第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、以下の企業理念を掲げております。

私たちは、一人一人がプロフェッショナルとして、刃物の先を見つめ、新しい価値を創造し、世界のものづくりに貢献します。

基本方針

1. 私たちは、お客様の視点に立ち、信頼される技術とサービスを提供します。

2. 私たちは、わが社にしかできない、世界に通用する仕事に挑戦します。

3. 私たちは、共に働く仲間を尊重し、力を合せ、誇りを持てる会社を目指します。

 

この企業理念にしたがい、「一人一人がプロフェッショナル」を自覚し、「刃物の先」として、刃物の命である刃先、提供する刃物の先に存在するお客様、切削技術の未来を見つめ、研究開発、技術開発につとめ、高付加価値の製品づくりで「新しい価値を創造」し、「世界の兼房」を目指して「世界のものづくりに貢献」することを基本方針としております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、収益性を重視してまいります。その指標としましては、10%以上の連結売上高営業利益率の継続的な実現を目指しております。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

次期の経済見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種率の増加により、各国の経済活動の正常化が期待されるものの、ウイルス変異株の感染拡大による経済への影響や米中通商問題など、依然として先行きが不透明な状況となっております。

このような状況のもと、当社は、2020年度から2022年度までの中期経営計画において、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代を見据え、IoT や AI などのデジタル技術を活用した生産性向上、業務効率化を進めております。また、中期ビジョンとして「デジタルカルチャーの変革による企業体質強化」を掲げ、新たなビジネスモデルの創造とビジネスプロセスの変革を目指してまいります。

具体的な重点戦略は、次のとおりであります。

① 工場の自働化・省人化・IoT・AI 推進と営業・間接部門のデジタル化

✓「コスト低減 ⇔ 生産性向上 ⇔ 人員減少 ⇔ 技能伝承」のバランスを考慮しつつ、IoT・AI などデジタ

ル技術導入により、製造工程の自働化・省人化を進める。

✓「スピード、タイムリー」を念頭に、各種 IT ツールを活用した生産性向上と業務効率化を実現させ、

「働き方改革」「労働力不足」といった課題にも対応する。

② タイリング事業(摩擦を低減させる技術を活用した新規事業)

✓ユーザーでの基礎検証あるいは実機検証を積極的に実施し、事業化のスピードアップ。

③ 新技術・新製品開発

✓SDGs を見据えた顧客の「省エネ・長寿命・歩留まり向上・不良率削減・高能率加工による生産性向上」

に寄与する新技術・新製品開発。

④ 製造4拠点(日本・中国・インドネシア・ベトナム)の生産分業

✓稼働が本格化したベトナム生産子会社の能力増強など、世界最適生産分業の確立。

⑤ 人財戦略

✓デジタル技術を使いこなせる人財・グローバル人財・次世代リーダーの育成や、ダイバーシティを意識

した環境整備。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、本記載は将来発生しうるすべてのリスクを必ずしも網羅したものではありません。

(1) 経済状況について

 当社グループは、事業を日本、インドネシア、米国、欧州、中国、インド、ブラジル、メキシコ、ベトナムに展開しております。連結売上高に占める海外売上高の割合は、当連結会計年度においては43.3%、前連結会計年度においては45.0%となっており、日本経済だけでなく、関係会社が存在する地域における経済動向の悪化により需要が低下した場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 販売状況について

 当社グループの製品は、木材加工、金属加工、製紙・紙工等の広範囲な産業分野で使用されております。売上構成では、木材加工を中心とした住宅関連業界に対するウエイトが高い状況にありますが、金属加工における自動車関連業界に対するウエイトも高まってきております。このため、日本国内における新設住宅着工戸数の変動やグローバル市場における自動車業界の生産及び販売動向により、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(3) カントリーリスクについて

 当社グループは、海外諸国において事業活動を行っております。これらの国において、戦争・テロ・暴動・その他の要因による社会的混乱、労働法制・労働環境の相違による労働争議の発生、法的規制、租税制度の予期せぬ変更等により当社グループの業績への影響が懸念されます。また、グループ会社間における取引価格については、日本及び相手国の移転価格税制など国際税務を順守するよう注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違等により追加課税が発生し、当社グループ業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 為替相場の変動によるリスク

 当社グループは、販売・生産などの活動をグローバルに推進しており、海外取引は今後も拡大が見込まれますが、海外取引及び外貨建資産・負債については、米ドル・ユーロなど各通貨と日本円との為替相場変動の影響を受けております。また、当社グループは海外に9社の連結子会社を有しており、当社連結財務諸表において、海外連結子会社の外貨建財務諸表金額は換算時の為替レートにより円換算されるため、同様に為替相場変動の影響を受けております。

