
|
その他(千円) |
12,192 |
104.2 |
― |
― |
|
合計(千円) |
17,993,586 |
95.6 |
1,864,274 |
86.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(千円) |
11,429,545 |
98.8 |
|
インドネシア(千円) |
2,676,593 |
102.1 |
|
米国(千円) |
1,423,744 |
94.5 |
|
欧州(千円) |
1,728,932 |
97.5 |
|
中国(千円) |
1,023,312 |
97.9 |
|
報告セグメント計(千円) |
18,282,128 |
98.8 |
|
その他(千円) |
12,192 |
104.2 |
|
合計(千円) |
18,294,320 |
98.8 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当するものがないため記載を省略してお
ります。
次期の経済見通しにつきましては、世界経済は、米国・欧州など先進国は比較的底堅く推移すると見られますが、中国経済減速とその影響を大きく受ける新興国経済は先行き不透明な状況が当面続くものと予想されます。一方わが国経済も個人消費の伸び悩みや円高進行による企業景況感悪化など、引き続き予断を許さない状況にあります。
このような状況の中で、当社グループはさらなるグローバル展開を積極的に推進し、海外生産・売上の拡大を図るとともに、グループ全体での製造原価低減などによる収益体質の改善を継続的に進め、基本方針『世界トップメーカーへの飛躍と責務』に基づき、次のような課題に積極的に取り組んでまいります。
① 事業部、営業部及びマーケティング室との協業体制のもと、戦略的なマーケティングを継続的に実施して、グローバル市場での販売を拡大する。
② 顧客ニーズに合致した高QCDモノづくりの実現とコスト競争力強化のため、本社工場と海外生産拠点との最適分業体制を推進する。
③ 顧客における加工品質とトータルコストを重視した、独創的な新製品及び関連する製造技術を開発する。
④ マネジメント能力と行動力あるグローバル人材の開発と育成を行う。
有価証券報告書に記載しました事業活動その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものでありますが、本記載は将来発生しうるすべてのリスクを必ずしも網羅したものではありません。
(1) 為替相場の変動によるリスク
当社グループは、販売・生産などの活動をグローバルに推進しており、海外取引は今後も拡大が見込まれますが、海外取引及び外貨建資産・負債については、米ドル・ユーロなど各通貨と日本円との為替相場変動の影響を受けております。また、当社グループは海外に4社の連結子会社を有しており、当社連結財務諸表において、海外連結子会社の外貨建財務諸表金額は換算時の為替レートにより円換算されるため、同様に為替相場変動の影響を受けております。
当社グループでは、為替予約等を実施することで為替相場変動によるリスクの軽減を図っておりますが、これにより当該リスクを回避できるものではなく、為替相場が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料価格の変動による影響について
当社グループの製品は、鋼材や超硬合金等を原材料として使用しておりますが、これら原材料の価格は、需給バランスや市況の変化等により変動する可能性があります。原材料価格が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 経済環境の変化による影響について
当社グループの製品は、木材加工、金属加工、製紙・紙工等の広範囲な産業分野で使用されております。売上構成では、日本国内の木材加工を中心とした住宅関連業界に対するウエイトが高い状況にありますが、金属加工における自動車関連業界に対するウエイトも高くなってきております。このため、日本国内における新設住宅着工戸数の変動やグローバル市場における自動車生産量の変動は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 海外活動に潜在するリスクについて
当社グループの事業は、インドネシア、中国、インド、ブラジル及びメキシコにも展開しており、これらの海外各国では次のようなリスクがあり、そのため、これらの事象が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
① 社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループ活動への影響
② 不利な政治的又は経済的要因の発生
③ 人材の採用・確保及び労務管理の難しさ
④ 戦争、暴動、その他の要因による社会的混乱
(5) 法的規制等について
当社グループは、国内及び事業展開している各国の法的規制、例えば、事業・投資の許認可、関税・輸出入規制等の適用を受けております。また、将来において、現在予期し得ない法的規制、租税制度の変更等の可能性があります。これらの法的規制等により、当社グループの事業活動が制限されると予測される場合には、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 環境保護について
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けております。また、将来環境に関する規制や社会的要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任が追加される可能性があります。当社では、ISO14001の認証を取得するなどして環境に配慮した事業活動を展開しておりますが、過去、現在及び将来の当社グループの事業活動に関して、環境に関する法的、社会的責任を負う事態が発生した場合には、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 自然災害によるリスクについて
当社グループの生産拠点のうち、国内は当社の本社工場(愛知県丹羽郡大口町)1ヵ所に生産設備が集中しており、将来発生が予想されている東海及び東南海地震等の災害により大きな被害を受ける可能性があります。当社グループは、インドネシア及び中国に生産拠点を置き、一部の製品については現地生産によりリスク分散を行っていますが、大規模な災害が発生した場合は、生産活動が一時的に滞り、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
該当する事項はありません。
