第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

中長期の社会環境の潮流は、脱炭素社会や資源循環型社会といった「社会の持続可能性の重視」であり、また、欧米経済の減速やインフレの進行などの地政学的リスクの懸念などもあり、「変動性・不確実性」がこれまでに増して高まるだろうと思われます。

このような流れの中で、当社グループは、長期ビジョンとして「持続可能な社会の実現に貢献するコトづくり企業として、創造的な発想と技術で人と社会に必要なカタチを提供できる企業」を掲げ、その実現のため2022年2月期から2024年2月期までの3年間を事業の再構築の期間とした「中期経営計画2024」を策定し、諸々の課題に取り組んでおります。

「中期経営計画2024」1年目となる2022年2月期では、生産体制の見直しなどの全社的なコストダウン施策の実行により黒字化を達成しました。

「中期経営計画2024」2年目となる2023年2月期では、拠点集約、組織改革、人事制度改革などが改革途中であるものの、収益面で大きな課題が残りました。中期経営計画2024で掲げた改革は、当社の経営基盤を強化する為に必要と判断しており、2024年2月期では、新たな経営体制で黒字回帰および持続的な成長のため、さらなる改革を行っていきます。

 

長期ビジョン

  持続可能な社会の実現に貢献するコトづくり企業として、

創造的な発想と技術で人と社会に必要なカタチを提供できる企業

 

重点方針

  次世代に向けた再構築

 

2024年2月期は、上記の長期ビジョンと重点方針に基づいて、以下の施策に取り組んでまいります。

 

①  既存事業の事業構造再構築と環境事業への注力

当社グループは、2023年2月期において組織体制の改革を推し進め、重要な経営判断を素早く下せるよう2023年3月より本部制を導入しました。具体的には、技術・営業本部、海外戦略部、購買・調達本部を新設し、さらに社長直轄の経営戦略プロジェクトを発足しました。

この強化した組織をもって、従来の事業部制では推進が困難であった収益の改善、投資効率の改善、事業ポートフォリオの見直し、サクセッションプランの推進、などの重要な経営課題を全体最適の観点をもって取り組み、非効率な投資や不採算アイテムなどの無駄を排除し、不確実な環境下においても着実に利益を出せる筋肉質な収益構造に転換し、黒字回帰および持続的な成長を目指してまいります。

既存事業では、そのコア・コンピタンス(企業活動の中核となる強み)と技術先進性を改めて再確認し、事業の立て直しを図ってまいります。

また、重点事業として脱炭素・資源循環型社会の実現に向けた環境事業に注力することで、社会課題解決へのソリューションを「カタチ」にする社会実装力の向上を図ってまいります。

②  健全経営によるステークホルダーとの良好な関係の構築・維持

当社グループは、「お客様の発展に貢献してこそ、私たちの発展がある」の理念に基づき、ステークホルダー(当社グループに関わる全ての人々)との対話を改めて重要な課題と認識しております。ステークホルダーとの対話を通じ、皆様から安心・信頼される健全経営を推進し、人権に関する規範の遵守や多様性の尊重などに努め、ステークホルダーとの健全で良好な関係の構築と維持に尽力してまいります。

③  技術・技能の伝承および次世代に向けた人材育成の推進

当社グループは、これまで培ってきた技術・技能を次の世代に確実に伝承し、持続的に成長できる企業を目指します。また、次世代のリーダーとして若手の成長を促進し、DX技術・ICT技術を含めた次世代のものづくりに取り組む技術者の育成を推進してまいります。

 

④  新しい生活様式における健康な職場づくりの推進

当社グループは、テレワークやオンライン会議などを駆使して、新しい生活様式に相応しい従業員の多様性を尊重した労働環境を構築することで、従業員が笑顔で働く職場づくりを促進し、持続可能な社会の実現に向けた新たな働き方への取り組みを推進してまいります。

