第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2021年10月21日)現在において経営者が判断したものです。

(1) 経営方針

当社グループは、「独自性のある高品質な製品をお客さまにお届けする」という事業精神のもとで、お客さまの声に対し、従業員一人ひとりが新しいアイデアを出し合い、モノを創造していくこと、それが最高の品質を生み、最高の価値を生むものと考え、技術部門は「独自性」を、製造部門は「品質とコスト」を、営業部門は「信頼」を徹底的に追求し、「信頼に応えるモノづくりを通じて社会に貢献する」ことを経営理念としております。この経営理念のもと、鋼製物置及びオフィス家具を製造・販売し、「くらしの快適さのための機能的な収納空間の実現と快適で創造的なオフィス空間の実現」に向けて事業活動を行っております。

当社グループは創業以来、社会環境の変化に向き合いながら、開発・生産・販売の一貫体制を活かした着実な事業展開と効率的な経営を実践し続けることで、イナバらしさを追求し、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指してまいります。

(2) 経営環境

国内経済においては、一部に持ち直しの動きがみられるものの、ワクチンの接種ペースや感染力の強い変異株の流行などから新型コロナウイルス感染症の収束にはなお相当な期間を要することが予想され、新型コロナウイルス感染症と経済活動は一進一退の状況が続くことが予想されます。また、当社グループの主要材料である鋼材市況においては、当面は需給バランスが不安定な状況が懸念され、引き続き価格高騰が続くものと考えられます。

鋼製物置事業につきましては、昨年の緊急事態宣言時と比較して経済活動制限が限定的であることから、新設住宅着工への影響も限定的なものとなる見込みであること、コロナ禍において延長・拡充された各種住宅取得支援制度が支えとなることで、持家・分譲一戸建住宅の新設着工は緩やかな増加基調で推移すると予想しております。また、これまでガレージ・倉庫を中心に進めてきた用途開発に対する需要が継続していることから、ガレージ・倉庫などの需要は堅調に推移する見込みです。

オフィス家具事業につきましては、都心を中心に大規模新築オフィスビルの供給は減少する見込みですが、アフターコロナに向けたオフィス面積縮小に伴うオフィスのリニューアル需要は堅調に推移すると予想しております。また、コロナ禍で多様化したワークスタイルに対応する新しいオフィスづくりへの動きは活発化しており、ワークブースやオフィスDXなど新しい製品に対する需要は高まっておりますが、一方で「GIGAスクール構想」による需要の反動減を見込んでおります。

また、当社グループにおいては、コスト環境は予断を許さない不安定な動きが続くと考えられ、厳しい事業環境が継続するものと予想しております。

なお、新型コロナウイルス感染症による2022年7月期以降の当社グループの経営環境への影響は、現時点においては軽微であるとの前提を置いております。

(3) 経営戦略等

① 一貫体制維持・強化

当社は、1940年にプレス加工メーカーとして創業して以来、鋼製物置、オフィス家具に事業領域を拡大し、新技術・新製品の開発に取り組み、鋼製物置・オフィス家具の両事業で多彩な製品を提供しております。鋼製物置事業では、イナバ物置の生産開始以降、CM「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫」での認知度に加えて、ユーザーの立場にたって組み立てやすく高品質な製品づくりを心掛けてきた結果、鋼製物置市場では国内トップシェアを獲得しております。また、物置で培ったノウハウを活かしてガレージ、倉庫、自転車置場等で製品領域を拡げ、現在は大型製品のラインナップ拡充に注力するなど、快適な住環境からパブリックスペースまで多様なニーズに対応する製品を提供しております。オフィス家具事業では、ユーザーの使いやすさを徹底的に追求し、ノックダウン方式を業界で初めて採用するなど、デスク、チェア、パーテーション等を含めたオフィス空間のトータルプロデュースに心掛けております。

