第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

  当連結会計年度における世界経済は、米国では家計支出の堅調さに支えられ着実に回復が続いております。アジア地域について、タイでは、干ばつに伴う農産物価格下落及び家計債務の拡大による消費者の購買力の低下などの影響があるほか、中国でも、製造業の過剰設備や在庫調整が下押し圧力となり、減速した状態が続いております。日本では個人消費の弱さがみられるものの、非製造業を中心に企業収益に改善傾向がみられるなど緩やかな回復基調が続いており、全体としても先進国を中心とした緩やかな成長が続いております。

  当社グループが属する自動車業界においては、米国では低金利自動車ローンやリースの提供、原油安及び力強い雇用の伸びが追い風となり好調な需要を維持しましたが、タイでは金融機関の自動車ローン借入条件の厳格化などで販売の低迷が続きました。中国では、年度後半に小型車の自動車取得税半減措置が導入されたため販売台数の増加がみられました。日本では、軽自動車税の増税及び消費税増税に伴う駆け込み需要の反動が尾を引いている状況です。

  このような状況のもと、当社は厳しい収益状況からの早期脱却と、持続的な企業成長に向けた「丸順構造改革プラン」を継続して推進しております。

                                   

  以上の結果、当連結会計年度の売上高は67,404百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は1,875百万円(前年同期は2,318百万円の営業損失)、経常利益は859百万円(前年同期は2,846百万円の経常損失)の増収増益となりましたが、減損損失及び事業構造改善費用等の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は3,036百万円(前年同期は3,381百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

 セグメントごとの概況は、次のとおりであります。

 

(丸順)

 丸順においては、主要客先の減産影響を受け売上高は前年同期を下回りましたが、「丸順構造改革プラン」の着実な推進による労務費や購入費などの製造原価の低減により、利益は前年同期を上回る状況で推移いたしました。
  以上の結果、売上高は13,499百万円(前年同期比7.3%減)、経常利益は542百万円(前年同期は437百万円の経常損失)となりました。
 

(タイ)

 タイにおいては、自動車輸出は増加傾向にありますが、金融機関の自動車ローン借入条件の厳格化などにより主要客先が減産となり、現地通貨ベースでは売上高は減少となりましたが、円安による為替影響により邦貨ベースでは売上高は前年同期を上回りました。また、継続的な製造原価低減に対する取り組みにより、損失は減少いたしました。
 以上の結果、売上高は8,560百万円(前年同期比2.2%増)、経常損失は898百万円(前年同期は1,575百万円の経常損失)となりました。
 

(広州)

広州においては、客先の増産に加え、金型売上が増加したことにより売上高は増加しましたが、設備費などの固定費が増加したことにより利益は前年同期を下回る状況で推移いたしました。
 以上の結果、売上高は19,665百万円(前年同期比15.8%増)、経常利益は317百万円(前年同期比36.6%減)となりました。
 

 

(武漢)

武漢においては、主要客先において生産機種構成について変動があり、売上高は減少したものの、為替影響により邦貨ベースでは前年同期とほぼ同水準の売上高となりました。また、労務費などの固定費の負担増加により利益は前年同期を下回る状況で推移いたしました。
以上の結果、売上高は5,756百万円(前年同期比0.6%減)、経常利益は93百万円(前年同期比32.3%減)となりました。

 

(インディアナ)

  インディアナにおいては、米国自動車業界の好調な需要による客先増産及び為替影響などを受け売上高は増加となりました。また、労務費などの製造原価低減により利益についても前年同期を上回る状況で推移いたしました。
 以上の結果、売上高は19,366百万円(前年同期比10.3%増)、経常利益は1,176百万円(前年同期は1,284百万円の経常損失)となりました。
 

(四輪販売)

 四輪販売においては、中古車販売部門及びサービス部門は底堅く推移いたしましたが、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動や自動車税増税などによる新車販売低迷の影響が大きく、売上高、利益ともに前年同期を下回る状況で推移いたしました。
 以上の結果、売上高は3,432百万円(前年同期比2.2%減)、経常利益は21百万円(前年同期比33.2%減)となりました。
 

