第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、以下の企業理念を掲げております。

私たちは、一人一人がプロフェッショナルとして、刃物の先を見つめ、新しい価値を創造し、世界のものづくりに貢献します。

基本方針

1. 私たちは、お客様の視点に立ち、信頼される技術とサービスを提供します。

2. 私たちは、わが社にしかできない、世界に通用する仕事に挑戦します。

3. 私たちは、共に働く仲間を尊重し、力を合せ、誇りを持てる会社を目指します。

 

この企業理念にしたがい、「一人一人がプロフェッショナル」を自覚し、「刃物の先」として、刃物の命である刃先、提供する刃物の先に存在するお客様、切削技術の未来を見つめ、研究開発、技術開発につとめ、高付加価値の製品づくりで「新しい価値を創造」し、「世界の兼房」を目指して「世界のものづくりに貢献」することを基本方針としております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、収益性を重視してまいります。その指標としましては、5.0%以上の連結売上高営業利益率の継続的な実現を目指しております。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

次期経済環境につきましては、米国の関税政策によるサプライチェーンの混乱や中国経済の低迷に加え、ロシア・ウクライナ戦争長期化や中東での紛争など地政学的リスクを背景に、引き続き先行き不透明な状況が続くものと予想されます。わが国経済においては、積極的な財政政策による企業業績改善と賃上げが期待される一方で、レアメタルと原油由来の原材料やエネルギー価格の高騰が企業活動に影響を及ぼす可能性があります。

このような状況のもと、当社は経営環境のさらなる変化に対応するべく、10年後の当社のありたい姿(長期ビジョン)を定めた上で、2026年度よりスタートする新たな3ヶ年の中期経営計画の策定を進めており、中期ビジョンとして「変化への対応スピードとやりきる力で持続的成長を実現」を掲げ、企業体質の改善・改革と、新たなビジネスモデルの創造、ビジネスプロセスの変革を目指してまいります。

中期経営計画の基本方針及び重点テーマは、次のとおりであります。

 

中期経営計画(2026年度~2028年度)

(基本方針)

[第一の柱]

[第二の柱]

[第三の柱]

市場価値を高める

事業展開と選択集中

競争力を支える

ものづくり革新とDX実装

人財力を引き出す

成長支援型組織づくり

[土台]利益創出を軸とした経営管理と基盤強化

■ PDCA/OODAサイクルの短縮による経営スピードの向上

■ 役割と責任の明確化によるタスク成功率の向上

■ 受注変化に効率よく迅速に対応かつ余裕時に徹底的な教育が実施できる体制づくり

■ 市場変動や需給変化への代替策(Plan B)を常に準備

(重点分野)

戦略製品

■グローバル戦略製品:

市場の大きい自動車・住宅関連の金属切断・木工用丸鋸製品

競合の少ない合板・紙工関連の平刃製品

■新市場攻略製品:EV・半導体関連の高精度刃具、新素材切断刃

重点市場

北中南米、インド

重点技術

希少素材の微小化、コーティング、接合、レーザクラッド、熱処理

 

 

(重点投資・活動)

投資対象

重点活動

システム、モノづくり、人的資本、作業環境、カーボンニュートラル

変化対応力・調達能力アップ

主要投資

及び活動

高人依存からの脱却・付加価値創出型の生産体制へ(自動化・省人化)

製造・業務に「変化対応部門(プール) 」を設置(業務の平準化)

採用から再雇用(シニア層)まで幅広く人財へ投資(人事制度見直し)

調達先の多様化、レアメタル由来の重要原材料の安定確保

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

 

①サステナビリティ方針及び行動規範

 

兼房グループ役員・従業員は、以下の「行動規範」に則り、社会的良識を持って誠実に行動し、その技術・製品・サービスを通して社会に貢献することで、企業価値の向上と社会の持続的発展の両立を目指します。

 

<行動規範>

1.法の遵守

(1)法令及びその精神を遵守し、社会のルールに従って行動します。

(2)適正な手続きによって意思決定を行い、業務を的確に遂行します。

(3)公私を問わず、社会における会社の信頼を損なわないよう良識に従って行動します。

2.公正・誠実な企業活動

(1)公正・透明な市場競争に基づく適正な取引を行い、社会の信頼を得られる企業活動を行います。

(2)お客様に満足いただける技術・製品・サービスの開発と提供に努め、誠実・迅速・的確に対応します。

3.人権の尊重

(1)個人の尊厳・名誉・プライバシー等を尊重します。

(2)国籍・人種・社会的地位・性別・性的指向・宗教・障がいの有無等による差別や嫌がらせ(ハラスメント)を行いません。

(3)世界各国の労働関係法令を遵守し、強制労働および児童労働を認めません。

4.社会との調和

(1)地域社会に密着した社会貢献活動を実施することで、相互理解に努めます。

(2)海外においてはその文化や習慣を尊重し、現地の発展に貢献するよう努めます。

5.地球環境の保護

(1)人類共通の最重要課題と認識し、環境負荷低減に貢献できる技術・製品の開発に努めます。

(2)事業活動に伴う環境負荷を低減させる取り組み(温室効果ガスの低減に資する省エネルギー化、省資源、リサイクル等)を推進します。

6.働きがいのある職場づくり

(1)安全で衛生的な職場環境をつくり、労働災害の防止と健康維持に努めます。

(2)一人ひとりが規律を重んじ、知識の習得や技術の向上および技能の継承に努めます。

(3)生産性向上により労働時間の適正化を図り、ワーク・ライフ・バランスと企業発展の両立を目指します。

(4)人財の力が企業発展の根幹と認識し、多様性の尊重と公正な処遇のもと、一人ひとりが能力を最大限発揮できるよう適切な配置と育成を行います。

7.知的財産の取扱い

(1)会社の知的財産権(発明・考案・意匠・商標等)は適正に保護・管理し、積極的に活用します。

(2)他者の正当な知的財産権を尊重して、不正使用や侵害行為を行いません。

 

