当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は前期比2億17百万円(0.8%)増の289億63百万円、営業利益は同8億40百万円(17.5%)増の56億45百万円、経常利益は同7億73百万円(15.4%)増の58億01百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同10億54百万円(35.0%)増の40億70百万円となりました。
なお、セグメント別の状況につきましては、以下のとおりであります。
当社の溶射加工(単体)においては、半導体・FPD分野向け加工が、IoTやビッグデータ等のITインフラの進展やスマートフォンなど中小型パネルの高精細化を背景に好調であったことや、ティッシュなど家庭紙の需要拡大に伴い製紙用大型ロールのメンテナンスが大幅に増加したことにより、当セグメントの売上高は前期比3億75百万円(1.7%)増の223億08百万円、セグメント利益(経常利益)は同3億68百万円(8.2%)増の48億88百万円となりました。
日本コーティングセンター株式会社において、自動車部品加工用の切削工具向け受注が好調に推移したことなどから、当セグメントの売上高は前期比1億33百万円(6.8%)増の21億11百万円、セグメント利益(経常利益)は同1億30百万円(47.8%)増の4億02百万円となりました。
その他表面処理加工(TD処理加工、ZACコーティング加工、PTA処理加工)の売上高は、自動車用金型向けの加工や鉄鋼メーカーの熱延ライン部品への採用が広がり、前期比1億63百万円(10.4%)増の17億36百万円となりました。
また、海外連結子会社は、現地通貨ベースでは概ね増収となったものの、円高が進展したことにより、円貨ベースの売上高合計は前期比4億55百万円(14.0%)減の28億06百万円となりました。
以上の結果、溶射加工(単体)、国内子会社以外のセグメントの売上高の合計は、前期比2億91百万円(6.0%)減の45億43百万円、セグメント利益(経常利益)の合計は、同28百万円(4.9%)増の6億13百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2億41百万円増加し、80億68百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各活動別のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度比7億04百万円(15.5%)増の52億37百万円となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益58億03百万円、減価償却費17億03百万円、未払費用の増加額2億12百万円、仕入債務の増加額1億73百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額8億88百万円、たな卸資産の増加額1億07百万円、法人税等の支払額16億51百万円であります。
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度比56億42百万円(630.4%)増の65億37百万円となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出55億11百万円、有価証券の取得による支出20億00百万円であり、収入の主な内訳は、有価証券の償還による収入10億00百万円であります。
当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、15億81百万円(前連結会計年度は17億42百万円の使用)となりました。
収入の主な内訳は、長期借入れによる収入32億68百万円であり、支出の主な内訳は、配当金の支払額11億41百万円、長期借入金の返済による支出6億48百万円であります。
(注) 当連結会計年度より、従来「溶射加工」としていた報告セグメントの名称を「溶射加工(単体)」に、「PVD処理加工」としていた報告セグメントの名称を「国内子会社」にそれぞれ変更しており、「TD処理加工」、「ZACコーティング加工」、「PTA処理加工」については、その合計額を「その他表面処理加工」として、「その他のセグメント」については「海外子会社」として、それぞれ表示しております。
また、溶射加工(単体)のうち、従来「半導体・液晶製造装置用部品への加工」としていたものを「半導体・FPD製造装置用部品への加工」に変更しております。
なお、これらの変更が生産、受注及び販売の状況の数値に与える影響はありません。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比 |