⑤  SDGs(持続可能な開発目標)を意識したガバナンスの強化

当社グループは、SDGsを積極的に推進し、E(環境)・ S(社会)・G(企業統治)および、サステナビリティを巡る課題に対応するために、全面的なガバナンス改革、コンプライアンス(法令遵守)体制の充実、リスクマネジメント強化のための体制の見直し、労働災害の撲滅を目指した安全衛生管理活動の推進等により、ガバナンスのより一層の強化を推し進め、経営基盤のさらなる強化を図ってまいります。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループでは、発生しうるリスクの未然防止及び発生したリスクの低減をするための管理体制を整備し、業務の円滑な運営に資することを目的としてリスク管理規程を制定しております。

リスク管理体制は、代表取締役社長を委員長とする「コンプライアンス・リスク管理委員会」を設置してグループ全体のリスクを総括的に管理することとしており、定期的にリスクの洗い出し及び評価を行っております。

当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性のあるリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。なお、本項に含まれている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)特定顧客への依存度について

当社グループの当連結会計年度における売上高の67.3%が三菱重工業グループ、日本碍子グループ、川崎重工業グループ、LIXILグループの主要得意先4社グループで占められております。三菱重工業グループからは、主に産業用ガスタービン部品の放電加工及び、表面処理の業務並びに航空機エンジン部品を、日本碍子グループからは、自動車排気ガス浄化用のセラミックスハニカム担体を成形するためのセラミックスハニカム押出用金型を、川崎重工業グループからは、航空機エンジン部品の表面処理業務等を、LIXILグループからは、アルミサッシ等を成形するためのアルミ押出用金型をそれぞれ受託しております。

従って、これらの主要得意先の受注・生産動向や外注政策が大きく変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクへの対応として、顧客基盤拡大の取り組みや提供サービスの多様化などによりリスク顕在化の影響の緩和に継続的に努めてまいります。

相手先

前連結会計年度

(自  2021年3月1日

至  2022年2月28日)

当連結会計年度

(自  2022年3月1日

至  2023年2月28日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三菱重工業グループ

4,490,858

34.6

4,136,684

35.4

LIXILグループ

1,797,636

13.9

1,767,381

15.1

日本碍子グループ

1,504,854

11.6

1,303,260

11.2

川崎重工業グループ

543,019

4.2

654,073

5.6

 

 

(2)製品の欠陥について

当社グループは国際的品質管理基準であるISO9001などに基づいて品質の安定に努めております。しかし、すべての製品について欠陥が無く、将来に製造物責任賠償などが発生しないという保障はありません。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、大規模な製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応として、品質システム管理室及び品質管理部門を中心として品質マニュアルを定義して、社員向け教育など継続的な改善を進め、品質の徹底管理に取り組んでおります。

 

(3)米国PRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES,INC.との技術提供契約の更新について

当社は、米国のPRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES,INC.(旧SERMATECH INTERNATIONAL INC.)とのサーメテルコーティング等の表面処理の技術提携契約により、これらのコーティング等の国内における実施権を得ております。主要なコーティング技術の契約期間は、一定期間ごとに自動更新となっております。当社グループが当該リスクを回避するため様々な方策を講じておりますが、契約が更新されない場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4)自然災害等について

地震や台風等の自然災害によって、当社グループの生産拠点に甚大な被害を被る可能性があります。

当社グループの生産拠点は神奈川県に3箇所、愛知県に3箇所、岡山県、千葉県、福井県に各1箇所、また、海外においてはタイ国に1箇所、中国に1箇所あり、それぞれ定期的な災害防止活動や設備点検等を行っておりますが、これらの災害による影響を完全に防止又は軽減できる保障はありません。特に生産拠点が関東地区から中部地区に集中しており、大規模な東海地震などが発生した場合は、生産能力に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応として、当社グループでは、有事の際、代表取締役社長を本部長とする対策本部を設置し、被災状況の把握と対応の指示命令を行います。また、火災保険等に加入し、自然災害による損失リスクに備えております。顧客、取引先、従業員等の人命尊重を最優先とした上で、営業の継続又は早期の営業再開に向けて対応してまいります。