当社グループは、市場から求められる高品質な製品を安定的に供給し続けるため、引き続き一貫体制の維持・強化に取り組んでまいります。

技術部門では、市場ニーズに合致した競争力のある新製品を開発し、製品ラインナップの拡充に取り組んでおります。製造部門では、「製品の90%以上が自社による一貫生産」という自社生産比率の高さを強みとし、加工専用機械、金型製作、ライン編成等も自社で設計・製作し技術とノウハウを社内に蓄積することで、コスト競争力と高品質を両立させた製品づくりを行ってまいります。また、自動化・省力化に資する設備投資とより最適な生産体制の確立を継続的に進めております。営業部門では、全国展開している代理店網を活用した地域密着型の営業活動を重視し、お客様・代理店・販売店の声、市場動向等をリアルタイムで技術部門や製造部門へ伝えることで新たな製品開発を進め、お客様の信頼獲得につなげてまいります。また、全国に設置している物流拠点を営業部門が統括することで、正確な配送と納期の短縮化を目指しております。

② 翌連結会計年度の基本方針

当社グループは、経済・社会環境の変化に向き合いながら、翌連結会計年度の基本方針を踏まえた事業活動を行ってまいります。

a.経営基盤強化に向けた取り組み

当社グループは、経営基盤の強化や将来の利益成長に向けて、設備投資を実施いたします。翌連結会計年度における主な設備投資は、柏工場・粉体塗装設備の更新、富岡工場・粉体塗装設備の見直し及び富岡工場・設備棟の新設などを予定しています。これらの設備投資と改善活動を継続していくことで、生産性・効率性の向上と競争力の向上を図ってまいります。

また、イナバの原点である「自前主義」に立ち返ります。当社グループが目指すものは、自社の殻に閉じこもるといったことではなく、外部技術や他社機械などを勉強して、自社で出来るように機械や生産ラインを見直す、採算が確保できるように工夫することです。これを大いに楽しみ、苦しむことで、モノづくりの実力が身につき、開発のスピードアップや開発の幅が広がり、当社グループが成長できると考えております。当社グループは、これまでの常識にとらわれずに「自前主義」に挑戦してまいります。

b.持続的成長に向けた取り組み

当社グループは、多様化するニーズに対応した競争力ある製品ラインナップの拡充、品質の向上、生産拠点・販売拠点・物流拠点の効率的な運用を図ることにより、収益性の維持・向上を目指しております。当社グループは、これらを実現するために、イナバ製品の「品質」「独自性」「価値」を追求するとともに、引き続き「新製品開発」「用途開発」「組立職人の育成・充実」などに取り組んでまいります。

(鋼製物置事業)

鋼製物置事業においては、売上高の拡大と安定的な利益確保を目指しております。

当社グループは、これらを実現するために、新製品の開発や新たな用途開発に取り組むとともに、製品ラインナップの拡充を図り、代理店・販売店に対するリレーションの強化を継続してまいります。

「イナバ品質」すなわち、「独自性」「価値」を追求することは、イナバの原点であります。今年5月に先行発売した「フォルタ FS」は、材料、構造、機能などにおいてイナバ品質を実現した新製品であり、物置業界初となる建築基準法に対応した新製品となりました。今年10月からは、これまで物置の主力製品であった「ネクスタ」シリーズを全面的に「フォルタ」シリーズへモデルチェンジする予定であり、代理店・販売店、そしてお客さまにイナバらしさを理解いただき、使っていただけるよう営業展開を加速させてまいります。また、堅牢性を強みとした「フォルタ」シリーズの発売開始に伴い、お客さまのニーズ・用途が広がることが考えられることから、新たな用途開発にも努めてまいります。

(オフィス家具事業)

オフィス家具事業においては、売上高の拡大と収益性の改善を目指しております。

当社グループは、これらを実現するために、お客様のニーズにマッチした製品の拡充やコンサルティング営業の強化、並びにコスト抑制の取り組みを継続してまいります。

また、ウィズコロナ・アフターコロナによるオフィス環境の変化や働き方の多様化に対応する新製品の開発に取り組んでまいります。

(共通)

業務部門の適正化や効率化を図るため、翌事業年度よりWEB受注システムを導入する予定であります。同システムの安定稼働により、代理店からの信頼を得るとともに、物流面の生産性向上に努めてまいります。また、当事業年度において、犬山工場では鋼製物置生産ラインの再構築とともに、物流面では積み込み時間短縮のため、ピッキング用プラットフォームやトラック専用出口を新設しました。翌事業年度においては、各工場・配送センターで積み込み時間短縮への更なる取り組みを継続いたします。