|||
|
生産高(千円) |
生産高(千円) |
金額(千円) |
増減率 |
|||
|
溶射加工(単体) |
|
21,932,757 |
|
22,308,516 |
375,758 |
+1.7 |
|
半導体・FPD製造装置用部品への加工 |
10,069,996 |
|
10,003,696 |
|
△ 66,300 |
△0.7 |
|
産業機械用部品への加工 |
4,071,997 |
|
4,049,765 |
|
△ 22,231 |
△0.5 |
|
鉄鋼用設備部品への加工 |
3,437,685 |
|
3,497,312 |
|
59,627 |
+1.7 |
|
その他の溶射加工 |
4,353,078 |
|
4,757,741 |
|
404,663 |
+9.3 |
|
国内子会社 |
|
1,977,718 |
|
2,111,327 |
133,609 |
+6.8 |
|
報告セグメント 計 |
23,910,475 |
24,419,844 |
509,368 |
+2.1 |
||
|
その他表面処理加工 |
1,572,896 |
1,736,686 |
163,790 |
+10.4 |
||
|
海外子会社 |
3,262,725 |
2,806,976 |
△ 455,749 |
△14.0 |
||
|
その他 計 |
4,835,621 |
4,543,662 |
△ 291,959 |
△6.0 |
||
|
合 計 |
28,746,096 |
28,963,506 |
217,409 |
+0.8 |
||
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額は、販売価格(税抜き)によっております。
3 TD処理加工(当連結会計年度の生産高841,637千円)、ZACコーティング加工(当連結会計年度の生産高471,849千円)、PTA処理加工(当連結会計年度の生産高423,198千円)については、当連結会計年度より、その合計額を「その他表面処理加工」として表示しております。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比 |
|||
|
受注高(千円) |
受注高(千円) |
金額(千円) |
増減率 |
|||
|
溶射加工(単体) |
|
21,733,828 |
|
22,836,075 |
1,102,246 |
+5.1 |
|
半導体・FPD製造装置用部品への加工 |
9,673,040 |
|
10,454,601 |
|
781,561 |
+8.1 |
|
産業機械用部品への加工 |
4,223,985 |
|
4,014,562 |
|
△ 209,423 |
△5.0 |
|
鉄鋼用設備部品への加工 |
3,402,479 |
|
3,546,983 |
|
144,504 |
+4.2 |
|
その他の溶射加工 |
4,434,322 |
|
4,819,927 |
|
385,604 |
+8.7 |
|
国内子会社 |
|
1,976,745 |
|
2,112,851 |
136,105 |
+6.9 |
|
報告セグメント 計 |
23,710,573 |
24,948,926 |
1,238,352 |
+5.2 |
||
|
その他表面処理加工 |
1,583,022 |
1,782,847 |
199,824 |
+12.6 |
||
|
海外子会社 |
3,049,471 |
2,774,270 |
△ 275,201 |
△9.0 |
||
|
その他 計 |
4,632,494 |
4,557,117 |
△ 75,377 |
△1.6 |
||
|
合 計 |
28,343,068 |
29,506,044 |
1,162,975 |
+4.1 |
||
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額は、販売価格(税抜き)によっております。
3 TD処理加工(当連結会計年度の受注高851,556千円)、ZACコーティング加工(当連結会計年度の受注高483,540千円)、PTA処理加工(当連結会計年度の受注高447,750千円)については、当連結会計年度より、その合計額を「その他表面処理加工」として表示しております。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (平成29年3月31日) |
前年同期比 |
|||
|
受注残高(千円) |
受注残高(千円) |
金額(千円) |
増減率 |
|||
|
溶射加工(単体) |
