第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、以下の企業理念を掲げております。

私たちは、一人一人がプロフェッショナルとして、刃物の先を見つめ、新しい価値を創造し、世界のものづくりに貢献します。

基本方針

1. 私たちは、お客様の視点に立ち、信頼される技術とサービスを提供します。

2. 私たちは、わが社にしかできない、世界に通用する仕事に挑戦します。

3. 私たちは、共に働く仲間を尊重し、力を合せ、誇りを持てる会社を目指します。

 

この企業理念にしたがい、「一人一人がプロフェッショナル」を自覚し、「刃物の先」として、刃物の命である刃先、提供する刃物の先に存在するお客様、切削技術の未来を見つめ、研究開発、技術開発につとめ、高付加価値の製品づくりで「新しい価値を創造」し、「世界の兼房」を目指して「世界のものづくりに貢献」することを基本方針としております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、収益性を重視してまいります。その指標としましては、10%以上の連結売上高営業利益率の継続的な実現を目指しております。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大や、米中貿易摩擦の長期化など、先行きの見通しを更に難しくしています。当社グループを取り巻く経営環境においても不安定な世界情勢を背景に、先行き需要の急激な減速も懸念されます。しかし、工業用機械刃物は、住宅、家具等の木製品から、紙製品、自動車や航空機、電子部品などの金属、樹脂、新素材製品に至るあらゆる分野の工業生産に必要なツールとして、短期的な事象に左右されず、当社グループは長期的な視点に立った経営を続けてまいります。

このような状況のもと、さらなるグローバル展開を積極的に推進し、海外生産・売上の拡大を図るとともに、グループ全体での製造原価低減などによる収益体質の改善を継続的に進め、次のような課題に積極的に取り組んでまいります。

① 事業部、営業部及びマーケティング室との協業体制のもと、自動車、住宅関連、鋼管、製紙関連などを重点推進分野として、グローバル市場での販売を拡大する。

② IT基盤を整備し、社内のIT人材の地道な育成を図るとともに、収益力向上を進める。

③ 基礎技術開発により中長期的な利益貢献を目指すとともに、既存コア技術活用により新規成長産業における新製品の事業化を図る。

④ 製造部門改革により、生産性向上や製造リードタイム短縮を進め、コストダウンと業務のスピードアップを図る。

⑤ 次世代リーダー、グローバル人材、海外ローカルスタッフなど、当社グループの核となるべき人材育成を図り、企業活力の向上により持続的な成長を目指す。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、本記載は将来発生しうるすべてのリスクを必ずしも網羅したものではありません。

(1) 経済状況について

 当社グループは、事業を日本、インドネシア、米国、欧州、中国、インド、ブラジル、メキシコ、ベトナムに展開しております。連結売上高に占める海外売上高の割合は、当連結会計年度においては45.0%、前連結会計年度においては46.8%となっており、日本経済だけでなく、関係会社が存在する地域における経済動向の悪化により需要が低下した場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 販売状況について

 当社グループの製品は、木材加工、金属加工、製紙・紙工等の広範囲な産業分野で使用されております。売上構成では、木材加工を中心とした住宅関連業界に対するウエイトが高い状況にありますが、金属加工における自動車関連業界に対するウエイトも高まってきております。このため、日本国内における新設住宅着工戸数の変動やグローバル市場における自動車業界の生産及び販売動向により、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(3) カントリーリスクについて

 当社グループは、海外諸国において事業活動を行っております。これらの国において、戦争・テロ・暴動・その他の要因による社会的混乱、労働法制・労働環境の相違による労働争議の発生、法的規制、租税制度の予期せぬ変更等により当社グループの業績への影響が懸念されます。また、グループ会社間における取引価格については、日本および相手国の移転価格税制など国際税務を順守するよう注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違等により追加課税が発生し、当社グループ業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 為替相場の変動によるリスク

 当社グループは、販売・生産などの活動をグローバルに推進しており、海外取引は今後も拡大が見込まれますが、海外取引及び外貨建資産・負債については、米ドル・ユーロなど各通貨と日本円との為替相場変動の影響を受けております。また、当社グループは海外に9社の連結子会社を有しており、当社連結財務諸表において、海外連結子会社の外貨建財務諸表金額は換算時の為替レートにより円換算されるため、同様に為替相場変動の影響を受けております。

 当社グループでは、為替予約等を実施することで為替相場変動によるリスクの軽減を図っておりますが、これにより当該リスクを回避できるものではなく、為替相場が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 原材料価格の変動による影響について