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,922百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,343百万増加いたしました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、8,007百万円の収入(前年同期は5,184百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失2,845百万円(前年同期は3,150百万円の純損失)、減価償却費8,293百万円(前年同期は7,175百万円)、減損損失3,535百万円(前年同期は330百万円)のほか、たな卸資産の減少額1,425百万円(前年同期は70百万円の増加)などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、5,601百万円の支出(前年同期は10,244百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6,689百万円(前年同期は10,255百万円の支出)、投資有価証券の売却による収入1,013百万円(前年同期はなし)などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、330百万円の支出(前年同期は5,933百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金1,990百万円の増加(前年同期は3,533百万円の増加)及び長期借入金3,646百万円の減少(前年同期は1,952百万円の増加)などによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

丸順

11,851

94.3

タイ

8,469

101.9

広州

18,901

117.0

武漢

5,462

98.9

インディアナ

19,426

110.6

合計

64,111

106.7

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3  四輪販売については生産実績がないため、記載しておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

丸順

11,562

92.5

939

79.3

タイ

8,429

99.2

603

86.9

広州

19,289

119.1

1,509

128.9

武漢

5,276

104.1

574

207.1

インディアナ

20,187

117.8

1,921

156.4

四輪販売

3,542

105.5

258

178.0

合計

68,286

108.8

5,807

123.5

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

丸順

11,808

93.7

タイ

8,459

101.5

広州

18,871

116.6

武漢

5,469

98.9

インディアナ

19,366

110.3

四輪販売

3,428

97.8

合計

67,404

105.8

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

 

相手先

前連結会計年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

金額(百万円)

割  合 (%)

金額(百万円)

割  合 (%)

広汽本田汽車有限公司

12,301

19.3

11,648

17.3

Honda of America Mfg., Inc.

7,169

11.3

9,642

14.3

本田技研工業株式会社

9,253

14.5

9,183

13.6

 

 

3 【対処すべき課題】

 当社グループを取り巻く経営環境におきましては、グローバル競争の激化、国内市場縮小等により、年々厳しさを増しており、当社におきましてもグループとして大幅な業績悪化となっております。このような厳しい収益状況から脱却し、持続的な成長を可能とするため、当社は「丸順構造改革プラン」に基づき、次に掲げる内容と共に中長期的な成長に向けて事業戦略の策定を最重要課題として取り組んでおります。
 国内のプレス部品事業については、収益性の低い埼玉工場及び関東客先向け事業から撤退し、また、大垣地区については、高効率溶接ラインや自動倉庫等の導入による、要員の適正化等に取り組んでおります。また、大垣地区のうち浅西地区にある工場は上石津工場へ生産工程の移管・集約による工場再編を進めており、本社機能については上石津工場に移転をいたしました。
 国内の精密部品事業及びエンジニアリング事業については、高付加価値事業での受注拡大を目指し、新規顧客の獲得及び新製品の受注に向けた営業活動に取り組んでおります。
 なお、将来の事業活動に寄与しない旧本社ビル及び浅西地区にある工場等の不動産については、順次売却を進めてまいります。
 北米事業については、今後の収益が見込めないため平成28年11月末日を目途にインディアナ・マルジュン社の事業を停止することを決定いたしました。また、固定資産については譲渡することとし、資産譲渡契約を締結いたしました。
 アジア事業については、タイ・マルジュン社において、売上拡大に向けてプレス部品事業及びエンジニアリング事業における顧客拡大のための受注活動を積極的に推進しております。また、広州丸順社及び武漢丸順社においては、中国での労務費高騰に対応するため生産体質改善による要員の適正化に取り組んでおります。

 

 

4 【事業等のリスク】

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには以下のようなものがあります。
 なお、本項に記載した事項及び将来に関する事項は、当社が、本有価証券報告書提出日(平成28年6月24日)現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性を内在しております。

