第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
 当社グループを取り巻く経営環境におきましては、自動車業界の電動化が加速するとともに、若年層の自動車離れや人口減少による自動車購入世代の減少等の様々なリスクも懸念され、更なるグローバル競争の激化が予想されます。当社グループにおきましては、2015年から2017年の3年間の構造改革期間を経て、更なる企業価値の向上と持続的な成長を可能とするため、中長期的な成長に向けた「技術で夢を -Make our dreams by Technology-」を2018年から2022年までの丸順グループ中長期ビジョンとして掲げております。なお、2020年4月からは、中長期5か年計画の3年目として、より一層、自動車の軽量化・電動化の領域で、圧倒的な技術力で貢献し、競争力基盤・財務体質の向上を目指して引き続き取り組んでまいります。
 
 競争力基盤の確立として、技術力・競争力に基づく事業ポートフォリオの変革に主眼を置き、経営資源を集中し規模に見合った効率経営と競争力強化を図るため、事業ドメインと事業戦略を明確にいたします。主力事業のボディ部品事業(車体骨格部品事業)については、弱み(スケールメリット・拠点展開)を補完し、強み(超ハイテン加工技術)を伸ばすために東プレ株式会社との提携を主要戦略とし、系列を超えた受注・売上高の拡大を図ってまいります。競争優位性の高い超ハイテン加工の領域については、継続的な売上高を確保するため、技術の進化及び深化を追求し、受注優位性を確保します。
 電動化部品事業及び金型事業については、次の10年に飛躍するための戦略事業として位置づけ、事業拡大を推進しております。電動化部品事業については、自動車の電動化により減少していく精密部品事業の収益を補完すべく、多様な取引先への受注拡大を図るとともに、日本で蓄積した技術をベースに、特に中国においてEV関連部品の事業を飛躍的に拡大いたします。金型事業については、創業以来の固有技術による競争優位性を確保する事業と位置づけており、日本、中国及びタイの3拠点において事業展開している強みを活かし、各拠点でさらに内製能力を高めるとともに、M&A等も含めた拡大戦略で事業拡大を目指しております。
 財務体質の向上については、主力事業及び戦略事業の強化に加え、フリー・キャッシュフローの向上による有利子負債の削減及び積極的な資本政策の実施等により強化を図ります。
 また、モノづくり以外の領域においては、ダイバーシティの推進によるグローバルな人材活用の推進、原価・基幹システムの構築、グローバルな経営体質管理、経営管理システムの整備等により、上場企業に相応しいガバナンス体制の強化を図っております。
 2019年度からは、更なる間接コスト削減のため、管理業務のスリム化・システム化の推進を目的とした「ICTを活用したモノづくりの進化と業務改革の推進」・「業務改革による間接コスト削減」、将来の当社グループを支える人材を育成するための「次世代幹部育成(若手の登用・抜擢)」の3つを追加事業戦略とし、企業価値向上を図っております。
 

 

2 【事業等のリスク】

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには以下のようなものがあります。
 なお、本項に記載した事項及び将来に関する事項は、当社が、本有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性を内在しております。

 

(1) マーケットに関するリスク

①自動車関係市場の変動

 当社グループは、その売上高の大部分を自動車関係の市場に依存しております。自動車業界は若年層の自動車離れや人口減少に伴う自動車購入世代の減少等の様々なリスクも懸念されているとともに、経済状況等による影響も受けやすく、自動車関係市場の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
 このような自動車関連市場の変動に対応するため、当社グループは中長期5か年計画において車体骨格部品事業がキャッシュを生み出し財務体質を強化するための「主力事業」、電動化部品事業と金型事業を次の10年に飛躍するための成長ドライバーである「戦略事業」と位置づけ、競争力基盤の確立に取り組んでおります。

②価格競争の激化

 自動車部品業界における価格競争は大変厳しいものとなっております。当社グループは、各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面することが予想されます。激化する価格競争の環境下にあって、市場シェアの維持あるいは拡大ができず、利益を確保できない可能性があります。
 当社グループは、中長期5か年計画において主力事業である車体骨格部品事業について、東プレ株式会社との提携により、競争優位性の高い超ハイテン加工の領域に集中し事業体質を向上させることを主要戦略としております。また、グループ各社が継続的に生産効率化に取り組み、生産体質の向上に努めております。