 

③ 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた経営

新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会活動や経済活動が大きく抑制され、国内経済の先行きは不安定かつ不透明な状況にあります。当感染症が当社グループの経営に与える影響につきましては、生産拠点・販売拠点・物流拠点及び代理店・販売店の一時的な閉鎖や納品延期などにより、収益機会が減少する可能性があります。

このような経営環境の中、当社グループは、こうした社会環境が変化する時期をビジネスチャンスと捉え、お客様の声にしっかりと耳を傾け、社会や市場のニーズの変化を先取りした製品の開発、用途提案・用途開発により新たなビジネスチャンスを発掘してまいります。

また、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の収束時期や影響の程度が見通せない中、政府の方針や保険行政の指針等に基づき、当感染症の感染防止策に継続して取り組んでまいります。

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上高経常利益率を中長期的な経営指標として重視しています。常にコスト意識を持って収益改善に取り組み、安定かつ強固な経営基盤の確立と資本効率の向上を目指します。

また、当社グループは、生産性向上・省力化に資する設備投資を継続的に行っていることから、減価償却前営業利益の水準も重要な経営指標であると考えています。

2022年7月期の連結目標は、売上高37,680百万円、営業利益2,080百万円、経常利益2,370百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,670百万円、売上高経常利益率6.3%、減価償却前営業利益4,000百万円としております。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

翌連結会計年度の国内経済は、新型コロナウイルス感染症の収束時期やその影響の程度が見通せず、先行きは不透明な状況となっています。当社グループにおきましては、鋼製物置事業において、需要は増加傾向にありますが、オフィス家具事業において、既存製品の需要が減少傾向にあります。また、主要材料である鋼材市況については、当面は需給バランスの不安定な状況が懸念され、価格の高騰が続くと予想しております。

このような状況のもと、当社グループは、鋼製物置事業において高シェアと高収益を維持していくこと、オフィス家具事業において多様化するマーケットニーズに対応した競争力のある製品のラインナップ充実などに加え、徹底したコスト管理の強化、品質・生産性の向上に努めることで、持続的成長を成し遂げてまいります。

鋼製物置事業につきましては、ガレージ・倉庫など大型製品の需要は引き続き高水準で推移すると予想しております。このような状況のもと、収益機会を逸することがないよう安定供給の体制を強化し、お客さまのニーズにマッチした製品の拡充を図り、売上高の拡大を目指すとともに、WEB活用による勉強会・製品説明会の実施等によるコストの低減や販売価格の見直しにより、収益性の向上に取り組んでまいります。

オフィス家具事業につきましては、大規模新築オフィスビルの供給は減少する見込みですが、アフターコロナに向けたオフィス面積縮小に伴うオフィスのリニューアル需要は堅調に推移すると予想しております。また、働き方改革など新しいオフィスづくりへの動きは活発化しており、ワークブースやオフィスDXなど新しい製品に対する需要は高まっています。このような状況のもと、既存製品への需要が減少していることから、ABW(アクティビティ ベースド ワーキング)、WEB会議・商談、テレワークなど、お客さまのニーズにマッチした差別化製品の開発に積極的に取り組んでまいります。

品質・効率性の向上につきましては、成長に資する効果的な設備投資と継続的な改善活動により、生産性の向上を図るとともに、安定供給のさらなる強化に取り組んでまいります。併せて、全社にわたる働き方改革の実践と業務効率化への取り組みを強化し、競争力の向上に努めてまいります。

成長への投資と株主還元につきましては、健全な財務体質を維持しつつ、バランスのとれた資産配分を行ってまいります。さらに、企業の社会的責任として、環境問題を重要な課題の一つと捉え、省エネルギー、廃棄物削減・リサイクル化、環境負荷の低減等の取り組みを継続してまいります。

そして、あらゆるステークホルダーからの信頼にお応えするために、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス体制強化による内部統制システムの充実、BCP(事業継続計画)などリスク管理体制に基づく安定した事業継続に努めてまいります。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。当社グループは、これらのリスクを制御し可能な限り回避するよう努めていきます。なお、以下に記載したリスクは、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外の予見しがたいリスクも存在します。また、本項において将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2021年10月21日)現在において判断したものです。