|
2,298,178 |
|
2,825,737 |
527,558 |
+23.0 |
|
半導体・FPD製造装置用部品への加工 |
892,031 |
|
1,342,936 |
|
450,905 |
+50.5 |
|
産業機械用部品への加工 |
443,876 |
|
408,673 |
|
△ 35,203 |
△7.9 |
|
鉄鋼用設備部品への加工 |
566,887 |
|
616,558 |
|
49,671 |
+8.8 |
|
その他の溶射加工 |
395,383 |
|
457,569 |
|
62,185 |
+15.7 |
|
国内子会社 |
|
34,185 |
|
35,708 |
1,523 |
+4.5 |
|
報告セグメント 計 |
2,332,363 |
2,861,446 |
529,082 |
+22.7 |
||
|
その他表面処理加工 |
130,531 |
176,692 |
46,160 |
+35.4 |
||
|
海外子会社 |
977,716 |
945,011 |
△ 32,705 |
△3.3 |
||
|
その他 計 |
1,108,247 |
1,121,703 |
13,455 |
+1.2 |
||
|
合 計 |
3,440,611 |
3,983,149 |
542,537 |
+15.8 |
||
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額は、販売価格(税抜き)によっております。
3 TD処理加工(当連結会計年度の受注残高30,620千円)、ZACコーティング加工(当連結会計年度の受注残高67,440千円)、PTA処理加工(当連結会計年度の受注残高78,631千円)については、当連結会計年度より、その合計額を「その他表面処理加工」として表示しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比 |
|||
|
販売高(千円) |
販売高(千円) |
金額(千円) |
増減率 |
|||
|
溶射加工(単体) |
|
21,932,757 |
|
22,308,516 |
375,758 |
+1.7 |
|
半導体・FPD製造装置用部品への加工 |
10,069,996 |
|
10,003,696 |
|
△ 66,300 |
△0.7 |
|
産業機械用部品への加工 |
4,071,997 |
|
4,049,765 |
|
△ 22,231 |
△0.5 |
|
鉄鋼用設備部品への加工 |
3,437,685 |
|
3,497,312 |
|
59,627 |
+1.7 |
|
その他の溶射加工 |
4,353,078 |
|
4,757,741 |
|
404,663 |
+9.3 |
|
国内子会社 |
|
1,977,718 |
|
2,111,327 |
133,609 |
+6.8 |
|
報告セグメント 計 |
23,910,475 |
24,419,844 |
509,368 |
+2.1 |
||
|
その他表面処理加工 |
1,572,896 |
1,736,686 |
163,790 |
+10.4 |
||
|
海外子会社 |
3,262,725 |
2,806,976 |
△ 455,749 |
△14.0 |
||
|
その他 計 |
4,835,621 |
4,543,662 |
△ 291,959 |
△6.0 |
||
|
合 計 |
28,746,096 |
28,963,506 |
217,409 |
+0.8 |
||
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 TD処理加工(当連結会計年度の販売高841,637千円)、ZACコーティング加工(当連結会計年度の販売高471,849千円)、PTA処理加工(当連結会計年度の販売高423,198千円)については、当連結会計年度より、その合計額を「その他表面処理加工」として表示しております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
東京エレクトロン株式会社グループ |
8,424,387 |
29.3 |
7,866,921 |
27.2 |
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、溶射加工を中核とする表面処理加工の専業メーカーとして「技術とアイデア」「若さと情熱」「和と信頼」「グッド・サービス」を社是として掲げ、株主、取引先、社員、地域社会等あらゆるステークホルダーとの良好な信頼関係を基礎に、表面処理皮膜が持つ省資源化、省力化、環境負荷の低減等の諸機能を通じて社会に貢献し、「高技術・高収益体質の内容の充実した企業グループ」を実現することを経営の基本理念としております。
