第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用及び所得環境の底堅さにより個人消費を中心に回復基調を維持しております。欧州では、生産及び輸出の持ち直しにより緩やかな回復を続けております。アジアでは、中国はインフラ投資の拡大による雇用環境の安定化を保った結果、消費が増加し景気の持ち直しがみられ、日本では輸出や設備投資等の民間部門の改善傾向が鮮明となり緩やかな回復基調を持続しております。

当社グループが属する自動車業界においては、米国ではガソリン価格の安定化及び低金利等の販売を後押しする環境が続いており、需要は高水準を保っております。タイでは、新興国向けの輸出の弱さが自動車輸出減少に繋がっております。中国では、政府からの優遇政策により新エネルギー車の成長が著しくなっております。日本では、車検更新車両の増加に伴う買い替え需要が一服し、内需の減速状況にあります。

このような状況のもと、当社グループは厳しい収益状況からの早期脱却と、持続的な企業成長に向けた「丸順構造改革プラン」を継続して推進しており、固定費を中心とした様々な製造原価低減の取組みを実施してまいりました。

                                   

以上の結果、当連結会計年度の売上高は55,483百万円(前年同期比17.7%減)、営業利益は2,681百万円(前年同期比43.0%増)、経常利益は1,931百万円(前年同期比124.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,711百万円(前年同期は3,036百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

 セグメントごとの概況は、次のとおりであります。

 

(丸順)

丸順においては、主要客先向け車体プレス部品の生産量減少等により、売上高は減少いたしましたが、「丸順構造改革プラン」の着実な推進により、特に車体プレス部品事業の収益体質が大幅に改善されたこと及び為替差益等の営業外収益の増加により、利益は増加いたしました。

以上の結果、売上高は12,936百万円(前年同期比4.2%減)、経常利益は1,161百万円(前年同期比114.0%増)となりました。

 

(タイ)

タイにおいては、エンジニアリング事業における専用設備の販売拡大等があり、現地通貨ベースでは売上高が増加したものの、円高による為替影響により邦貨ベースでは微減となりました。なお、購入費及び経費を中心としたコストダウンの取組みや要員適正化の取組み等により製造原価が低減し、利益は増加いたしました。

以上の結果、売上高は8,497百万円(前年同期比0.7%減)、経常利益は43百万円(前年同期は898百万円の経常損失)となりました。

 

(広州)

広州においては、主要客先の増産等の影響はあったものの、エンジニアリング事業における専用設備の売上減少により現地通貨ベースでは前年同期とほぼ同水準の売上高となりましたが、円高による為替影響により邦貨ベースでは減収となりました。なお、プレス及び溶接加工の生産効率向上や要員適正化による固定費削減等の取組みにより利益は増加いたしました。

以上の結果、売上高は16,890百万円(前年同期比14.1%減)、経常利益は844百万円(前年同期比166.4%増)となりました。

 

 

(武漢)

武漢においては、主要客先で大幅に増産となったことや購入費を中心としたコストダウンの取組み及び要員適正化により増産に伴う労務費アップを抑制し、売上高、利益ともに増加いたしました。

以上の結果、売上高は7,254百万円(前年同期比26.0%増)、経常利益は497百万円(前年同期比431.0%増)となりました。

 

(インディアナ)

インディアナにおいては、事業撤退に伴う事業活動の縮小の影響により売上高、利益ともに減少いたしましたが、遊休資産の売却や経費削減の取組みにより損失は最小限に収めることができました。

以上の結果、売上高は9,958百万円(前年同期比48.6%減)、経常損失は328百万円(前年同期は1,176百万円の経常利益)となりました。

 

(四輪販売)

四輪販売においては、新車を中心とした積極的な販売促進活動及びサービス提案等の取組みにより売上高、利益ともに増加いたしました。

以上の結果、売上高は3,714百万円(前年同期比8.2%増)、経常利益は105百万円(前年同期比390.3%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,573百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,651百万円増加いたしました。
 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、5,399百万円の収入(前年同期は8,007百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,416百万円(前年同期は2,845百万円の純損失)、減価償却費6,607百万円(前年同期は8,293百万円)のほか、売上債権の増加額2,575百万円(前年同期は589百万円の増加)などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、539百万円の支出(前年同期は5,601百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,333百万円(前年同期は6,689百万円の支出)、有形固定資産の売却による収入3,832百万円(前年同期は131百万円の収入)などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,841百万円の支出(前年同期は330百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金413百万円の増加(前年同期は1,990百万円の増加)、長期借入金2,257百万円の減少(前年同期は3,646百万円の減少)などによるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