当社グループでは、リスク管理規定を定め、想定されるリスクの発生時における迅速かつ適切な情報収集と緊急事態対応体制を整備しており、リスクが顕在化した場合の事業中断及び影響を最小限にとどめるため、事業継続マネジメント体制の整備に努めています。

(1) 新型コロナウイルス感染症の影響

新型コロナウイルス感染症の収束時期は見通せず、今後、事態が長期化又は更なる感染拡大やパンデミックにあたる状況が進行すれば、国内景気の悪化、外出自粛による消費マインドの低下、原材料価格の高騰、又は原材料確保の困難など、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、政府の方針や保健行政の指針等に基づき当感染症の感染防止策に取り組んでいますが、営業拠点における営業活動の自粛・停止、製造拠点における操業の縮小・中断につながるような事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 事業環境等に関するリスク

当社グループの販売は、ほとんどが国内販売です。このため、国内の景気動向、人口動向等によって、鋼製物置セグメント及びオフィス家具セグメントの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

(鋼製物置事業)

当社グループは、独自性のある新製品の開発を進めるとともに、製品の付加価値向上、用途開発による市場の拡大などに注力したことで、市場での高シェアを維持しています。しかしながら、鋼製物置市場の規模は小さく、人口減少・少子高齢化が進み、消費者ニーズの変化や世代交代などによりお客様の支持を失ってしまうと、鋼製物置の需要は縮小する可能性があります。また、競合他社が当社製品より安価で販売するないしは、より高い技術や独自デザインをもって、当社グループのシェアを奪う可能性があります。これらの要因により、売上高及び利益が減少した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(オフィス家具事業)

当社グループは、多様化に向かうオフィス空間・オフィス家具のニーズに応える製品の拡充と提案営業の強化に努めています。しかしながら、オフィス家具は競合性の高い業界であり、市場からの価格引き下げ圧力が強く、競合他社との価格競争が激しいため、当社グループが十分な収益性を確保できない可能性があります。また、在宅勤務の拡がりによりオフィスのあり方が見直され、オフィス家具の需要は縮小する可能性があります。これらの要因により、売上高及び利益が減少した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 原材料の調達・製造物責任に関するリスク

当社グループは、原材料を外部から調達し、鋼製物置及びオフィス家具の製造・販売を行っています。当社グループは、これら製品の安定供給に万全を期するため、幅広い供給元から必要な原材料の確保に努めています。しかしながら、経済動向、市場の需給動向などによって、想定以上、かつ短期間で原材料の価格が高騰する、供給が不足するなど、予期せぬ事態が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、これら製品の品質管理に万全を期するとともに製造物責任保険も付保していますが、大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 情報システム等に関するリスク

当社グループは、情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築・運用しており、情報システム運営上の安全性確保のため規則を定め、危機管理対応に取り組んでいますが、外部からの不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブルなどにより情報システムが不稼働になる可能性を完全に排除することができません。このような場合は、システムに依存している業務の効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては事業の中断、損害賠償請求やセキュリティ対策費用の増加によるキャッシュアウトにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 物流に関するリスク

当社グループが事業展開するうえで、物流は、重要かつ費用の構成比も高い機能です。国内の物流環境は、少子高齢化による労働人口の減少に加え、電子商取引の拡大による宅配便の増加の影響もあり、トラックのドライバーが不足するなど、ドライバー需給ギャップの拡大が予想されています。さらには、物流業界特有の長時間労働の削減、生産性の向上等、社会問題の積極的な解消がなければ、今後想定を上回る需給ギャップが生じる可能性も否めません。これらの事業環境の変化により、荷役運送費の増加に留まらず、物流機能を確保できないことにより、製品供給が滞る可能性があります。

当社グループは、モーダルシフトや物流事業者との連携による効率性の高い輸送の実現に取り組んでいますが、ドライバーの需要ギャップが想定をはるかに上回ってしまう、短期間で荷役運送費が上昇するなど、予期せぬ事態が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 自然災害等に関するリスク

