第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社は、電力、通信、信号、放送、鉄道関連の架線金物を主として製造販売しております。昭和25年設立以来、経済的かつ信頼度の高い製品を供給し、電力、通信をはじめとした幅広いインフラ構築の一翼を担い、社会に貢献することを経営の基本理念としております。

当社グループは、この基本理念に基づき人材育成を図り、顧客のニーズに合致した製品を開発する為の技術を培い、生産設備を充実し、全国を網羅する供給、販売サービス体制を確立して、顧客からの信頼を得てまいりました。

現在わが国は、カーボンニュートラルの実現、国土強靭化やスマート社会など様々な次世代に向けた取り組みが進められておりますが、当社の基本理念に基づき、私達の生活の礎となる電力、通信、交通など幅広いインフラ構築に貢献すべく、更なる開発及び生産技術を磨き、より信頼性の高い製品の提供に全力で取り組むとともに、グループ会社化した株式会社須田製作所とシナジーを発揮して一層の企業価値向上に向けた活動を進めてまいります。また、従来の架線金物事業に留まらず、新分野・新需要に関連する研究を着実に進め、今まで以上に新規マーケット、新規ビジネスの開拓を進めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、株主への安定配当、継続的な収益の確保及び資本の効率的運用を図ることを重要な経営指標と位置付けております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、経営の基本方針を真摯に貫き、顧客の信頼の上に成り立つ現在のイワブチブランドを次世代に確かにつなぐため、2020年に10年後のありたい姿を描き「VISION2030~新たな価値づくりへの挑戦」を定めました。

柱とする成長戦略は、「新たなものづくり」と「新たな価値づくり」です。既存事業である架線金物事業を「ジョイント事業」と位置づけ、グループの強みであるジョイントパーツの開発・設計・生産の更なる深堀りとともに従来の品質水準を高めながら省人化、柔軟性を備えた工場のスマート化を図り、「新たなものづくり」に取り組むものです。また、これまでの“モノとモノ”から、“モノとヒト”、“ヒトとヒト”をつなぐ新たな価値を生み出す事業を「コネクト事業」と位置づけ、広く顧客ニーズに対応したサービス事業を展開する「新たな価値づくり」に挑戦するものです。

その実現に向け、2021年度から2025年度までの前半5か年の中期経営計画を「Phase1」とし、次のことを基本方針として活動は2年目に入りました。

 

①開発の加速と研究の深化探索を見据え、強みである開発基盤を再構築する一方、昨年4月に立ち上げた「NEXT研究室」を中心に研究基盤の確立を図る。

②新たなセグメントの確立を見据え、脱炭素社会、スマートシティー、国土強靭化、デジタル田園都市国家などに関連する様々な新規事業の企画実行に取り組む。

③これらを支えるため、業務改善・プロセス改革とデジタル戦略を推進し、スマートファクトリー構築、組織力のさらなる強化等に注力する。

 

新たな価値づくりに向け足元では、研究者を顧客企業に派遣し共同研究を開始、事業パートナーとしての新たな連結子会社をグループに加えシナジー効果を獲得、さらには、気候変動に対する世界的な危機意識の高まりや脱炭素へと加速する社会の動きを新たな成長機会と捉え、ESG経営戦略と成長戦略を統合するなどの活動を行っております。

中長期的な視野で、一歩一歩着実に成長戦略を具現化しながらさらなる成長を目指すとともに社会的責任を果たしてまいります。

 

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループの対処すべき課題は、以下の事項になります。

①  人材育成

顧客とのゆるぎない信頼関係を構築し、顧客満足度を向上させるべく積極的な社員教育を実施してまいります。また、製造業として技術の継承を確実に実施すると共に新たな技術への挑戦にも全力で取り組んでまいります。

 

②  競争力強化並びに迅速な対応の徹底

当社グループにおける販売、生産、管理というそれぞれの側面において、競争力強化のために更なるコストの低減に努めます。また、時代の変化を敏感にキャッチし迅速かつ的確な対応を徹底することで、企業としての総合力の強化を図ってまいります。

