第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の積極的な経済政策等で回復傾向にあったものの、夏場以降中国経済の減速、原油価格の下落などを背景に、金融市場や輸出、設備投資等に影響が出てきております。また、海外では、米国において回復の兆しが見られるものの、中国をはじめとする新興国の経済成長鈍化など先行きは依然として不透明な状況にあります。

当社グループの大口需要家であります電力会社においては、原子力発電停止に伴う代替発電燃料費増加の影響により設備投資が抑制傾向となっていることに加え、新年度に開始される電力小売全面自由化等により、今後の設備投資動向についても、依然不透明な状況となっております。NTTにおいても、光サービスの提供エリアがほぼ充足したことから、当社グループに関連した設備投資が抑制傾向となっており、厳しい受注環境となっております。 

このような状況のなか、当社グループの生産部門では、国内において工程集約によるコスト削減を推進し、中国の海陽イワブチにおいても、設備効率化を図り価格競争力のある製品の生産に取り組みました。

営業部門では、電力会社・NTT向け新製品の市場投入をはじめ、コンクリート柱の建替関連製品、街路灯・防犯灯LED化関連製品の拡販など積極的な営業を展開しました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は10,616百万円と前連結会計年度に比べ461百万円、4.5%の増収となりました。経常利益は947百万円と前連結会計年度に比べ192百万円、16.9%の減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は613百万円と前連結会計年度に比べ138百万円、18.4%の減益となりました。

 

需要分野別の業績

セグメントに代わる需要分野別の業績は、次のとおりであります。

①  交通信号・標識・学校体育施設関連

交通信号関連は、全国的にコンクリート柱の建替や信号機のLED化工事が堅調に推移しました。しかしながら、標識関連は、当社に関連した工事の発注が少なく低調に推移しました。また、学校体育施設関連についても、防球ネット、照明工事共に全国的に小規模工事が多く低調に推移しました。その結果、売上高は1,281百万円と前連結会計年度に比べ88百万円、6.5%の減収となりました。

 

②  ブロードバンド・防災無線関連

ブロードバンド関連は、物件数の減少に加えて、市場価格の下落により、受注が減少しました。また、防災無線関連においても、補改修工事が中心となり低調に推移しました。その結果、売上高は843百万円と前連結会計年度に比べ251百万円、23.0%の減収となりました。

 

③  情報通信・電話関連

情報通信関連は、設備投資抑制の影響により移動体アンテナ設置工事が低調に推移しました。また、電気通信事業者による光伝送路工事も補改修工事が中心となり低調に推移しました。一方、電話関連では、東日本エリアを中心にコンクリート柱の建替関連製品が好調に推移しました。その結果、売上高は2,791百万円と前連結会計年度に比べ199百万円、7.7%の増収となりました。

 

④  配電線路関連

配電線路関連は、川内・高浜原子力発電所が再稼働に至ったものの、仮処分による高浜原子力発電所の稼働停止、また、その他原子力発電所は依然として稼働停止となっており、代替発電燃料費増加の影響で、依然設備投資は抑制傾向にあります。しかしながら、再生可能エネルギーに付随する工事や老朽化設備の更新工事等、一部工事については、回復の兆しがみられ、関連製品が好調に推移しました。その結果、売上高は3,779百万円と前連結会計年度に比べ767百万円、25.5%の増収となりました。

 

⑤  その他

一般民需関連は、補改修工事中心の動きとなりました。また、鉄道関連において、コンクリート柱建替えに伴う付帯工事が低調に推移しました。その結果、売上高は1,920百万円と前連結会計年度に比べ165百万円、7.9%の減収となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」)は、下記のとおり、営業活動により資金が増加したことから、資金残高は前連結会計年度末より215百万円増加(前連結会計年度は601百万円の増加)し、当連結会計年度末には3,373百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,050百万円のプラス(前連結会計年度は998百万円のプラス)となりました。

これは、主に税金等調整前当期純利益の計上940百万円、減価償却費の計上389百万円及びたな卸資産の減少316百万円による資金の増加と、仕入債務の減少200百万円及び法人税等の支払い386百万円による資金の減少によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、337百万円のマイナス(前連結会計年度は133百万円のマイナス)となりました。

これは、主に有形固定資産の取得371百万円による資金の減少によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、484百万円のマイナス(前連結会計年度は279百万円のマイナス)となりました。

これは、主に長期借入金の返済124百万円、配当金の支払い163百万円及び自己株式の取得148百万円による資金の減少によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

643,756

85.4

ブロードバンド・防災無線関連

298,022

72.4

情報通信・電話関連

1,039,239

70.8

配電線路関連

1,586,645

107.0

その他

936,680

83.8

合計

4,504,344

86.1

 

 

(注) 1.金額は、標準原価で表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 製商品仕入実績

当連結会計年度における製商品仕入実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

214,922

100.6

ブロードバンド・防災無線関連

323,629

80.3

情報通信・電話関連

527,124

94.8

配電線路関連

1,092,669

156.2

その他

335,965

101.6

合計

2,494,312

113.2

 