(1) 自動車関係市場の変動

 当社グループは、その売上高の大部分を自動車関係の市場に依存しております。そのため、経済状況等による自動車関係市場の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(2) 経済状況の変動

 当社グループは、日本、北米及びアジア地域に事業を展開しております。そのため、当社グループが製品を製造・販売している国や地域の経済状況の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(3) 為替変動による影響

 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、当連結会計年度では75.9%を占めております。したがって、為替の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(4) 価格競争の激化

 自動車部品業界における価格競争は大変厳しいものとなっております。当社グループは、各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面することが予想されます。激化する価格低減競争の環境下にあって、市場シェアの維持あるいは拡大ができず、利益を確保できない可能性があり、この結果、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 

(5) 公的規制によるリスク

 当社グループは、事業展開する各国において様々な法的規制を受けております。当社グループでは法令遵守、危機管理及び企業倫理などの展開を図るため、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会を立ち上げるなど体制の整備を進めておりますが、これらの法的規制を遵守できない場合には、当社グループの活動が制限される可能性があり、また、ペナルティが課される等の制裁措置が講じられる可能性があります。この結果、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(6) 売上の特定先への依存

 当社グループは、その売上高の大部分を本田技研工業株式会社及びその関係会社に依存しているため、その業績の変動は当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(7) 原材料及び部品の外部業者への依存

 当社グループは、いくつかの部品・原材料について、一部の取引先に依存しております。この取引先からの継続的な供給が確保できなくなった場合、当社グループの生産に影響を与え、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(8) 製品の欠陥によるリコールの発生

 当社グループの製品には、大規模なリコールにつながる製品の欠陥が発生する可能性があります。当社グループでは、品質における国際標準モデルであるISO9001を取得し品質管理に万全を期しておりますが、大規模なリコールの発生は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(9) 災害・戦争・テロ・ストライキ等の発生

 当社グループは、事業展開する各国における自然災害、疾病、戦争、テロ、ストライキ等により、原材料や部品の購入、製造・販売及び物流などに遅延や停止が生じる可能性があります。これらは、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 借入金利の上昇

 当社グループの総資産に占める借入債務は、当連結会計年度末において61.0%となっており、また、当連結会計年度における支払利息は856百万円となっております。借入金利の上昇は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

(11) 継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、前連結会計年度において、重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、長期借入金の返済資金の確保が懸念されている状況が生じていました。当連結会計年度においては、多額の特別損失を計上した結果、重要な親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、また、財務諸表において債務超過となるなど継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
 これらの状況に対処すべく、当連結会計年度において「丸順構造改革プラン」を策定し、経営資源の集中による事業ポートフォリオの変革、資産売却、要員削減、及び工場集約によるボトム経営体質の構築を推進し、不採算事業からの撤退、固定費の削減を実施しております。この結果、当連結会計年度においては営業利益、経常利益ともに黒字に転換しております。親会社株主に帰属する当期純利益については、当連結会計年度においても赤字となりましたが、構造改革に伴う北米事業からの撤退等による一過性の損失を計上したものであります。
 平成29年3月期以降については、将来の成長に向けて精密部品事業、エンジニアリング事業の拡販及び研究開発活動の拡充を進めると同時に、「丸順構造改革プラン」の取組みによる収益の改善によって財務諸表における債務超過を解消するという方向性について、取引先及び取引先金融機関からの理解を得ております。
  資金面においては、事業の継続及び「丸順構造改革プラン」の実施に必要な資金を確保するために取引先金融機関に対して継続的な支援を要請し、長期及び短期借入金の返済資金について、当座貸越枠の増額や返済期日を延長することで同意をいただいております。
 これらの諸施策の実施により、収益基盤の安定化を図り、取引先金融機関の継続的支援のもと、資金不足となるリスクを回避し、財務基盤の安定化を図ることもできており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められません。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)技術受入等契約

会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

当社

株式会社ベステックスキョーエイ

日本

技術情報の提供及び製造権または販売権の許諾

自 平成28年2月1日
至 平成29年1月31日
(以降1年ごとの自動延長)

