(1) 業績
当連結会計年度の国内経済は、政府の経済政策や日銀の金融政策を背景に企業の収益改善や雇用環境の持ち直し等が見られ、緩やかな回復基調で推移いたしましたが、中国経済の減速をはじめとする海外景気の下振れリスク、資源価格の下落、英国国民投票のEU離脱派勝利による円高・株安の進行や個人消費の低迷等、景気の先行きについては依然として不透明な状況にありました。
このような経営環境のもと、お客様から「やっぱりイナバ」と評価され続ける会社を目指し、グループをあげて、高品質な製品の販売増強やサービス力の強化に取り組むと同時に、鋼製物置市場への製品供給力の強化や生産性の向上に向け、新工場の建設や製販システムの刷新に取り組んでまいりました。
販売増強やサービス力の強化におきましては、代理店とのリレーション強化を軸に、鋼製物置・オフィス家具分野における販売拡大に努めました。
鋼製物置分野におきましては、当社グループは、「イナバ倉庫」を単にモノや車両等を置く用途にとどまらず、様々な場面で活用いただくための用途開発とその提案営業に注力いたしました。
オフィス家具分野におきましては、オフィス家具の販売を手がけるイナバインターナショナル株式会社が平成28年1月に大阪支店のリニューアル移転と大阪ショールームを開設し、同年4月に名古屋支店を開設いたしました。これにより、首都圏・中京圏・近畿圏の三大都市圏をカバーする体制が整いました。
新工場の建設におきましては、富岡工場が平成27年10月に竣工し、平成28年4月よりガレージの生産を開始いたしました。製販システムの刷新におきましては、平成28年8月より新システムの運用を開始しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は31,699百万円(前期比6.6%増)、営業利益は2,029百万円(前期比47.5%増)、経常利益2,224百万円(前期比40.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,424百万円(前期比49.8%増)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
売上高(百万円) |
セグメント利益(百万円) |
||||
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
|
鋼製物置 |
19,688 |
20,236 |
548 |
2,273 |
2,491 |
217 |
|
オフィス家具 |
10,036 |
11,467 |
1,430 |
60 |
469 |
408 |
|
合計 |
29,724 |
31,704 |
1,979 |
2,334 |
2,960 |
626 |
(鋼製物置)
需要動向に影響を与える戸建新設住宅着工の動向は、一昨年4月の消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響から持ち直しております。また、雇用・所得環境が底堅さを維持していること等を背景に、ガレージ及び倉庫の大型製品の売上が大きく伸びたことから、鋼製物置の売上高とセグメント利益は前連結会計年度に比べて増加いたしました。
業績につきましては、売上高は20,236百万円(前期比2.8%増)、セグメント利益は2,491百万円(前期比9.6%増)となりました。
(オフィス家具)
企業業績の改善を背景にオフィスの移転需要やリニューアル需要が拡大し、期初より受注が好調に推移したことから、オフィス家具の売上高とセグメント利益は前連結会計年度に比べて増加いたしました。
業績につきましては、売上高は11,467百万円(前期比14.3%増)、セグメント利益は469百万円(前期比670.6%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,163百万円、減価償却費1,008百万円等による増加と、売上債権の増加額921百万円、法人税等の支払額538百万円等による減少の結果、2,101百万円の増加(前連結会計年度は730百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻18,000百万円等による増加と、定期預金の預入7,500百万円、有形固定資産の取得4,382百万円等による減少の結果、5,961百万円の収入(前連結会計年度は2,581百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額420百万円等の支出の結果、422百万円の支出(前連結会計年度は352百万円の支出)となりました。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年8月1日 至 平成28年7月31日) |
前期比(%) |
|
鋼製物置(百万円) |
18,679 |
100.6 |
|
オフィス家具(百万円) |
6,554 |
110.5 |
|
合計(百万円) |
25,234 |
103.0 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当社は、販売計画に基づいた見込生産によっておりますが、オフィス家具の一部について、OEM先に対し受注生産を行っております。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
オフィス家具 |
3,188 |
101.1 |
158 |
62.5 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年8月1日 至 平成28年7月31日) |
前期比(%) |
|
鋼製物置(百万円) |
20,236 |
