第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

経営成績に関する分析のご説明に先立ちまして、平成29年2月17日、成田事業所の表面処理棟で自動車部品の耐熱塗装中に、当社従業員2名が亡くなり、1名が重傷を負う重大な爆発火災事故を引き起こしました。関係各位に対し深くお詫び申し上げます。

お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様に心よりお詫び申し上げます。また、負傷された方ならびにそのご家族の皆様方に対しまして、心よりお詫びとお見舞いを申し上げます。さらに、株主様、お取引先様、近隣の皆様をはじめとする多くの方々に多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを、ここに深くお詫び申し上げます。

現在、所轄の警察署、消防署、及び労働基準監督署における事故原因の調査中であります。また、当社でも社外の専門家を含めた事故調査委員会を発足し、事故原因の究明を進めております。現時点ではその解明には至っておりませんが、想定される再発防止策を実施して代替生産などを進めているところであります。
 今後、事故原因の見解が出された段階で、改めて再発防止策の見直しを図ってまいります。

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策や日銀による金融緩和策等を背景とした企業収益の改善や雇用環境の改善等が見られ、緩やかな回復基調にあるものの、イギリスのEU離脱や、中国の経済成長の鈍化が鮮明となったことなどから、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。

当連結累計期間における当社グループを取り巻く業界動向は、航空宇宙、住宅関連は前期に比べ好調を維持いたしましたが、環境・エネルギー、機械設備関連は低調に推移いたしました。

このような状況の中、当社グループは、得意先への取引深耕に努める一方、経費の見直しや更なる生産効率の向上、及び競争力の強化を目指して経営の効率化に全力で取り組み、あらゆる角度から利益創出に向けた対策を実行いたしました。

その結果、当連結会計年度における業績は、売上高は10,067百万円(前年同期比2.8%増)の増収となりました。利益につきましては、平成29年2月17日に発生した当社成田事業所の爆発火災事故の代替生産などで、コストアップとなりましたが、営業利益は381百万円(同197.4%増)となりました。、経常利益は400百万円(同342.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として爆発火災事故の影響による損失13百万円を計上したことなどにより、237百万円(同347.6%増)となりました。

 

 

セグメントの概況は、次のとおりであります。

なお、各セグメントのセグメント損益(営業損益)は、各セグメントに配賦することが困難な本社管理部門に係る営業費用を控除する前のものであります。 

①  放電加工・表面処理

放電加工・表面処理は、エネルギー関連部品加工、並びに主力製品であります産業用ガスタービン部品加工などが減少したものの、新規事業の航空機エンジン部品の低圧タービンブレードの本格生産がスタートしたことから、放電加工・表面処理全体では、前年同期に比べ増収となり、営業利益は前年同期と比べ増益となりました。

その結果、売上高は4,345百万円(同3.4%増)、営業利益は86百万円(前年同期は16百万円の損失)となりました。

② 金型

金型は、自動車排気ガス浄化用のセラミックスハニカム押出用金型、アルミ押出用金型の住宅サッシ関連金型ともに売上高も増加したことにより、金型全体では前年同期に比べ増収となりました。営業利益は、売上高の増収等により、前年同期と比べ増益となりました。

その結果、売上高は3,702百万円(前年同期比13.3%増)、営業利益は1,046百万円(同44.4%増)となりました。

③ 機械装置等

機械装置等は、デジタルサーボプレス機の売上高が減少したこと、及びプレス部品加工の自動車関連部品も減少したことから、機械装置等全体では前年同期と比べ減収となりました。営業利益は、売上高の減少などにより、前年同期と比べ減益となりました。

その結果、売上高は2,020百万円(同13.2%減)、営業利益は302百万円(同35.3%減)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ44百万円増加し、554百万円となりました。その主な内訳は営業活動による資金の増加898百万円、投資活動による資金の減少289百万円、財務活動による資金の減少564百万円であり、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果獲得した資金は、898百万円(前連結会計年度は1,847百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益411百万円、減価償却費905百万円、売上債権の増加419百万円によるものであります。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、289百万円(前連結会計年度は397百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出361百万円によるものであります。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、564百万円(前連結会計年度は1,794百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の減少額(純額)432百万円、リース債務の返済額84百万円、配当金の支払額72百万円によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