 

③  真摯に取組む姿勢

当社グループを取り巻くすべてのことに真摯に向き合い、品質向上や顧客満足度向上を更に目指し、幅広いインフラ構築の一端を担う企業として社会貢献に繋げるべく取り組んでまいります。また、企業として社会的責任を果たすべく、コンプライアンス体制を根幹に据えた企業経営を進めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識し、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

  (1)市場環境の変化

① 市場環境

当社グループにおける市場を大別すると、配電線路関連では、送配電網の強靭化とコスト効率化の両立や脱炭素社会への移行など様々な課題を解決するなかで、資機材の仕様・調達・流通における再編の動きは続くものと認識いたします。情報通信関連では、5G需要に対する新製品・新サービスの提供はもとより、デジタル田園都市国家構想に関連した需要への取組みが重要になります。CATV・防災無線関連では、国土強靭化緊急対策が加速するなか、物件ごとに価格競争が一段と激しさを増すことが予想されます。交通信号・標識・学校体育施設関連では、スマートシティーといった次世代システムとリンクした需要への取組みが重要となります。

こうした各需要に対し、積極的な事業活動を展開しておりますが、各市場の制度変更、景気変動、ニーズの変化に的確に対応できない場合、中長期的な業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

② 資産価値

当社グループは、顧客との連携、情報収集の強化と情報共有化を図り、需要動向に応じた適切な在庫管理および設備投資を行っておりますが、市場環境、競争状況、ニーズの変化、新技術や新製品による既存製品の陳腐化等が生じた場合、棚卸資産の評価損や事業用固定資産の減損損失により、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

  (2)原材料等の価格・調達

当社グループは、鋼材、亜鉛などの各種市況をモニタリングするとともに、仕入・外注先とは良好な関係を保ち円滑なサプライチェーンを築いておりますが、鋼材を主とした原材料や副資材など生産に必要な資源や外注加工品が、様々な要因により、想定外に高騰し製造コストの上昇を招いた場合、業績に重大な影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、複数社による生産補完体制をとり、製品供給網を構築しております。生産拠点のひとつである連結子会社海陽岩淵金属製品有限公司は中国にあることから、不測の政治的、経済的、地政学的事象などが発生した際、製品等の供給が滞らないよう対策を講じております。しかしながら、様々な要因により、生産に必要な国内外の資源や部品、製品、外注加工品の調達が阻害され、あるいはグループ会社、仕入先・協力会社とのサプライチェーンの変更等を余儀なくされた場合、製品の供給が滞るおそれがあり、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

 

  (3)製品の品質

当社グループは、ISOマネジメントシステムをツールとした品質管理体制を、協力会社を含めグループ全体に整備しておりますが、設計・製造上の過誤、施工不良などにより製品およびサービスに欠陥があることが判明し、法令の規定または当社グループの判断で、無償修理・交換・返金・回収などの措置を行うこととなった場合、多額の費用の発生とメーカーとしての信頼を失墜するおそれがあり、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

  (4)金融市場

① 金融資産

当社グループが保有する金融資産(投資有価証券、確定給付企業年金資産)の価格が著しく下落し、多額の評価損あるいは補填が発生する場合、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

② 為替変動

当社グループの連結子会社である海陽岩淵金属製品有限公司は、主として、当社製品の生産を担っており、当社との取引はすべて円建てで行っております。そのため、同社は、円建ての預金や売掛金等を有しており、為替レートが円安(元高)となった場合、為替差損が発生し、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

 

  (5)災害・事故の発生

① 自然災害

当社グループは、地震、風水害、感染症の蔓延などの災害に対しては、事業拠点、製造拠点ごとに災害対策を講じておりますが、想定を超える規模の災害が発生し、サプライチェーンの停滞・寸断、設備の損壊、社員の罹患、ライフラインの停止などにより生産販売活動に支障をきたす場合、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