102.8 |
|
オフィス家具(百万円) |
11,467 |
114.3 |
|
合計(百万円) |
31,704 |
106.7 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年8月1日 至 平成27年7月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年8月1日 至 平成28年7月31日) |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
ユアサ商事㈱ |
6,697 |
22.5 |
7,698 |
24.3 |
|
㈱内田洋行 |
3,068 |
10.3 |
3,295 |
10.4 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経済社会の多様化、今後も変貌相次ぐ社会情勢のなか、当社グループは変化に柔軟かつ迅速に対応し、成長性・収益性を維持向上するための取り組みを積み重ねてまいります。
鋼製物置セグメントにおきましては、積極的に経営資源の投入を図り、市場の要望に応えてまいります。オフィス家具セグメントにおきましては、市場環境の変化に対応した製品の開発に努めてまいります。
当社グループは、これらの課題への取り組みを全社的に展開して、資本効率の向上に努め、収益性の高い企業体質を目指した経営活動を徹底してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 国内経済の動向
当社グループの販売はほとんどが国内販売であります。そのため製品の需要は、国内景気の動向に大きく影響を受けます。鋼製物置は主に住宅まわりの製品であり、住宅着工や家計消費動向等の影響を受け、オフィス家具は主にオフィス等の事務所向け製品であり、企業業績動向の影響を受けます。
従いまして、国内景気の悪化に伴い企業収益が圧迫されたり、所得雇用環境が悪化しますと、需要が縮小し、当社グループの業績や財務状況等に影響を与える可能性があります。
(2) 競合条件、価格動向
当社グループの属する業界は競合性の高い業界でありますが、当社グループは独自性のある高品質な製品により差別化に努めております。しかし、競合他社が当社グループ製品のデザイン及び技術を追従し、安価で販売する又は、より独自性の高いデザイン及び技術をもって当社グループのシェアを奪う可能性があります。
また、市場からの価格引き下げ圧力が強まった場合、当社グループが常に十分な採算性を確保できる保証はありません。
(3) 原材料の市況
当社グループの製品における主要原材料である鋼板は、鉄鉱石・原料炭の価格動向の影響を受けます。鉄鉱石・原料炭の供給減少や価格が高騰した場合、原材料費の負担増加により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) OEM先の動向
オフィス家具ではその多くが特定販売先へのOEM製品の販売であります。OEM先とは、製品の企画・開発段階から協力関係にあり、互いに良きパートナーとして認識し強固な信頼関係を築いておりますが、将来も引き続き現状と同様な関係が継続できる保証はありません。OEM先の事業方針の変更によっては、売上の減少により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 法的規制
当社が属する金属製品加工業における主な法的規制は、以下のとおりであります。新たな法的規制、条例等の改正により、排気、排水、廃棄物等の処理に関する規制がさらに強化される可能性があり、その内容によっては処理方法の開発や規制対応のための設備投資等の費用負担により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
・大気汚染防止法
・悪臭防止法
・水質汚濁防止法
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律
・エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)
・土壌汚染対策法
(6) 重要な訴訟事件等の発生に係るもの
当社グループは、現時点において、将来の業績に重大な影響をおよぼすと思われるような損害賠償の請求や訴訟の提起を受けている事実はありません。しかし、将来当社グループの事業活動に関連して、製品の不具合や当社工場からの有害物質の発生、その他様々な事由で当社グループに対して訴訟その他の請求が提起される可能性があり、その内容によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7) 自然災害その他
当社グループは、地震・洪水等の自然災害や火災等の事故災害により社会的混乱等が発生した場合、事業活動の停止や機会損失、復旧のための費用負担により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、各セグメントに配分していない全社費用56百万円を含む255百万円であります。
当社グループの研究開発活動は、独自性・品質性・合理性という設計思想のもとに、他部門とのコラボレーションを意識したチーム編成を行い、人と地球に優しく、より個性的で卓越した製品の開発を目指し、国内はもとより国際的なニーズに応えるために積極的に研究・開発に取り組んでおります。また、再生資源の利用促進を目指し、パーツごとの解体・分別が容易な「分別設計」を導入するなど、素材のみならず設計においても環境への配慮を行っております。主要な部品、部材には、分別のための材質表示をし、リサイクルし易く、ゴミ減量化にも資する生産活動の実現を図っております。
