当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による積極的な経済政策が実施されており、緩やかな回復基調が続いております。しかしながら海外は、イギリスのEU離脱、中国をはじめとするアジア新興国の経済成長鈍化など先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループの大口需要家であります電力会社においては、原子力発電停止に伴う代替発電燃料費増加の影響に加え、今年度より開始された電力小売全面自由化による新電力への切り替えや、今後予定されている送配電部門の法的分離などにより、事業環境が大きく変化しております。NTTにおいても、当社グループに関連した設備投資が抑制傾向となっており、厳しい受注環境となっております。
このような状況のなか、当社グループの生産部門では、業務の効率化によるコスト削減や品質管理の推進、顧客ニーズに応じた生産体制の構築を図り、価格競争力のある製品の生産に取り組みました。
営業部門では、電力会社・NTT向け新製品の市場投入をはじめ、顧客ニーズに応じた新製品の提案、新規需要に向けた活動など積極的な営業を展開しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は9,811百万円と前連結会計年度に比べ805百万円、7.6%の減収となりました。経常利益は650百万円と前連結会計年度に比べ296百万円、31.3%の減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は439百万円と前連結会計年度に比べ174百万円、28.4%の減益となりました。
需要分野別の業績
セグメントに代わる需要分野別の業績は、次のとおりであります。
① 交通信号・標識・学校体育施設関連
交通信号関連は、全国的にコンクリート柱の建替や信号機のLED化工事などにより堅調に推移しました。また、学校体育施設関連についても防塵ネットに関係した工事などがあり、堅調に推移しました。しかしながら、標識関連は、当社に関連した工事の発注が少なく低調に推移しました。その結果、売上高は1,244百万円と前連結会計年度に比べ37百万円、2.9%の減収となりました。
② ブロードバンド・防災無線関連
防災無線関連は、全国的に新規工事が立ち上がり好調に推移しました。ブロードバンド関連は、市場価格の厳しい状況が続いておりますが、物件工事が立ち上がり、好調となりました。その結果、売上高は926百万円と前連結会計年度に比べ83百万円、9.8%の増収となりました。
③ 情報通信・電話関連
情報通信関連は、設備投資抑制の影響により、移動体アンテナ設置工事および光伝送路工事が低調に推移しました。電話関連は、当社グループに関連した設備投資が一巡したことや、コンクリート柱の建替関連製品の受注が減少したことにより、低調に推移しました。その結果、売上高は2,241百万円と前連結会計年度に比べ549百万円、19.7%の減収となりました。
④ 配電線路関連
配電線路関連は、原子力発電停止に伴う代替発電燃料費増加の影響に加え、今年度より開始された電力小売全面自由化などにより、依然設備投資抑制傾向となっており、厳しい受注環境となりました。その結果、売上高は3,481百万円と前連結会計年度に比べ298百万円、7.9%の減収となりました。
⑤ その他
一般民需、公共工事関連は、街路灯・防犯灯LED化工事などがあり、堅調に推移しました。また、鉄道関連においても、コンクリート柱建替や安全対策に伴う付帯工事が堅調に推移しました。その結果、売上高は1,917百万円と前連結会計年度並みとなりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」)は、下記のとおり、営業活動により資金が増加したことから、資金残高は前連結会計年度末より1,094百万円増加(前連結会計年度は215百万円の増加)し、当連結会計年度末には4,467百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,025百万円のプラス(前連結会計年度は1,050百万円のプラス)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益の計上645百万円、減価償却費の計上379百万円及び売上債権の減少388百万円による資金の増加と、退職給付に係る負債の減少163百万円及び法人税等の支払い282百万円による資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、313百万円のマイナス(前連結会計年度は337百万円のマイナス)となりました。これは、主に無形固定資産の売却57百万円による資金の増加と、有形固定資産の取得380百万円による資金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、389百万円のプラス(前連結会計年度は484百万円のマイナス)となりました。これは、主に長期借入金の借入850百万円による資金の増加と、長期借入金の返済164百万円及び配当金の支払い267百万円による資金の減少によるものです。
当連結会計年度における生産実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。
|
需要分野別の名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
交通信号・標識・学校体育施設関連 |
633,450 |
98.4 |
|
ブロードバンド・防災無線関連 |
343,870 |
115.4 |
|
情報通信・電話関連 |
801,278 |
77.1 |
|
配電線路関連 |