 

(5)生産性の向上、コスト削減が進まない場合について

当社グループは、加工技術・加工治具・専用機の開発などによって生産性の向上、コスト削減に努めておりますが、有能な人材の流出や原材料の高騰等があった場合に開発が進まず生産性の向上が図られない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応として、原材料高騰については、販売価格への適正な反映や調達ルートの多様化に取り組んでおります。人材流出については、当社グループでは新卒採用だけでなく、専門性の高い人材の中途採用を進めております。また、結婚や育児、介護等の理由により退職した人材を再度雇用する「ジョブリターン制度」の採用など多様な働き方に対応できる仕組みの整備にも努めております。

 

(6)資金調達

当社グループは、将来見通しも含めた金利動向を勘案して資金調達を実施しており、低利・安定資金の確保に努めておりますが、金利の大幅な変動をはじめとする金融市場の状況変化は、将来における当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応として、金利スワップ契約などにより固定金利と変動金利の変動に対応しております。

 

(7)財務制限条項について

コミットメントライン契約及び借入金のうち、タームローン及びシンジケートローンには一定の財務制限条項が付されております。これらに抵触した場合、該当する借入金の一括返済及び契約解除の恐れがあり、当社の資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末において、上記の借入金における財務制限条項に抵触いたしましたが、当該条項に係る期限の利益喪失による権利を行使しないことについて金融機関の合意が得られております。

当該リスクの対応として、安定的な業績を確保するため、利益率の向上に努めてまいります。

 

(8)情報セキュリティ

当社グループは、事業の遂行を通して顧客等の機密情報に多数接しているほか、当社グループの技術・営業・その他事業に関する機密情報を保有しており、安全管理に努めておりますが、コンピュータウィルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、機密情報が滅失若しくは社外に漏洩した場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応として、「情報セキュリティ規程」に基づく積極的な情報セキュリティ活動(教育訓練含む)を展開するとともにセキュリティ関連の情報収集に努めてまいります。

 

 

(9)減損損失

当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により減損損失が発生し、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応として、有形・無形固定資産について減損の兆候判定と減損損失の認識及び測定を行うための手続きを整備・運用するとともに、投資時の投資回収等の検証やその後のモニタリングを通じて早期の兆候把握に努めてまいります。

 

(10)繰延税金資産の計上

「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、前提条件である利益計画が達成できないなど将来の課税所得の見積りについて見直しとなり繰延税金資産の減少が必要となる場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度末において回収可能性を見直した結果、繰延税金資産を取崩しております。

当該リスクの対応として、将来の課税所得については、経営環境の変化などを踏まえ適宜見直しを行っておりますが、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり、基準とした利益計画の実現可能性について慎重に検討を行い、合理的に見積もった課税所得についてのみ繰延税金資産を計上することとしております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとお
りであります。

 

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度(2022年3月1日~2023年2月28日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)拡大の影響から正常化に向けて持ち直しの動きが見られたものの、ロシアのウクライナ侵攻により顕在化した地政学的リスクの長期化の懸念や原材料・資源価格の高騰、サプライチェーンの混乱、世界的なインフレの加速等わが国経済を取り巻く世界情勢は予断を許さず、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。

当連結会計年度における当社グループを取り巻く業界動向は、国内の航空旅客需要のゆるやかな回復を背景に航空・宇宙分野の一部に若干の需要回復がみられたものの、どの業界も厳しく推移しました。このような環境の中、当社グループはCOVID-19の感染防止対策を講じるとともに、経費削減や投資計画の見直しを図るなど、あらゆる角度から利益創出に向けた対策を実行いたしました。