地震、津波、台風、洪水などの自然災害の発生により、従業員の被害、工場損壊、設備故障及びユーティリティー(電気、ガス、水道)の遮断により生産が停止、倉庫損壊及び保管製品破損により出荷が停止、並びに物流機能停止により原材料の調達及び製品の出荷が不能になる可能性があります。更に、事務所設備の損壊、交通機関マヒによる従業員の通勤不能、及びシステム障害に伴う重要データの消失などもあわせて、事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、事業活動の継続のために、事業継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、防災訓練等の対策を講じていますが、自然災害等による被害を完全に回避できるものではなく、これらの被害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は、次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2021年10月21日)現在において経営者が判断したものです。

① 経営成績の状況

当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、雇用・所得環境の悪化が続き、経済活動が停滞いたしました。昨年5月下旬の緊急事態宣言解除後は、感染拡大防止策を講じつつ経済活動は徐々に再開され、政府による経済対策の効果もあり、国内経済は一部持ち直しの動きが見られましたが、今年1月以降は感染の拡大により緊急事態宣言の発出が繰り返され、経済・社会活動の回復は鈍化し、先行きが不透明な状況となりました。

当社グループの経営環境について概観いたしますと、鋼製物置市場では、持家・分譲一戸建住宅の新設着工戸数は減少しましたが、暮らしの中での収納ニーズや新型コロナウイルスの感染防止対策ニーズなどが高まったことから、鋼製物置の需要は好調に推移いたしました。オフィス家具市場では、在宅勤務の普及、企業業績の悪化に伴う投資抑制や経費削減により、オフィスの移転・リニューアル需要は弱含みで推移いたしましたが、企業のテレワーク推進に伴うIT環境の整備や「GIGAスクール構想」など、感染防止対策に関する新たな需要が増加いたしました。一方で、当社グループの主要材料である鋼材市況は、経済活動の停滞に対応したメーカーの減産や在庫調整の動きに対し、その後の自動車生産の回復などに伴い鋼材需給は急速に引き締まり、上昇傾向となりました。

このような経営環境のなか、当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大により取引先への訪問の自粛、出張の自粛など営業活動の制約を受けましたが、WEB活用による商談、勉強会及び製品説明会などに取り組みました。また、お客さまからの要望に応えるべく、安定的な製品供給に努めた結果、取引先からの受注状況は想定を上回って推移いたしました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高37,799百万円(前期比9.3%増)、営業利益2,764百万円(前期比46.2%増)、経常利益3,067百万円(前期比45.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,365百万円(前期比73.6%増)となりました。

また、売上高経常利益率は8.1%(前期比2.0ポイント増)、減価償却前営業利益は4,458百万円(前期比35.1%増)となりました。

当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症拡大による当社グループ業績への影響は軽微でありました。当感染症拡大による国内経済への影響は、徐々に解消していくものと思われますが、今後も感染拡大と小康状態を繰り返し、当感染症の収束には時間がかかると想定していることから、影響を解消するまで相当程度の時間を要し、不透明な状況が継続していくものと考えています。現時点で、当感染症拡大による当社グループ業績への影響は軽微であると予測していますが、今後、当感染症の感染状況やその経済環境への影響が大きく変化した場合には、当社グループを取り巻く経営環境は厳しさを増す可能性があると考えています。その場合の影響などについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (1)新型コロナウイルス感染症の影響」に記載しています。

a.売上高

当連結会計年度の売上高は、前期に比べ3,223百万円増加して37,799百万円(前期比9.3%増)となりました。鋼製物置事業は、暮らしの中での収納ニーズや新型コロナウイルスの感染防止対策ニーズなどコロナ禍の需要増加により、前期に比べ2,880百万円の増収となり、オフィス家具事業は「GIGAスクール構想」に関する受注獲得などにより、前期に比べ343百万円の増収となりました。

b.営業利益・経常利益

営業利益は、前期に比べ873百万円増加して2,764百万円(前期比46.2%増)となりました。増収及び原価率の低減により、売上総利益が前期に比べ964百万円増加しました。一方で、販売費及び一般管理費は前期に比べ91百万円の増加に留まりました。この結果、販売費及び一般管理費の増加額を売上総利益の増加額で吸収することができたため、営業利益は増加しました。