放電加工・表面処理

4,343,550

104.1

金型

3,899,290

121.6

機械装置等

2,131,588

88.2

合計

10,374,429

105.9

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

放電加工・表面処理

4,345,984

105.3

486,904

100.2

金型

3,830,150

107.9

892,713

116.8

機械装置等

2,122,004

106.9

395,270

134.7

合計

10,298,139

106.6

1,774,888

114.9

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

放電加工・表面処理

4,345,097

103.4

金型

3,702,009

113.3

機械装置等

2,020,282

86.8

合計

10,067,389

102.8

 

(注) 1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年3月1日

至  平成28年2月29日)

当連結会計年度

(自  平成28年3月1日

至  平成29年2月28日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三菱重工業株式会社

2,228,434

22.8

2,396,698

23.8

日本碍子株式会社

1,514,566

15.5

1,727,439

17.2

株式会社LIXIL(リクシル)

1,001,572

10.2

1,107,278

11.0

 

3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループを取り巻く今後の経営環境は、放電加工・表面処理の主力製品でありますガスタービン関連の受注が減少傾向にあり、厳しい状況が続くものと予想されます。

このような環境下におきまして、当社グループでは「特化技術の拡大」を基本にお客様の発展に貢献すべく、以下の課題に対処していく所存でございます。

① 放電加工・表面処理では、各種金属製品の受託加工におきましては、放電加工をコア技術とする前後工程の取り込みと表面処理との特化技術の融合を進め、業容の拡大に努めてまいります。

産業用ガスタービン部品加工におきましては、これまで培ってきた保有技術を用いて既存顧客の深耕と新規顧客の開拓を図り、業容の拡大に努めてまいります。

新規事業であります航空機エンジン部品の一貫生産につきましては、新たな航空機エンジン部品の受注に努め、業容の拡大を図ってまいります。

航空機エンジン部品・産業用ガスタービン部品・自動車部品等の表面処理におきましては、産業用ガスタービン翼のコーティングや自動車部品のコーティングの自動化と原価低減を進め、生産性と品質の向上を図ってまいります。

また、クロムフリー塗料におきましては、海外を含めた販売の強化を進め、売上の拡大に努めてまいります。

② 金型では、アルミ押出用金型におきましては、製造自動化ラインのさらなる改良を進め、コストダウンを図るとともに、建材品分野(住宅向け)では樹脂サッシ金型、産業品分野(車両等)では高精度金型、大型金型等の売上の拡大を図ってまいります。

また、自動車排気ガス浄化用のセラミックスハニカム押出用金型におきましては、ディーゼル車向け金型の生産性の向上を図るとともに、新規アイテムの受注に努め、業容の拡大を図ってまいります。

③ 機械装置等では、プレス機械等の販売におきましては、プレス複合加工システム、デジタルサーボプレス等を、次世代産業分野における標準設備と位置づけられるよう努め、拡販を進めてまいります。

また、自社プレス機による受託加工におきましては、量産品加工の拡大を図り、安定基盤の確立と開発案件の取り込みを強化して、業容の拡大に努めてまいります。

 

平成29年2月17日に発生した成田事業所の爆発火災事故を受け、本年3月4日に「HSKグループ安全体制強化委員会」を発足いたしました。この委員会を通して、改めて「安全を第一とする全社の意識変革と風土づくり」を進め、また毎月17日を安全の日と制定して、継続的に安全活動を推進してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性のあるリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。なお、本項に含まれている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)特定顧客への依存度について

当社グループの当連結会計年度における売上高の52.0%が三菱重工業㈱、日本碍子㈱、㈱LIXILの主要得意先3社で占められております。三菱重工業㈱からは、主に産業用ガスタービンエンジン部品の放電加工並びに表面処理の業務、日本碍子㈱からは、自動車排気ガス浄化用のセラミックスハニカム担体を成形するためのセラミックスハニカム押出用金型、㈱LIXILからは、アルミサッシを成形するためのアルミ押出用金型をそれぞれ受託しております。