1,505,348 |
94.9 |
|
その他 |
945,700 |
101.0 |
|
合計 |
4,229,649 |
93.9 |
(注) 1.金額は、標準原価で表示しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における製商品仕入実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。
|
需要分野別の名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
交通信号・標識・学校体育施設関連 |
207,597 |
96.6 |
|
ブロードバンド・防災無線関連 |
327,789 |
101.3 |
|
情報通信・電話関連 |
573,972 |
108.9 |
|
配電線路関連 |
953,176 |
87.2 |
|
その他 |
340,376 |
101.3 |
|
合計 |
2,402,913 |
96.3 |
(注) 1.金額は、仕入価格に仕入付随費用を含めて表示しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況を需要分野別に示すと、次のとおりであります。
|
需要分野別の名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
交通信号・標識・学校体育施設関連 |
1,240,058 |
96.7 |
5,053 |
51.9 |
|
ブロードバンド・防災無線関連 |
921,873 |
109.6 |
6,203 |
58.8 |
|
情報通信・電話関連 |
2,234,415 |
80.5 |
24,110 |
76.5 |
|
配電線路関連 |
3,469,576 |
91.8 |
27,478 |
69.9 |
|
その他 |
1,910,952 |
99.6 |
13,621 |
67.2 |
|
合計 |
9,776,876 |
92.2 |
76,468 |
68.6 |
(注) 1.金額は、販売価格で表示しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。
|
需要分野別の名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
交通信号・標識・学校体育施設関連 |
1,244,742 |
97.1 |
|
ブロードバンド・防災無線関連 |
926,229 |
109.8 |
|
情報通信・電話関連 |
2,241,818 |
80.3 |
|
配電線路関連 |
3,481,421 |
92.1 |
|
その他 |
1,917,593 |
99.9 |
|
合計 |
9,811,803 |
92.4 |
(注) 1.金額は、販売価格で表示しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、電力、通信、信号、放送、鉄道関連の架線金物を主として製造販売しております。昭和25年設立以来、経済的かつ信頼度の高い製品を供給し、電力、通信をはじめとした幅広いインフラ構築の一翼を担い、社会に貢献することを経営の基本理念としております。
当社グループは、この基本理念に基づき人材育成を図り、顧客のニーズに合致した製品を開発する為の技術を培い、生産設備を充実し、全国を網羅する供給、販売サービス体制を確立して、顧客からの信頼を得てまいりました。
現在わが国は、東日本大震災からの復興、経済の活性化に向けた取り組みが進められておりますが、当社の基本理念に基づき、私達の生活の礎となる電力、通信、交通など幅広いインフラ構築に貢献すべく、更なる開発及び生産技術を磨き、より信頼性の高い製品の提供に全力で取り組んでまいります。
当社グループは、主な需要家である電力会社及び通信会社等の年度設備投資計画に業績が大きく影響される業界の特殊性はありますが、株主への安定配当、継続的な収益の確保及び資本の効率的運用を図ることを重要な経営指標と位置付けております。
わが国の経済は、政府の積極的な経済政策等で緩やかな回復基調が続いております。一方、海外では、イギリスのEU離脱、中国をはじめとするアジア新興国の経済成長鈍化など先行きは依然として不透明な状況にあります。当社グループの主要顧客である電力会社においては、原子力発電停止に伴う代替発電燃料費増加の影響により設備投資が抑制傾向となっていることに加え、平成28年4月より開始された電力小売全面自由化による新電力への切り替えや、今後予定されている送配電部門の法的分離などにより事業環境は大きく変化しており、今後の設備投資動向についても、依然不透明な状況にあります。情報通信関連においても光サービスの提供エリアがほぼ充足したことから、設備投資が抑制傾向となっており厳しい受注環境にあります。
このような事業環境のもと、電力会社、NTT向け新製品の市場投入をはじめ、顧客ニーズに応じた新製品の提案、新規需要に向けた活動など積極的な営業を展開しております。
以上のとおり、当社グループといたしましては、今後とも顧客の求める信頼性の高い製品を供給するとともに経営品質を高め、より一層コスト削減に注力し、企業の社会的責任を果たすために次のことを実行してまいります。
① 中長期的に人材育成の強化に取り組みます。知識・技能の向上及び道徳・モラルを含めた法令順守が身につく教育・研修を継続し、何をなすべきか何をしてはいけないかを的確に判断できる人材の育成を図ります。
② 信頼される製品を提供します。社内及び協力会社における品質上の問題発生を未然に防ぐ予防措置、万一発生した不良品の流出を防ぐ品質チェック体制に重点をおいた品質管理を徹底します。
③ 資源の価格変動を中長期的に捉え、安定した材料・部品の仕入体制を確保し製品の安定供給を図ります。