その結果、当連結会計年度における業績は、売上高につきましては、航空・宇宙分野の航空機エンジン部品の一部アイテムに需要回復がみられたものの、交通・輸送分野では自動車業界の投資抑制や在庫調整の影響を受けセラミックスハニカム押出用金型や自動車表面処理部品の受注が減少、また機械設備分野では前連結会計年度に大型のデジタルサーボプレス機等の販売があったことから前年同期比では減収の11,679百万円(前年同期比10.0%減)となりました。利益につきましては、減収によるもののほか、原材料の高騰や電力料金の値上げなどから製造費用が増加し営業損失は311百万円(前年同期は634百万円の営業利益)、経常損失は322百万円(前年同期は607百万円の経常利益)、また繰延税金資産を取崩し、同額を法人税等調整額へ計上したことにより親会社株主に帰属する当期純損失は1,288百万円(前年同期は1,413百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、当連結会計年度の売上高は100百万円、売上原価は100百万円減少し、営業損失、経常損失税金等調整前当期純損失及び利益剰余金の当期首残高へ与える影響はありません。

 

セグメントの概況は、次のとおりであります。

なお、各セグメントの営業利益は、各セグメントに配賦することが困難な本社管理部門に係る営業費用等を控除する前のものであります。

①放電加工・表面処理

 航空・宇宙関連の航空機エンジン部品の一部アイテムに需要回復がみられるものの、交通・輸送関連では自動車業界の在庫調整の影響を受け自動車表面処理部品の受注が減少したことや環境・エネルギー関連の産業用ガスタービン部品の受注が谷間になったことに加え、飯山事業所の成田事業所への統合に伴う一時的な稼働の減少などから、前年同期比で減収となりました。利益面では、減収によるものと、原材料の高騰などで製造費用が増加したことに加え、産業用ガスタービン部品及び航空機エンジン部品の新規アイテムの立ち上げ費用などにより原価高となり、減益となりました。

 その結果、売上高は6,484百万円(前年同期比4.9%減)、営業利益は212百万円(同65.9%減)となりました。

 

②金型

 金型は、交通・輸送関連では自動車業界の投資抑制や在庫調整の影響を受けセラミックスハニカム押出用金型の受注が減少しました。住宅関連では建材の価格高騰等による住宅需要減退の影響を受けアルミ押出用金型の受注が減少しました。それにより前年同期比で減収となりました。利益面では、減収によるものと、原材料の高騰などで製造費用が増加したことにより減益となりました。

その結果、売上高は3,793百万円(同10.0%減)、営業利益は429百万円(同40.7%減)となりました。

 

③機械装置等

 機械装置等は、機械設備関連で計画していた大型デジタルサーボプレス機の受注が獲得できず減収となりました。利益面では減収により減益となりました。

その結果、売上高は1,401百万円(同27.7%減)、営業損失は25百万円(前年同期は200百万円の営業利益)となりました。

 

 (2) 財政状態に関する分析

財政状態は次のとおりであります。

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ46百万円減少し、6,298百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金の減少274百万円、受取手形及び売掛金の減少181百万円、原材料及び貯蔵品の増加89百万円、未収入金の増加239百万円によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ669百万円減少し、8,532百万円となりました。その主な要因は、建物及び構築物の増加128百万円、機械装置及び運搬具の増加97百万円、土地の増加121百万円、リース資産の減少75百万円、繰延税金資産の減少932百万円によるものであります。

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,241百万円増加し、6,083百万円となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の増加153百万円、短期借入金の増加1,516百万円、未払法人税等の減少241百万円によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ584百万円減少し、3,864百万円となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による減少567百万円によるものであります。

連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,374百万円減少し、4,882百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失1,288百万円、自己株式の増加88百万円によるものであります。

 

 (3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ285百万円減少し、1,530百万円となりました。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、129百万円(前年同期は1,882百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失340百万円、減価償却費710百万円、法人税等の支払額417百万円によるものであります。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、806百万円(前年同期は601百万円の獲得)となりました。これは主に投資有価証券の売却のによる収入65百万円、有形固定資産の取得による支出816百万円によるものであります。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、550百万円(前年同期は2,051百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済990百万円、短期借入金の増加額(純額)1,900百万円、配当金の支払144百万円、リース債務の返済による支出139百万円によるものであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2021年2月期