経常利益は、前期に比べ956百万円増加して3,067百万円(前期比45.3%増)となりました。営業利益の増加に加え、スクラップ市況の回復による作業くず売却益の増加などにより、営業外収益が前期に比べ82百万円増加したことから、経常利益は増加しました。

 

c.税金等調整前当期純利益

当連結会計年度は、特別利益に固定資産売却益や投資有価証券売却益を計上したことから、特別損益は、前期の96百万円の損失(純額)に対し10百万円の損失(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前期に比べ1,042百万円増加して3,057百万円となりました。

d.親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等費用は、前期の652百万円に対し692百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は22.6%となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の1,362百万円に対し2,365百万円となりました。1株当たり当期純利益金額は、前期の77円56銭に対し142円26銭となりました。また、自己資本利益率は6.0%(前期比2.5ポイント増)となりました。

e.セグメントの経営成績

当社グループは、「鋼製物置」「オフィス家具」の2つの報告セグメントに区分して評価、開示しています。

(鋼製物置)

鋼製物置セグメントにつきましては、暮らしの中での収納ニーズや新型コロナウイルスの感染防止対策ニーズなど、コロナ禍での需要の変化を受け、当社の主力製品である物置、ガレージ及び倉庫の需要が拡大いたしました。

このような状況のもと、製品供給力を強化するとともに、旺盛な需要の取り込みに努めたことから、全ての四半期連結会計期間において売上高は増加いたしました。製品ラインナップの拡充につきましては、2021年5月に新製品「フォルタ FS」を発売いたしました。「フォルタ FS」は、デザインはもとより材料、構造、機能まで見直し、物置業界初となる建築基準法に対応した製品となりました。

この結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ2,880百万円増加して26,368百万円(前期比12.3%増)となりました。セグメント利益は、増収に伴い前期に比べ604百万円増加して3,357百万円(前期比22.0%増)となり、前期に比べ、売上高、利益はともに増加いたしました。

(オフィス家具)

オフィス家具セグメントにつきましては、コロナ禍での働き方の急激な変化を受け、新しいオフィスづくりへの動きが活発化しています。また、新型コロナウイルスの感染防止対策に関する需要が高まりました。

このような状況のもと、積極的なコンサルティング営業を展開するとともに、「GIGAスクール構想」によるタブレットPC充電保管庫の受注を確保できたことから、第1四半期、第2四半期及び第3四半期連結会計期間の売上高は増加いたしました。一方で、第4四半期連結会計期間につきましては、コロナ禍における商談の停滞、顧客の投資先送り、テレワークの普及によるオフィスの縮小などにより、売上高は減少いたしました。製品ラインナップの拡充につきましては、2021年1月にオフィス・チェアのメイン機種である「イエラ」シリーズにクロスメッシュ・タイプを追加し、W2400の大型デスク「DuENA WIDE DESK」を発売いたしました。「DuENA WIDE DESK」は、大型製品でありながら、使用ネジが4本のみで組み立てられる地球環境への影響に配慮した製品であります。

この結果、当セグメントの売上高は前期に比べ343百万円増加して、11,431百万円(前期比3.1%増)となりました。セグメント利益は、増収や粗利益率の改善により前期に比べ253百万円増加して391百万円(前期比184.2%増)となり、前期に比べ、売上高、利益はともに増加いたしました。なお、セグメント損益につきましては、2期連続の利益計上となり、当セグメントの収益性は改善傾向にあります。

f.目標との比較

当連結会計年度の目標「売上高37,000百万円、営業利益2,460百万円、経常利益2,720百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,760百万円、売上高経常利益率7.4%」に対し、実績は売上高37,799百万円(達成率102.2%)、営業利益2,764百万円(達成率112.4%)、経常利益3,067百万円(達成率112.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益2,365百万円(達成率134.4%)、売上高経常利益率8.1%となりました。

売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益及び売上高経常利益率は、いずれも目標を達成いたしました。

 

 

② 財政状態の状況

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ483百万円増加して28,244百万円となりました。主な変動要因は、自己株式の取得等に伴う現金及び預金の減少1,310百万円、売上高増加に伴う受取手形及び売掛金の増加412百万円、及び有価証券の増加999百万円です。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,794百万円増加して28,221百万円となりました。主な変動要因は、静岡営業所・静岡配送センターの新築・移転等に伴う建物及び構築物の増加316百万円、犬山工場・鋼製物置ラインの再構築に伴う機械装置及び運搬具の増加1,724百万円、及び建設仮勘定の減少843百万円です。