当社グループはグローバルな市場で高度なものづくりに対応するため、切削加工における「長寿命化」「高精度化」「低騒音化」などの市場ニーズを解決する高付加価値工具及び周辺技術の研究開発を行っています。主な活動は、当社テクニカルセンター内の研究開発部において実施しており、主要課題として地球環境に優しい環境配慮型新製品を重点に「各種表面処理技術の研究」「工具材料として希少金属の有効利用」「差別化新製品の開発と製品群の拡充」「新規市場分野向け高精度工具開発及び製造技術の研究」などを中心に研究開発し、グローバルに製品販売しています。
当連結会計年度の主な成果としましては、精密刃具類では当社独自のロー付け及び高精度刃付け技術により他社よりダイヤを高精度に多数配列することで、アルミダイキャスト製自動車部品などを平滑で高速に加工できる「カッタタイプ多刃ダイヤフェイスミル」を開発いたしました。また、プラスチックの原料であるペレットと呼ばれる粒状小片を長寿命で安定して製造するために使用される刃物である「ペレタイザー用回転刃」を開発いたしました。さらに、米国やオセアニア各地で木材の縦継接合用として古くから用いられている工具に特殊表面処理することで従来と同じ使い勝手でランニングコストを大幅に低減した「New勾玉式フィガーカッター」を開発しました。丸鋸類では、木質ボードの切断に使用される最高品質で安定して長寿命な「スーパーボードプロⅢ」を開発しました。また、製材やムク木材の小割り市場で丸鋸の振動模様やナイフマークの少ない切断面品質を実現することで高い製材品質や後工程を省略又は低減できる「SF-Saw HVタイプ」を開発しました。本製品はポートメッセなごやで開催された2015年日本木工機械展において「技術優秀賞」を受賞いたしました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は2億6千万円となっております。
当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1) 重要な会計方針等
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
(2) 財政状態
当社グループは、事業活動のための資金確保と健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
資金面につきましては、業績等の概要で述べましたように、営業活動の結果得られた現金及び現金同等物(以下資金という。)は、31億6千9百万円となり、投資活動では有形固定資産の取得などにより、投資活動の結果使用した資金は33億5千3百万円、財務活動の結果使用した資金は3億9千6百万円となったことから、当連結会計年度末(以下「当期末」という。)における資金は前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べ6億9千5百万円の減少となりました。
バランスシートにつきましては、以下に連結貸借対照表の各項目ごとに要点を述べさせていただきます。
① 資産
当期末の総資産は、前期末比5億1千2百万円増加して270億6千7百万円となりました。流動資産は同11億5千7百万円減少の132億4千3百万円、固定資産は同16億7千万円増加の138億2千3百万円となりました。
流動資産減少の主な要因は、現金及び預金が前期末比6億9千5百万円、商品及び製品が同3千8百万円、仕掛品が同2千1百万円、未収還付法人税等が同2億6千2百万円、その他が同1億6千5百万円、それぞれ減少したことなどによります。
固定資産増加の主な要因は、有形固定資産で建物及び構築物が同6億4百万円、機械装置及び運搬具が同8億6百万円、それぞれ増加したことなどによります。
② 負債
当期末の負債の合計は、前期末比2億8千8百万円増加して53億6千5百万円となりました。流動負債は同2億9千1百万円増加の45億6千8百万円、固定負債は同4百万円減少の7億9千7百万円となりました。
流動負債増加の主な要因は、未払法人税等が前期末比1億6千6百万円増加したことなどによります。
③ 純資産
当期末の純資産は、前期末比2億2千4百万円増加して217億1百万円となりました。この主な要因は、その他の包括利益累計額が6千4百万円減少したものの、利益剰余金が2億8千8百万円増加したことなどによります。
なお、自己資本比率は前期末の80.9%から80.2%となり、1株当たり純資産額は前期末の1,545円05銭から1,561円19銭となりました。
(3) 経営成績
当連結会計年度(以下「当期」という。)の世界経済は、米国では雇用・所得環境の改善によって家計部門が牽引する緩やかな景気拡大基調が続き、欧州でも堅調な個人消費が景気を下支えしていますが、中国経済減速、原油等資源価格下落、米国利上げによって、新興国経済は景気減速・自国通貨下落等、多大な影響を受けています。一方、わが国経済は、個人消費が弱含む中、回復基調にあった企業業績も年明けから急速に進行した円高によって下振れしており、景気回復への踊り場局面が依然続いています。
当社グループの海外の売上は、東南アジア市場、欧州市場向けなどが減少したことから、前連結会計年度(以下「前期」という。)に比べ1.6%減の85億8百万円となりました。一方、国内の売上は、主に住宅関連刃物などが前年同期から減少したことから、前期比0.9%減の97億8千5百万円となりました。これらの結果、当期の売上高は前期比2億3千万円減少の182億9千4百万円となり、海外売上高比率は前期の46.7%から当期46.5%となりました。
売上原価は、設備投資増加や利益率の良い一部の製品売上が減少したことなどから、売上原価率は前期の65.9%から当期68.0%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比3千7百万円増加の44億2千4百万円となりました。人件費が2千1百万円減少し、経費が5千8百万円増加しております。
以上の結果、営業利益は前期比5億1千8百万円減少の14億2千万円となりました。
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は2億6千8百万円の費用計上となりましたが、これは主に為替差損2億8千3百万円を計上したことなどによります。
以上の結果、経常利益は前期比9億7千4百万円減少の11億5千2百万円となりました。
特別利益から特別損失を差し引いた純額は5千万円の費用計上となりましたが、これは主に固定資産除却損で5千1百万円を費用計上したことなどによります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前期比9億2千7百万円減少の11億1百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比6億3千2百万円減少の6億8千4百万円となりました。
なお、1株当たり当期純利益金額は、前期94円76銭から当期49円24銭となりました。