第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、以下の企業理念を掲げております。

私たちは、一人一人がプロフェッショナルとして、刃物の先を見つめ、新しい価値を創造し、世界のものづくりに貢献します。

基本方針

1. 私たちは、お客様の視点に立ち、信頼される技術とサービスを提供します。

2. 私たちは、わが社にしかできない、世界に通用する仕事に挑戦します。

3. 私たちは、共に働く仲間を尊重し、力を合せ、誇りを持てる会社を目指します。

 

この企業理念にしたがい、「一人一人がプロフェッショナル」を自覚し、「刃物の先」として、刃物の命である刃先、提供する刃物の先に存在するお客様、切削技術の未来を見つめ、研究開発、技術開発につとめ、高付加価値の製品づくりで「新しい価値を創造」し、「世界の兼房」を目指して「世界のものづくりに貢献」することを基本方針としております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、収益性を重視してまいります。その指標としましては、10%以上の連結売上高営業利益率の継続的な実現を目指しております。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

次期の経済見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種によりコロナウイルスとの共生が進む中、資源価格の高止まりによる物価上昇圧力により経済成長率の下振れ要因があるものの、脱炭素社会への移行やデジタルへの投資などにより世界経済の自律的な回復が見込まれます。

このような状況のもと、当社は、2022年2月に中期経営計画を一部見直し、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代を見据え、IoT や AI などのデジタル技術を活用した生産性向上、業務効率化を進めております。また、中期ビジョンとして「デジタルカルチャーの変革による企業体質強化」を掲げ、新たなビジネスモデルの創造とビジネスプロセスの変革を目指してまいります。

具体的な重点戦略は、次のとおりであります。

① 工場の自働化・省人化・IoT・AI 推進と営業・間接部門のデジタル化

✓「コスト低減 ⇔ 生産性向上 ⇔ 人員減少 ⇔ 技能伝承」のバランスを考慮しつつ、IoT・AI などデジタ

ル技術導入により、製造工程の自働化・省人化を進める。

✓「スピード、タイムリー」を念頭に、各種 IT ツールを活用した生産性向上と業務効率化を実現させ、

「働き方改革」「労働力不足」といった課題にも対応する。

 新技術・新製品開発

✓SDGs を見据えた、顧客の「省エネ・長寿命・歩留まり向上・不良率削減・高能率加工による生産性向上」に寄与する新技術・新製品開発。新技術・新製品開発のみならず、SDGs 達成に寄与するため、営業・製造・開発・管理すべての部門において、重要課題と目標の設定、及びアクションプランの策定・実行を目指します。

 製造4拠点(日本・中国・インドネシア・ベトナム)の生産分業

✓稼働が本格化したベトナム生産子会社の能力増強など、世界最適生産分業の確立。ものづくりのエッセンシャルカンパニーとして、供給責任を遅滞なく果たすべく、ベトナム生産工場を中心に能力増強の加速化を図ります。

 人財戦略

✓デジタル技術を使いこなせる人財・グローバル人財・次世代リーダーの育成や、ダイバーシティを意識

した環境整備。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、本記載は将来発生しうるすべてのリスクを必ずしも網羅したものではありません。

(1) 経済状況について

 当社グループは、事業を日本、インドネシア、米国、欧州、中国、インド、ブラジル、メキシコ、ベトナムに展開しております。連結売上高に占める海外売上高の割合は、当連結会計年度においては47.9%、前連結会計年度においては43.3%となっており、日本経済だけでなく、関係会社が存在する地域における経済動向の悪化により需要が低下した場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 販売状況について

 当社グループの製品は、木材加工、金属加工、製紙・紙工等の広範囲な産業分野で使用されております。売上構成では、木材加工を中心とした住宅関連業界に対するウエイトが高い状況にありますが、金属加工における自動車関連業界に対するウエイトも高まってきております。このため、日本国内における新設住宅着工戸数の変動やグローバル市場における自動車業界の生産及び販売動向により、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(3) カントリーリスクについて

 当社グループは、海外諸国において事業活動を行っております。これらの国において、戦争・テロ・暴動・その他の要因による社会的混乱、労働法制・労働環境の相違による労働争議の発生、法的規制、租税制度の予期せぬ変更等により当社グループの業績への影響が懸念されます。また、グループ会社間における取引価格については、日本及び相手国の移転価格税制など国際税務を順守するよう注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違等により追加課税が発生し、当社グループ業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 為替相場の変動によるリスク