従って、これらの主要得意先の受注・生産動向や外注政策が大きく変動した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年3月1日

至  平成28年2月29日)

当連結会計年度

(自  平成28年3月1日

至  平成29年2月28日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三菱重工業株式会社

2,228,434

22.8

2,396,698

23.8

日本碍子株式会社

1,514,566

15.5

1,727,439

17.2

株式会社LIXIL(リクシル)

1,001,572

10.2

1,107,278

11.0

 

※  本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)製品の欠陥について

当社グループは国際的品質管理基準であるISO9001などに基づいて品質の安定に努めております。しかし、すべての製品について欠陥が無く、将来に製造物責任賠償などが発生しないという保障はありません。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、大規模な製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)米国PRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES,INC.との技術提供契約の更新について

当社は、米国のPRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES,INC.(旧SERMATECH INTERNATIONAL INC.)とのサーメテルコーティング等の表面処理の技術提携契約により、これらのコーティング等の国内における実施権を得ております。主要なコーティング技術の契約期間は、一定期間ごとに自動更新となっておりますが、万一、これらの契約が更新されない場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4)自然災害等について

地震や台風等の自然災害によって、当社グループの生産拠点に甚大な被害を被る可能性があります。

当社グループの生産拠点は神奈川県に3箇所、愛知県に3箇所、岡山県、千葉県、福井県に各1箇所あり、また、海外においてはタイ国に1箇所、中国に1箇所あり、それぞれ定期的な災害防止活動や設備点検等を行っておりますが、これらの災害による影響を完全に防止又は軽減できる保障はありません。特に生産拠点が関東地区から中部地区に集中しており、大規模な東海地震などが発生した場合は、生産能力に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)生産性の向上、コスト削減が進まない場合について

当社グループは、加工技術・加工治具・専用機の開発などによって生産性の向上、コスト削減に努めておりますが、有能な人材の流出や原材料の高騰等があった場合に開発が進まず生産性の向上が図られない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)資金調達

当社グループは、将来見通しも含めた金利動向を勘案して資金調達を実施しており、低利・安定資金の確保に努めておりますが、金利の大幅な変動をはじめとする金融市場の状況変化は、将来における当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)情報セキュリティ

当社グループは、事業の遂行を通して顧客等の機密情報に多数接しているほか、当社グループの技術・営業・その他事業に関する機密情報を保有しており、安全管理に努めておりますが、コンピュータウィルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、機密情報が滅失若しくは社外に漏洩した場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

技術提携契約

契約会社名

提携先

国名

提携内容

契約期間

㈱放電精密加工研究所
(当社)

PRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES INC.

米国

サーメテルコーティングについての技術提携

昭和56年1月1日から昭和58年11月21日以降5年間の期間ごとに自動更新

三菱重工業㈱

日本

㈱放電精密加工研究所
(当社)

PRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES INC.

米国

サーメテル5380コーティングについての技術提携

昭和59年10月17日から5年間を初回期間とし、以降5年間の期間ごとに自動更新

㈱放電精密加工研究所
(当社)

PRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES INC.

米国

サーメテル5380DPコーティングについての技術提携

平成2年9月19日から5年間を初回期間とし、以降5年間の期間ごとに自動更新

㈱放電精密加工研究所
(当社)

PRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES INC.

米国

メトボンド溶接についての技術提携

平成4年11月4日から5年間を初回期間とし、以降5年間の期間ごとに自動更新

㈱放電精密加工研究所
(当社)

PRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES INC.

米国

サーマロンコーティングについての技術提携

平成24年10月29日から1年間を初回期間とし、以降1年間の期間ごとに自動更新

㈱放電精密加工研究所
(当社)

PRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES INC.