当社

株式会社増田製作所

日本

技術情報の提供及び製造権または販売権の許諾

自 平成24年7月1日
至 平成28年3月31日
(以降1年ごとの自動延長)

 

 (注)対価として一定料率のロイヤリティを支払っております。

 

(2)技術援助契約

会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

当社

株式会社ジーテクト

日本

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

自 平成28年1月1日
至 平成28年12月31日
(以降1年ごとの自動延長)

当社

株式会社ベステックスキョーエイ

日本

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

 

自 平成28年2月1日
至 平成29年1月31日
(以降1年ごとの自動延長)

当社

八千代工業株式会社

日本

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

自 平成27年11月25日
至 平成29年10月31日

当社

PT.METINDO ERASAKTI

インドネシア

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

自 平成26年4月24日
至 平成30年12月31日
(以降1年ごとの自動延長)

 

(注)対価として一定料率のロイヤリティを受け取っております。

 

(3)北米事業の撤退に伴う固定資産の譲渡について

 当社は、インディアナ・マルジュン社を子会社化してから生産体質及び業務効率の向上を図るべく取り組んでまいりましたが、今後の収益が見込めないため平成28年11月末日を目途にインディアナ・マルジュン社の事業を停止することを決定いたしました。また、固定資産については譲渡することとし、資産譲渡契約を締結いたしました。

 

 

6 【研究開発活動】

 当社グループでは、環境への対応と安全性の向上を目標とし、自動車の主要部品である車体骨格、安全補強、機能及び精密部品について、研究開発活動に積極的に取組んでおります。また、取引先の要望である自動車の軽量化、衝突安全性能の向上及び商品価値の向上等の課題に対応し、独自な新商品提案を実現することを目指しております。
 さらには、自動車関連部品のほか、新たな研究開発活動として将来的に市場拡大が予想される事業を事前に検知するため、次世代の新事業及び新商品の開発に取組んでおります。

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は170百万円であります。

 また、セグメントごとの研究開発活動は以下のとおりであります。なお、当社グループは「丸順」及び「広州」でのみ研究開発活動を行っており、「タイ」、「武漢」、「インディアナ」及び「四輪販売」では行っていないため、それらについては記載しておりません。

 

(丸順)
 丸順においては、研究開発活動は上石津工場及び栃木開発センターを主な拠点とし、車体骨格、安全補強及び精密部品を中心に、主要取引先のグローバルな研究開発部門と密接な連携をとり、効率的な商品開発のほか、次世代を見据えた新事業及び新商品の研究開発活動を行っております。
 当連結会計年度における研究開発費の総額は29百万円となっており、主要研究開発テーマは、次のとおりであります。

 ① 高強度鋼板材等の加工技術及び自動車骨格部品等への適用に関する研究開発
 ② 精密加工部品の増肉成型等に関する研究開発
 ③ 安全機能部品に関する研究開発
 ④ CAD、CAM及びCAE技術による研究開発の合理化
 ⑤ 自動車車体部品への効率的な溶接接合加工に関する研究開発
 ⑥ 新事業及び新商品に関する研究開発

 

(広州)
 広州においては、研究開発活動は広州丸順汽車配件有限公司を拠点とし、車体骨格、安全補強及び機能部品を中心に、丸順及び主要取引先の研究開発部門と密接な連携をとり、効率的な商品開発を行っております。
 当連結会計年度における研究開発費の総額は141百万円となっており、主要研究開発テーマは、次のとおりであります。

 ① プレス成形部品の加工性向上に関する研究開発
 ② 溶接加工部品の生産工程及び仕様に関する研究開発
 ③ 機能部品の耐久性能試験等に関する研究開発
 ④ CAD、CAM及びCAE技術による研究開発の合理化

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性について、棚卸資産、債権、投資、法人税等、賞与、退職金、偶発債務等に関する見積り及び判断を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