③借入金利の上昇

 当社グループの総資産に占める借入債務は、当連結会計年度末において45.6%であり、当連結会計年度における支払利息は492百万円なっております。借入金利の上昇は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、2020年9月に期限を迎えるシンジケートローン契約に代わる新たな枠組みを検討しており、金融関連費用の削減と資金調達手段の多様化により財務基盤の強化を図ってまいります。

④新技術について

 顧客ニーズや市場の変化に対応した新技術や新製品を開発できない場合や、既存の技術や製品からの代替を迫るような新素材や製造方法が登場し、市場に受け入れられた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、開発スピードの向上と効率化による開発事業計画達成のため、開発機能を各本部に設置しており、中長期5か年計画推進にあたり技術開発部門を強化し、研究開発活動に注力しております。また、成長市場である中国拠点においても開発部門を設置しており、中国市場のニーズへ即応するための開発活動に努めております。

 

(2) 海外事業展開に関するリスク

①当社グループ事業に関するリスク

 当社グループは、日本及びアジア地域に事業を展開しております。アジア地域は順調な経済成長を持続しているものの、当社グループが製品を製造・販売している国や地域の経済状況の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、グループ各社が特性を生かした経営により利益体質の向上に努めるとともに、日本がモノづくり、品質、人事、財務等においてグループ統括機能を発揮し、グループ全体での相乗効果が発揮できるように努めております。

②為替変動による影響

 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、当連結会計年度では66.7%を占めております。想定以上の為替の変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、為替変動リスクを軽減するため、原材料や部品等の現地調達化をはじめとする経営資源の現地化を進めており、為替による影響を最小限にするよう取り組んでおります。

③多様で有能な人材の確保・維持

 当社グループは、グローバルな事業展開を図っており、多様な価値観や専門性を持った社員の力が必要不可欠です。継続的な新卒採用や経験者の通年採用等に努めておりますが、採用需要の高まりにより、新卒及び経験者の採用難や派遣要員の確保が困難になった場合、当社の事業展開に支障が生じ、当社の事業成長及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、中長期基本戦略として人材の「人財化」を掲げ、部品生産及び金型領域で、海外子会社から日本への逆駐在制度や海外子会社間の派遣制度を推進する等、グローバルでの人材育成や採用を推進しております。

④災害・戦争・テロ・ストライキ等の発生

 当社グループは、事業展開する各国における自然災害、疾病、戦争、テロ、ストライキ等により、原材料や部品の購入、製造・販売及び物流などに遅延や停止が生じる可能性があります。
 当社グループでは、緊急事態においても自社の従業員の安全を確保しながら、事業を適切に継続するための事業継続計画を策定し、災害等のリスク軽減を図るように努めております。

⑤公的規制によるリスク

 当社グループは、事業展開する各国において様々な法的規制を受けております。予期することのできない法令又は諸規則の決定や変更等により、これらの法的規制を遵守できない場合には、当社グループの活動が制限される可能性があり、また、ペナルティが課される等の制裁措置が講じられる可能性があります。
 当社グループは、法令遵守、危機管理及び企業倫理などの展開を図るため、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会やコンプライアンス相談窓口を設置するなど適切な対応を継続的に実施できるように取り組んでおります。

 

(3) 事業に関するリスク

①売上の特定先への依存

 当社グループは、その売上高の大部分を本田技研工業株式会社及びその関係会社に依存しており、当連結会計年度の本田技研工業株式会社及びその関係会社への売上高は61.1%を占めております。したがって、当社グループの経営成績は本田技研工業株式会社の生産動向の影響を大きく受けております。
 当社グループは、リスク分散と更なる成長の観点から、他の完成車メーカー向けの取引を拡大し、本田技研工業株式会社及びその関係会社への依存度低下に努めております。

②原材料及び部品の外部業者への依存

 当社グループは、いくつかの部品・原材料について、特定の取引先に依存しており、この取引先からの継続的な供給が確保できなくなった場合、当社グループの安定生産に影響を与える可能性があります。
 当社グループは、部品や原材料など複数の競合する仕入先から調達する方針としており、併せてグローバル調達を推進しております。また、購買部門が外部業者の工程管理や在庫管理について確認を実施し、仕入先に対するリスク軽減を図っております。

③製品の欠陥によるリコールの発生

 当社グループは品質最優先の考えのもと各種製品を製造しておりますが、将来においてリコールにつながる製品の欠陥が発生する可能性があり、大規模なリコールの発生は、多額の品質コストになる可能性があります。
 当社グループでは、品質における国際標準モデルであるISO9001を取得し品質管理に万全を期するとともに、全グループ会社で組織されるグローバル品質会議等の仕組みを構築・運用し、品質強化に取り組んでおります。

