第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社は、電力、通信、信号、放送、鉄道関連の架線金物を主として製造販売しております。昭和25年設立以来、経済的かつ信頼度の高い製品を供給し、電力、通信をはじめとした幅広いインフラ構築の一翼を担い、社会に貢献することを経営の基本理念としております。

当社グループは、この基本理念に基づき人材育成を図り、顧客のニーズに合致した製品を開発する為の技術を培い、生産設備を充実し、全国を網羅する供給、販売サービス体制を確立して、顧客からの信頼を得てまいりました。

現在わが国は、東日本大震災からの復興、経済の活性化に向けた取り組みが進められておりますが、当社の基本理念に基づき、私達の生活の礎となる電力、通信、交通など幅広いインフラ構築に貢献すべく、更なる開発及び生産技術を磨き、より信頼性の高い製品の提供に全力で取り組んでまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、株主への安定配当、継続的な収益の確保及び資本の効率的運用を図ることを重要な経営指標と位置付けております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

わが国の経済は、政府による積極的な経済政策が実施されており、雇用情勢や企業収益など改善が続くなかで、緩やかな回復基調が続いているものの、海外経済、為替相場の動向による影響が懸念され、先行きは不透明な状況にあります。

当社グループの主要顧客である電力会社においては、原子力発電停止に伴う代替発電燃料費増加の影響に加え、電力小売全面自由化による新電力への切り替えや、今後予定されている送配電部門の法的分離などを見据え、設備投資の抑制やコスト削減に向けた動きが続いております。NTTにおいても、当社グループに関連した設備投資は抑制傾向となっており、厳しい受注環境にあります。

このような事業環境のもと、電力会社、NTT向け新製品の市場投入をはじめ、顧客ニーズに応じた新製品の提案、海外を含む新規需要に向けた活動など、グループ一丸となって積極的な営業を展開しております。

以上のとおり、当社グループといたしましては、今後とも顧客の求める信頼性の高い製品を供給するとともに経営品質を高め、より一層コスト削減に注力し、企業の社会的責任を果たすために次のことを実行してまいります。

①  中長期的に人材育成の強化に取り組みます。知識・技能の向上及び道徳・モラルを含めた法令順守が身につく教育・研修を継続し、何をなすべきかを的確に判断できる人材の育成を図ります。

②  信頼される製品を提供します。社内及び協力会社における品質上の問題発生を未然に防ぐ予防措置、万一発生した不良品の流出を防ぐ品質チェック体制に重点をおいた品質管理を徹底します。

③  資源の価格変動を中長期的に捉え、安定した材料・部品の仕入体制を確保し製品の安定供給を図ります。

④  子会社を活用し製品供給体制を強化します。海陽イワブチの生産設備の改善や生産品の多様化を進めると共に品質の向上を進め、戦略子会社としてコスト競争力の向上を図ります。また、北栄鉄工㈱を北海道のみならず北日本における製造販売拠点、協和興業㈱を関西地区のみならず西日本における製造販売拠点とそれぞれ位置づけ、販売会社であるIWM㈱は中部地区における多様な製商品の販売拠点とし、当社グループ全体の製品製造・供給の最適化を図ります。

⑤  業務の改善を継続して進めます。生産・販売・管理の各部門で不断の業務見直しにより、「ムダ」な業務を廃止し、業務の効率化を行い、経営コストの低減に努めます。

 

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループの対処すべき課題は、以下の事項になります。

①  人材育成

顧客とのゆるぎない信頼関係を構築し、顧客満足度を向上させるべく積極的な社員教育を実施してまいります。また、製造業として技術の継承を確実に実施すると共に新たな技術への挑戦にも全力で取り組んでまいります。

 

②  競争力強化並びに迅速な対応の徹底

当社グループにおける生産、販売、管理というそれぞれの側面において、競争力強化のために更なるコストの低減に努めます。また、時代の変化を敏感にキャッチし迅速且つ的確な対応を徹底することで、企業としての総合力の強化を図ってまいります。

 