この結果、資産は、前連結会計年度末に比べ2,277百万円増加して56,466百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,728百万円増加して13,854百万円となりました。主な変動要因は、仕入増加に伴う支払手形及び買掛金の増加801百万円、電子記録債務の増加440百万円、及び未払法人税等の増加346百万円です。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ50百万円増加して2,871百万円となりました。主な変動要因は、役員株式給付引当金の増加25百万円、退職給付に係る負債の減少45百万円、及びその他に含まれる受入営業保証金の増加61百万円です。

この結果、負債は、前連結会計年度末に比べ1,778百万円増加して16,725百万円となりました。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ499百万円増加して39,740百万円となりました。主な変動要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加2,365百万円、配当金の支払に伴う利益剰余金の減少445百万円、及び自己株式の取得による自己株式(控除項目)の増加1,509百万円です。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.0ポイント減少して70.4%となり、1株あたり純資産は、前連結会計年度末の2,234.17円から2,413.78円となりました。

③ キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動により増加したキャッシュ・フローは、5,037百万円(前連結会計年度は2,488百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上3,057百万円、減価償却費の発生1,720百万円及び仕入債務の増加額1,242百万円の収入を計上した一方、売上債権の増加額538百万円及び法人税等の支払額565百万円の支出を計上したことなどによるものです。

前期差の主な要因は、税金等調整前当期純利益の増加や仕入債務の増加額が前期に比べ増加したためです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動により減少したキャッシュ・フローは、2,892百万円(前連結会計年度は4,000百万円の減少)となりました。これは、定期預金の払戻2,000百万円及び有価証券の償還500百万円の収入を計上した一方、定期預金の預入2,000百万円及び有形固定資産の取得3,141百万円の支出を計上したことなどによるものです。

前期差の主な要因は、有形固定資産の取得による支出が前期と比べ増加したものの、定期預金の払戻や投資有価証券の償還による収入が前期と比べ増加したためです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動により減少したキャッシュ・フローは、1,955百万円(前連結会計年度は458百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払額445百万円及び自己株式の取得1,509百万円の支出を計上したことなどによるものです。

前期差の主な要因は、自己株式の取得による支出が前期と比べ増加したためです。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ189百万円増加して14,876百万円となりました。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年8月1日

至 2021年7月31日)

前期比(%)

鋼製物置(百万円)

23,593

113.0

オフィス家具(百万円)

5,537

102.0

合計(百万円)

29,130

110.7

(注)1.金額は販売価格としています。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

b.受注実績

当社は、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っていますが、オフィス家具の一部について、OEM先に対し受注生産を行っています。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

オフィス家具

2,874

103.1

102

37.0

(注)1.金額は販売価格としています。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年8月1日

至 2021年7月31日)

前期比(%)

鋼製物置(百万円)

26,368

112.3

オフィス家具(百万円)

11,431

103.1

合計(百万円)

37,799

109.3

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年8月1日

至 2020年7月31日)

当連結会計年度

(自 2020年8月1日

至 2021年7月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ユアサ商事株式会社

9,221

26.7

10,360

27.4

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2021年10月21日)現在において経営者が判断したものです。

① 経営成績の分析

経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照下さい。

② 財政状態の分析

財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照下さい。

 

③ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

④ 流動性と資金の源泉

当社グループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針としています。

当社グループは、資金需要として主に材料、商品等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用に加え、設備投資、研究開発や配当支払を見込んでいます。運転資金及び設備資金については、自己資金又は銀行からの資金調達を行うこととしています。

当連結会計年度末における借入金の残高はありませんが、本有価証券報告書提出日(2021年10月21日)現在において、当社グループは、総額7,350百万円の無担保の当座貸越契約を複数の金融機関との間で締結しています。また、当社グループは、当連結会計年度末において現金及び現金同等物14,876百万円を保有しています。また、換金性の高い金融資産も保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないものと認識しています。