当社は、「高技術・高収益体質の内容の充実した企業グループ」を実現するため、以下の6項目を経営の基本方針として掲げております。
① 好不況に関係なく収益を確保できる「全天候型経営」を目指す。
② キャッシュ・フロー重視、バランスシート重視の経営により財務体質の強化を図る。
③ お客様のニーズに的確かつ迅速にお応えする「問題解決型企業」を目指す。
④ 常に高品質の高機能皮膜を追求し提供する「研究開発主導型企業」を目指す。
⑤ ステークホルダーとの信頼関係をより一層強化するため、コーポレート・ガバナンスの充実、環境保全への継続的な取り組みを行う。
⑥ グループ企業の自主的運営を尊重すると共に、グループ全体での相乗効果を追求し、企業価値の向上と持続的かつ健全な成長を目指す。
目標とする経営指標を達成するため、営業・製造・研究開発の各部門が三位一体となって次の方針で臨んでおります。
① 収益の柱となる需要分野と顧客を数多く確保する。
特定の需要分野、顧客、製品に依存しすぎ、それらの浮き沈みにより当社の収益が大きな影響を受けることがないよう、収益の柱となる分野および顧客等を常に数多く確保することに努めております。
② 「伸びる需要分野」「伸びる技術分野」に経営資源を集中させる。
将来の需要動向、技術動向を見据えて経営資源の集中を図ります。
③ 好不況に関係なく、技術開発、製品開発、市場開拓を途切れず継続する。
当社は、特に研究開発に注力し、好不況に関係なく売上高比3%前後の研究開発投資を継続する方針です。
④ 他社とは差別化した、中・小型製品を多数持ち、幅広い製品構成にする。
収益力向上のためには、価格競争に巻き込まれない独自の差別化製品を数多く開発することが不可欠と考えております。
当社は、連結ベースで次の経営指標を達成することを目標としております。
① 売上高経常利益率:15%以上の安定的達成
② 自己資本純利益率(ROE):15%以上の安定的達成
③ 総資産経常利益率(ROA):15%以上の安定的達成
欧州における政治不安や緊迫する朝鮮半島事情、米国新政権の政策運営の動向などによって、日本経済の先行きにも不安定かつ不透明な状況が継続すると予想されます。
こうした状況のもと当社グループは、半導体・FPD分野への対応を強化しつつ、他の成長分野にもバランス良く注力する「全天候型経営」を実現すべく、新市場の開拓を継続して行います。具体的には以下の諸施策を実施して、経営の安定と収益力の強化を図ってまいります。
① 新商品・新技術の創出と生産性の向上
人と設備の開発投資を強化するとともに、産官学連携および有力企業との技術交流・提携をさらに進め、表面改質のリーディングカンパニーとして顧客満足度の高いオンリーワン技術の創出に鋭意取り組みます。また、製造プロセスの自動化、効率化を進めるとともに、最先端産業で求められる認証や品質安定化に対応する管理体制を強化し、生産性の向上と生産技術のイノベーションを推進してまいります。
② 半導体・FPD分野以外での収益源の開拓
半導体・FPD分野での一層の強化とともに、新素材、環境・エネルギー、輸送機、医療分野など今後の市場拡大が期待される分野において、新市場の開拓と顧客価値の向上を図ってまいります。
③ 海外での事業展開と子会社の技術力強化
欧米やアジアなど海外市場へ当社の技術・ブランドを拡大展開すべく、技術供与先との関係強化や新たな提携先の検討を進めてまいります。また、海外子会社へ加工ノウハウを確実に移管するとともに、トーカロを中心としたグループ会社間の連携を強化し、当社グループ全体の技術力や製品品質の向上に努める方針であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、下記事項のうち、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当社グループの主力である溶射加工(単体)の中で、平成13年3月期以降、半導体・FPD製造装置分野の売上高が大幅に増加し、平成29年3月期には連結ベースの総売上高に占める割合は34.5%となっております。
当社におきましては、半導体・FPD製造装置への溶射皮膜の適用拡大について日々開発を進めており、現状では、半導体・FPD製造装置の新規設備投資の動向と、当社の半導体・FPD関連業界向けの売上動向とは、必ずしも連動しているとは言えないと考えられます。
また、既に納入された装置部品へのメンテナンス需要や非溶射部品の溶射化等の開拓を進め、半導体装置メーカー向けの受注変動による影響を最小限に止めるよう努力してまいる考えであります。