 

8.情報管理・公開

(1)お客様、株主、取引先、地域社会等のステークホルダー(利害関係者)に対し、適切な企業情報をタイムリーかつ公正に開示します。

(2)社外からの情報の入手・利用にあたっては、関連法令・社内ルールを遵守し、適正に行います。

(3)自社、お客様、株主、取引先等に関する情報は、適正に管理し、漏洩を防止します。

(4)コンピュータネットワーク上の脅威に対して防御策を講じ、自社のみならず他者に対しても被害を与えないよう、セキュリティ管理を徹底します。

9.危機管理

(1)火災、有害物質の漏洩、その他重大災害を未然に防止するための施策を実施します。

(2)自然災害等による損害を最小限に抑えるための準備・訓練を継続的に実施します。

(3)自然災害等が発生したときは、人命・安全を最優先としつつ、事業継続計画に基づき製品を安定的に供給できるよう努めます。

10.反社会的勢力への対応

(1)反社会的勢力とは一切の関係を持ちません。

(2)反社会的勢力からの不当な要求には応じません。

11.パートナーシップ

(1)本方針・規範について、お客様・取引先・関係先等にも理解・協力を求め、積極的にパートナーシップを組むことで持続可能な社会の実現を目指します。

 

 

②コーポレートメッセージや優先的に取り組む課題等の特定プロセス

 

 当社グループは、製品開発の基本ポリシーとして「KANEFUSA For Sustainability」を掲げ、環境配慮製品を数多く生み出してまいりましたが、環境問題のみならず社会が抱える多くの課題に対し、企業がどのように取り組み、そして社会と企業の持続可能性をいかに両立していくかを改めて考えました。

 2050年を見据え、これからの当社グループを担う世代によるSDGsプロジェクトで徹底的に議論をし、外部コンサルタントからのアドバイス、経営層との議論・協議を経て、優先的に取り組む課題を特定いたしました。

 当社グループの強みを活かした課題解決を起点として好循環を起こし、よりよい未来を追求してまいります。

 

フェーズⅠ(コンサルタント指導のもと、中堅管理職を中心に検討)

0102010_001.png

 

フェーズⅡ(若手社員を中心に検討)

0102010_002.png

 

 

③コーポレートメッセージおよびビジョン・ミッション・バリュー

 

0102010_003.png

0102010_004.png

 

(2)優先的に取り組む課題(マテリアリティ)

 

0102010_005.png

 

 

(3)サステナビリティ全般に関するガバナンス

 当社グループはサステナビリティに係る対応を経営上の重要課題と認識し、リスク管理委員会を中心とするガバナンス体制を構築するとともに、取締役会による監督を行っております。また、経営戦略委員会において、当社グループが優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)の推進に向け、具体的な取り組みの協議、推進を行っています。取締役会は取り組むべき課題について、定期的に取組状況や目標の達成状況の報告を受け、モニタリングおよび指導、監督を行います。

 

(4)戦略

① サステナビリティに関する戦略

 当社グループでは、マテリアリティの1つとして、SDGsゴール「13. 気候変動に具体的な対策を」を選定しており、以下のとおり、短期・中期・長期の時間軸で事業活動に影響を与えると想定される気候変動リスクおよび機会について認識し、温室効果ガス(GHG)排出量削減に関する取り組みや機会の獲得に向けた対応策を検討しております。

 

区分

種類

想定される気候変動リスク・機会

事業活動への影響

時間軸

評価

移行

リスク

政策・

法規制

GHG排出/削減に関する法規制の強化

炭素税や新たな税制導入によるコスト増大

中期

技術

GHG排出/削減に配慮した設備投資・消耗品の購買

低炭素設備、省電力設備、太陽光発電設備等の設備投資増加やカーボンニュートラル達成企業製品購入増加

中期

市場

顧客ニーズの変化

気候変動に係る顧客の取引先選定基準への未適合による取引停止(売上・利益の喪失)

長期

GHG排出/削減による顧客の製造品目変化および製造工程変化

顧客の製造品目変化(ガソリンエンジン減少等)や製造工程変化に伴う当社製品需要の減少(売上・利益の喪失)

短期~長期

再エネ需要増加によるエネルギー価格の高騰

再エネ調達によるエネルギーコストの増加

中期~長期

評判

情報開示不足による企業価値毀損

気候変動対策・GHG排出量等の情報開示不足による株価低迷・企業価値の毀損

中期

物理

リスク

急性

激甚災害の発生(顧客および仕入先)