 当社グループでは、為替予約等を実施することで為替相場変動によるリスクの軽減を図っておりますが、これにより当該リスクを回避できるものではなく、為替相場が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 原材料価格の変動による影響について

 当社グループの製品は、鋼材や超硬合金等を原材料として使用しておりますが、これら原材料の価格は、需給バランスや市況の変化等により変動する可能性があります。原材料価格が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 会計上の見積りについて

 当社グループは、財務諸表の作成にあたり会計上の見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、金額の見直しや実際の結果と異なる場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う当連結会計年度の会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

棚卸資産の評価

 当社グループは、国内及び海外において顧客の様々な需要に対応していることから、顧客の仕様に合わせた受注生産を主としており製品の種類は多岐にわたっております。当社グループは棚卸資産の適切な管理を行っておりますが、正味売却価格と取得原価を比較して正味売却価格が取得原価を下回っている場合、また、営業循環過程から外れた滞留等の棚卸資産については規則的に帳簿価額を切り下げる評価減を実施する事としており、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、課税所得の将来の見積額や一時差異等のスケジューリングの結果に基づき繰延税金資産を計上しております。今後、経営環境の悪化等により課税所得の見積りを減額された場合等には、繰延税金資産を取り崩す必要が生じ、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 環境保護について

 当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けております。また、将来環境に関する規制や社会的要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任が追加される可能性があります。当社では、ISO14001の認証を取得するなどして環境に配慮した事業活動を展開しておりますが、過去、現在及び将来の当社グループの事業活動に関して、環境に関する法的、社会的責任を負う事態が発生した場合には、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 自然災害、感染症の流行によるリスクについて

 当社グループの生産拠点のうち、国内は当社の本社工場(愛知県丹羽郡大口町)1ヵ所のみであり、将来発生が予想されている東海及び東南海地震等の災害により大きな被害を受ける可能性があります。また、感染症が世界的に大流行した場合は販売及び生産活動が阻害される可能性があります。当社グループは、インドネシア、中国、ベトナムに生産拠点を設けてリスク分散を行っており、サプライチェーンへの影響に対応しておりますが、大規模な災害や世界的な感染症が発生した場合は事業活動が滞り、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、回復の兆しが見られるものの、新型コロナウイルス感染症の拡大が経済活動に大きな影響を及ぼし、一年を通して先行き不透明な状況が続きました。また、わが国経済におきましても、年度後半に経済活動の自粛から、感染拡大の防止策を講じつつ段階的に活動を引き上げておりましたが、回復は緩やかなものにとどまりました。

中国経済の回復や各国の各種政策の下支えなどにより、世界経済は回復基調にありますが、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せず、景気の先行きは依然として不透明な状況が続くと思われます。

当社グループにおいて、企業活動が制限された状況の下、生産性の維持、お客様とのWeb会議の開催、また、一部の顧客への訪問再開など営業活動に取り組み、年度後半は復調傾向にありましたが、第2四半期までの落ち込みが影響し前年同期を大きく下回る結果となりました。

今後、新型コロナウイルス感染症が収束せず世界的な経済活動の停滞が続く場合には、当社グループの事業活動が滞り、財政状態及び経営成績に影響があると見込まれますが、当社グループが取り扱う工業用機械刃物は、住宅、家具等の木製品から紙製品、自動車や航空機、電子部品などの金属、樹脂、新素材製品に至るあらゆる分野の工業生産に必要なツールであり、1分野の景気動向に左右されにくい事業特色を有しており、関係する分野の景況、稼働状況に応じ積極的な対応をしてまいります。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末における流動資産は139億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億2千5百万円増加いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が6億3千7百万円減少したものの、現金及び預金が18億1千8百万円増加したことなどによるものであります。固定資産は136億1千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億2千7百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が13億2千5百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は、275億1千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億2百万円減少いたしました。

(負債合計)

当連結会計年度末における流動負債は30億4千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億4千8百万円減少いたしました。これは主に未払金が5億6千万円減少したことによるものであります。固定負債は8億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億2千5百万円増加いたしました。これは主に、環境対策引当金が5千5百万円減少したものの、繰延税金負債が1億7千6百万円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は、38億5千万円となり、前連結会計年度末に比べ6億2千2百万円減少いたしました。

(純資産合計)

当連結会計年度末における純資産合計は236億6千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ7千9百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金が2億3千3百万円増加したものの、為替換算調整勘定が3億7千1百万円減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は86.0%(前連結会計年度末は84.1%)となりました。

 

b. 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、国内における売上は、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに前年同期から減少しました。また、海外での売上も、米国及びインドネシア向けを中心に減少し、当連結会計年度の売上高は160億3千2百万円(前年同期比15.6%減)となりました。