しかしながら、半導体・FPD関連業界の市況や、関連装置の需要動向が悪化した場合には、装置メーカー等からの受注減や値下げ要請によって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、半導体・FPD製造装置が溶射を必要としない構造に変更された場合にも、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
溶射加工は、当社のような専業者だけでなく、材料メーカーやメタリコン業者が手がけているほか、大手機械メーカー等が製造プロセスの一部として自社内で溶射加工を行っている場合もあります。これらの大手機械メーカー等は、生産能力的にオーバーフローした場合や、自社で技術対応できない場合、自社に当該溶射装置を保有しない場合などに当社をはじめとする溶射加工業者に委託しておりますが、これらの大手機械メーカー等が全面的に溶射加工を内製化したり、内製化の比率を高めたりした場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは顧客から被加工品を受け入れて、当該被加工品に表面改質を行なっていることから、主要顧客の近隣に加工工場を設けるなど、顧客密着型の事業展開を行なっておりますが、主要顧客が生産拠点を海外等に移転させた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(注) メタリコン業者とは、構造物等の防食目的で、亜鉛、アルミニウム及びそれらの合金溶射による加工を行なう企業をいいます。
当社グループの東京エレクトロン株式会社グループへの販売依存度(総売上高に占める同社グループへの売上高の割合)は高水準であるため(平成29年3月期については27.2%)、同社グループの半導体・FPD製造装置等の生産動向や同社グループからの受注動向が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
|
会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約期間 |
|
当社 |
東華隆(広州)表面改質技術有限公司 |
中国 |
溶射加工に関する技術供与 |
平成28年12月1日から |
|
東賀隆(昆山)電子有限公司 |
中国 |
溶射加工に関する技術供与 |
平成24年4月1日から |
|
|
漢泰国際電子股份有限公司 |
台湾 |
溶射加工に関する技術供与 |
平成23年6月17日から |
|
|
NEIS & TOCALO |
タイ |
溶射加工に関する技術供与 |
平成25年2月1日から |
|
|
PT. TANAKA MACHINERY |
インドネシア |
インドネシアにおける |
平成27年8月1日から |
|
|
漢泰科技股份有限公司 |
台湾 |
溶射加工に関する技術供与 |
平成22年4月1日から |
|
|
上海宝鋼工業技術服務有限公司 |
中国 台湾 |
溶射加工に関する技術供与 |
平成28年1月1日から |
|
|
大新メタライジング㈱ |
韓国 |
溶射加工に関する技術供与 |
平成20年6月2日から |
|
|
第一WINTECH㈱ |
韓国 |
溶射加工に関する技術供与 |
平成22年10月21日から |
|
|
ATS Techno Pvt. Ltd. |
インド |
溶射加工に関する技術供与 |
平成25年3月1日から |
|
|
HAN TAI VIETNAM |
ベト |
溶射加工に関する技術供与 |
平成25年11月1日から |
|
|
NxEdge Inc. |
米国 |
溶射加工に関する技術供与 |
平成22年3月23日から |
|
|
溶射加工に関する技術供与 |
平成24年7月1日から |
|||
|
SMS Siemag |
中国 |
中国における |
平成26年4月1日から |
|
|
中国 |
溶射加工に関する技術供与 |
平成28年1月1日から |
||
|
SMS Technical |
米国 |
米国、カナダ、メキシコにおける |
平成26年4月1日から |
|
|
DUMA-BANDZINK GmbH. |
ドイツ |
ブラジル、ロシア、インドにおける |
平成23年5月16日から |
|
|
EU諸国(英国除く)における |
平成26年10月1日から |
|||
|
Oerlikon Metco |
ドイツ |
ヨーロッパにおける |
平成26年11月1日から |
(注) 上記については、ロイヤリティーとして販売価格の一定率を受取るほか、イニシャルペイメントを受取っている場合もあります。