サプライチェーン混乱による売上・利益の喪失

短期~長期

激甚災害の発生(当社)

当社資産の毀損やシステムダウンおよび従業員の死傷による事業停止

短期~長期

慢性

平均気温の上昇

遮熱装置・空気循環・冷房設備等のコスト増大

短期

気象パターンの変化

気象災害による従業員の健康リスク増加、交通網の遮断、事故の多発等

中期

機会

市場

市場変化による需要増加

EV化や木材関連製品・バイオマス発電等の需要拡大に伴う当社製品需要の増加

短期~長期

顧客ニーズの多様化

顧客の省電力(軽量化・切削抵抗減少化等)や歩留まり向上に貢献できる製品の開発

短期~長期

カーボンフットプリントへの対応

顧客のカーボンフットプリント要望への対応による機会創出

短期~長期

評判

脱炭素化への対応

脱炭素化への貢献による社会的評価の向上

中期

 

 

② 人的資本に関する戦略

<人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び取組み>

 「企業理念」実現の原動力は、人材の活躍に他なりません。多様な価値観を有しながら、理念に共感した従業員が、能力を高め、その力を発揮することで、企業はその存在意義を果たすことができます。

 当社では、この原動力である人材を育むために、「人事基本理念」を制定し、公正で働きがいがあり活力溢れる組織運営と企業の発展並びに社員の幸せの実現を目指してまいりました。

 

a. 人事基本理念

世界のものづくりに貢献するプロフェッショナル集団を目指して

○ 職能・役割・業績に応じて公正に処遇し、社員の働きがいを追求する

○ 相互に連携し、自由闊達で活力あふれる職場づくりを推し進める

○ 変化に対応できる人を創り、グローバル企業への成長・発展を実現する

 

b. 重点課題

(1)能力・成果主義人事制度のレベルアップ・・・職能資格制度のメンテナンス

                        人事考課制度の公正な運用

                        賃金制度の適時・適切な見直し

(2)能力開発の推進・・・・・・・・・・・・・・教育訓練体系の拡充

                        異動・配置の計画的推進

                        管理監督者によるOJTの実践

(3)中期経営計画に基づく人材の強化・・・・・・中期人員計画の推進

                        グローバル人材の確保

                        部門別適正人員の把握と配置

 

c. 教育訓練

 世界のものづくりに貢献できるプロフェッショナル人材を育成するために、日々の業務については、先輩、上司によるOJTを中心とした技能の継承と、昇格昇進時の一般的な階層別研修に加え、下記のような教育訓練を実施し、人材の育成に取り組んでおります。

 今後も、人づくりを通して、社会・環境への貢献に努めて参ります。

 

社内技能認定試験

・新入社員などの若手社員が取り組む当社独自の教育プログラム。職種別に異なる試験を設定し、昇格要件の一つとなっている。

<生産職掌>

 自社の製造工程を題材とした実技試験と、製品知識、製造工程および一般的な工業知識に関わる学科試験に合格

<技術職掌>

 製品知識、製造工程および一般的な工業知識に関わる学科試験を2回合格

<営業職および事務職>

 製品知識に関する学科試験と、それぞれの職種に関わるビジネスキャリア検定2科目合格

改善伝道師塾

・選抜型の教育訓練プログラム。

・将来の管理職を目指す者が、自身の所属とは異なる部署で、業務改善に取り組む。

・ポジションパワーを活かせない環境下で、人を動かすマネジメントを実践的訓練の場で学ぶ。

GTE育成プログラム

・海外拠点に赴任し、現地顧客の技術課題の解決や、新製品開発のテーマ探索を担う中堅技術者(GTE:グローバルテクニカルエンジニア)育成プログラム。

・育成メンバーが相互に指導者となり、知識・技能の深耕・拡大を図る。

・幹部社員、先任者、専門家による啓蒙、アドバイス、知識供与の他、語学研修等を含め、グローバルに活躍するための総合的なスキル向上に取り組む。

国家技能検定

・自己啓発支援として、生産職掌および技術職掌の国家技能検定取得を奨励。

 

 

d. 人権の尊重・多様性の確保

 当社グループは、従業員一人ひとりの個人の尊厳・名誉・プライバシー等を尊重し、国籍・人種・社会的地位・性別・性的指向・宗教・障がいの有無等による差別や嫌がらせ(ハラスメント)を行いません。また、世界各国の労働関係法令を遵守し、強制労働および児童労働を認めません。

 

<社内環境整備に関する方針及び取組み>

 当社は、安全で衛生的な職場環境をつくり、労働災害の防止と健康維持に努めるとともに、従業員一人ひとりが規律を重んじ、知識の習得や技術の向上および技能の継承に積極的に取り組む風土づくりを行っています。また、生産性向上により労働時間の適正化を図り、ワーク・ライフ・バランスと企業発展の両立を目指しています。

 具体的には、毎月、安全衛生委員会を招集し、事故報告、ヒヤリハット・リスクアセスメント報告・各部門の安全衛生活動報告等の情報共有を行い、労働災害防止の啓発活動を行うとともに、健康マイレージ運動、ストレスチェック、メンタル不調者を対象としたセカンド産業医制度などにより、従業員が心身ともに健康維持できるよう取り組んでおります。また、四半期毎に時間管理委員会を招集し、所定外労働時間の管理状況や有給休暇の取得状況、勤務時間インターバル規制(11時間以上)の順守状況等、適切な労働時間管理が行われているか確認をしています。