 当社グループは、販売・生産などの活動をグローバルに推進しており、海外取引は今後も拡大が見込まれますが、海外取引及び外貨建資産・負債については、米ドル・ユーロなど各通貨と日本円との為替相場変動の影響を受けております。また、当社グループは海外に9社の連結子会社を有しており、当社連結財務諸表において、海外連結子会社の外貨建財務諸表金額は換算時の為替レートにより円換算されるため、同様に為替相場変動の影響を受けております。

 当社グループでは、為替予約等を実施することで為替相場変動によるリスクの軽減を図っておりますが、これにより当該リスクを回避できるものではなく、為替相場が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 原材料価格の変動による影響について

 当社グループの製品は、鋼材や超硬合金等を原材料として使用しておりますが、これら原材料の価格は、需給バランスや市況の変化等により変動する可能性があります。原材料価格が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 会計上の見積りについて

 当社グループは、財務諸表の作成にあたり会計上の見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、金額の見直しや実際の結果と異なる場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当連結会計年度の会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

棚卸資産の評価

 当社グループは、国内及び海外において顧客の様々な需要に対応していることから、顧客の仕様に合わせた受注生産を主としており製品の種類は多岐にわたっております。当社グループは棚卸資産の適切な管理を行っておりますが、正味売却価額と取得原価を比較して正味売却価額が取得原価を下回っている場合、また、営業循環過程から外れた滞留等の棚卸資産については規則的に帳簿価額を切り下げる評価減を実施する事としており、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、課税所得の将来の見積額や一時差異等のスケジューリングの結果に基づき繰延税金資産を計上しております。今後、経営環境の悪化等により課税所得の見積りを減額された場合等には、繰延税金資産を取り崩す必要が生じ、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 環境保護について

 当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けております。また、将来環境に関する規制や社会的要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任が追加される可能性があります。当社では、ISO14001の認証を取得するなどして環境に配慮した事業活動を展開しておりますが、過去、現在及び将来の当社グループの事業活動に関して、環境に関する法的、社会的責任を負う事態が発生した場合には、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 自然災害、感染症の流行によるリスクについて

 当社グループの生産拠点のうち、国内は当社の本社工場(愛知県丹羽郡大口町)1ヵ所のみであり、将来発生が予想されている東海及び東南海地震等の災害により大きな被害を受ける可能性があります。また、感染症が世界的に大流行した場合は販売及び生産活動が阻害される可能性があります。当社グループは、インドネシア、中国、ベトナムに生産拠点を設けてリスク分散を行っており、サプライチェーンへの影響に対応しておりますが、大規模な災害や世界的な感染症が発生した場合は事業活動が滞り、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

このため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、総じてコロナ危機による落ち込みからの回復基調を維持しておりましたが、半導体等の供給制約や物流網の混乱が重荷となったほか、米国を中心にインフレが進み、年後半は回復ペースが鈍化しました。一方、わが国経済は、1年を通して、新型コロナウイルス感染者数の増減に合わせ、経済活動の制限と緩和が繰り返され、一進一退が続きました。また、資源価格の高騰や円安に伴うコスト増加が企業収益を圧迫しはじめたほか、ロシアのウクライナ侵攻や中国の大規模なロックダウンにより、経済環境は混迷を深めてきております。

このような状況の下、当社グループは生産性の維持・向上、顧客への訪問やオンライン会議を活用し、国内住宅関連市場の占有率拡大や非住宅関連市場の販売拡大により前年同期を上回る結果となりました。国内における売上は、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに前年同期から増加しました。また、海外での売上も、アジア及び欧州向けを中心に増加しました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a. 財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末における流動資産は182億3千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億3千5百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が22億4千1百万円増加したことによるものであります。固定資産は133億9千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億1千7百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が2億5千1百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は、316億3千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億1千8百万円増加いたしました。

(負債合計)

当連結会計年度末における流動負債は41億5千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億1千3百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が3億7千万円増加し、未払法人税等が3億6千2百万円増加したことによるものであります。固定負債は19億9千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億9千3百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金が12億2千3百万円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は、61億5千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億7百万円増加いたしました。

(純資産合計)

当連結会計年度末における純資産合計は254億7千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億1千万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が11億4千4百万円増加し、為替換算調整勘定が6億8千5百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は80.5%(前連結会計年度末は86.0%)となりました。

 

b. 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、国内における売上は、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに前年同期から増加しました。また、海外での売上も、アジア及び欧州向けを中心に増加し、当連結会計年度の売上高は196億6千8百万円(前年同期は160億3千2百万円)となりました。

利益面につきましては、大幅な増収による売上原価率の改善と昨年に引き続き経費削減に努めたことなどから、営業利益は17億6千6百万円(前年同期は4億6千5百万円)となりました。営業外収益として為替差益を1億3千5百万円計上したことから経常利益は19億2千1百万円(前年同期は6億2千7百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は13億3千2百万円(前年同期は4億4千8百万円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績の概要は、次のとおりであります。