 

 

(4) その他

①新型コロナウイルスの感染拡大

 新型コロナウイルスの感染拡大は、当社グループにおいて上記(1)~(3)のリスクにも関連する現在、特に注視すべき重要なリスクであると認識しております。現時点では当社グループの各拠点の工場の生産は概ね通常稼働に戻っているものの、今後更なる感染状況の深刻化の場合には、客先の生産状況の変動、部品供給状況の変動及び当社従業員の感染による生産稼働の停止等も想定され、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、これらのリスクに対応するため、タイにおける要員削減を含む構造改革や中国における工場のライン改造を実施する等原価低減の施策の前倒しにより、減産タフネスの向上に取り組んでおります。
 
 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米国では個人消費や輸出が増加し、景気回復基調となりました。欧州では、機械設備投資や輸出に下支えられ、景気は緩やかな回復を維持しております。中国では、米中貿易摩擦の影響により輸出等の減少がみられ、緩やかな景気減速が続いております。日本では、自然災害の発生や消費増税等による影響があるものの、雇用や所得環境の改善等により景気は緩やかな回復を維持しております。しかしながら、当連結会計年度末にかけては、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により、経済活動が抑制され、足下の景気の下押し要因となっております。
 当社グループが属する自動車業界においては、タイでは、米中貿易摩擦による世界的な景気減速により輸出が減少したほか、金融機関による自動車ローン規制の厳格化の影響等が長期化し、タイ国内の新車販売台数が減少しております。中国では、米中貿易摩擦や新エネルギー車補助金の減額等より新車販売台数が減少しているものの、日系ブランドが好調な販売台数を維持しております。日本では、消費増税や新型コロナウイルス等のマイナス影響により登録車及び軽自動車ともに新車販売台数が減少しております。
 このような状況のもと、当社グループは、中長期5か年計画の2年目として、競争力基盤の確立及び財務体質の向上に努めてまいりました。
 

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は48,582百万円(前年同期比3.2%減)、営業利益は4,342百万円(前年同期比0.6%減)、経常利益は3,804百万円(前年同期比5.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,429百万円(前年同期比5.6%増)となりました。

当社グループでは、競争力基盤の確立としてボディ部品事業(車体骨格部品事業)を「主力事業」、電動化部品事業及び金型事業を「戦略事業(次の10年に飛躍するための成長ドライバー)」に位置づけ、経営資源を集中し、規模に見合った効率経営と競争力強化を目指し、売上高営業利益率をKPI(重要業績評価指標)としております。売上高営業利益率については、当連結会計年度は8.9%、中長期5か年計画最終年度となります2023年3月期目標値9.0%以上の達成に向けて順調に推進しております。

 

 セグメントごとの概況は、次のとおりであります。

 なお、タイ(タイ・マルジュン社)、広州(広州丸順汽車配件有限公司)及び武漢(武漢丸順汽車配件有限公司)の決算日は12月31日であり、連結財務諸表作成に当たっては同決算日現在の財務諸表を使用しております。

 

(丸順)

丸順においては、部品事業で主要客先向け自動車部品の生産が増加したほか、エンジニアリング事業においても専用設備の販売が増加したことにより、売上高は増加いたしました。また、主要客先増産に伴い労務費が増加したものの、継続的な原価低減活動、海外子会社からの受取配当金増加及び金融関連費用の減少等により、利益は増加いたしました。

以上の結果、売上高は16,939百万円(前年同期比5.1%増)、経常利益は1,900百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
 丸順については、資本業務提携先である東プレ株式会社とのシナジーにより、順調な売上伸長を維持するとともに、ハイテン加工技術等の固有技術を進化させ、技術面でもグループをリードする等、中長期5か年計画を強力に推進し、グループ全体の競争力基盤の確立及び財務体質の向上に努めております。

 

(タイ)

タイにおいては、部品事業で主要客先向け自動車部品の生産が減少したことにより、売上高は減少いたしました。また、新型車立ち上がりに伴う品質コストの削減に取り組んだほか、償却負担が減少したものの、前年は一時的な利益押上げ要因として計上されていた量産車種終了に伴う金型投資費用の回収の影響等があり、利益は減少いたしました。

以上の結果、売上高は8,864百万円(前年同期比1.8%減)、経常利益は147百万円(前年同期比23.5%減)となりました。
 タイについては、タイ及び輸出先である周辺国を含め成熟したビジネス環境下にあり、安定的な収益確保を目指し、高効率なスマート工場を生かしたボトム生産体質の構築による利益体質改善に取り組んでおり、徐々に効果が表れてきております。