米国

サーマガードコーティングについての技術提携

平成13年1月1日から3年間の期間ごとに自動更新

 

(注) 上記契約につきましては、ロイヤリティーとして売上高の一定率を支払う定めとなっております。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、社会環境の変化及び顧客ニーズの多様化や要求性能の高度化に伴い、研究開発主導型経営を基本に高付加価値製品並びに効率的なアプリケーション技術を主体に開発するものであり、当社が主体となって行っております。

研究開発体制といたしましては、事業部により技術内容が異なることから、各事業部において研究開発活動を行っておりますが、平成23年9月より全社統括的な研究開発部門として技術開発部(現:事業開発部)を設置し、開発テーマの創造や研究開発活動の進捗確認を行っております。ただし、生産技術的な内容については、生産技術プロジェクトが編成されており、開発案件ごとに開発進捗状況などの管理を行っております。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は348百万円(売上高比3.5%)で、主な研究開発は下記のとおりであります。なお、研究開発費については、事業開発部で行っている各セグメントに配分できない研究費用63百万円が含まれております。

 (航空機エンジン部品)

新規事業として小牧事業所で航空機エンジン部品の製造を開始するにあたり、工程認証や加工改善に向けた研究開発を行っております。当連結会計年度における研究開発費の金額は266百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は次のとおりであります。

なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。将来や想定に関する事項には、不確実性を内包しており、あるいはリスクを含んでいるため、実際の結果と大きく異なる可能性もあります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な見積りや仮定を行う必要があります。会計方針を適用するにあたり、重要な判断を要し、財政状態及び経営成績に影響を与える項目は下記のとおりであります。

退職給付費用及び退職給付債務

当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産見込額に基づき計上しております。

退職給付費用は、割引率、昇給率及び期待運用収益率等のさまざまな仮定によって算出しております。割引率及び期待運用収益率は、金利の変動を含む現在の市場動向などを考慮して決定しております。昇給率の見積りは、実績及び直近の見通しを反映しております。

当社グループは、退職給付債務に関する会計上の見積りを「重要な会計上の見積り」と認識しております。それは仮定の変化が、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があるためであります。仮定の変化による実際の退職給付債務の差額は将来の期間にわたって償却されます。現在使用している仮定は妥当であると考えておりますが、仮定の変化により退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 概要

当社グループは、得意先への取引深耕に努める一方、経費の見直しや更なる生産効率の向上及び競争力の強化を目指し、経営の効率化に全力で取り組んでおります。

その結果、当連結会計年度における業績は、売上高は10,067百万円(前年同期比2.8%増)の増収となりました。利益につきましては、平成29年2月17日に発生した当社成田事業所の爆発火災事故の代替生産などで、コストアップとなりましたが、営業利益は381百万円(同197.4%増)となりました。、経常利益は400百万円(同342.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として爆発火災事故の影響による損失13百万円を計上したことなどにより、237百万円(同347.6%増)となりました。

② セグメント別の分析
(放電加工・表面処理)

放電加工・表面処理は、エネルギー関連部品加工、並びに主力製品であります産業用ガスタービン部品加工などが減少したものの、新規事業の航空機エンジン部品の低圧タービンブレードの本格生産がスタートしたことから、放電加工・表面処理全体では、前年同期に比べ増収となり、営業利益は前年同期と比べ増益となりました。

その結果、売上高は4,345百万円(同3.4%増)、営業利益は86百万円(前年同期は16百万円の損失)となりました。

(金型)

金型は、自動車排気ガス浄化用のセラミックスハニカム押出用金型、アルミ押出用金型の住宅サッシ関連金型ともに売上高も増加したことにより、金型全体では前年同期に比べ増収となりました。営業利益は、売上高の増収等により、前年同期と比べ増益となりました。

その結果、売上高は3,702百万円(前年同期比13.3%増)、営業利益は1,046百万円(同44.4%増)となりました。

(機械装置等)

機械装置等は、デジタルサーボプレス機の売上高が減少したこと、及びプレス部品加工の自動車関連部品も減少したことから、機械装置等全体では前年同期と比べ減収となりました。営業利益は、売上高の減少などにより、前年同期と比べ減益となりました。

その結果、売上高は2,020百万円(同13.2%減)、営業利益は302百万円(同35.3%減)となりました。

 

③ 営業外損益

営業外収益は68百万円(同143.3%増)、営業外費用は49百万円(同24.7%減)となっております。営業外収益増加の主な要因は、持分法による投資利益を43百万円を計上したことによるものです。営業外費用減少の主な要因は、市場金利の低下により支払利息が減少したことによるものです。