丸順

11,762

99.3

タイ

8,116

95.8

広州

15,069

79.7

武漢

6,904

126.4

インディアナ

9,828

50.6

合計

51,681

80.6

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3  四輪販売については生産実績がないため、記載しておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

丸順

11,953

103.4

1,124

119.7

タイ

8,044

95.4

517

85.8

広州

14,800

76.7

1,128

74.8

武漢

6,979

132.3

615

107.1

インディアナ

8,096

40.1

四輪販売

3,706

104.6

251

97.4

合計

53,581

78.5

3,638

62.7

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

丸順

11,768

99.7

タイ

8,109

95.9

広州

15,046

79.7

武漢

6,889

126.0

インディアナ

9,955

51.4

四輪販売

3,713

108.3

合計

55,483

82.3

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

 

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

金額(百万円)

割  合 (%)

金額(百万円)

割  合 (%)

広汽本田汽車有限公司

11,648

17.3

9,423

17.0

東風本田汽車有限公司

6,094

9.0

7,344

13.2

本田技研工業株式会社

9,183

13.6

7,007

12.5

Honda of America Mfg., Inc.

9,642

14.3

3,245

5.9

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
 当社グループは、基本理念を「人間尊重、3つの貢献(従業員、お客様、社会)」としており、グローバル規模でお客様から信頼され、魅力あるモビリティ部品の製造に絶えず挑戦する企業を目指すことを基本方針としております。第6次中期経営計画において、「原点回帰」をグループ方針として掲げております。「事業構造の原点回帰」として、シンプル化・スリム化による身の丈に合った事業構造にした上でコア技術を基盤に自動車部品事業・エンジニアリング事業・精密事業を軸として、各極で堅実経営を展開すると共に、「マネジメントの原点回帰」として、創業精神に立ち返り、強いリーダーシップ・速い意志決定・総員参加のマネジメントを行ってまいります。
 なお、当社グループは売上高営業利益率を主要な経営指標とし、経営基盤の安定化を目指しております。
 また、当社グループを取り巻く経営環境におきましては、グローバル競争の激化、国内市場縮小等により、年々厳しさを増しております。このような厳しい収益状況から脱却し、持続的な成長を可能とするため、当社は「丸順構造改革プラン」を最重要課題として取組み、最終年度として総仕上げを行うとともに、中長期的な成長に向けた事業戦略としてエンジニアリング事業、精密・バッテリー関連部品事業及び研究開発の拡充にも務めております。
 国内のプレス部品事業については、関東向け事業は関東客先向けハイブリッド関係部品の一部を除き、本年中を目途に埼玉工場を閉鎖し、生産ラインを上石津工場に移管いたします。大垣地区については、高効率溶接ラインや自動倉庫等の導入による、要員の適正化等に取組んでおります。なお、大垣地区のうち浅西地区にある工場は上石津工場へ生産工程の移管・集約が完了し、本社機能については上石津工場に移転をいたしました。
 また、将来の事業活動に寄与しない旧本社ビル及び浅西地区にある工場等の不動産についても売却が完了いたしました。
 エンジニアリング事業については、超高張力鋼板(超ハイテン)部品金型製作の技術力を基盤に順調に新規受注を獲得しております。精密・バッテリー関連事業については、特に成長が期待できるハイブリッド車やEVに使用される部品の技術開発を強化し、国内外で受注を伸ばしております。
 アジア事業については、北米事業の撤退を受け、経営資源を中国及びアジア事業に集中する戦略を確実に推進しております。労務費の高い北米で使用していた生産設備を中国拠点に移管し、原価低減の取組みを推進しているほか、バンパービーム等の競争力の高い部品の受注を推進しております。

 

4 【事業等のリスク】

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには以下のようなものがあります。
 なお、本項に記載した事項及び将来に関する事項は、当社が、本有価証券報告書提出日(平成29年6月23日)現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性を内在しております。