 

(日本)

 国内向けでは、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに増加し、海外向けでは自動車関連刃物及び木工関連刃物が増加したことから、売上高は161億6千6百万円(前年同期は126億5千4百万円)、営業利益は9億5千1百万円(前年同期は9千2百万円の営業損失)となりました。

(インドネシア)

 木工関連刃物及び製紙関連刃物が増加したことから、売上高は33億5千6百万円(前年同期は24億5千2百万円)、営業利益は3億5千4百万円(前年同期は1億9千万円)となりました。

(米国)

 自動車関連刃物が増加したことから、売上高は15億3千万円(前年同期は10億8千4百万円)、営業利益は1億1千9百万円(前年同期は7千8百万円)となりました。

(欧州)

 自動車関連刃物及び木工関連刃物が増加したことから、売上高は21億6千6百万円(前年同期は16億5千5百万円)、営業利益は2億1千8百万円(前年同期は1億2千4百万円)となりました。

(中国)

 木工関連刃物及び紙工関連刃物などが増加したことから、売上高は20億3千7百万円(前年同期15億6千7百万円)、営業利益は8千4百万円(前年同期は3千1百万円の営業損失)となりました。

(ベトナム)

自動車関連刃物及び鋼管関連刃物などが増加したことから、売上高は6億6千5百万円(前年同期は2億4千4百万円)、営業利益は8千7百万円(前年同期は7千9百万円の営業損失)となりました。

なお、セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ22億4千1百万円増加し、当連結会計年度末には71億6千4百万円(前年同期比45.5%増)となりました。


 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は19億1千1百万円(前年同期比30.1%減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益18億8千9百万円、減価償却費16億2千9百万円、仕入債務の増加額3億1千7百万円であります。支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額7億5千2百万円、売上債権の増加額5億8百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は7億6千4百万円(前年同期比22.6%増)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出7億3千4百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は8億8千1百万円(前年同期は2億5千9百万円の使用)となりました。これは、主として長期借入による収入11億6百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

12,274,353

124.9

インドネシア(千円)

3,127,621

152.5

米国(千円)

6,800

55.1

欧州(千円)

中国(千円)

1,605,869

109.2

ベトナム(千円)

405,853

556.4

報告セグメント計(千円)

17,420,498

129.7

その他(千円)

42,766

139.5

合計(千円)

17,463,264

129.7

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本(千円)

12,116,607

120.3

1,772,696

142.0

インドネシア(千円)

2,332,660

147.5

427,589

205.2

米国(千円)

2,045,264

163.7

899,077

233.8

欧州(千円)

2,472,796

124.4

903,295

151.3

中国(千円)

965,182

101.7

113,306

89.0

ベトナム(千円)

174,936

143.4

13,285

142.9

報告セグメント計(千円)

20,107,447

125.9

4,129,249

160.4

その他(千円)

1,151,995

171.7

152,651

131.7

合計(千円)

21,259,442

127.8

4,281,900

159.1

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

11,592,592

116.2

インドネシア(千円)

2,113,465

132.5

米国(千円)

1,530,731

141.1

欧州(千円)

2,166,424

130.9

中国(千円)

979,144

110.6

ベトナム(千円)

170,950

138.8

報告セグメント計(千円)

18,553,308

121.1

その他(千円)

1,115,250

157.3

合計(千円)

19,668,559

122.7

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当するものがないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、国内における売上は、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに前年同期から増加しました。また、海外での売上も、アジア及び欧州向けを中心に増加し、当連結会計年度の売上高は196億6千8百万円(前年同期は160億3千2百万円)となりました。

製品区分別売上高においては、平刃類では合板用刃物や紙工関連刃物が増加したことなどにより、売上高は62億5千8百万円(前年同期は50億6千8百万円)となりました。精密刃具類ではダイヤ製品が増加したことなどにより、売上高は39億2百万円(前年同期は34億6千5百万円)となり、丸鋸類では金属切断用丸鋸が増加し、売上高は92億4千3百万円(前年同期は72億4千6百万円)となりました。また、商品他の売上高は2億6千4百万円(前年同期は2億5千1百万円)となりました。

売上原価は、前連結会計年度に比べ18億8千7百万円増加の133億5千5百万円となりましたが、売上原価率は前連結会計年度の71.5%から当連結会計年度67.9%となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ4億4千8百万円増加の45億4千6百万円となりました。人件費が前連結会計年度に比べ2億7百万円増加、経費が2億4千1百万円増加しております。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ13億円増加の17億6千6百万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度の2.9%から当連結会計年度9.0%となりました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は1億5千5百万円の収益計上となりました。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ12億9千4百万円増加の19億2千1百万円となりました。