当社は、「No.1 & Only 1 技術・サービスの創出で世界をリード」を研究開発の理念として、表面改質技術を軸足とするOnly 1 コア技術の継続的な自主創造と、コア技術やその周辺技術を含め、独創的なNo.1 商品・サービスの開発を進めております。これにより表面改質技術をコアとする顧客満足度の高い総合ソリューションの徹底追及とその実現に努めております。
当社の研究開発は、将来を見通した先行研究と顧客ニーズに即応する商品開発の2本柱で推進しております。また、以下の3点を重点研究開発領域としております。このうち、成膜プロセス開発におきましては、従来の薄膜プロセス開発にレーザ応用技術を加え、新たに成膜プロセス開発としております。
① 溶射技術開発(一般産業機械・装置全般の部材開発、溶射プロセス開発)
② 半導体部品化技術(溶射技術等による半導体・FPD製造装置部品等の開発)
③ 成膜プロセス開発(レーザ応用、PVD、CVD、DLC、TD、ZAC)、有機コーティング
当社グループの研究開発活動は溶射技術開発研究所が中心となって推進し、産学連携推進によるオープンイノベーションと人的交流によるグローバル化を推進することで、研究開発の加速と共に早期の事業化をめざしております。一方、即応性が求められる商品開発や生産技術的な課題につきましては、各工場の生産技術部門と溶射技術開発研究所とが相互に連携することで、顧客ニーズへの迅速な対応を行っています。なお、PVDやDLCなどの薄膜プロセスに関しましては、連結子会社の日本コーティングセンター株式会社とも協調して研究開発を進めております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は8億34百万円であり、セグメントごとの主な内容は次のとおりであります。なお、当社グループの研究開発費につきましては、事業セグメントへの配分が困難なものも多いため、セグメントごとの研究開発費の金額は記載しておりません。
当社は先端技術のインフラ的要素をもつ素材やエネルギー分野において、従来から高機能部材に対する表面改質技術の適用開発を推し進めております。また近年では交通分野を新たなインフラ技術として注力しております。このうち、素材分野におきましては、鉄鋼・非鉄・石油化学製品のメーカに対し、新しい溶射技術を適用することによって、より高品質な製品、より高い生産効率に寄与できるような皮膜開発を推進しています。具体的には、鉄鋼メーカには熱処理炉内ロールや溶融亜鉛めっき浴中で使用される部材がこれにあたり、高機能鋼板の安定生産に寄与する皮膜開発を行っております。また、これらの技術は積極的なグローバル展開も期待されます。非鉄金属分野では、Al製品などの生産時に設備部品への金属凝着が生じない皮膜開発を進め、顧客とともに適用皮膜の最適化を進めております。石油化学業界におきましては、エチレン等の製造を行う塔槽類設備に対し、長期に渡り耐食・耐摩耗特性を維持する皮膜の開発を行っています。また、エネルギー分野におきましては、原子力発電所の運転休止に伴う火力発電所の稼働率向上を背景に、特に石炭焚きボイラ設備におきまして発電効率の向上、メンテナンス期間の延長要求に対し、新規皮膜開発や設備改善提案を行い、実機性能評価を継続実施しています。一方、ガスタービン発電機部材に関しましては、部材の高温酸化を防止するNi基超合金皮膜、部材を超高温から保護する遮熱セラミックス皮膜を中心に皮膜開発を継続しており、大学等との共同研究を通じて皮膜の機械的特性評価を進めています。一方、水力発電設備におきましても、現状の耐土砂摩耗コーティングの性能を凌駕する皮膜の開発を継続しています。その他、地熱発電や2次電池製造装置部材等々の部品、またその製造設備につきましても、顧客の要求に応じた皮膜開発を行っています。
一方、当社は半導体製造装置部品向けに耐プラズマ・コーティング技術の開発や静電チャックの開発を進めております。半導体製造装置であるプラズマエッチング装置部品の内面には耐プラズマ性に優れたアルミナ(Al2O3)やイットリア(Y2O3)などの酸化物セラミックコーティングが採用されていますが、年々細線化するナノレベルの配線幅に即したより高性能なコーティング技術が求められており、客先とも連携しながら、新たな材料開発または製造プロセスの開発、これに伴う評価技術開発を行っています。また、半導体部品化技術の一つとして、次世代静電チャック部材についても開発を行っており、客先の多様化する要求機能に応えるべく、コーティング材料や構造設計等の開発に取り組みながら、部品化試作を進めております。