 

(5)リスク管理

 当社グループは、サステナビリティ全般に関するリスク管理について、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 ロ. リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおり、リスク管理委員会において組織横断的リスク状況の監視、評価を行うとともに、リスク発生時の対応やリスク管理体制の強化に努めています。また、特に気候変動関連リスクに関しては、環境管理委員会を通じ、自社の事業活動におけるGHG排出削減についての具体的な取り組みや、顧客のGHG排出削減へ貢献できる環境配慮型製品開発・販売状況について進捗状況を監視しております。

 

(6)指標及び目標

① サステナビリティに関する指標・目標

「(4)戦略①サステナビリティに関する戦略」に記載の気候関連リスク・機会を管理するため、GHG排出量を指標として定め、実績を監視し、削減に向けて取り組んでおります。また、気候変動リスク以外のマテリアリティも含め、サステナビリティ戦略における主なアクションプラン・目標を以下のとおり掲げております。

 

GHG排出量(Scope1・2) 実績(t-CO2

 

 

2021年度

(実績)

2022年度

(実績)

2023年度

(実績)

2024年度

(実績)

2030年度

目標

自社の活動によるGHG排出

21,441

21,134

20,541

19,041

2021年度対比

35%削減

 

Scope1(直接排出)

1,448

1,226

1,348

1,426

 

Scope2(間接排出)

19,993

19,908

19,193

17,615

2025年度のGHG排出量実績は現在算定中です。

 

0102010_006.png

 

 

アクションプラン、目標の主な進捗

0102010_007.png

 

0102010_008.png

 

0102010_009.png

 

0102010_010.png

 

0102010_011.png

 

0102010_012.png

 

 

 

② 人的資本に関する指標・目標

 当社では、前項「(4)戦略」において記載した、<人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び取組み>について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 なお、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2)」に記載のとおりであります。

 

a. 多様性確保

指標

目標

実績(当連結会計年度)

障がい者雇用比率

2026年7月までに2.7以上

2.2

全社員の有給休暇取得率「70%以上」

有給休暇取得率「70%以上」の割合100

有給休暇取得率「70%以上」の割合91.8

 

b. 人材育成

指標

目標

実績(当連結会計年度)

社内技能認定試験合格率

 (製造・学科)

 (製造・実技)

(営業・学科)  各々100%

(製造・学科) 34%

(製造・実技) 100%

(営業・学科) 75%

GTE育成プログラム選抜者

2年毎3~4

3

国家技能検定合格率

毎年40以上

53

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、本記載は将来発生しうるすべてのリスクを必ずしも網羅したものではありません。

(1) 経済状況について

 当社グループは、事業を日本、インドネシア、米国、欧州、中国、インド、ブラジル、メキシコ、ベトナムに展開しております。連結売上高に占める海外売上高の割合は、当連結会計年度においては53.7%、前連結会計年度においては52.4%となっており、日本経済だけでなく、関係会社が存在する地域における経済動向の悪化により需要が低下した場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 なかでも、米国の関税政策により、貿易摩擦による世界経済の悪化が懸念されます。当社グループの米国販売子会社は米国国外から製品を仕入れ販売していることから、追加関税の動向によっては米国販売子会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、中東地域における地政学的緊張の高まりや武力衝突により、原油・天然ガスをはじめとするエネルギー資源の供給不安が強まっており、国際的な資源価格の変動幅が拡大し、物流網の混乱や海上輸送コストの上昇が発生するなど、世界経済全体に不確実性が増大しています。当社グループでは、こうした経済情勢や政治状況を継続的にモニタリングするとともに、生産体制の見直し等を含めた様々な対応策について検討しています。

(2) 販売状況について

 当社グループの製品は、木材加工、金属加工、製紙・紙工等の広範囲な産業分野で使用されております。売上構成では、木材加工を中心とした住宅関連業界に対するウエイトが高い状況にありますが、金属加工における自動車関連業界に対するウエイトも高まってきております。このため、日本国内における新設住宅着工戸数の変動やグローバル市場における自動車業界の生産及び販売動向により、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(3) カントリーリスクについて

 当社グループは、海外諸国において事業活動を行っております。これらの国において、戦争・テロ・暴動・その他の要因による社会的混乱、労働法制・労働環境の相違による労働争議の発生、法的規制、租税制度の予期せぬ変更等により当社グループの業績への影響が懸念されます。また、グループ会社間における取引価格については、日本及び相手国の移転価格税制など国際税務を順守するよう注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違等により追加課税が発生し、当社グループ業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 為替相場の変動によるリスク

 当社グループは、販売・生産などの活動をグローバルに推進しており、海外取引は今後も拡大が見込まれますが、海外取引及び外貨建資産・負債については、米ドル・ユーロなど各通貨と日本円との為替相場変動の影響を受けております。また、当社グループは海外に9社の連結子会社を有しており、当社連結財務諸表において、海外連結子会社の外貨建財務諸表金額は換算時の為替レートにより円換算されるため、同様に為替相場変動の影響を受けております。