④ 特別損益

特別利益は25百万円(同75.6%減)、特別損失は14百万円(同50.6%減)となっております。特別利益減少の主な要因は、前期に国庫補助金の受領により補助金収入を計上したことによるものです。特別損失減少の主な要因は前期に減損損失と固定資産売却損を計上したことによるものであります。

⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は237百万円(同347.6%増)となりました。なお、売上高当期純利益率は2.36%(前連結会計年度は0.54%)となっております。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「事業等のリスク」にも記載いたしましたとおり、主要得意先3社で当社グループの売上高の52.0%(平成29年2月期)を占めており、これら主要得意先の受注・生産動向や外注政策が大きく変動した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社といたしましては、主要3社以外の得意先や、自社製品でありますクロムフリー塗料、機械装置の拡販を進め、相対的にこれら主要3社の比率を下げていく所存であります。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは、放電加工の受託加工を事業目的として創業し、以来、アルミ押出用金型、セラミックスハニカム押出用金型、産業用ガスタービン部品加工、航空機エンジン部品等の表面処理など、つぎつぎと事業領域を広げてまいりましたが、受託加工がほとんどを占め、自社製品というものを持たない点が大きな特徴でした。このことは一面では、原材料に対するリスクが少ない、あるいは最終ユーザーの消費動向から受ける影響が軽微であるという利点を持ちますが、反面、得意先の業績、事業戦略、購買方針、受注動向などの影響を受けやすいという弱点も持ち合わせます。

これらリスクを排除するには、技術とコストの両面で他を圧倒することが重要であり、このことを実現してきたことが、業容の拡大につながったことは事実であり、今後も強力に推し進めてまいります。

しかし一方で、自社の製品を持って、リスクの軽減を図るとともに、業容の更なる拡大を目指す努力をしてまいりました。それらは、平成14年10月に開発に成功したプレス機械のデジタルサーボプレス「ZENFormer」並びに平成16年3月に開発に成功した完全クロムフリー塗料の「ZEC-888」であります。両製品とも初期投資が嵩む等により、業績への貢献はできていませんが、大手企業で採用されるなど、その性能には確かなものを感じています。

以上のことから、売上の94.6%(平成29年2月期)を占める受託加工は今後も順調に推移する見通しですが、これに加えて、プレス機械とクロムフリー塗料の拡販を推し進め、受託加工の売上高に占める主要得意先3社の比率を相対的に下げることでリスクの軽減を図り、景気動向に左右されないバランスの取れた事業内容の構築を目指し、業容の拡大を図ってまいります。

 

 

(5) 資本の財源についての分析

営業活動によるキャッシュ・フローにより898百万円を獲得したことで、財務活動によるキャッシュ・フローにより564百万円を使用いたしました。また設備更新等の投資活動に必要であったキャッシュ・フロー289百万円は一部手持ち資金より使用いたしました。

① 財政政策

当社グループは、売上債権及び棚卸資産の圧縮を図ることによって内部資金を生み出し、借入金の返済を進めるなどにより財務体質の健全化を進めてまいります。

売上債権については、債権流動化のスキームを得意先及び金融機関の協力を得て実施しておりますが、更に拡大していく計画であります。

棚卸資産については、適正在庫量を定め余剰在庫を保持しないよう努めてまいります。

② 財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ140百万円増加し、15,140百万円となりました。この主な変動要因は、流動資産が559百万円増加し、固定資産が418百万円減少したことによるものであります。負債については、1年以内返済長期借入金の増加等により流動負債が669百万円増加し、固定負債は長期借入金の減少により834百万円減少しました。なお、純資産は、利益剰余金の増加165百万円、その他有価証券評価差額金の増加52百万円、退職給付に係る調整累計額の増加81百万円により、前連結会計年度末より305百万円増加して6,941百万円となりましたが、自己資本比率は1.6ポイント増加して45.85%となりました。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。今後は主力事業である放電加工・金型製造の総合的な競争力の強化やデジタルサーボプレスによる部品加工事業の強化、クロムフリー塗料の拡販を進めるとともに、航空機エンジン部品の加工など新分野への事業拡大に注力していきます。