 当社グループの製品は、鋼材や超硬合金等を原材料として使用しておりますが、これら原材料の価格は、需給バランスや市況の変化等により変動する可能性があります。原材料価格が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 棚卸資産の評価について

 当社グループは、国内及び海外において顧客の様々な需要に対応していることから、顧客の仕様に合わせた受注生産を主としており製品の種類は多岐にわたっております。当社グループは棚卸資産の適切な管理を行っておりますが、正味売却価格と取得原価を比較して正味売却価格が取得原価を下回っている場合、また、営業循環過程から外れた滞留等の棚卸資産については規則的に帳簿価格を切り下げる評価減を実施する事としており、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 環境保護について

 当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けております。また、将来環境に関する規制や社会的要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任が追加される可能性があります。当社では、ISO14001の認証を取得するなどして環境に配慮した事業活動を展開しておりますが、過去、現在及び将来の当社グループの事業活動に関して、環境に関する法的、社会的責任を負う事態が発生した場合には、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 自然災害、感染症の流行によるリスクについて

 当社グループの生産拠点のうち、国内は当社の本社工場(愛知県丹羽郡大口町)1ヵ所のみであり、将来発生が予想されている東海及び東南海地震等の災害により大きな被害を受ける可能性があります。また、感染症が世界的に大流行した場合は販売及び生産活動が阻害される可能性があります。当社グループは、インドネシア、中国、ベトナムに生産拠点を設けてリスク分散を行っており、サプライチェーンへの影響に対応しておりますが、大規模な災害や世界的な感染症が発生した場合は事業活動が滞り、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 現在、世界的に感染が拡大している新型コロナウイルスへの対応としまして、当社グループは従業員の体調管理をはじめ感染の原因とされている「密閉・密集・密接」への環境対策も行っており、企業活動の停滞を最小限とすべく対処しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米国・欧州など先進国経済に支えられ底堅く推移したものの、中国では米中貿易摩擦の長期化による景気減速が続き、その影響を受けるその他新興国も成長が鈍化しました。更に年度終盤での新型コロナウイルスパンデミックは世界的な経済活動の停滞を招いています。一方、わが国経済は、輸出の減少で製造業の景況感が弱含み、消費税増税以降個人消費にも落ち込みが見られた中で、国内のウイルス感染も拡大しており、企業を取り巻く経営環境は急激に悪化しています。

このような状況の下、当社グループは、海外生産の増強、グローバル市場での販売拡大、国内住宅関連市場の占有率拡大や非住宅関連市場の開拓などを目指し、戦略的な製品開発、生産、営業活動を展開しました。

なお、当連結会計年度の経営成績に与える新型コロナウイルスの影響は僅少となっておりますが、当社グループにおいても短期的に受注・生産・販売ともに厳しい環境を予想せざるを得ない状況となっております。また、中長期においても新型コロナウイルス感染症が収束せず世界的な経済活動の停滞が続く場合には、当社グループの事業活動が滞り、財政状態及び経営成績に影響があると見込まれます。

しかし、当社グループが取り扱う工業用機械刃物は、住宅、家具等の木製品から紙製品、自動車や航空機、電子部品などの金属、樹脂、新素材製品に至るあらゆる分野の工業生産に必要なツールであり、1分野の景気動向に左右されにくい事業特色を有しており、関係する分野の景況、稼働状況に応じ積極的な対応をしてまいります。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末における流動資産は132億7千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億8千3百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が12億7千万円減少し、受取手形及び売掛金が3億9千7百万円減少したことなどによるものであります。固定資産は149億4千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億3千2百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が12億9千8百万円増加したことによるものであります。
  この結果、総資産は、282億2千万円となり、前連結会計年度末に比べ3億5千万円減少いたしました。

(負債合計)

当連結会計年度末における流動負債は37億9千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億7千1百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が7億4千1百万円減少したことによるものであります。固定負債は6億7千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ1千5百万円増加いたしました。
  この結果、負債合計は、44億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億5千5百万円減少いたしました。

(純資産合計)

当連結会計年度末における純資産合計は237億4千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億4百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が3億5千2百万円増加したことによるものであります。
  この結果、自己資本比率は84.1%(前連結会計年度末は82.4%)となりました。

 

b. 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、国内における売上は、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに前年同期から減少しました。一方、海外での売上は、欧州・米国・中国各市場向けが減少し、当連結会計年度の売上高は189億8千4百万円(前年同期比6.1%減)となりました。
 利益面につきましては、採算性の良い製品売上の減少が影響し、営業利益は13億9千1百万円(前年同期比
28.0%減)となりました。経常利益は、為替差損1億6千万円を計上したことなどから12億5千1百万円(前年同期比35.4%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は7億8千万円(前年同期比43.5%減)となりました。