(1) 自動車関係市場の変動

 当社グループは、その売上高の大部分を自動車関係の市場に依存しております。そのため、経済状況等による自動車関係市場の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(2) 経済状況の変動

 当社グループは、日本及びアジア地域に事業を展開しております。そのため、当社グループが製品を製造・販売している国や地域の経済状況の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(3) 為替変動による影響

 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、当連結会計年度では72.1%を占めております。したがって、為替の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(4) 価格競争の激化

 自動車部品業界における価格競争は大変厳しいものとなっております。当社グループは、各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面することが予想されます。激化する価格低減競争の環境下にあって、市場シェアの維持あるいは拡大ができず、利益を確保できない可能性があり、この結果、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 

(5) 公的規制によるリスク

 当社グループは、事業展開する各国において様々な法的規制を受けております。当社グループでは法令遵守、危機管理及び企業倫理などの展開を図るため、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会を立ち上げるなど体制の整備を進めておりますが、これらの法的規制を遵守できない場合には、当社グループの活動が制限される可能性があり、また、ペナルティが課される等の制裁措置が講じられる可能性があります。この結果、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(6) 売上の特定先への依存

 当社グループは、その売上高の大部分を本田技研工業株式会社及びその関係会社に依存しているため、その業績の変動は当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(7) 原材料及び部品の外部業者への依存

 当社グループは、いくつかの部品・原材料について、一部の取引先に依存しております。この取引先からの継続的な供給が確保できなくなった場合、当社グループの生産に影響を与え、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(8) 製品の欠陥によるリコールの発生

 当社グループの製品には、大規模なリコールにつながる製品の欠陥が発生する可能性があります。当社グループでは、品質における国際標準モデルであるISO9001を取得し品質管理に万全を期しておりますが、大規模なリコールの発生は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(9) 災害・戦争・テロ・ストライキ等の発生

 当社グループは、事業展開する各国における自然災害、疾病、戦争、テロ、ストライキ等により、原材料や部品の購入、製造・販売及び物流などに遅延や停止が生じる可能性があります。これらは、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 借入金利の上昇

 当社グループの総資産に占める借入債務は、当連結会計年度末において61.3%となっており、また、当連結会計年度における支払利息は704百万円となっております。借入金利の上昇は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(11) 継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、平成27年3月期において、重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、長期借入金の返済資金の確保が懸念されている状況が生じていました。また、前連結会計年度において、多額の特別損失を計上しており、財務諸表では債務超過となりました。
 当連結会計年度の末日においても財務諸表における債務超過が継続しているなど財務基盤が安定しておらず、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
 これらの状況に対処すべく、前連結会計年度において策定した「丸順構造改革プラン」を推進し、経営資源の集中による事業ポートフォリオの変革、資産売却、要員削減及び工場集約によるボトム経営体質の構築を進めてまいりました。
 この結果、前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度においても営業利益及び経常利益は共に黒字を継続しており、親会社株主に帰属する当期純利益も黒字となっております。
 さらに、平成29年5月11日に公表した東プレ株式会社との資本業務提携において第三者割当増資による自己資本増強のほか、国内外拠点における生産及び金型調達の補完や幹部の派遣による人材交流と経営ノウハウの共有などを進める予定であり、中長期の経営体質強化も見据えた取組みも開始いたしました。
 資金面においても、事業の継続に必要な資金を確保するために取引先金融機関に対して継続的な支援を要請し、長期及び短期借入金の返済資金について、当座貸越枠の増額や返済期日を延長することを同意いただいております。
 また、財務諸表における債務超過に関しては、上記東プレ株式会社に対する第三者割当増資とともに、「丸順構造改革プラン」の取組みによる収益の改善や、将来の成長に向けて精密部品事業、エンジニアリング事業の拡販及び研究開発活動の拡充を進めることにより、財務諸表における債務超過を解消するという方向性について、取引先及び取引先金融機関からの理解を得ております。
 現在、長期及び短期借入金の返済資金は、当座貸越枠の増額や返済期日を延長することで確保していますが、上記の結果を受け、当社は金融機関との取引正常化に向けた交渉に入ることを予定しております。
 これらの諸施策の実施により、収益基盤の安定化を図り、取引先金融機関の継続的支援のもと、資金不足となるリスクは回避し、財務基盤の安定化をはかることもできており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められません。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)東プレ株式会社との資本業務提携契約の締結について