利益面につきましては、売上高の減少が大きく影響し、営業利益は4億6千5百万円(前年同期比66.5%減)となりました。営業外収益として助成金収入を1億6千3百万円計上したことから経常利益は6億2千7百万円(前年同期比49.9%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は4億4千8百万円(前年同期比42.5%減)となりました

セグメントごとの経営成績の概要は、次のとおりであります。

 

(日本)

国内向けでは、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに減少し、海外向けでは自動車関連刃物が減少したことから、売上高は126億5千4百万円(前年同期比20.9%減)、営業損失は9千2百万円(前年同期は9億7千7百万円の営業利益)となりました

(インドネシア)

木工関連刃物及び自動車関連刃物などが減少したことから、売上高は24億5千2百万円(前年同期比19.6%減)、営業利益は1億9千万円(前年同期比24.1%減)となりました。

(米国)

自動車関連刃物及び鋼管関連刃物などが減少したことから、売上高は10億8千4百万円(前年同期比20.9%減)、営業利益は7千8百万円(前年同期比3.7%減)となりました。

(欧州)

自動車関連刃物及び木工関連刃物などが減少したことから、売上高は16億5千5百万円(前年同期比14.0%減)、営業利益は1億2千4百万円(前年同期比13.8%増)となりました。

(中国)

自動車関連刃物及び木工関連刃物などが減少したことから、売上高は15億6千7百万円(前年同期比22.7%減)、営業損失は3千1百万円(前年同期は1億2百万円の営業利益)となりました。

(ベトナム)

自動車関連刃物及び鋼管関連刃物などが増加したことから、売上高は2億4千4百万円(前年同期比66.7%増)、営業損失は7千9百万円(前年同期は7千4百万円の営業損失)となりました。

なお、セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ18億1千8百万円増加し、当連結会計年度末には49億2千3百万円(前年同期比58.6%増)となりました。
 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は27億3千7百万円(前年同期比22.0%増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益7億6千4百万円、減価償却費17億7百万円、売上債権の減少5億3千5百万円であります。支出の主な内訳は、仕入債務の減少2億5千2百万円、法人税等の支払額1億6千4百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は6億2千3百万円(前年同期比79.2%減)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出7億4千万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は2億5千9百万円(前年同期比44.7%減)となりました。これは、主として配当金の支払額2億1千5百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

9,829,697

76.4

インドネシア(千円)

2,050,388

73.1

米国(千円)

12,340

73.2

欧州(千円)

中国(千円)

1,471,125

95.0

ベトナム(千円)

72,936

516.1

報告セグメント計(千円)

13,436,488

77.9

その他(千円)

30,664

112.8

合計(千円)

13,467,152

77.9

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本(千円)

10,075,875

90.7

1,248,681

108.3

インドネシア(千円)

1,581,730

82.4

208,394

94.0

米国(千円)

1,249,304

85.7

384,544

175.0

欧州(千円)

1,987,308

192.0

596,923

225.6

中国(千円)

949,398

111.2

127,268

200.8

ベトナム(千円)

122,022

105.1

9,299

0.5

報告セグメント計(千円)

15,965,639

96.8

2,575,110

133.3

その他(千円)

670,816

173.9

115,906

75.2

合計(千円)

16,636,456

98.6

2,691,016

129.0

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

9,979,881

84.9

インドネシア(千円)

1,594,942

77.9

米国(千円)

1,084,499

79.1

欧州(千円)

1,655,002

86.0

中国(千円)

885,498

89.9

ベトナム(千円)

123,193

96.4

報告セグメント計(千円)

15,323,018

84.1

その他(千円)

708,996

91.9

合計(千円)

16,032,015

84.4

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当するものがないため記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、国内における売上は、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに前年同期から減少しました。また、海外での売上も、米国及びインドネシア向けを中心に減少し、当連結会計年度の売上高は160億3千2百万円(前年同期比15.6%減)となりました。

製品区分別売上高においては、平刃類では合板用刃物や紙工関連刃物が減少したことなどにより、売上高は50億6千8百万円(前年同期比11.9%減)となりました。精密刃具類ではダイヤ製品が減少したことなどにより、売上高は34億6千5百万円(前年同期比15.1%減)となり、丸鋸類では金属切断用丸鋸が減少し、売上高は72億4千6百万円(前年同期比18.2%減)となりました。また、商品の売上高は2億5千1百万円(前年同期比12.1%減)となりました。

売上原価は、前連結会計年度に比べ12億5千9百万円減少の114億6千7百万円となりましたが、売上原価率は前連結会計年度の67.0%から当連結会計年度71.5%となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ7億6千6百万円減少の40億9千8百万円となりました。人件費が前連結会計年度に比べ2億8千3百万円減少、経費が4億8千3百万円減少しております。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ9億2千5百万円減少の4億6千5百万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度の7.3%から当連結会計年度2.9%となりました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は1億6千1百万円の収益計上となりました。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ6億2千4百万円減少の6億2千7百万円となりました。