④ 子会社を活用し製品供給体制を強化します。海陽イワブチの生産設備の改善や生産品の多様化を進めると共に品質の向上を進め、戦略子会社としてコスト競争力の向上を図ります。また、北栄鉄工㈱を北海道のみならず北日本における製造販売拠点、販売会社であるIWM㈱を中部地区の販売拠点と位置づけ、当社グループ全体の製品製造・供給の最適化を図ります。
⑤ 業務の改善を継続して進めます。生産・販売・管理の各部門で不断の業務見直しにより、「ムダ」な業務を廃止し、業務の効率化を行い、経営コストの低減に努めます。
当社グループの対処すべき課題は、以下の事項になります。
① 人材育成
顧客とのゆるぎない信頼関係を構築し、顧客満足度を向上させるべく積極的な社員教育を実施してまいります。また、製造業として技術の継承を確実に実施すると共に新たな技術への挑戦にも全力で取り組んでまいります。
② 競争力強化並びに迅速な対応の徹底
当社グループにおける生産、販売、管理というそれぞれの側面において、競争力強化のために更なるコストの低減に努めます。また、時代の変化を敏感にキャッチし迅速且つ的確な対応を徹底することで、企業としての総合力の強化を図ってまいります。
③ 真摯に取組む姿勢
当社グループを取り巻くすべてのことに真摯に向き合い、品質向上や顧客満足度向上を更に目指し、幅広いインフラ構築の一端を担う企業として社会貢献に繋げるべく取り組んでまいります。また、企業として社会的責任を果たすべく、コンプライアンスの順守を根幹に据えた企業経営を進めてまいります。
当社グループにおいて、事業を遂行する上で考えられるリスクに対して、被害を最小限に抑えるための対策を検討、実施しておりますが、当社グループが解決できない外的要因により、当社グループの経営成績及び財務状態に重大な影響が出ることが予想されます。
例えば、地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点の設備等が大きな被害を受け、その一部または全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
該当事項はありません。
当社グループは電力、情報通信、交通信号等の架線金物専門メーカーとして、需要家ニーズに応えるべく、品質と信頼性を重視し、コストダウンと施工作業の高効率化を目指した研究と製品開発を推進しております。
研究開発には、当連結会計年度末時点で当社製品開発部において14名が従事しております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、207,981千円であり、研究開発の目的と主要課題及び成果は次のとおりであります。
・LED照明関連製品の取付金具の開発。
・公衆安全を考慮した樹脂製品の開発。
・地中線用品への新規参入のための製品開発。
・防犯、防災関連の新たな需要に応えた製品開発。
・情報通信分野の次世代アンテナ関連の取付金具の開発。
・配電線路関連製品及び交通信号関連製品の低コスト、長寿命化、施工作業の高効率化を目指した製品開発。
・需要家との共同研究による架設設計、架設工法対応の研究と関連用品の製品開発。
・有限要素法(CAE解析)による開発のスピード化と最適設計による顧客満足度の向上を目指した製品開発。
・ISOマネジメントシステムによる環境負荷低減を考慮した製品開発。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ624百万円増加し、19,344百万円となりました。
当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(資産の部)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ659百万円増加し、11,732百万円となりました。これは、主に現金及び預金が1,094百万円、電子記録債権が175百万円増加したことと、受取手形及び売掛金が568百万円減少したことによるものです。
なお、現金及び預金の増減要因につきましては、「第2 事業の状況、1 業績等の概要、(2) キャッシュ・フロー」をご参照下さい。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ35百万円減少し、7,611百万円となりました。これは、主に有形固定資産が39百万円減少したことによるものです。
(負債の部)
負債は、前連結会計年度末に比べ362百万円増加し、3,790百万円となりました。これは、主に長期借入金が623百万円増加したことと、未払法人税等が129百万円及び退職給付に係る負債が163百万円減少したことによるものです。
なお、有利子負債は長期借入金のみであり、1年以内に返済予定の長期借入金については、連結貸借対照表上、流動負債に短期借入金として表示しております。
(純資産の部)
純資産は、前連結会計年度末に比べ262百万円増加し、15,554百万円となりました。これは、主に利益剰余金が170百万円及びその他有価証券評価差額金が135百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の81.7%から80.4%、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は前連結会計年度末の14,241円95銭から14,486円98銭となりました。
なお、平成28年10月1日を効力発生日として、普通株式10株を1株の割合で併合しており、前連結会計年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定して、1株当たり純資産額を算定しております。
「第2 事業の状況、1 業績等の概要」をご参照下さい。