③  真摯に取組む姿勢

当社グループを取り巻くすべてのことに真摯に向き合い、品質向上や顧客満足度向上を更に目指し、幅広いインフラ構築の一端を担う企業として社会貢献に繋げるべく取り組んでまいります。また、企業として社会的責任を果たすべく、コンプライアンスの順守を根幹に据えた企業経営を進めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループにおいて、事業を遂行する上で考えられるリスクに対して、被害を最小限に抑えるための対策を検討、実施しておりますが、当社グループが解決できない外的要因により、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響が出ることが予想されます。

例えば、地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点の設備等が大きな被害を受け、その一部または全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(平成30年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による積極的な経済政策が実施されており、雇用情勢や企業収益など改善が続くなかで、緩やかな回復基調が続いているものの、海外経済、為替相場の動向による影響が懸念され、先行きは不透明な状況にあります。

当社グループの大口需要家であります電力会社においては、原子力発電停止に伴う代替発電燃料費増加の影響に加え、昨年度より開始された電力小売全面自由化による新電力への切り替えや、今後予定されている送配電部門の法的分離などの動きから、設備投資の抑制や更なるコスト削減要請が続いております。NTTにおいても、当社グループに関連した設備投資が抑制傾向となっており、厳しい受注環境となりました。

このような状況のなか、当社グループの取り組みとして、経営環境の変化に応じた投資を実施するとともに、業務の効率化によるコスト削減や品質管理の推進、海外を含めた新規マーケットの開拓も進め、新たなインフラ構築に貢献すべく、グループ一丸となって取り組みました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は9,973百万円と前連結会計年度に比べ161百万円、1.6%の増収となりました。経常利益は379百万円と前連結会計年度に比べ271百万円、41.7%の減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は294百万円と前連結会計年度に比べ144百万円、33.0%の減益となりました。

 

セグメントに代わる需要分野別の経営成績は、次のとおりであります。

①  交通信号・標識・学校体育施設関連

学校体育施設関連は、全国的に堅調に推移しました。また、標識関連は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた道路標識の整備工事が実施されたことから、好調に推移しました。しかしながら、交通信号関連は、警視庁管内における信号灯器のLED化が一巡し、低調となりました。その結果、売上高は1,167百万円と前連結会計年度に比べ77百万円、6.2%の減収となりました。

 

②  ブロードバンド・防災無線関連

防災無線関連は、補改修工事が中心となり低調に推移しました。しかしながら、ブロードバンド関連は、市場価格の厳しい状況が続いておりますが、4K・8K放送に向けた設備投資が各地で実施され、堅調となりました。その結果、売上高は920百万円と前連結会計年度並みとなりました。

 

③  情報通信・電話関連

電話関連は、当社グループに関連した設備投資が抑制傾向となっており低調となりました。しかしながら、情報通信関連は、電気通信事業者による光伝送路工事や移動体アンテナ設置工事が全国的に好調に推移しました。その結果、売上高は2,233百万円と前連結会計年度並みとなりました。

 

④  配電線路関連

配電線路関連は、原子力発電停止に伴う代替発電燃料費増加の影響に加え、昨年度より開始された電力小売全面自由化などにより、設備投資の抑制やコスト削減要請が続いているなか、新製品の投入など、積極的な活動を展開しました。その結果、売上高は3,660百万円と前連結会計年度に比べ179百万円、5.1%の増収となりました。

 

⑤  その他

一般民需、公共工事関連は、政府の積極的な経済政策の影響もあり、民間設備投資や街路灯・防犯灯LED化工事などにより、堅調に推移しました。また、鉄道関連においても、安全対策に伴う付帯工事が好調に推移しました。その結果、売上高は1,991百万円と前連結会計年度に比べ73百万円、3.8%の増収となりました。

 

 

生産、仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

①  生産実績

当連結会計年度における生産実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

714,287

112.8

ブロードバンド・防災無線関連

335,192

97.5

情報通信・電話関連

802,183

100.1

配電線路関連

1,387,647

92.2

その他

1,028,434

108.7

合計

4,267,745

100.9

 

 