2022年2月期

2023年2月期

自己資本比率

28.3%

36.1%

27.9%

時価ベースの自己資本比率

29.3%

33.5%

28.0%

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率

12.3

2.7

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

11.5

43.2

 

自己資本比率=自己資本÷総資産

時価ベースの自己資本比率=株式時価総額÷総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債÷営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ=営業キャッシュ・フロー÷利払い

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

(注)2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

(注)3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

(注)4.2023年2月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。

 

 (4) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

放電加工・表面処理

7,052,356

103.2

金型

3,768,198

88.8

機械装置等

1,175,015

70.4

合計

11,995,570

94.1

 

(注) 上記金額は、販売価格によって表示しております。

 

② 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

放電加工・表面処理

6,931,625

98.6

1,734,896

134.8

金型

3,600,899

82.6

548,414

73.9

機械装置等

1,084,989

73.5

145,138

31.4

合計

11,617,514

90.3

2,428,449

97.5

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

放電加工・表面処理

6,484,783

95.1

金型

3,793,183

90.0

機械装置等

1,401,847

72.3

合計

11,679,814

90.0

 

(注) 1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2. 最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2021年3月1日

至  2022年2月28日)

当連結会計年度

(自  2022年3月1日

至  2023年2月28日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三菱重工業グループ

4,490,858

34.6

4,136,684

35.4

LIXILグループ

1,797,636

13.9

1,767,381

15.1

日本碍子グループ

1,504,854

11.6

1,303,260

11.2

川崎重工業グループ

543,019

4.2

654,073

5.6

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は次のとおりであります。

なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。将来や想定に関する事項には、不確実性を内包しており、あるいはリスクを含んでいるため、実際の結果と大きく異なる可能性もあります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 当連結会計年度の経営成績等
(売上高)

売上高は、前連結会計年度に比べ10.0%減11,679百万円となりました。放電加工・表面処理セグメントでは、航空・宇宙関連の航空機エンジン部品の一部アイテムに需要回復がみられるものの、交通・輸送関連では自動車業界の在庫調整の影響を受け自動車表面処理部品の受注が減少したことや環境・エネルギー関連の産業用ガスタービン部品の受注が谷間になったことに加え、飯山事業所の成田事業所への統合に伴う一時的な稼働の減少などから減収となりました。金型セグメントでは、交通・輸送関連で自動車業界の投資抑制や在庫調整の影響を受けセラミックスハニカム押出用金型の受注が減少しました。住宅関連では建材の価格高騰等による住宅需要減退の影響を受けアルミ押出用金型の受注が減少したことなどから減収となりました。機械装置等セグメントでは、機械設備関連で計画していた大型デジタルサーボプレス機の受注が獲得できず減収となりました。以上により全セグメントにおいて減収となりました。

 

(営業費用及び営業利益)

売上原価及び販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度に比べ2.8%減の11,991百万円となりました。一方、売上高は上述のとおり前連結会計年度比10.0%の減収となったことで売上高営業利益率は悪化しました。その主な要因は、原材料の高騰や電力料金の値上げなどの急激な外部環境の変化による影響を受けたことや、航空機エンジン部品と産業用ガスタービン部品の新規量産アイテムの立ち上げ費用が発生したことで製造原価率が悪化しました。また、ガバナンスの強化などの政策的投資による一時的な費用を計上したことで販売費及び一般管理費が増加しました。その結果、営業損失311百万円(前連結会計年度は634百万円の営業利益)となりました。

なお、セグメント別の当連結会計年度の経営成績等は(経営成績等の状況の概要)(1)経営成績の状況に記載のとおりです。

 

(営業外損益)

営業外収益は32百万円(前連結会計年度比31.1%減)、営業外費用は42百万円(同42.0%減)となっております。営業外収益減少の主な要因は、雇用調整助成金などが減少したことによるものです。営業外費用減少の主な要因は、前連結会計年度にコミットメントライン手数料等が発生したことなどによるものです。

 

(特別損益)