国内子会社の日本コーティングセンター株式会社では、主にPVD(物理蒸着)処理被膜の開発を行っております。昨年度は、切削工具用PVD膜として「アクセル」、冷間鍛造用PVD膜として「フォージス」、非鉄金属加工用被膜として水素フリーDLC膜である「Tetra-スリック」を新たに開発しました。「アクセル」は高い放熱特性を特徴とする被膜であり、特にドライ加工分野で高い評価を得ています。「フォージス」は特に耐かじり特性に優れており、難加工材料であるステンレス鋼やインコネル材による冷間鍛造パンチ加工などで優れた効果を発揮します。また、「Tetra-スリック」はかじりつきが発生しやすいアルミ加工用切削工具向け被膜として展開を図っています。
当社では溶射加工以外に、TD処理加工やZACコーティング加工、PTA処理加工等、機能皮膜の継続的な商品開発を行っております。このうち、有機系・無機系薄膜技術開発では、医療系分野をターゲットとして、血液や生体材料が固着しないコーティング、親水性や撥水性または耐食性に優れた機能性薄膜の医療器具への適用開発を進めました。また昨年度は、新規成膜プロセスとしてレーザ技術を応用したコーティング開発に注力してまいりました。本技術は、すでに数年前から基礎研究を進めており、一部顧客にサンプル提供を行ってきましたが、これまでのコーティング性能を凌駕する良好な特性が得られたため、生産設備を増強するとともに、コーティングの適用拡大を進めました。具体的には、レーザクラッディング技術による高機能厚膜の作製や評価と実機製品への展開、または溶射皮膜をレーザ溶融することで皮膜組織を緻密化し、密着性や耐磨耗性を大幅に改善した新皮膜の提供を開始しました。今後も引き続き、レーザ技術を応用したコーティング開発を積極的に進めてまいります。
当社グループは積極的な特許出願によって、開発技術および皮膜商品の権利化に努めております。当連結会計年度の実績は、特許出願27件、特許登録21件であります。
当連結会計年度末における総資産は443億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億39百万円増加いたしました。また、負債は120億78百万円(前連結会計年度末比31億56百万円の増加)、純資産は322億52百万円(前連結会計年度末比31億82百万円の増加)であります。
当連結会計年度末における流動資産の残高は229億99百万円で、前連結会計年度末に比べ21億70百万円増加しております。主な要因は、有価証券の増加10億00百万円、受取手形及び売掛金の増加8億47百万円、現金及び預金の増加1億89百万円、であります。
なお、当連結会計年度末における流動比率(流動資産の流動負債に対する割合)は258.9%(前連結会計年度末は264.4%)で、当社グループの短期債務に対する支払能力は十分であると判断しております。
当連結会計年度末における固定資産の残高は213億31百万円で、前連結会計年度末に比べ41億69百万円増加しております。主な要因は、新本社の建設や千葉県に工場用地及び建物を取得したことなどによる有形固定資産の増加41億54百万円であります。
なお、当連結会計年度末における固定比率(固定資産の純資産に対する割合)は66.1%(前連結会計年度末は59.0%)、固定長期適合率(固定資産の長期資本(純資産と固定負債の合計)に対する割合)は60.2%(前連結会計年度末は57.0%)であり、当社グループの設備投資の現状に関しましては、問題のない水準であると判断しております。
当連結会計年度末における流動負債の残高は88億83百万円で、前連結会計年度末に比べ10億06百万円増加しております。主な要因は、未払金の増加4億15百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加3億90百万円、支払手形及び未払費用の増加1億98百万円であります。
当連結会計年度末における固定負債の残高は31億94百万円で、前連結会計年度末に比べ21億49百万円増加しております。主な要因は、長期借入金の増加22億23百万円であります。
当連結会計年度末における純資産の残高は322億52百万円で、前連結会計年度末に比べ31億82百万円増加しております。これは主に、利益剰余金が29億30百万円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末の1株当たり純資産は2,016円43銭(前連結会計年度末比188円73銭の増加)、自己資本比率は69.1%(前連結会計年度末比4.0ポイントの低下)となりました。