 

(広州)

広州においては、部品事業で自動車部品の生産が減少したことにより、売上高は減少いたしました。また、集中購買推進等による原価低減の取組みに加え、要員適正化等の固定費削減の取組みを実施しているものの、売上高減少により固定費負担が相対的に増加し、利益は減少いたしました。

以上の結果、売上高は15,974百万円(前年同期比10.6%減)、経常利益は1,051百万円(前年同期比5.8%減)となりました。

広州については、系列を越えた多様な取引先を有し、電動化部品等の新規受注拡大にも積極的に取り組み、売上や利益等の業績面で当社グループを支えるとともに、中国拠点のマザー工場の位置づけにあり、当社の中国事業をリードしております。

 

(武漢)

武漢においては、売上高は現地通貨ベースでは前年と同水準となったものの、円高による為替影響により邦貨ベースでは売上高は減少いたしました。なお、経費削減等の継続的な製造原価低減の取組み及び生産機種構成の変化による購入費の減少等により、利益は増加いたしました。

以上の結果、売上高は10,493百万円(前年同期比5.5%減)、経常利益は1,195百万円(前年同期比37.0%増)となりました。

武漢については、グループの中で最も成長著しい市場環境にあり、今後も順調な売上伸長が見込まれます。部品事業に特化した事業形態を生かし、生産の効率化や原価低減活動による量産機能の強化に積極的に取り組み、売上伸長に伴った利益率を確保しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は9,859百万円となり、前連結会計年度末に比べ281百万円増加いたしました。
 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、6,664百万円の収入(前年同期は6,818百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,768百万円(前年同期は3,520百万円)、減価償却費4,054百万円(前年同期は5,027百万円)、仕入債務の減少額511百万円(前年同期は22百万円の増加)、法人税等の支払額709百万円(前年同期は746百万円)等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、3,653百万円の支出(前年同期は4,347百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,810百万円(前年同期は4,231百万円の支出)等によるものであります。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,716百万円の支出(前年同期は1,374百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金555百万円の減少(前年同期は189百万円の減少)、長期借入金による返済1,322百万円(前年同期は1,669百万円の減少)、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出335百万円(前年同期は399百万円の支出)、ファイナンス・リース債務の返済による支出281百万円(前年同期は396百万円の支出)等によるものです。

 

当社グループでは、フリー・キャッシュフローを重視しており、「主力事業」及び「戦略事業」を中心とした事業戦略に基づきキャッシュ・フロー創出に取り組んでおります。また、投資については構造改革後の次なる成長に向けた戦略投資を実施しており、投資回収等を重視した最適投資を推進しております。獲得したフリー・キャッシュについては、財務体質強化に向けた有利子負債圧縮、将来の成長に向けての研究開発活動及び株主への還元等に充当しております。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

丸順

16,168

106.7

タイ

8,683

99.2

広州

14,101

86.7

武漢

9,676

96.2

合計

48,630

96.8

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

丸順

17,212

117.3

3,383

145.3

タイ

8,567

98.2

591

89.3

広州

13,697

84.3

899

66.8

武漢

9,305

87.6

962

72.3

合計

48,783

97.1

5,837

103.0

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

丸順

16,157

106.6

タイ

8,678

99.2

広州

14,109

87.1

武漢

9,637

95.9

合計

48,582

96.8

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

金額(百万円)

割  合 (%)

金額(百万円)

割  合 (%)

広汽本田汽車有限公司

10,456

20.8

8,598

 17.7

東風本田汽車有限公司

8,446

16.8

7,951

16.4

本田技研工業株式会社

7,744

15.4

7,170

14.8

HONDA AUTOMOBILE (THAILAND) CO.,LTD.