セグメントごとの経営成績の概要は、次のとおりであります。

(日本)

国内向けでは、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに減少し、海外向けでは自動車関連刃物が増加したもの住宅関連刃物が減少し、売上高は159億9千1百万円(前年同期比3.0%減)、営業利益は9億7千7百万円(前年同期比19.5%減)となりました。

(インドネシア)

製紙関連刃物などが減少したことから、売上高は30億5千1百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は2億5千万円(前年同期比16.8%減)となりました。

(米国)

自動車関連刃物および鋼管関連刃物などが減少したことから、売上高は13億7千1百万円(前年同期比17.7%減)、営業利益は8千1百万円(前年同期比15.6%減)となりました。

(欧州)

自動車関連刃物および紙工関連刃物などが減少したことから、売上高は19億2千5百万円(前年同期比11.4%減)、営業利益は1億8百万円(前年同期比34.1%減)となりました。

(中国)

自動車関連刃物および紙工関連刃物などが減少したことから、売上高は20億2千7百万円(前年同期比
6.3%減)となりましたが、営業利益は増値税引き下げなどにより売上原価率が改善したことから、1億2百万円(前年同期比14.6%増)となりました。

なお、セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億6千3百万円減少し、当連結会計年度末には31億4百万円(前年同期比28.9%減)となりました。
 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は22億4千3百万円(前年同期比1.6%減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益12億1百万円、減価償却費16億7千8百万円、売上債権の減少3億6千8百万円であります。支出の主な内訳は、たな卸資産の増加3億5千1百万円、法人税等の支払額6億6千8百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は29億8千8百万円(前年同期比23.8%増)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出29億8百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は4億6千8百万円(前年同期比49.2%増)となりました。これは、主として配当金の支払額4億1千万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

12,866,857

96.4

インドネシア(千円)

2,805,857

100.3

米国(千円)

16,859

81.4

欧州(千円)

中国(千円)

1,548,771

100.2

報告セグメント計(千円)

17,238,346

97.3

その他(千円)

41,324

197.5

合計(千円)

17,279,671

97.4

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本(千円)

11,105,361

87.4

1,152,687

63.9

インドネシア(千円)

1,918,789

83.2

221,606

63.4

米国(千円)

1,458,350

84.1

219,739

165.7

欧州(千円)

1,034,839

39.8

264,617

22.9

中国(千円)

853,623

77.9

63,368

32.6

報告セグメント計(千円)

16,370,965

80.1

1,922,019

52.9

その他(千円)

501,869

47.4

154,086

36.3

合計(千円)

16,872,834

78.5

2,076,105

51.1

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

11,756,829

96.4

インドネシア(千円)

2,046,880

91.2

米国(千円)

1,371,240

82.3

欧州(千円)

1,925,041

88.6

中国(千円)

984,589

89.5

報告セグメント計(千円)

18,084,580

93.3

その他(千円)

899,570

108.9

合計(千円)

18,984,151

93.9

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当するものがないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、国内における売上は、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに前年同期から減少しました。一方、海外での売上は、欧州・米国・中国各市場向けが減少し、当連結会計年度の売上高は189億8千4百万円(前年同期比6.1%減)となりました。

製品区分別売上高においては、平刃類では製紙関連刃物や紙工関連刃物が減少したことなどにより、売上高は58億1百万円(前年同期比5.8%減)となりました。精密刃具類では金属関連刃物が増加したものの、木工関連刃物が減少したことなどにより、売上高は40億8千3百万円(前年同期比3.5%減)となり、丸鋸類では自動車関連刃物が減少し、売上高は88億5千8百万円(前年同期比7.3%減)となりました。また、商品の売上高は2億4千1百万円(前年同期比7.3%減)となりました。

売上原価は、前連結会計年度に比べ6億6千万円減少の127億2千7百万円となりましたが、売上原価率は前連結会計年度の66.3%から当連結会計年度67.0%となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2千2百万円減少の48億6千5百万円となりました。人件費が前連結会計年度に比べ1千6百万円増加、経費が3千8百万円減少しております。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ5億3千9百万円減少の13億9千1百万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度の9.6%から当連結会計年度7.3%となりました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は13千9百万円の費用計上となりました。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ6億8千7百万円減少の12億5千1百万円となりました。