当社は、平成29年5月11日開催の取締役会において、東プレ株式会社(以下、「東プレ」といいます。)との間で資本業務提携契約の締結並びに同社に対する第三者割当による新株式発行及び自己株式の処分(以下併せて、「本第三者割当」といいます。)を行うことについて決議し、同日付で東プレとの間で資本業務提携契約を締結しました。
  なお、本契約締結については第5「経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表」の(重要な後発事象)に詳細を記載しております。

 

(2)技術受入等契約

会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

当社

株式会社ベステックスキョーエイ

日本

技術情報の提供及び製造権または販売権の許諾

自 平成29年2月1日
至 平成30年1月31日
(以降1年ごとの自動延長)

当社

株式会社増田製作所

日本

技術情報の提供及び製造権または販売権の許諾

自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日
(以降1年ごとの自動延長)

 

 (注)対価として一定料率のロイヤリティを支払っております。

 

(3)技術援助契約

会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

当社

株式会社ジーテクト

日本

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

自 平成29年1月1日
至 平成29年12月31日
(以降1年ごとの自動延長)

当社

株式会社ベステックスキョーエイ

日本

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

 

自 平成29年2月1日
至 平成30年1月31日
(以降1年ごとの自動延長)

当社

八千代工業株式会社

日本

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

自 平成27年11月25日
至 平成29年10月31日

当社

PT.METINDO ERASAKTI

インドネシア

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

自 平成26年4月24日
至 平成30年12月31日
(以降1年ごとの自動延長)

当社

ORIENTAL SUMMIT INDUSTRIES SDN BHD

マレーシア

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

自 平成28年5月1日
至 平成33年4月30日
(以降1年ごとの自動延長)

 

(注)対価として一定料率のロイヤリティを受け取っております。

 

 

6 【研究開発活動】

 当社グループでは、環境への対応と安全性の向上を目標とし、自動車の主要部品である車体骨格、安全補強、機能及び精密部品について、研究開発活動に積極的に取組んでおります。また、取引先の要望である自動車の軽量化、衝突安全性能の向上及び商品価値の向上等の課題に対応し、独自な新商品提案を実現することを目指しております。
 さらには、自動車関連部品のほか、新たな研究開発活動として将来的に市場拡大が予想される事業を事前に検知するため、次世代の新事業及び新商品の開発に取組んでおります。

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は93百万円であります。

 また、セグメントごとの研究開発活動は以下のとおりであります。なお、当社グループは「丸順」及び「広州」でのみ研究開発活動を行っており、「タイ」、「武漢」、「インディアナ」及び「四輪販売」では行っていないため、それらについては記載しておりません。

 

(丸順)
 丸順においては、研究開発活動は上石津工場及び栃木開発センターを主な拠点とし、車体骨格、安全補強及び精密部品を中心に、主要取引先のグローバルな研究開発部門と密接な連携をとり、効率的な商品開発のほか、次世代を見据えた新事業及び新商品の研究開発活動を行っております。
 当連結会計年度における研究開発費の総額は39百万円となっており、主要研究開発テーマは、次のとおりであります。

 ① 高強度鋼板材等の加工技術及び自動車骨格部品等への適用に関する研究開発
 ② 精密加工部品の増肉成型等に関する研究開発
 ③ 安全機能部品に関する研究開発
 ④ CAD、CAM及びCAE技術による研究開発の合理化
 ⑤ 自動車車体部品への効率的な溶接接合加工に関する研究開発
 ⑥ 新事業及び新商品に関する研究開発

 

(広州)
 広州においては、研究開発活動は広州丸順汽車配件有限公司を拠点とし、車体骨格、安全補強及び機能部品を中心に、丸順及び主要取引先の研究開発部門と密接な連携をとり、効率的な商品開発を行っております。
 当連結会計年度における研究開発費の総額は54百万円となっており、主要研究開発テーマは、次のとおりであります。

 ① プレス成形部品の加工性向上に関する研究開発
 ② 溶接加工部品の生産工程及び仕様に関する研究開発
 ③ 機能部品の耐久性能試験等に関する研究開発
 ④ CAD、CAM及びCAE技術による研究開発の合理化