② 事故

当社グループは、ISOマネジメントシステムをツールとした安全衛生および環境保全体制等を整備しておりますが、人為的ミスによる有害物質の漏洩などの突発的な事故により一時的に操業を停止せざるを得ない場合、製品の供給が滞るおそれがあり、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

  (6)情報セキュリティ

当社グループは、顧客などの個人情報や機密保持契約に基づく機密情報の管理について、ハード・ソフト両面からセキュリティ対策を実施しておりますが、新種のコンピュータウィルスやサイバー攻撃などにより保有する情報が漏洩する場合、顧客等からの損害賠償請求や信用低下などにより、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

  (7)人材の確保・育成

① 人材確保

当社グループは、働き方改革のもと、安全で公正公平な働きやすい職場環境の確保と魅力ある会社作りに取り組んでおりますが、人材の流動化や雇用情勢の変動等により必要な人材が確保できない場合、中長期的には業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

② 人材育成

当社グループは、様々な教育による人材育成の強化に取り組み、品質を支える技術の継承等を図っておりますが、ベテラン社員の退職、コミュニケーションの不足や社員のモチベーション低下といった人的要因により他のリスクを誘発する場合、顧客の信頼、社会的信用、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

 

  (8)法令・規則違反

当社グループは、様々な法的要求事項に対し真摯に対応することを基本とし、コンプライアンス体制および内部統制制度を構築し、社員教育においても重要項目としてコンプライアンスの徹底をグループで取り組んでおりますが、事業活動を行う上で様々な法規制の適用を受けており、グループのみならず委託先・協力会社を含めて重大な法令違反が起きる場合、訴訟等の発生、顧客の信頼、社会的信用、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

また、内部監査ほか種々の仕組みを用いて法規制の新設・改定に対するモニタリングを行い、対応しておりますが、制改定により事業活動が制限され、あるいは対応のため多大な支出が必要になる場合、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

  (9)グループ経営

当社グループは、製品供給体制を最適化すべく製造販売活動を行っておりますが、グループの全体最適を考え、事業の見直し再編等を行い、一時的に多額の損失が発生する場合、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

  (10)気候変動

当社グループは、ESG経営を念頭に、気候変動に対する世界的な危機意識の高まりや脱炭素へと加速する社会の動きを新たな成長機会と捉えると同時に、気候変動の物理的リスクと脱炭素社会への移行リスクを認識し、CO排出量の削減などの環境負荷低減に積極的に取り組んでおります。

しかしながら、近年被害が甚大化する暴風雨等により、生産や出荷の遅延が発生する場合や被災地域での顧客の事業活動が妨げられることなどによる受注の遅れが発生する場合、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

また、炭素税の賦課や規制の強化、社会的要求事項の増加により、コストの上昇や事業活動の制約、不十分な対応による信用の低下が発生する場合、業績および財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新たな変異株の流行に伴う新型コロナウイルスの感染再拡大や行動制限が再び求められることも懸念され、依然として設備投資や個人消費等、景気の動向は不透明な状況にあります。 また、当社を取り巻く事業環境は、昨年後半からの急激な鋼材等原材料の高騰により製造業にとって非常に厳しい経営環境となっております。

当社グループの主要需要であります電力業界においては、送配電部門の分社化を背景に、更なる経営合理化の推進による設備投資の抑制やコスト削減要請が続いており、厳しい受注環境となりました。一方、通信業界においては、総務省が推進するデジタル化に対応した社会環境整備、「ICTインフラ地域展開マスタープラン3.0」に基づいた光ファイバー網ならびに5G基地局の整備が進められました。