⑤ 設備投資額と減価償却費

当連結会計年度に実施した設備投資額(無形固定資産を含む)は、3,211百万円であります。主要な設備投資は、犬山工場生産設備1,508百万円、柏工場生産設備552百万円、静岡営業所・配送センター新築工事231百万円であります。

減価償却費(無形固定資産を含む)は前期に比べ281百万円増加して1,720百万円となりました。なお、有形固定資産のみの減価償却費は、前期に比べ276百万円増加して1,557百万円となりました。前期差の主な要因は、犬山工場生産設備の稼働に伴い機械装置に係る償却、及び新製品の生産開始に伴い工具(金型)に係る償却が前期と比べ増加したためです。

(4) 経営成績等に重要な影響を与える要因について

「2 事業のリスク」に記載しています。

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表を作成するために、会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行っています。経営者は、これらの見積もりについて過去の経験・実績や現在及び見込まれる経済状況など勘案し、合理的に判断していますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果になる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針等、会計上の見積り及び見積りに用いた仮定については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。また、特に以下の重要な会計方針及び見積りの適用が、その作成において用いられる見積り及び予測により、当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。

(繰延税金資産)

当社グループは、将来の課税所得に関するものを含めた様々な予測・仮定に基づいて繰延税金資産を計上しており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。また、将来の課税所得に関する予測・課税に基づいて、当社又は子会社が繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご覧ください。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染状況や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しています。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発費の総額は、270百万円(各セグメントに配分していない全社費用45百万円含む)となりました。

当社グループの研究開発活動は、独自性・品質性・合理性という設計思想のもとに、他部門とのコラボレーションを意識したチーム編成を行い、人と地球に優しく、より高品質な製品開発を目指し、研究開発に取り組んでおります。また、再生資源の利用促進を目指し、パーツごとの解体・分別が容易な「分別設計」を導入するなど、素材のみならず設計においても環境への配慮を行っています。主要な部品、部材には、分別のための材質表示を行い、リサイクルし易く、ゴミ減量化にも資する生産活動の実現に努めてまいります。

当連結会計年度のセグメントごとの主な研究成果は、以下のとおりです。

(鋼製物置)

鋼製物置セグメントにつきましては、「安全からより安心へ」をテーマとし、今年5月に物置業界初となる建築基準法に対応した新製品「フォルタ FS」を発売いたしました。当該製品は、建築基準法に対応するため、デザインはもとより材料、構造、機能まで見直しを行っております。

今年10月からは、物置の主力製品である「ネクスタ」シリーズを全面的に「フォルタ」シリーズへモデルチェンジし、同時にサイズや豪雪仕様の追加、扉カラーの変更などを予定しています。また、多様化する市場ニーズに対応するため、昨年2月に発売した高級ガレージ「アルシア DR」の販売は順調に推移しており、今年10月から間口サイズの追加やお客さまからの要望に応えた間接照明やアルミ製トレーをオプション品として追加します。

今後の開発につきましては、「安全からより安心へ」をさらに推し進め、信頼性の高い大型製品のラインナップ充実や粉体塗装への切り替えによる環境負荷の低減に努め、新たな用途開発にも取り組んでまいります。

当連結会計年度における当セグメントに直接かかる研究開発費は、135百万円となりました。

(オフィス家具)

オフィス家具セグメントにつきましては、今年1月にオフィス・チェアのメイン機種である「イエラ」シリーズにクロスメッシュ・タイプを追加し、バリエーションの拡充を図りました。収納家具につきましては、フリーアドレスの普及により需要が増加したパーソナルロッカー「iprea(イプリア)」シリーズに従来品より一人当たりの庫内スペースが広いタイプを追加し、シリーズで幅広い提案が可能となりました。また、W2400の大型デスクでありながら、使用ネジが4本のみで組み立てられる「DuENA WIDE DESK」を発売しました。当該製品は、部品数を削減し地球環境への影響に配慮した製品であります。

今後の開発については、地球環境に配慮し、ウィズコロナ・アフターコロナによるオフィス環境の変化や働き方の多様化に対応する新製品の開発に取り組んでまいります。

当連結会計年度における当セグメントに直接かかる研究開発費は、89百万円となりました。