5,389

10.7

4,566

9.4

東プレ株式会社

3,265

6.5

6,011

12.4

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー、特に以下に述べる項目に影響を与えるような見積り及び判断を行っております。経営陣は過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 
 a.たな卸資産
 その他金型等の仕掛品は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4会計方針に関する事項(1)重要な資産の評価基準及び評価方法②たな卸資産の評価基準及び評価方法」に記載の通り個別法にて原価の積み上げを行い、貸借対照表に計上しております。一部金型について、受注時点で見積もれなかった原材料の価格上昇、加工工数の予想外の増加等の要因により、販売価格を上回る原価が積み上がる事があります。原価が売価を上回ると判断した時点で、過去の実績やその時点で入手可能な情報をもとに、完成までの原価総額を見積り、売価との差額の簿価切り下げを行いますが、見積り原価総額が完成後の実際原価総額と異なる可能性があります。
 

 b.繰延税金資産
 当社グループは、課税所得の計算上の資産・負債と、貸借対照表上の資産・負債の計上額との一時差異に関して、法定実効税率を用いて繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、実際の結果は、見積り根拠となる仮定又は条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。また、将来の課税所得が予想を下回った場合には、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
 

 

c.退職給付引当金
 当社は、退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。また、一部の連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。
 当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
 なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(退職給付関係)2確定給付制度(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
 

 d.減損会計における将来キャッシュ・フロー
 減損損失の認識及び測定において用いられる将来キャッシュ・フローは、当社グループが用いている内部の情報(予算)と経営環境などの外部要因に関する情報を整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮して見積もっております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において新たな減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

<経営成績等>

当連結会計年度の経営成績等について、当社グループは、部品事業で自動車部品の生産が減少したセグメントがあったものの、各種購入施策や物流改善等の原価低減の取組みに加え、間接部門を中心とした要員適正化等の固定費削減の取組み等により、営業利益は、過去最高益であった前連結会計年度に引き続き過去2番目、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益においては4期連続で過去最高益更新となりました。
 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は丸順で増収となるものの、タイ、広州及び武漢の減収により、売上高は前年同期比3.2%減の48,582百万円となりました。
 売上原価は、前連結会計年度の42,573百万円から41,147百万円に減少し、売上高に対する比率は0.2ポイント減少し84.7%となりました。
 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の3,224百万円から3,093百万円に減少し、売上高に対する比率は前連結会計年度と同じ6.4%となりました。以上の結果、営業利益は前連結会計年度の4,369百万円に対し、4,342百万円となりました。
 営業外収益は、前連結会計年度の85百万円から増加し、123百万円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度の837百万円に対し、661百万円となりました。以上の結果、経常利益は前連結会計年度の3,617百万円に対し、3,804百万円となりました。
 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の2,300百万円に対し、2,429百万円となりました。

 

 

<財政状態の分析>

当社グループの当連結会計年度末における資産総額は、47,412百万円となり、前連結会計年度末と比較し、1,192百万円の減少となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が265百万円減少、工具、器具及び備品並びにリース資産等の有形固定資産が510百万円減少、投資有価証券が247百万円減少したこと等が要因であります。
 負債総額は32,667百万円となり、前連結会計年度末と比較し、2,676百万円の減少となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が528百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が8,586百万円増加、リース債務が274百万円減少、長期借入金が9,866百万円減少したことが要因であります。

なお、当連結会計年度末におけるタームローン及び長期借入金残高9,906百万円について、借入期限が2020年9月から11月に到達することから全額を1年内返済予定の長期借入金に計上しておりますが、取引金融機関より期限での全額返済を要求されている契約は無く、残高維持を前提に借換の交渉を行っております。
 純資産は14,744百万円となり、前連結会計年度末と比較し、1,483百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が2,346百万円増加、非支配株主持分が718百万円減少したこと等が要因であります。
 当社グループでは、主力事業及び戦略事業の強化に加え、有利子負債の圧縮及び積極的な資本政策などによる財務体質の向上及び経営基盤の安定化を目指し、連結自己資本比率を当社グループKPIとしております。連結自己資本比率については、中長期5か年計画最終年度となります2023年3月期において40.0%以上を目標数値としており、当連結会計年度末では自己資本比率25.2%となり、目標値達成に向けて順調に推進しております。

 

<経営成績に重要な影響を与える要因について>

 当社グループの主たる事業である自動車部品の業界では、価格競争は大変厳しいものとなっており、激化する価格低減競争の環境下にあって、市場シェアの維持あるいは拡大ができず、利益を確保できない可能性があります。  また、当社グループは、その売上高の大部分を本田技研工業株式会社及びその関係会社に依存しているため、その業績の変動が、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は66.7%と大きく、為替の変動が、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの有利子負債は総資産に占める比率が高く、借入金利の上昇は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
 

 