 当社グループでは、為替予約等を実施することで為替相場変動によるリスクの軽減を図っておりますが、これにより当該リスクを回避できるものではなく、為替相場が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 原材料価格の変動による影響について

 当社グループの製品は、鋼材や超硬合金等を原材料として使用しておりますが、これら原材料の価格は、需給バランスや市況の変化等により変動する可能性があります。原材料価格が異常な変動をした場合は、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、近年、中国政府によるレアメタルの輸出規制強化を背景として、当社が刃先材料として使用する超硬素材の主要原料であるタングステンの国際供給量が減少し、今年に入って輸入価格が高騰する局面が続いており、当社においてもサプライヤーからの供給制限や調達コスト上昇などの影響を受けております。当社グループでは、原材料確保のためサプライヤーの多様化を進めつつ、販売先への丁寧な説明により価格転嫁を進めておりますが、今後も急激な原材料価格高騰により、当社の製造原価及び収益に影響を及ぼすリスクがあります。

(6) 会計上の見積りについて

 当社グループは、財務諸表の作成にあたり会計上の見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、金額の見直しや実際の結果と異なる場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当連結会計年度の会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

棚卸資産の評価

 当社グループは、国内及び海外において顧客の様々な需要に対応していることから、顧客の仕様に合わせた受注生産を主としており製品の種類は多岐にわたっております。当社グループは棚卸資産の適切な管理を行っておりますが、正味売却価額と取得原価を比較して正味売却価額が取得原価を下回っている場合、また、営業循環過程から外れた滞留等の棚卸資産については規則的に帳簿価額を切り下げる評価減を実施する事としており、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 環境保護について

 当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けております。また、将来環境に関する規制や社会的要求がより厳しくなり、有害物質の除去や温室効果ガス排出削減等の責任が追加される可能性があります。当社では、ISO14001の認証を取得するなどして環境に配慮した事業活動を展開しておりますが、過去、現在及び将来の当社グループの事業活動に関して、環境に関する法的、社会的責任を負う事態が発生した場合には、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 自然災害、感染症の流行によるリスクについて

 当社グループの生産拠点のうち、国内は当社の本社工場(愛知県丹羽郡大口町)1ヵ所のみであり、将来発生が予想されている東海及び東南海地震等の災害により大きな被害を受ける可能性があります。また、感染症が世界的に大流行した場合は販売及び生産活動が阻害される可能性があります。当社グループは、インドネシア、中国、ベトナムに生産拠点を設けてリスク分散を行っており、サプライチェーンへの影響に対応しておりますが、大規模な災害や世界的な感染症が発生した場合は事業活動が滞り、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 情報セキュリティリスクについて

 当社グループは、取引先の情報、従業員の個人情報、経営に関する機密情報等を保管・管理しております。近年増加するサイバー攻撃に対し、情報セキュリティの重要性が高まる中、当社グループでは、取り扱う情報を事業活動の展開ならびに付加価値を創出するための重要な資産と位置づけ、情報の漏洩が生じないよう情報セキュリティに関する体制や社内教育、規程を整備し、システム停止等の事業継続リスクを低減させるよう対応しておりますが、サイバー攻撃によるインシデントが発生した場合には、損害賠償義務や社会的信用の低下により、当社グループの事業及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 地政学リスクについて

 当社グループは、中東地域の地政学的リスク(紛争、航路遮断等)がさらなる悪化、長期化した場合、エネルギー価格の上昇や物流停滞を通じて、原材料コストの増加及びサプライチェーンの混乱が発生する可能性があります。その結果、当社グループの生産活動及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 従業員の労働安全衛生に関するリスクについて

当社グループの事業活動においては、製造現場を中心に、機械設備の操作、重量物の取り扱い、化学物質の使用など、従業員の安全衛生に影響を及ぼす可能性のある業務が存在しています。これらの業務に起因する労働災害の発生は、従業員の健康被害のみならず、生産停止、補償費用の発生、社会的信用の低下など、当社グループの事業運営及び財務状況に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

また近年、労働環境の変化や人員構成の多様化に伴い、メンタルヘルス不調を含む心理的負荷への対応が重要性を増しています。当社グループにおいても、長時間労働、職場の人間関係、業務負荷の偏在などが原因となるメンタル不全が発生した場合、従業員の離職や生産性の低下、労災認定に伴う費用負担、企業イメージの毀損などが生じる可能性があります。

当社グループでは、労働安全衛生マネジメントの強化、設備の安全対策、作業手順の標準化、定期的な安全教育の実施、ストレスチェック制度の活用、産業医・外部専門家との連携によるメンタルヘルス対策などを進めています。しかし、これらの取り組みにもかかわらず、予期せぬ労働災害やメンタルヘルス不調が発生するリスクを完全に排除することはできません。これらの事象が発生した場合には、当社グループの事業活動及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) グローバルでの人材確保に関するリスク

当社グループの事業活動を継続的に発展させるためには、国内外の拠点において、専門性の高い技術者、研究開発人材、マネジメント人材、デジタル人材など、多様な人材を安定的に確保し、育成していくことが不可欠です。しかしながら、近年、世界的に高度人材の獲得競争が激化しており、特に日本国内においては、労働人口の減少や若年層の採用市場の逼迫により、優秀な人材の採用・定着が一層困難になっています。