今後も50%以上の自己資本比率を維持することで、健全な財務体質を確保していくことが、当社グループにとりまして重要であると判断しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業業績を背景として、設備投資が年度後半で10年ぶりに最高額を更新するなど順調に回復してきている一方で、中国等アジア新興国の景気減速、英国のEU離脱による欧州経済の動揺、米国新政権の政策運営の動向などによって、不安定かつ不透明な状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループの売上高は、世界的に活発な半導体・FPD業界の設備投資や増産が追い風となり、半導体・FPD分野向け加工が前期並みに高水準であったことや、製紙用大型ロールのメンテナンス特需を取り込んだことにより、前期比で増収を達成することが出来ました。収益面においては、効率的な増産対応を行うとともに一層のコスト削減に努め、高収益を確保することができました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は前期比2億17百万円(0.8%)増の289億63百万円、営業利益は同8億40百万円(17.5%)増の56億45百万円、経常利益は同7億73百万円(15.4%)増の58億01百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同10億54百万円(35.0%)増の40億70百万円となりました。
当連結会計年度の売上高は289億63百万円(前期比0.8%増)となりました。その内訳は、溶射加工(単体)が223億08百万円(前期比1.7%増、構成比77.0%)、国内子会社が21億11百万円(前期比6.8%増、構成比7.3%)、その他が45億43百万円(前期比6.0%減、構成比15.7%)となっております。
なお、セグメント別売上高の状況に関しましては、1「業績等の概要」の(1)業績を参照願います。
売上原価が184億27百万円、販売費及び一般管理費が48億90百万円となり、当連結会計年度の営業利益は56億45百万円(前連結会計年度の営業利益48億05百万円に比べ8億40百万円(17.5%)増)となりました。なお、売上高営業利益率は、前期比2.8ポイント増の19.5%であります。
当連結会計年度における営業外損益(収益)は、純額で1億55百万円となりました。この結果、経常利益は58億01百万円(前連結会計年度の経常利益50億27百万円に比べ7億73百万円(15.4%)増)となりました。なお、売上高経常利益率は、前期比2.5ポイント増の20.0%であります。
当連結会計年度におきましては、特別利益として固定資産売却益5百万円、特別損失として固定資産除売却損2百万円等を計上いたしました結果、税金等調整前当期純利益は58億03百万円(前連結会計年度の税金等調整前当期純利益46億88百万円に比べ11億14百万円(23.8%)増)となりました。
当連結会計年度における実効税率(税金等調整前当期純利益に対する法人税等の比率)は26.5%で、当期純利益は42億63百万円となりました。非支配株主に帰属する当期純利益が1億93百万円となったため、親会社株主に帰属する当期純利益は40億70百万円(前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益30億15百万円に比べ10億54百万円(35.0%)増)となりました。また、1株当たり当期純利益金額は267円80銭(前連結会計年度198円40銭)、自己資本当期純利益率(ROE)は13.9%(前連結会計年度11.2%)であります。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は2億41百万円増加し、期末残高は80億68百万円となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
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平成25年 |
平成26年 |
平成27年 |
平成28年 |
平成29年 |
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自己資本比率(%) |
72.9 |
70.8 |
70.9 |
73.1 |
69.1 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
69.8 |
74.1 |
93.5 |
81.0 |
99.1 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
35.6 |
50.6 |
26.6 |
13.3 |
61.2 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
85.0 |
88.3 |
116.3 |
149.6 |
329.1 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。