 当社グループの当連結会計年度末における資産総額は、53,241百万円となり、前連結会計年度末と比較し、6,662百万円の減少となりました。これは主に、仕掛品が1,194百万円減少、機械装置及び運搬具が2,061百万円減少、工具、器具及び備品が2,159百万円減少したことが要因であります。
 負債総額は47,284百万円となり、前連結会計年度末と比較し、2,255百万円の減少となりました。これは主に、短期借入金が1,633百万円増加、長期借入金が4,536百万円減少したことが要因であります。
 純資産は5,956百万円となり、前連結会計年度末と比較し、4,407百万円の減少となりました。これは主に、利益剰余金が3,036百万円減少、その他有価証券評価差額金が499百万円減少、為替換算調整勘定が436百万円減少したことが要因であります。
 

(3) 経営成績の分析

当社グループは、厳しい収益状態から脱却し、持続的な成長を可能とするため、平成27年5月15日公表の丸順構造改革プランに基づいた様々な施策を取組み、収益力及び財務体質の強化に努め、増収増益となりました。

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、広州の金型売上増加及びアメリカの好調な需要による増産により、売上高は前年比5.8%増の67,404百万円となりました。
 売上原価は、売上高は増加しましたが、丸順構造改革プランの推進による労務費及び経費の削減等により前連結会計年度の61,554百万円から60,525百万円に減少し、売上高に対する比率は6.8ポイント減少し89.8%となりました。
 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の4,485百万円から5,003百万円に増加し、売上高に対する比率は0.4ポイント増加し7.4%となりました。以上の結果、前連結会計年度の2,318百万円の営業損失に対し、1,875百万円の営業利益となりました。
 営業外収益は、前連結会計年度の296百万円から減少し、122百万円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度の824百万円から増加し、1,138百万円となりました。以上の結果、前連結会計年度の2,846百万円の経常損失に対し、859百万円の経常利益となりました。
 親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度の3,381百万円に対し、3,036百万円となりました。

 

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの主たる事業である自動車部品の業界では、価格競争は大変厳しいものとなっており、激化する価格低減競争の環境下にあって、市場シェアの維持あるいは拡大ができず、利益を確保できない可能性があります。また、当社グループは、その売上高の大部分を本田技研工業株式会社及びその関係会社に依存しているため、その業績の変動が、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は70%超と大きく、為替の変動が、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの有利子負債は総資産に占める比率が高く、借入金利の上昇は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、その売上高の大部分を自動車関係の市場に依存しております。そのため、経済状況等による自動車関係市場の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 戦略的現状と見通し

 当社グループは「原点回帰」をグループ方針として掲げております。「事業構造の原点回帰」として、シンプル化・スリム化による身の丈に合った事業構造にした上でコア技術を基盤に自動車部品事業・エンジニアリング事業・精密事業を軸として、各極で堅実経営を展開すると共に、「マネジメントの原点回帰」として、創業精神に立ち返り、強いリーダーシップ・速い意志決定・総員参加のマネジメントを行ってまいります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは8,007百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローが5,601百万円の支出となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローが330百万円の支出となった結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前年同期比2,343百万円増の5,922百万円となりました。
 当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入により調達しております。このうち、借入による調達に関しましては、運転資金については短期借入金、生産設備などの長期資金は、原則として固定金利の長期借入金で調達しており、当連結会計年度末の連結貸借対照表に計上されている短期借入金の残高は21,888百万円、長期借入金の残高は8,244百万円、ファイナンス・リース債務は2,350百万円であります。
 なお、短期借入金のうち16,573百万円に関する返済資金については、取引先金融機関から借り換えなどにより契約を更新することで同意を得ております。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループが属する自動車部品業界を取り巻く環境は、グローバル競争の激化、国内市場の縮小等により年々厳しさを増しており、当社におきましても、大幅な業績悪化となっております。
 このような厳しい収益状況から脱却し、持続的な成長を可能とするため、当社は「丸順構造改革プラン」に基づき事業構造の変革と、収益力及び財務体質の強化に取り組むと共に、中長期的な成長に向けて事業戦略の策定を最重要課題として取り組んでまいります。