特別利益から特別損失を差し引いた純額は3千2百万円の損失計上となりました。これは固定資産除却損3千3百万円を計上したことなどによります。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ11億2千5百万円増加の18億8千9百万円となり、法人税等は前連結会計年度に比べ2億4千1百万円増加しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ8億8千4百万円増加の13億3千2百万円となりました。

なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度32円26銭から当連結会計年度95円87銭となりました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因として、経済状況、販売状況、カントリーリスク、為替相場の変動、原材料価格の変動、会計上の見積り、環境保護、自然災害、感染症の流行によるリスク等があります。当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(日本)

売上高は、国内向けでは、住宅関連刃物、非住宅関連刃物ともに増加し、海外向けでは自動車関連刃物及び木工関連刃物が増加したことから、161億6千6百万円(前年同期は126億5千4百万円)となりました。

セグメント利益(営業利益ベース、以下同じ。)は、前年同期9千2百万円のセグメント損失(営業損失ベース、以下同じ。)に対して、9億5千1百万円となりました。

セグメント資産は、現金及び預金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ33億6千万円増加の277億8千万円となりました。

(インドネシア)

売上高は、木工関連刃物及び製紙関連刃物などが増加したことから、33億5千6百万円(前年同期は24億5千2百万円)となりました。

セグメント利益は、前年同期1億9千万円に対して、3億5千4百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ5億2千2百万円増加の39億6千6百万円となりました。

(米国)

売上高は、自動車関連刃物が増加したことから、15億3千万円(前年同期は10億8千4百万円)となりました。

セグメント利益は、前年同期7千8百万円に対して、1億1千9百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億6千4百万円増加の10億9千2百万円となりました。

(欧州)

売上高は、自動車関連刃物及び木工関連刃物が増加したことから、21億6千6百万円(前年同期は16億5千5百万円)となりました。

セグメント利益は、前年同期1億2千4百万円に対して、2億1千8百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ8千5百万円増加の10億3千万円となりました。

(中国)

売上高は、木工関連刃物及び紙工関連刃物などが増加したことから、20億3千7百万円(前年同期は15億6千7百万円)となりました。

セグメント利益は、前年同期3千1百万円のセグメント損失に対して、8千4百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ2千9百万円増加の25億4千4百万円となりました。

(ベトナム)

売上高は、自動車関連刃物及び鋼管関連刃物などが増加したことから、6億6千5百万円(前年同期は2億4千4百万円)となりました。

セグメント利益は、前年同期7千9百万円のセグメント損失に対して、8千7百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ3億8千6百万円増加の21億7千6百万円となりました。

(その他)

報告セグメントに含まれないその他の地域・事業を「その他」として区分しており、売上高は11億1千7百万円(前年同期は7億9百万円)、セグメント利益は、前年同期4千9百万円に対して、9千9百万円、セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ3千7百万円増加の7億8千9百万円となりました。

なお、セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。当連結会計年度では長期借入による収入11億6百万円を計上したことなどから、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ22億4千1百万円増加の71億6千4百万円の状況であります。

当連結会計年度末現在における重要な設備の新設等に係る今後の設備投資では、主に生産設備の更新・合理化などを計画しておりますが、その所要資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり当連結会計年度末における資産、負債の金額並びに当連結会計年度における収益、費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りが必要となりますが、当社グループは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当する事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループはグローバルな市場で高度なモノづくりに対応するため、切削加工における「長寿命化」「高精度化」「低騒音化」などの市場ニーズを解決する高付加価値工具及び周辺技術の研究開発を行っております。主な活動は、当社テクニカルセンター及びコミュニケーションセンターにおいて実施しており、主要課題として地球環境に優しい環境配慮型新製品を重点に「各種表面処理技術の研究」「工具材料として希少金属の有効利用」「差別化新製品の開発と製品群の拡充」「新規市場分野向け高精度工具開発及び製造技術の研究」などを中心に研究開発し、グローバルに製品販売しております。

当連結会計年度の主な成果としましては、紙・メラミン貼りボード、クロス合板などを鋭利な切削角で高品質加工を行う「コスモビットff(フォルテシモ)」を開発いたしました。解析技術を用いて高剛性仕様に設計し、従来品に比べて切削振動や切削抵抗を抑制し刃物寿命の向上を実現しました。切屑の排出性を高めた形状を採用し、くり抜き加工時の焼け低減を図っております。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は272百万円となっております。