また、海外拠点においても、現地の労働市場環境、報酬水準の上昇、国際的な人材流動性の高まりなどにより、必要な人材を適時に確保できないリスクが存在します。さらに、グローバルに事業を展開する当社グループにおいては、各国の労働慣行や規制の違い、文化的背景の多様性に対応しながら、従業員のエンゲージメントを維持・向上させることが求められます。これらの対応が不十分であった場合、離職率の上昇、生産性の低下、事業計画の遅延などが生じる可能性があります。

当社グループでは、採用チャネルの多様化、報酬制度の見直し、リスキリング・アップスキリングの推進、グローバル人材マネジメント体制の強化などに取り組んでいます。しかし、これらの施策を講じた場合でも、採用競争の激化や労働市場の構造的変化により、必要な人材を十分に確保できない可能性があります。その結果、当社グループの事業運営、競争力、財務状況に影響を及ぼすおそれがあります。

(13) 製品・サービスの品質及び製造物責任に関するリスク

当社グループは、製造業として、製品及びサービスの品質確保を最重要課題の一つとして位置づけ、品質管理体制の強化、製造プロセスの標準化、検査工程の高度化などに取り組んでいます。しかしながら、原材料の不具合、製造工程における人的・機械的ミス、設計上の不備、外部委託先の品質管理不良などにより、製品の品質問題が発生する可能性を完全に排除することはできません。

万が一、重大な品質不良や欠陥が発生した場合には、製品の回収、修理・交換対応、顧客への補償費用の発生に加え、取引先からの信用失墜、ブランド価値の毀損など、当社グループの事業運営及び財務状況に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

また、当社グループが提供する製品・サービスに起因して、利用者や第三者に身体・財産上の損害が生じた場合、製造物責任法(PL法)等に基づく損害賠償請求を受ける可能性があります。特に、グローバルに事業を展開する当社グループにおいては、各国・地域の法規制や訴訟環境の違いにより、予期せぬ高額の賠償責任や訴訟費用が発生するリスクも存在します。

当社グループでは、品質マネジメントシステムの運用、サプライヤー監査の強化、トレーサビリティの向上、製品安全に関する社内教育の徹底などを進めています。しかし、これらの取り組みにもかかわらず、品質問題や製造物責任に関する事象が発生した場合には、当社グループの業績、財務状況および社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、各国における金融緩和的な政策運営やAI関連投資の拡大を背景に、総じて底堅く推移しました。一方で、ウクライナ・中東情勢などの地政学的リスクの長期化、中国経済の低迷、米国の通商政策を巡る不透明感などにより、景気の先行きに対する警戒感は依然として強く、地域ごとに景況感の差がみられる状況となりました。わが国経済においては、人手不足を背景とした雇用改善と賃上げ、さらにはDX投資拡大など、内需中心に改善傾向にありましたが、円安による輸入物価上昇などから、景気回復は力強さを欠いた状況となっております。

このような状況の下、当社グループは生産性の維持・向上、国内の住宅関連市場における占有率拡大と非住宅関連市場の開拓や海外の売上拡大などを目指し、戦略的な製品開発、生産、営業活動を展開しました。国内における売上は、住宅関連刃物は減少したものの非住宅関連刃物の販売拡大により前年同期から増加しました。一方、海外での売上は、欧州向けを中心に増加し、当連結会計年度の売上高は、209億4千7百万円(前年同期比3.5%増)となりました。

利益面につきましては、原材料価格等のコスト上昇要因があったものの、前年の中国子会社における事業構造改革の効果が寄与したことなどから、営業利益は、10億9千万円(前年同期比45.9%増)となりました。営業外収益として為替差益2億円を計上したことなどから、経常利益は、13億4千4百万円(前年同期比90.1%増)となりました。特別利益として、事業譲渡益6千5百万円を計上したものの、前期には固定資産売却益9億5千7百万円を計上したことから、税金等調整前当期純利益は、14億6千5百万円(前年同期比11.3%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、10億3千1百万円(前年同期比4.8%増)となりました。

セグメントの経営成績の概要は、次のとおりであります。

 

a. 経営成績

 

(日本)

海外向けでは自動車関連刃物および鉄鋼関連刃物が減少したものの、国内向けでは非住宅関連刃物が増加したことから、売上高は159億1千3百万円(前年同期比0.6%増)、原材料・副資材のコストアップにより営業利益は3億1千万円(前年同期比35.7%減)となりました。

(インドネシア)

木工関連刃物および自動車関連刃物などが減少し、売上高は41億7千7百万円(前年同期比2.1%減)、減価償却費の減少などにより原価率が良化したことから、営業利益は3億9千8百万円(前年同期比21.1%増)となりました。

(米国)

鋼管関連刃物および自動車関連刃物が増加したことから、売上高は24億6千2百万円(前年同期比2.1%増)となりましたが、グループ間の仕入価格上昇により、営業利益は8千2百万円(前年同期比48.0%減)となりました。

(欧州)

木工関連刃物が増加したことから、売上高は22億8千9百万円(前年同期比17.3%増)、営業利益は4千1百万円(前年同期比59.0%増)となりました。

(中国)