 

(注) 1.金額は、仕入価格に仕入付随費用を含めて表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注状況

当連結会計年度における受注状況を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

1,282,970

93.5

9,736

113.4

ブロードバンド・防災無線関連

841,052

76.7

10,559

83.1

情報通信・電話関連

2,776,702

107.3

31,513

67.7

配電線路関連

3,780,754

125.4

39,322

102.2

その他

1,918,577

91.8

20,263

92.5

合計

10,600,057

104.3

111,395

86.8

 

 

(注) 1.金額は、販売価格で表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

1,281,822

93.5

ブロードバンド・防災無線関連

843,201

77.0

情報通信・電話関連

2,791,763

107.7

配電線路関連

3,779,910

125.5

その他

1,920,230

92.1

合計

10,616,927

104.5

 

 

(注) 1.金額は、販売価格で表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループの対処すべき課題は、以下の事項になります。

(1) 人材育成

顧客とのゆるぎない信頼関係を構築し顧客満足度を向上させるべく、当社グループすべての職場環境を含めた人材投資に力点を置き、積極的な社員教育を実施してまいります。また、製造業として技術の継承を確実に実施すると共に新たな技術への挑戦にも全力で取り組んでまいります。

 

(2) 競争力強化、並びに迅速な対応の徹底

当社グループにおける生産、販売、管理というそれぞれの側面において、競争力強化のために更なるコストの低減に努めます。また、時代の変化を敏感にキャッチし迅速且つ的確な対応を徹底することで、企業としての総合力の強化を図ってまいります。

 

(3) 真摯に取組む姿勢

当社グループを取り巻くすべてのことに真摯に向き合い、品質向上や顧客満足度向上を更に目指し、幅広いインフラ構築の一端を担う企業として社会貢献に繋げるべく取り組んでまいります。また、企業として社会的責任を果たすべく、コンプライアンスの順守を根幹に据えた企業経営を進めてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループにおいて、事業を遂行する上で考えられるリスクに対して、被害を最小限に抑えるための対策を検討、実施しておりますが、当社グループが解決できない外的要因により、当社グループの経営成績及び財務状態に重大な影響が出ることが予想されます。

例えば、地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点の設備等が大きな被害を受け、その一部または全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは電力、情報通信、交通信号等の架線金物専門メーカーとして、需要家ニーズに応えるべく、品質と信頼性を重視し、コストダウンと施工作業の高効率化を目指した研究と製品開発を推進しております。

研究開発には、当連結会計年度末時点で当社製品開発部において14名が従事しております。

当連結会計年度の研究開発費の総額は、209,725千円であり、研究開発の目的と主要課題及び成果は次のとおりであります。

・地中線用品への新規参入のための製品開発。

・防犯、防災関連製品の新たな需要に応えた金物の開発。

・情報通信分野の様々な要求に対応した製品およびスマートメーター関連の共架金具の製品開発。

・配電線路関連製品及び交通信号関連製品の低コスト、長寿命化、施工作業の高効率化を目指した製品開発。

・需要家との共同研究による架設設計、架設工法対応の研究と関連用品の製品開発。

・有限要素法(CAE解析)による開発のスピード化と最適設計による顧客満足度の向上を目指した製品開発。

・ISOマネジメントシステムによる環境負荷低減を考慮した製品開発。

(注)  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ106百万円増加し、18,719百万円となりました。

当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(資産の部)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ166百万円増加し、11,072百万円となりました。

これは、主に現金及び預金が215百万円、受取手形及び売掛金が139百万円増加したことと、商品及び製品が283百万円減少したことによるものです。

なお、現金及び預金の増減要因につきましては、「第2  事業の状況、1  業績等の概要、(2) キャッシュ・フロー」をご参照下さい。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ59百万円減少し、7,646百万円となりました。

これは、主に有形固定資産が46百万円及び無形固定資産が42百万円増加したことと、投資その他の資産が149百万円減少したことによるものです。

 

(負債の部)

負債は、前連結会計年度末に比べ16百万円減少し、3,427百万円となりました。

これは、主に退職給付に係る負債が219百万円増加したことと、支払手形及び買掛金が172百万円、長期借入金が124百万円減少したことによるものです。

なお、有利子負債は長期借入金のみであり、1年以内に返済予定の長期借入金については、連結貸借対照表上、流動負債に短期借入金として表示しております。

 

(純資産の部)

純資産は、前連結会計年度末に比べ123百万円増加し、15,291百万円となりました。

これは、主に利益剰余金が450百万円増加したことと、その他有価証券評価差額金が86百万円、為替換算調整勘定が77百万円減少したこと及び自己株式を147百万円取得したことによるものです。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の81.3%から81.7%、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は前連結会計年度末の1,380円44銭から1,424円20銭となりました。

 

(2) 経営成績及びキャッシュ・フロー

「第2  事業の状況、1  業績等の概要」をご参照下さい。