当社グループにおいては、移動体キャリア向けに新製品を提供したことに加え、新市場の開拓も進め、脱炭素社会の実現に貢献すべくEV関連、再生可能エネルギー関連ならびに耐震関連製品の投入を行いました。また、鋼材や亜鉛等の材料価格高騰に対応するため、従来から生産・営業・管理部門が一丸となって取り組んでいるコスト低減に向けた業務改善活動と並行して、製品の販売価格改定を行いました。さらに、株式会社須田製作所をグループ会社化し、シナジーを発揮して一層の企業価値向上に向けた活動を進めております。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は10,262百万円と前連結会計年度に比べ368百万円、3.7%の増収となりました。営業利益は414百万円と前連結会計年度に比べ275百万円、39.9%の減益、経常利益は487百万円と前連結会計年度に比べ275百万円、36.2%の減益、親会社株主に帰属する当期純利益については755百万円と前連結会計年度に比べ243百万円、47.6%の増益となりました。

なお、新型コロナウイルス感染症による業績への影響について、当社グループに関連した需要に大きな影響はありませんでした。

 

セグメントに代わる需要分野別の経営成績は、次のとおりです。

① 交通信号・標識・学校体育施設関連

交通信号・標識関連は、信号関連の工事が減少しましたが、標識の保守・改修工事は順調に行われ、堅調に推移しました。学校体育施設関連は、防球ネット工事関連の新製品投入と新規顧客の開拓などから、好調に推移しました。その結果、売上高は1,229百万円と前連結会計年度に比べ37百万円、3.1%の増収となりました。

 

② CATV・防災無線関連

CATV関連は、光ファイバー網の工事が実施されたことから、好調に推移しました。一方、防災無線関連は、デジタル化への更新工事が減少したことから、低調に推移しました。その結果、売上高は1,087百万円と前連結会計年度に比べ16百万円、1.5%の減収となりました。

 

③ 情報通信関連

情報通信関連は、総務省が推進する光ファイバー網の整備工事が実施されたことから、好調に推移しました。また、基地局設置工事が活発に行われたことに加え、5Gに関連した移動体基地局用の新製品の投入により、好調に推移しました。その結果、売上高は2,537百万円と前連結会計年度に比べ326百万円、14.8%の増収となりました。

 

④ 配電線路関連

配電線路関連は、新製品投入と既存製品の販売拡大に向けた営業活動を行いましたが、電力会社による経営基盤強化に向けた調達方式の見直しや、設備投資の抑制などにより、厳しい受注環境となりました。その結果、売上高は3,385百万円と前連結会計年度に比べ94百万円、2.7%の減収となりました。

 

⑤ その他

鉄道関連は、保守工事や安全対策関連工事が減少した影響から、低調に推移しました。一方、一般民需、公共工事関連は、再生可能エネルギー向け製品やセキュリティ対策工事向け製品の特需もあり、好調に推移しました。加えて、グループ会社の工事部門の売上が寄与した他、EV関連の新製品や耐震関連製品の販売などがありました。その結果、売上高は2,022百万円と前連結会計年度に比べ115百万円、6.1%の増収となりました。

 

生産、仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

①  生産実績

当連結会計年度における生産実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

                       695,213

96.6

CATV・防災無線関連

392,729

102.1

情報通信関連

952,004

110.1

配電線路関連

1,302,003

95.9

その他

963,604

102.5

合計

4,305,555

100.9

 

 

(注) 金額は、標準原価で表示しております。

 

②  製商品仕入実績

当連結会計年度における製商品仕入実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

284,895

112.0

CATV・防災無線関連

361,974

129.8

情報通信関連

817,375

125.7

配電線路関連

1,138,211

110.7

その他

534,596

118.1

合計

3,137,054

117.7

 

 

(注) 金額は、仕入価格に仕入付随費用を含めて表示しております。

 

③  受注実績

当連結会計年度における受注実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

1,232,306

103.4

13,839

126.0

CATV・防災無線関連

1,073,683

96.5

16,908

54.4

情報通信関連

2,485,833

109.9

39,065

42.9

配電線路関連

3,336,637

94.5

48,915

50.2

その他

2,012,038

105.4

    33,352

76.3

合計

10,140,500

101.4

152,081

55.5

 