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性について、棚卸資産、債権、投資、法人税等、賞与、退職金、偶発債務等に関する見積り及び判断を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

当社グループの当連結会計年度末における資産総額は、47,015百万円となり、前連結会計年度末と比較し、6,226百万円の減少となりました。これは主に、機械装置及び運搬具が2,438百万円減少、工具、器具及び備品が1,673百万円減少、建物及び構築物が1,636百万円減少したことが要因であります。
 負債総額は40,072百万円となり、前連結会計年度末と比較し、7,212百万円の減少となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,625百万円減少、短期借入金が1,518百万円減少、長期借入金が1,167百万円減少、リース債務が999百万円減少したことが要因であります。
 純資産は6,942百万円となり、前連結会計年度末と比較し、985百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が1,711百万円増加、為替換算調整勘定が686百万円減少したことが要因であります。

(3) 経営成績の分析

当社グループは、厳しい収益状態から脱却し、持続的な成長を可能とするため、平成27年5月15日公表の「丸順構造改革プラン」を継続して推進しており、固定費を中心とした様々な施策を取組み、製造原価低減に努め、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の全てにおいて増益となりました。

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、武漢では客先増産により増収となりましたが、円高による為替影響及びインディアナの事業活動の縮小等により、売上高は前年比17.7%減の55,483百万円となりました。
 売上原価は、丸順構造改革プランの推進による労務費や経費の削減等により、前連結会計年度の60,525百万円から48,352百万円に減少し、売上高に対する比率は2.7ポイント減少し87.1%となりました。
 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の5,003百万円から4,448百万円に減少し、売上高に対する比率は0.6ポイント増加し8.0%となりました。以上の結果、前連結会計年度の1,875百万円の営業利益に対し、2,681百万円となりました。
 営業外収益は、前連結会計年度の122百万円から増加し、157百万円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度の1,138百万円から減少し、908百万円となりました。以上の結果、前連結会計年度の859百万円の経常利益に対し、1,931百万円の経常利益となりました。
 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の3,036百万円の親会社株主に帰属する当期純損失に対し、1,711百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。

 

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの主たる事業である自動車部品の業界では、価格競争は大変厳しいものとなっており、激化する価格低減競争の環境下にあって、市場シェアの維持あるいは拡大ができず、利益を確保できない可能性があります。また、当社グループは、その売上高の大部分を本田技研工業株式会社及びその関係会社に依存しているため、その業績の変動が、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は70%超と大きく、為替の変動が、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの有利子負債は総資産に占める比率が高く、借入金利の上昇は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、その売上高の大部分を自動車関係の市場に依存しております。そのため、経済状況等による自動車関係市場の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 戦略的現状と見通し

 当社グループは「原点回帰」をグループ方針として掲げております。「事業構造の原点回帰」として、シンプル化・スリム化による身の丈に合った事業構造にした上でコア技術を基盤に自動車部品事業・エンジニアリング事業・精密事業を軸として、各極で堅実経営を展開すると共に、「マネジメントの原点回帰」として、創業精神に立ち返り、強いリーダーシップ・速い意志決定・総員参加のマネジメントを行ってまいります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは5,399百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローが539百万円の支出となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローが2,841百万円の支出となった結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前年同期比1,651百万円増の7,573百万円となりました。
 当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入により調達しております。このうち、借入による調達に関しましては、運転資金については短期借入金、生産設備などの長期資金は、原則として固定金利の長期借入金で調達しており、当連結会計年度末の連結貸借対照表に計上されている短期借入金の残高は20,370百万円、長期借入金の残高は7,076百万円、ファイナンス・リース債務は1,350百万円であります。
 なお、短期借入金のうち16,515百万円に関する返済資金については、取引先金融機関から借り換えなどにより契約を更新することで同意を得ております。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループを取り巻く環境におきましては、グローバル競争の激化、国内市場の縮小等により年々厳しさを増しております。このような厳しい収益状況から脱却し、持続的な成長を可能とするため、当社は「丸順構造改革プラン」を最重要課題として取組み、最終年度として総仕上げを行うとともに、中長期的な成長に向けた事業戦略としてエンジニアリング事業、精密・バッテリー関連部品事業及び研究開発の拡充にも継続して取り組んでまいります。