特別利益から特別損失を差し引いた純額は1億3千6百万円の収益計上となりました。これは投資有価証券売却益1億3千9百万円を計上したことなどによります。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ4億3千7百万円減少の7億6千4百万円となり、法人税等は前連結会計年度に比べ1億5百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ3億3千1百万円減少の4億4千8百万円となりました。

なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度56円13銭から当連結会計年度32円26銭となりました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因として、経済状況、販売状況、カントリーリスク、為替相場の変動、原材料価格の変動、会計上の見積り、環境保護、自然災害、感染症の流行によるリスク等があります。当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(日本)

売上高は、国内向けでは、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに減少し、海外向けでは自動車関連刃物が減少したことから、前年同期比20.9%減の126億5千4百万円となりました。

セグメント損失(営業損失ベース、以下同じ。)は、前年同期は9億7千7百万円のセグメント利益(営業利益ベース、以下同じ。)に対して、9千2百万円となりました。

セグメント資産は、有形固定資産などが減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ3億7千1百万円減少の244億1千9百万円となりました

(インドネシア)

売上高は、木工関連刃物及び自動車関連刃物などが減少したことから、前年同期比19.6%減の24億5千2百万円となりました。

セグメント利益は、前年同期比24.1%減の1億9千万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ5億3千3百万円減少の34億4千4百万円となりました。

(米国)

売上高は、自動車関連刃物及び鋼管関連刃物などが減少したことから、前年同期比20.9%減の10億8千4百万円となりました。

セグメント利益は、前年同期比3.7%減の7千8百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ4百万円減少の9億2千8百万円となりました。

(欧州)

売上高は、自動車関連刃物及び木工関連刃物などが減少したことから、前年同期比14.0%減の16億5千5百万円となりました。

セグメント利益は、前年同期比13.8%増の1億2千4百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1千2百万円増加の9億4千4百万円となりました。

(中国)

売上高は、自動車関連刃物及び木工関連刃物などが減少したことから、前年同期比22.7%減の15億6千7百万円となりました。

セグメント損失は、前年同期は1億2百万円のセグメント利益に対して、3千1百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ2千2百万円減少の25億1千5百万円となりました。

(ベトナム)

売上高は、自動車関連刃物及び鋼管関連刃物などが増加したことから、前年同期比66.7%増の2億4千4百万円となりました。

セグメント損失は、前年同期は7千4百万円のセグメント損失に対して、7千9百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ4千8百万円増加の17億9千万円となりました。

(その他)

報告セグメントに含まれないその他の地域・事業を「その他」として区分しており、売上高は前年同期比8.1%減の7億9百万円、セグメント利益は、前年同期比107.7%増の4千9百万円、セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ2千9百万円減少の7億5千2百万円となりました。

なお、セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。当連結会計年度では設備投資が24億6千2百万円減少したことなどから、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ18億1千8百万円増加の49億2千3百万円の状況であります。

当連結会計年度末現在における重要な設備の新設等に係る今後の設備投資では、主に生産設備の更新・合理化などを計画しておりますが、その所要資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり当連結会計年度末における資産、負債の金額並びに当連結会計年度における収益、費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りが必要となりますが、当社グループは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響については、需要の一時的な減少が今後も1年程度続き、感染拡大の収束とともに、2021年度から需要が徐々に回復し、感染症の感染拡大前の水準まで回復するとの仮定を置いております。なお、新型コロナウイルス感染拡大による需要の回復仮定については不確実性が高く、それにより当社グループの業績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当する事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループはグローバルな市場で高度なモノづくりに対応するため、切削加工における「長寿命化」「高精度化」「低騒音化」などの市場ニーズを解決する高付加価値工具及び周辺技術の研究開発を行っております。主な活動は、当社テクニカルセンター及びコミュニケーションセンターにおいて実施しており、主要課題として地球環境に優しい環境配慮型新製品を重点に「各種表面処理技術の研究」「工具材料として希少金属の有効利用」「差別化新製品の開発と製品群の拡充」「新規市場分野向け高精度工具開発及び製造技術の研究」などを中心に研究開発し、グローバルに製品販売しております。

当連結会計年度の主な成果としましては、コンプレッサー等アルミ部材の側面・溝加工において高速・高品質加工を可能にする「PCDヘリカルエンドミル」を開発いたしました。超硬エンドミルに比べアルミ溶着が少なく高品質加工が可能なものの、従来のダイヤエンドミルでは直線的なダイヤ素材形状のためにスパイラル状刃物とすると均一な切れ味が得にくい課題がありましたが、ヘリカル仕様の刃先を実現したことで高品質な切れ味と長寿命化を実現いたしました。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は283百万円となっております。