木工関連刃物および自動車関連刃物が増加したことから、売上高は18億4千9百万円(前年同期比6.2%増)、前期の事業構造改革が功を奏し、営業利益は6百万円(前年同期は3億8百万円の営業損失)となりました。

(ブラジル)

木工関連刃物および製紙関連刃物が増加したことから、売上高は7億8千5百万円(前年同期比18.6%増)となりましたが、仕入に伴う輸入費用の増加やドル取引におけるレアル安の影響などにより、営業損益は2千2百万円の損失(前年同期は6千万円の営業利益)となりました。

(ベトナム)

紙工関連刃物や自動車関連刃物が増加したことから、売上高は15億6百万円(前年同期比13.8%増)となりましたが、減価償却費の増加などにより原価率が悪化したことから、営業利益は9千5百万円(前年同期比14.4%減)となりました。

なお、セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

 

 

b. 財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末における流動資産は206億3千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1億7千5百万円減少したものの、商品及び製品が4億6千1百万円増加したことなどによるものであります。固定資産は177億6千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億6千6百万円減少いたしました。これは主に退職給付に係る資産が4億1千1百万円増加したものの、有形固定資産が9億4千2百万円減少したことなどによるものであります。

この結果、総資産は、384億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ6千6百万円減少いたしました。

 

(負債合計)

当連結会計年度末における流動負債は29億5千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億8千3百万円減少いたしました。これは主に未払法人税等が3億3千2百万円、未払金が3億円、買掛金が2億1千3百万円減少したことなどによるものであります。固定負債は41億1千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ3千4百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金が1億4千4百万円減少したものの、繰延税金負債が1億5千3百万円、退職給付に係る負債が2千9百万円増加したことなどによるものであります。

この結果、負債合計は、70億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億4千9百万円減少いたしました。

 

(純資産合計)

当連結会計年度末における純資産合計は313億3千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億8千3百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定が1億8千3百万円減少したものの、利益剰余金が6億8千4百万円、退職給付に係る調整累計額が2億5千6百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は81.6%(前連結会計年度末は79.4%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億7千5百万円減少し、当連結会計年度末には78億8千5百万円(前年同期比2.2%減)となりました。


 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は10億9千4百万円(前年同期比58.5%減)となりました。これは、主として14億6千5百万円の税金等調整前当期純利益を計上したこと、減価償却費17億5千5百万円による資金の増加があったものの、法人税等の支払額7億3千5百万円、棚卸資産の増加額3億6千4百万円、仕入債務の減少額3億3千6百万円による資金の減少があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は9億3千6百万円(前年同期比46.5%減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が10億6千6百万円と、前年同期の27億1千8百万円から大きく減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は6億9百万円(前年同期は14億1千1百万円の収入)となりました。これは、配当金の支払額3億4千7百万円、長期借入金の返済による支出2億2百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

10,750,960

97.2

インドネシア(千円)

3,878,734

106.8

米国(千円)

67,949

68.8

欧州(千円)

中国(千円)

1,365,623

107.8

ブラジル(千円)

19,724

118.6

ベトナム(千円)

1,300,153

115.0

報告セグメント計(千円)

17,383,146

101.0

その他(千円)

52,120

100.6

合計(千円)

17,435,267

101.0

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本(千円)

11,145,951

102.8

1,757,266

126.5

インドネシア(千円)

2,401,227

95.9

460,171

105.1

米国(千円)

2,361,150

89.0

1,082,960

91.5

欧州(千円)

2,328,820

111.8

675,229

106.3

中国(千円)

950,160

109.5

52,044

145.1

ブラジル(千円)

785,698

118.6

ベトナム(千円)

152,937

100.4

9,410

90.4

報告セグメント計(千円)

20,125,947

101.8

4,037,081

109.3

その他(千円)

1,180,938

102.3

186,573

108.3

合計(千円)

21,306,886

101.8

4,223,654

109.3

 (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

10,777,420

101.4

インドネシア(千円)

2,378,769

100.6

米国(千円)

2,462,312

102.1

欧州(千円)

2,288,874

117.3

中国(千円)

933,978

107.2

ブラジル(千円)

785,698

118.6

ベトナム(千円)

153,940

104.5

報告セグメント計(千円)

19,780,994

103.9

その他(千円)

1,166,577

97.9

合計(千円)

20,947,572

103.5

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当するものがないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、国内における売上は、住宅関連刃物は減少したものの非住宅関連刃物の販売拡大により前年同期から増加しました。一方、海外での売上は、欧州向けを中心に増加し、当連結会計年度の売上高は209億4千7百万円(前年同期比3.5%増)となりました。

 

製品区分別売上高においては、平刃類では包装関連刃物が増加したことなどにより、売上高は70億4千6百万円(前年同期比5.5%増)となりました。精密刃具類では木工関連刃物が微減となり、売上高は37億6千8百万円(前年同期比0.0%減)となり、丸鋸類では鋼管関連刃物や自動車関連刃物が増加し、売上高は97億3千8百万円(前年同期比2.6%増)となりました。また、商品の売上高は3億9千3百万円(前年同期比34.8%増)となりました。

 