当連結会計年度のセグメントごとの主な研究成果は、以下のとおりであります。
(鋼製物置)
鋼製物置セグメントにつきましては、大型製品の生産拠点として建設した富岡新工場の平成28年4月からの稼働開始に伴い、従来のガレージの壁パネル・屋根パネルのモジュールを一新し、強度アップを図るとともに長期にわたりお客様に好まれる製品づくりを目的として『ガレーディアGRN』のモデルチェンジを行い、同年5月より市場に投入いたしました。
また、小型物置市場が縮小傾向にある中で販売が好調であります『アイビーストッカーBJX』におきましては間口サイズの追加を行い、販売は順調に推移いたしております。
今後も多様化する顧客ニーズに対応すべく用途開発と大型製品の開発に注力してまいります。
なお、当セグメントに直接かかる研究開発費は123百万円であります。
(オフィス家具)
オフィス家具セグメントにつきましては、ラインアップやオプションの充実を図りました。利便性や耐久性などコストパフォーマンスの良さを追求した書庫『Line Unit TF(ライン ユニット ティーエフ)』においては、平成28年1月より間口・奥行のラインナップの追加を行いました。また、多彩なレイアウトを可能にする大型連結テーブル『Frei(フレイ)』においては、平成28年1月より天板色に木目の追加やオプションの充実を行いました。
今後はオフィス家具メーカー各社が品揃えを始めた昇降デスクやパーテーションの見直し、また、今まで品揃えをしていなかったカテゴリーの椅子等についても研究を行ってまいります。
なお、当セグメントに直接かかる研究開発費は74百万円であります。
当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1) 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,834百万円増加して51,574百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ1,637百万円減少して27,027百万円、固定資産は前連結会計年度末に比べ3,471百万円増加して24,547百万円となりました。流動資産減少の主因は、現金及び預金が2,859百万円減少したことによるものであり、固定資産増加の主因は、建物及び構築物が2,870百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ1,017百万円増加して14,247百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ697百万円増加して11,678百万円、固定負債は前連結会計年度末に比べ319百万円増加して2,569百万円となりました。流動負債増加の主因は、支払手形及び買掛金が293百万円増加したことによるものであり、固定負債増加の主因は、退職給付に係る負債が305百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ817百万円増加して37,327百万円となりました。この主因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が1,003百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末から1.0%減少して72.4%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の2,079円07銭から2,125円61銭となりました。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の概況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載しております。なお、経営成績の分析につきましては、下記のとおりです。
① 売上高及び営業利益
売上高は、前連結会計年度に比べ6.6%増加し、31,699百万円となりました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ4.4%増加して22,862百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、主に荷造運送費、減価償却費の増加により、前連結会計年度に比べ5.7%増加して6,808百万円となりました。
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ47.5%増加して2,029百万円となりました。
② 営業外損益及び経常利益
営業外損益は、主に作業くず売却益の減少により、前連結会計年度に比べ15百万円減益し、194百万円の純収益となりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ40.3%増加して2,224百万円となりました。
③ 特別損益及び税金等調整前当期純利益
特別損益は、主に減損損失が減少したことにより、前連結会計年度に比べ59百万円増益しましたが、60百万円の純損失となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ47.6%増加して2,163百万円となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ49.8%増加して1,424百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度に比べ26円98銭増加して81円13銭となりました。
(3) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。