 

(注) 金額は、販売価格で表示しております。

 

④  販売実績

当連結会計年度における販売実績を需要分野別に示すと、次のとおりであります。

 

需要分野別の名称

金額(千円)

前年同期比(%)

交通信号・標識・学校体育施設関連

1,229,448

103.1

CATV・防災無線関連

1,087,852

98.5

情報通信関連

2,537,739

114.8

配電線路関連

3,385,222

97.3

その他

2,022,400

106.1

合計

10,262,663

103.7

 

 

(注) 金額は、販売価格で表示しております。

 

 

(2)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,966百万円増加し、22,956百万円となりました。

当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ496百万円増加し、13,214百万円となりました。これは、主に電子記録債権が158百万円、商品及び製品が209百万円、仕掛品が323百万円増加したことと、現金及び預金が206百万円減少したことによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,469百万円増加し、9,741百万円となりました。これは、主に有形固定資産が2,088百万円及び投資その他の資産が281百万円増加したことによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ1,305百万円増加し、4,869百万円となりました。これは、主に支払手形及び買掛金が427百万円、繰延税金負債が571百万円増加したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ1,660百万円増加し、18,087百万円となりました。これは、主に利益剰余金が540百万円、その他有価証券評価差額金が134百万円及び非支配株主持分が897百万円増加したことによるものです。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の81.73%から74.49%、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は前連結会計年度末の15,292円99銭から16,838円87銭となりました。

 

(3)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ562百万円増加し、5,250百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、589百万円のプラスとなりました。これは、主に税金等調整前当期純利益の計上924百万円及び減価償却費の計上312百万円による資金の増加と、負ののれん発生益の計上431百万円及び棚卸資産の増加216百万円による資金の減少によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、236百万円のプラスとなりました。これは、主に定期預金の払戻2,550百万円による資金の増加と、定期預金の預入1,550百万円及び子会社株式の取得579百万円による資金の減少によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、302百万円のマイナスとなりました。これは、主に長期借入金の返済147百万円及び配当金の支払い214百万円による資金の減少によるものです。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資資金の調達につきましては、必要に応じ主に金融機関からの長期借入としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務の残高は573百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,250百万円となっております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、令和4年1月18日開催の取締役会において、株式会社須田製作所の株式を取得し、子会社化することを決議し、令和4年1月19日付で同社の株式を取得し、当社の連結対象子会社といたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、電力、情報通信、交通信号など、需要家のニーズに応えるため、品質と安全を重視し、設計開発期間の短縮、長期信頼性・施工作業性の向上、コスト競争力のある製品の開発に取り組んでいます。ならびに、これまで培ってきた技術力を基に新たな領域である、脱炭素社会へのシフトに合わせた再生可能エネルギー関連・EV用充電設備関連の新規製品の開発に取り組んでいます。

また、令和3年4月にNEXT研究室を新設し、従来の枠を超えた新しい事業領域への展開に向け、新需要に関する研究・企画・開発活動に取り組んでいます。

研究開発には、当連結会計年度末時点で当社製品開発部において15名、新分野、新需要に関する研究・企画・開発活動を行うNEXT研究室において4名が従事しております。

当連結会計年度の研究開発費の総額は、216,269千円であり、研究開発の目的と主要課題及び成果は次のとおりであります。

・配電線路関連、情報通信関連、防犯カメラ関連、防災無線関連の需要環境の変化に対応するための製品開発。

・移動体基地局関連機器用(5Gを含む)の製品開発並びに現場の要望に応える製品の改良。

・再生可能エネルギー関連の製品開発。

・EV用充電設備関連の製品開発。

・無電柱化に対応した地中化設備関連の製品開発。

・需要家との共同研究・開発の実施。

・構造解析技術活用による開発期間の短縮及び顧客満足度の向上を目指した製品開発。