<資本の財源及び資金の流動性についての分析>

 当社グループの資金の財源及び資金の流動性については、当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは6,664百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローが3,653百万円の支出となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローが2,716百万円の支出となった結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前年同期比281百万円増の9,859百万円となりました。
 当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金、借入、公募及び第三者割当増資により調達しております。このうち、公募及び第三者割当増資による調達に関しましては、2017年6月に第三者割当増資(586,200株)及び自己株式の処分(1,004,900株)、2018年6月に第三者割当増資(300,000株)及び有償一般募集(1,200,000株)を実施いたしました。また、借入による調達に関しましては、運転資金については短期借入金、生産設備などの長期資金は、原則として長期借入金で調達しており、当連結会計年度末の連結貸借対照表に計上されている短期借入金の残高は11,520百万円、1年内返済予定の長期借入金の残高は9,906百万円であります。
 なお、当連結会計年度末におけるタームローン及び長期借入金残高9,906百万円について、借入期限が2020年9月 から11月に到達することから全額を1年内返済予定の長期借入金に計上しておりますが、取引金融機関より期限での全額返済を要求されている契約は無く、残高維持を前提に借換の交渉を行っております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1)技術受入等契約

会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

当社

株式会社ベステックスキョーエイ

日本

技術情報の提供及び製造権または販売権の許諾

自 2020年1月1日
至 2020年12月31日
(以降1年ごとの自動延長)

当社

株式会社増田製作所

日本

技術情報の提供及び製造権または販売権の許諾

自 2020年1月1日
至 2020年12月31日
(以降1年ごとの自動延長)

 

 (注)対価として一定料率のロイヤリティを支払っております。

 

(2)技術援助契約

会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

当社

株式会社ベステックスキョーエイ

日本

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

 

自 2020年2月1日
至 2021年1月31日
(以降1年ごとの自動延長)

当社

PT.METINDO ERASAKTI

インドネシア

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

自 2020年1月1日
至 2020年12月31日
(以降1年ごとの自動延長)

当社

ORIENTAL SUMMIT INDUSTRIES SDN BHD

マレーシア

技術知識、情報及びノウハウの提供、工業所有権の許与

自 2016年5月1日
至 2021年4月30日
(以降1年ごとの自動延長)

 

(注)対価として一定料率のロイヤリティを受け取っております。

 

 

5 【研究開発活動】

 当社グループでは、環境への対応と安全性の向上を目標とし、自動車の主要部品である車体骨格、安全補強、機能部品、電動化部品及び精密部品について、研究開発活動に積極的に取組んでおります。また、取引先の要望である自動車の軽量化、衝突安全性能の向上及び商品価値の向上等の課題に対応し、独自な新商品提案を実現することを目指しております。
 さらには、自動車関連部品のほか、新たな研究開発活動として将来的に市場拡大が予想される事業を事前に検知するため、次世代の新事業及び新商品の開発に取組んでおります。

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は122百万円であります。

 また、セグメントごとの研究開発活動は以下のとおりであります。なお、当社グループは「丸順」及び「広州」でのみ研究開発活動を行っており、「タイ」及び「武漢」では行っていないため、それらについては記載しておりません。

 

(丸順)
 丸順においては、研究開発活動は上石津工場及び養老工場を主な拠点とし、車体骨格、安全補強、電動化部品及び精密部品を中心に、主要取引先のグローバルな研究開発部門と密接な連携をとり、効率的な商品開発のほか、次世代を見据えた新事業及び新商品の研究開発活動を行っております。
 当連結会計年度における研究開発費の総額は97百万円となっており、主要研究開発テーマは、次のとおりであります。

 ① 高強度鋼板材等の加工技術及び自動車骨格部品等への適用に関する研究開発
 ② 精密加工部品の増肉成型等に関する研究開発
 ③ 安全機能部品に関する研究開発
 ④ CAD、CAM及びCAE技術による研究開発の合理化
 ⑤ 自動車車体部品への効率的な溶接接合加工に関する研究開発

 ⑥ バッテリー関連部品の要素技術の開発
 ⑦ 新事業及び新商品に関する研究開発

 

(広州)
 広州においては、研究開発活動は広州丸順汽車配件有限公司を拠点とし、車体骨格、安全補強及び機能部品を中心に、丸順及び主要取引先の研究開発部門と密接な連携をとり、効率的な商品開発を行っております。
 当連結会計年度における研究開発費の総額は25百万円となっており、主要研究開発テーマは、次のとおりであります。

 ① プレス成形部品の加工性向上に関する研究開発
 ② 溶接加工部品の生産工程及び仕様に関する研究開発
 ③ 機能部品の耐久性能試験等に関する研究開発
 ④ CAD、CAM及びCAE技術による研究開発の合理化