(注) 1.金額は、標準原価で表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②  製商品仕入実績

当連結会計年度における製商品仕入実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

232,277

111.9

ブロードバンド・防災無線関連

268,397

81.9

情報通信・電話関連

721,395

95.8

配電線路関連

1,137,019

119.3

その他

473,902

139.2

合計

2,832,992

109.7

 

 

(注) 1.金額は、仕入価格に仕入付随費用を含めて表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③  受注実績

当連結会計年度における受注実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

1,169,598

94.3

7,604

150.5

ブロードバンド・防災無線関連

926,070

100.5

11,418

184.1

情報通信・電話関連

2,239,627

100.2

29,881

123.9

配電線路関連

3,666,877

105.7

33,858

123.2

その他

1,999,867

104.7

22,388

164.4

合計

10,002,040

102.3

105,152

137.5

 

 

(注) 1.金額は、販売価格で表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

④  販売実績

当連結会計年度における販売実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

1,167,047

93.8

ブロードバンド・防災無線関連

920,855

99.4

情報通信・電話関連

2,233,856

99.6

配電線路関連

3,660,497

105.1

その他

1,991,100

103.8

合計

9,973,356

101.6

 

 

(注) 1.金額は、販売価格で表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

  

 

(2)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ150百万円増加し、19,494百万円となりました。当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ268百万円減少し、11,463百万円となりました。これは、主に電子記録債権が542百万円、商品及び製品が153百万円増加したことと、現金及び預金が626百万円、受取手形及び売掛金が357百万円減少したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ419百万円増加し、8,030百万円となりました。これは、主に有形固定資産が413百万円増加したことによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ83百万円減少し、3,706百万円となりました。これは、主に長期借入金が116百万円減少したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ234百万円増加し、15,788百万円となりました。これは、主にその他有価証券評価差額金が74百万円及び非支配株主持分が93百万円増加したことによるものです。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の80.4%から80.5%、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は前連結会計年度末の14,486円98銭から14,696円63銭となりました。

 

(3)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」)は、下記のとおり、投資活動により資金が減少したことから、資金残高は前連結会計年度末より657百万円減少(前連結会計年度は1,094百万円の増加)し、当連結会計年度末には3,809百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、347百万円のプラス(前連結会計年度は1,025百万円のプラス)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益の計上457百万円、減価償却費の計上435百万円による資金の増加と、仕入債務の減少267百万円、負ののれん発生益の計上125百万円及び法人税等の支払い189百万円による資金の減少によるものです。 

投資活動によるキャッシュ・フローは、561百万円のマイナス(前連結会計年度は313百万円のマイナス)となりました。これは、主に投資有価証券の売却66百万円による資金の増加と、有形固定資産の取得630百万円による資金の減少によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、451百万円のマイナス(前連結会計年度は389百万円のプラス)となりました。これは、主に長期借入金の返済206百万円及び配当金の支払い215百万円による資金の減少によるものです。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資の調達につきましては、必要に応じ金融機関からの長期借入としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務の残高は791百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,809百万円となっております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは電力、情報通信、交通信号等の架線金物専門メーカーとして、需要家ニーズに応えるべく、品質と信頼性を重視し、コストダウンと施工作業の高効率化を目指した研究と製品開発を推進しております。

研究開発には、当連結会計年度末時点で当社製品開発部において12名が従事しております。

当連結会計年度の研究開発費の総額は、215,977千円であり、研究開発の目的と主要課題及び成果は次のとおりであります。

・配電線路関連製品及び交通信号関連製品の低コスト、長寿命化、施工作業の高効率化を目指した製品開発。

・情報通信分野の次世代アンテナ関連の製品開発。

・有限要素法(CAE解析)による開発のスピード化と最適設計による顧客満足度の向上を目指した製品開発。

・防犯、防災関連の新たな需要に応えた製品開発。

・需要家との共同研究による架設設計、架設工法対応の研究と関連用品の製品開発。

・地中線用品への新規参入のための製品開発。

・ISOマネジメントシステムによる環境負荷低減を考慮した製品開発。

  ・イワブチテクニカルセンター(ITC)を活用した製品開発。

(注)  上記金額には、消費税等は含まれておりません。