特別利益は53百万円(前連結会計年度は1,242百万円)、特別損失は71百万円(前連結会計年度は28百万円)となっております。特別利益減少の主な要因は、前連結会計年度に飯山事業所売却等による固定資産売却益が発生したことによるものであります。特別損失増加の主な要因は飯山事業所閉鎖に伴う成田事業所移転に係る工場移転費用が発生したことによるものです。

 

(税金費用及び親会社株主に帰属する当期純損失)

法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額を合計した税金費用は、900百万円(前連結会計年度は370百万円)となりました。税金費用増加の主な要因は繰延税金資産を取崩し、同額を法人税等調整額へ計上したことによるものです。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失1,288百万円(前連結会計年度は1,413百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。なお、売上高当期純利益率は△11.0%(前連結会計年度は10.9%)となっております。

 

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について

イ.事業環境要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「事業等のリスク」にも記載いたしましたとおり、主要得意先4社グループで当社グループの売上高の67.3%(2023年2月期)を占めており、これら主要得意先の受注・生産動向や外注政策が大きく変動した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社といたしましては、主要4社グループ以外の得意先や、自社製品でありますデジタルサーボプレス「ZENFormer」「ZENFormer nano」、クロムフリー塗料、混合溶融機の拡販を進め、相対的にこれら主要4社の比率を下げていく所存であります。

ロ.収益変動要因

当社グループには多数の事業所があり、且つ多数の事業を営んでいることから、これらに係る土地、建物及び生産設備等の固定資産について減損会計の適用による減損損失の計上が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性について

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の財源を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金については、自己資金を基本としており、設備投資については、自己資金の他に、金融機関からの借入金等による資金調達を基本としております。

なお、資本の財源につきましては以下のような分析をしております。

イ.財政政策

当社グループは、売上債権及び棚卸資産の圧縮を図ることによって内部資金を生み出し、借入金の返済を進めるなどにより財務体質の健全化を進めてまいります。

売上債権については、債権流動化のスキームを得意先及び金融機関の協力を得て実施しておりますが、更に拡大していく計画です。

ロ.財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ716百万円減少し、14,830百万円となりました。この主な変動要因は、流動資産が46百万円減少し、固定資産が669百万円減少したことによるものであります。負債については、流動負債が1,241百万円増加し、固定負債は長期借入金の減少などにより584百万円減少しました。なお、純資産は、利益剰余金の減少1,432百万円、自己株式の増加88百万円により、前連結会計年度末より1,374百万円減少して4,882百万円となり、自己資本比率は8.2ポイント減少して27.9%となりました。

 

④ 経営成績・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。当連結会計年度では、経営基盤を強化するために、拠点集約、組織改革、人事制度改革などを推進してまいりました。新年度(2024年2月期)より新たな経営体制でさらなる改革を推進し、黒字回帰および持続的な成長を目指してまいります。

なお、経営成績・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは環境の変化への迅速な対応を基本とし、目標とすべき経営指標は営業利益率10%以上を従来から掲げて経営しておりましたが、当連結会計年度におきましては、外部環境の急激な変化の影響や政策的投資による一時的な費用の発生により営業利益率は△2.7%となりました。

新年度(2024年2月期)におきましては、欧米経済の減速、インフレの進行、地政学的リスク等先行き不透明であるため、国内製造業は正確な需要予測を立てることが困難な状況が継続するものと予測されます。そのため当社グループは、引き続き市場動向を注視し、需要に合わせた生産体制の維持やサプライチェーン強化を推進してまいります。

セグメント別にみますと、放電加工・表面処理は、交通・輸送関連は引き続き市場を厳しく見ていることから減収を見込んでおりますが、航空・宇宙関連の航空機エンジン部品や環境・エネルギー関連の産業用ガスタービン関連部品は新規アイテムの量産を開始することからセグメント全体では増収増益となる見込みであります。

金型は、住宅関連及び交通・輸送関連ともに前期に引き続き市場環境は厳しいものと見ており、減収となる見通しですが、生産性向上策によって、収益の改善を図り増益を見込んでおります。