売上原価は、前連結会計年度に比べ3億9千5百万円増加の146億7千5百万円となり、売上原価率は前連結会計年度の70.6%から当連結会計年度70.1%となりました。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2千2百万円減少の51億8千万円となりました。人件費が前連結会計年度に比べ2千4百万円減少、経費が2百万円増加しております。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ3億4千3百万円増加の10億9千万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度の3.7%から当連結会計年度5.2%となりました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は2億5千3百万円の収益計上となりました。

以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ6億3千7百万円増加の13億4千4百万円となりました。

特別利益から特別損失を差し引いた純額は1億2千1百万円の収益計上となりました。これは固定資産売却益7千9百万円、事業譲渡益6千5百万円を計上したことなどによります。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ1億8千6百万円減少の14億6千5百万円となり、法人税等は前連結会計年度に比べ2億3千4百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ4千7百万円増加の10億3千1百万円となりました。

なお、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度70円82銭から当連結会計年度74円24銭となりました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因として、経済状況、販売状況、カントリーリスク、為替相場の変動、原材料価格の変動、会計上の見積り、環境保護、自然災害、感染症の流行によるリスク、情報セキュリティリスク等があります。当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(日本)

売上高は、海外向けでは自動車関連刃物および鉄鋼関連刃物が減少したものの、国内向けでは非住宅関連刃物が増加したことから、前年同期比0.6%増の159億1千3百万円となりました。

セグメント利益(営業利益ベース、以下同じ。)は、前年同期比35.7%減の3億1千万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ7億6千8百万円減少の309億7千9百万円となりました。

(インドネシア)

売上高は、木工関連刃物および自動車関連刃物などが減少したことから、前年同期比2.1%減の41億7千7百万円となりました。

セグメント利益は、前年同期比21.1%増の3億9千8百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億3千3百万円増加の55億3百万円となりました。

(米国)

売上高は、鋼管関連刃物および自動車関連刃物が増加したことから、前年同期比2.1%増の24億6千2百万円となりました。

セグメント利益は、前年同期比48.0%減の8千2百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億7千4百万円減少の16億2千4百万円となりました。

 

(欧州)

売上高は、木工関連刃物が増加したことから、前年同期比17.3%増の22億8千9百万円となりました。

セグメント利益は、前年同期比59.0%増の4千1百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億6千4百万円増加の14億6千7百万円となりました。

(中国)

売上高は、木工関連刃物および自動車関連刃物が増加したことから、前年同期比6.2%増の18億4千9百万円となりました。

セグメント利益は、6百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億2千7百万円増加の21億7千9百万円となりました。

(ブラジル)

売上高は、木工関連刃物および製紙関連刃物が増加したことから、前年同期比18.6%増の7億8千5百万円となりました。

セグメント損失(営業損失ベース、以下同じ。)は、2千2百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ8千7百万円増加の7億7千3百万円となりました。

(ベトナム)

売上高は、紙工関連刃物や自動車関連刃物が増加したことから、前年同期比13.8%増の15億6百万円となりました。

セグメント利益は、9千5百万円となりました。

セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ5億6千9百万円増加の73億2千万円となりました。

(その他)

報告セグメントに含まれないその他の地域・事業を「その他」として区分しており、売上高は前年同期比2.1%減の11億6千6百万円、セグメント利益は、前年同期比71.0%減の1千1百万円、セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億4千2百万円増加の8億8千8百万円となりました。

なお、セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。当連結会計年度では有形固定資産の取得による支出10億6千6百万円を計上したことなどから、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億7千5百万円減少の78億8千5百万円の状況であります。

当連結会計年度末現在における重要な設備の新設等に係る今後の設備投資では、主に生産設備の更新・合理化などを計画しておりますが、その所要資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり当連結会計年度末における資産、負債の金額並びに当連結会計年度における収益、費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りが必要となりますが、当社グループは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

当社グループはグローバルな市場で高度なモノづくりに対応するため、切削加工における「長寿命化」「高精度化」「低騒音化」などの市場ニーズを解決する高付加価値工具及び周辺技術の研究開発を行っております。主な活動は、当社テクニカルセンター及びコミュニケーションセンターにおいて実施しており、主要課題として地球環境に優しい環境配慮型新製品を重点に「各種表面処理技術の研究」「工具材料として希少金属の有効利用」「差別化新製品の開発と製品群の拡充」「新規市場分野向け高精度工具開発及び製造技術の研究」などを中心に研究開発し、グローバルに製品販売しております。

当連結会計年度のトピックとして、10月に開催された日本木工機械展(主催:一般社団法人 日本木工機械工業会)において「ポリゴノビットWB」が技術優秀賞を受賞しました。合板や化粧貼り木質系ボード加工で発生するバリを最小限に抑えるための正逆リードの多結晶ダイヤモンド(PCD)ビットにおいて、従来にないφ6mmの小径を可能としました。ネスティング加工において歩留まり良く切り出すことが可能となります。

当連結会計年度の開発成果としましては、「Nova E’z Disc-mini」を開発いたしました。

多刃PCDによる高能率加工や刃先振れ調整不要の段取り時間削減を特長とするフライス加工用工具Nova E’z Discが最小刃径φ50mmであったのに対して、締結方法の見直しによって最小刃径φ30まで対応可能とした製品です。他社製に比べ1.7~2倍の刃数によって高能率加工が可能となります。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は258百万円となっております。