特別利益から特別損失を差し引いた純額は5千万円の費用計上となりましたが、これは固定資産除却損3千8百万円を計上したことなどによります。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ8億6百万円減少の12億1百万円となり、法人税等は前連結会計年度に比べ2億5百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ6億円減少の7億8千万円となりました。

なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度99円35銭から当連結会計年度56円13銭となりました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因として、経済状況、販売状況、カントリーリスク、為替相場の変動、原材料価格の変動、棚卸資産の評価、環境保護、自然災害、感染症の流行によるリスク等があります。当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(日本)

売上高は、国内向けでは、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに減少し、海外向けでは自動車関連刃物が増加したものの住宅関連刃物が減少し、前年同期比3.0%減の159億9千1百万円となりました。

セグメント利益(営業利益ベース、以下同じ。)は、前年同期比19.5%減の9億7千7百万円となりました。

セグメント資産は、現金及び預金や売掛金などが減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ5億2千6百万円減少の247億9千万円となりました

(インドネシア)

売上高は、製紙関連刃物などが減少したことから、前年同期比1.4%減の30億5千1百万円となりました。

セグメント利益は、前年同期比16.8%減の2億5千万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億8千7百万円増加の39億7千7百万円となりました。

(米国)

売上高は、自動車関連刃物および鋼管関連刃物などが減少したことから、前年同期比17.7%減の13億7千1百万円となりました。

セグメント利益は、前年同期比15.6%減の8千1百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ9千万円減少の9億3千2百万円となりました。

(欧州)

売上高は、自動車関連刃物および紙工関連刃物などが減少したことから、前年同期比11.4%減の19億2千5百万円となりました。

セグメント利益は、前年同期比34.1%減の1億8百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1千万円減少の9億3千2百万円となりました。

(中国)

売上高は、自動車関連刃物および紙工関連刃物などが減少したことから、前年同期比6.3%減の20億2千7百万円となりました。

セグメント利益は、前年同期比14.6%増の1億2百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億2千万円増加の25億3千7百万円となりました。

(その他)

報告セグメントに含まれないその他の地域・事業を「その他」として区分しており、売上高は前年同期比11.0%増の9億1千8百万円、セグメント損失は5千1百万円、セグメント資産は前連結会計年度末に比べ12億7千9百万円増加の25億2千3百万円となりました。

なお、セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。当連結会計年度では総額で29億1千6百万円の設備投資を実施したことなどから、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ12億6千3百万円減少の31億4百万円の状況であります。

当連結会計年度末現在における重要な設備の新設等に係る今後の設備投資では、主に生産設備の更新・合理化などを計画しておりますが、その所要資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり当連結会計年度末における資産、負債の金額並びに当連結会計年度における収益、費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りが必要となりますが、当社グループは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う事業への影響は、当社グループにおいても短期的に受注・生産・販売ともに厳しい環境を予想せざるを得ない状況が見込まれるものの、2021年3月期第2四半期以降から年度末にかけて需要は徐々に回復していくものと仮定し、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、会計上の見積りを行っております。結果として、当連結会計年度末及び翌連結会計年度以降の連結財務諸表に及ぼす重要な影響はないものと判断しております。

当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当する事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループはグローバルな市場で高度なものづくりに対応するため、切削加工における「長寿命化」「高精度化」「低騒音化」などの市場ニーズを解決する高付加価値工具及び周辺技術の研究開発を行っております。主な活動は、当社テクニカルセンターにおいて実施しており、主要課題として地球環境に優しい環境配慮型新製品を重点に「各種表面処理技術の研究」「工具材料として希少金属の有効利用」「差別化新製品の開発と製品群の拡充」「新規市場分野向け高精度工具開発及び製造技術の研究」などを中心に研究開発し、グローバルに製品販売しております。

当連結会計年度の主な成果としましては、アルミ合金の穴仕上げ加工に用いる「マイクロ3Dブレーカ付きPCDリーマ」を開発いたしました。PCDリーマとは刃先に多結晶ダイヤモンド(PCD)をろう付けした工具で、自動車産業で多く使われています。アルミ合金製自動車部品のリーマ加工では、切りくずが工具へ巻き付くことや、部品の洗浄後にも切りくずが残留するなど、切りくずの制御不良による課題がありました。そこで、PCDの刃先に形成するチップブレーカの形状を最適化することで、切りくずを効果的に分断することができる新しいチップブレーカを開発しました。メカトロテックジャパン2019において正式に発売開始し、ユーザーにおける切りくずに関わる課題の解決や生産性の向上が確認できています。近年、当社が新規開拓として取組みを強化している自動車産業における高精度工具の売り上げ拡大を図ります。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は296百万円となっております。