機械装置等は、機械設備関連が既存市場への拡販により増収となる見通しであることや、交通・輸送関連が需要に合わせた製造コストの最適化により収益を確保することから、増収、増益を見込んでおります。

以上のことから、2024年2月期の営業利益は前年同期に比べ増益となり、営業利益率は0.98%となる見込みです。短期的にはまだ、目標利益率に届きませんが、中長期的には「営業利益率10%以上」を客観的な指標として掲げ、様々な施策に取組んでまいります。

また、売上高の92.4%(2023年2月期)を受託加工が占めていることから、自社製品でありますデジタルサーボプレス機「ZENFormer」「ZENFormer nano」、クロムフリー塗料、混合溶融機の拡販を推し進め、受託加工の売上高に占める主要得意先4社グループの比率を相対的に下げることでリスクの軽減を図り、景気動向に左右されないバランスの取れた事業内容の構築を目指し、業容の拡大を図ってまいります。

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

中期経営計画2024(2022年2月期~2024年2月期)では、安定収益基盤としての筋肉質な収益構造へ再構築する期間として様々な改革を進めてきましたが、まだ、外部環境の変化による影響を受ける状態が続いています。また、COVID-19の影響による需要の停滞への対応として量産の効率化を優先してきたことで、新規市場の開拓や新規アイテムの獲得に十分なリソースを割くことが出来ていません。早期に挽回するためには、あらためて強みや技術先進性を再確認し、技術力・提案力の向上を加速させ、人手不足や付加価値の創出といったお客様の課題を解決する新たな工法の確立、製品・サービスの創出を目指してまいります。そして、売上の伸長・収益の安定化の早期実現を図ります。

長期的には、カーボンニュートラル、資源循環などの持続可能な社会の構築に貢献する技術革新と実用化への貢献を成長の柱と位置付けております。実用化の取り組みがスタートしている分野も多く、今後一層加速させ、成長を目指してまいります。

 

(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、重要な見積りや仮定を行う必要があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要な判断を要し、財政状態及び経営成績に影響を与える項目は下記のとおりであります。

① 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。

② 退職給付費用及び退職給付債務

当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産見込額に基づき計上しております。

退職給付費用は、割引率、昇給率及び期待運用収益率等のさまざまな仮定によって算出しております。割引率及び期待運用収益率は、金利の変動を含む現在の市場動向などを考慮して決定しております。昇給率の見積りは、実績及び直近の見通しを反映しております。

当社グループは、退職給付債務に関する会計上の見積りを「重要な会計上の見積り」と認識しております。それは仮定の変化が、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があるためであります。仮定の変化による実際の退職給付債務の差額は将来の期間にわたって償却されます。現在使用している仮定は妥当であると考えておりますが、仮定の変化により退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。

③ 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損の兆候の有無を事業所ごとセグメント単位で判定しており、結果、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

なお、減損損失の認識及び測定にあたっては、市場環境の見通し等を踏まえた事業計画に基づいて慎重に検討しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

技術提携契約

契約会社名

提携先

国名

提携内容

契約期間

㈱放電精密加工研究所
(当社)

PRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES INC.

米国

サーメテルコーティングについての技術提携

2017年5月31日から1年間の期間ごとに自動更新

㈱放電精密加工研究所
(当社)

PRAXAIR SURFACE TECHNOLOGIES INC.

米国

メトボンド溶接についての技術提携

1992年11月4日から5年間を初回期間とし、以降5年間の期間ごとに自動更新

 

(注) 上記契約につきましては、契約に応じたロイヤリティーを支払っております。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、社会環境の変化及び顧客ニーズの多様化や要求性能の高度化に伴い、研究開発主導型経営を基本に高付加価値製品並びに効率的なアプリケーション技術を主体に開発するものであり、当社が主体となって行っております。

研究開発体制といたしましては、事業部により技術内容が異なることから、各事業部において研究開発活動を行っております。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は13百万円(売上高比0.11%)です。