文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、顧客満足度(Customer Satisfaction)・株主満足度(Investor Satisfaction)・社員満足度(Employee Satisfaction)を最大限に実現し、永続的に向上させていくことで新たな価値を創造し、社会に貢献できる企業を目指しています。
この経営理念のもと、当社グループは、「他社ではできない製品と他社の追随を許さない高い技術力」を追求するオンリーワン企業を目指すとともに、従業員の自己実現達成と社会ニーズに適合した健全な成長を持続できる3E(エクセレント・エキサイティング・エクスパンド)カンパニーの実現に向け、金型事業、精密部品事業及びフィルタ事業を展開しています。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、上記の経営基本方針のもと、売上高営業利益率10%の達成を目指していきたいと考えています。
(3) 中期経営戦略
当社グループは、2022年度より下記の中期経営戦略を推進しております。
中期経営戦略
「CHANGE ~ニチノベーション※1 2026~」(2022年4月策定)
① VSOP※2精神での顧客価値創造
イ.事業の成長と収益力強化
・コア技術の応用と進化による提案力強化
・顧客視点でのQDC※3最大化
ロ.新事業の創出とグローバル企業への進化
・シナジーを活用した新分野への探索と挑戦
・グローバル戦略強化
② 社員が輝き続ける会社づくり
イ. 社員の成長、会社の成長を喜ぶ相互関係の構築
・挑戦を歓迎する仕組みづくり
・組織風土改革
ロ.社員が誇れる企業への成長
・ダイバーシティの推進
・健康経営の実現
③ 持続可能な社会への貢献
イ.社会から必要とされ、選ばれる企業へ
・技術による社会課題の解決
・ESG※4経営の推進
ロ.次世代社会への貢献
・環境に配慮したものづくり改革
・サステナブル社会への取組み
※1 「ニチダイ」と「イノベーション」を掛け合わせた造語
※2 VSOP:Vitality(活気・生命力)、Specialty(専門性・技術)、Originality(独創性・創意)、Passion(情熱)の頭文字。当社の創業から受け継がれている精神。当社の経営ビジョンに含まれている。
※3 Quality:(品質)、Delivery(納期)、Cost(コスト)の頭文字。当社は差別化戦略をとっていることから、QDCの順に表記している。
※4 ESG:Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字
(4) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループの主要顧客業界である日系自動車産業では、部品供給不足は概ね解消し、生産台数は回復基調にあるものの、未だ以前の水準には至っておりません。加えて、米国による関税引き上げ及びウクライナや中東の情勢は依然として不透明であり、世界経済の先行きは予断を許さない状況です。
また、自動車産業における電動化シフトは市場の成長には一服感も見られるものの、次世代自動車に向けた技術開発は加速しており、当社を取り巻く経営環境は引き続き変化の波の中にあります。
このような状況のなか、前述した中期経営戦略のもと、次の課題に対処してまいります。
1.顧客への貢献度を高める活動の強化
当社グループを取り巻く環境は、自動車産業における電動化シフト、貿易政策・サプライチェーンの変化など、大きな変革期への対応が課題となっております。
そのため、従来から実践しているコア技術の応用と進化による提案力をさらに推進し、お客様の求めるQDCへの対応を強化し、付加価値を最大化する活動を推進してまいります。
・技術営業のさらなる推進
・QDCへの対応強化
・海外拠点改革による顧客対応力強化
2.成長戦略推進
収益基盤となる既存事業の強化を図るとともに、環境の変化に合わせた成長戦略を進めていくことが課題となっております。
そのため、グローバル市場への積極的活動、新事業・新分野への進出、新規品の獲得に向けた活動を強化してまいります。
・新たな事業領域への展開(鍛造DX等)
・自動車業界以外への拡販強化
・グローバル展開の加速と海外拠点の競争力強化
3.魅力ある職場環境づくり
昨今の労働市場を取り巻く環境の変化により、多様な働き方への対応や、労働力人口の減少に対する対応が課題となっております。
そのため、IT活用を含めた社員の成長支援の拡充、働きやすい職場づくりのさらなる施策など人的資本経営への取組みを強化してまいります。
・社員の成長を支援する機会の充実
・健康経営の推進と多様な働き方支援
・組織全体でのオープンなコミュニケーションの促進
4.地域貢献を含む、持続可能社会に向けた活動強化
当社グループでは、ステークホルダーから必要とされ、選ばれる企業となるという目的に向けて、社会の一員として持続可能な社会への貢献を推進していくことが課題となっております。
当社を取り巻く外部環境やグループ内での課題などを考慮しながら、持続可能な社会に向け、執行役員会において特定したマテリアリティに関するリスク及び機会の識別・優先順位付けを実施しました。今後は、その対策方針を決定し、実行計画を策定し実施してまいります。これまでもCO2排出量削減を意識した太陽光パネルの設置や人的資本投資などを行ってまいりましたが、これらに続き、具体的な目標設定や体制整備など、次世代社会の課題解決に向けた活動を進めてまいります。
・CO2排出量削減への取組み
・環境マネジメント体制の強化
・地域社会との連携と貢献
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの「経営理念」「価値基準」はサステナビリティの考え方と近いものになっており、その考えのもと、下記サステナビリティ方針を制定いたしました。
(サステナビリティ方針)
当社グループは、「経営理念」「経営ビジョン」「価値基準」に基づき、持続可能な社会に貢献できる企業を目指します。
当社グループが2022年度より開始している中期経営戦略「CHANGE~ニチノベーション 2026~」(9頁
(1) ガバナンス
当社グループは、執行役員会をサステナビリティ施策を推進する機関としております。
執行役員会は、代表取締役社長が責任者となり、経営戦略本部と経営管理本部を事務局として、サステナビリティ関連の課題や方針、対策等について審議し、特定された課題に対して対策方針、実行計画を策定し、進捗状況のモニタリング評価を行います。執行役員会にて審議された内容は、適宜取締役会に報告・提言され、特に重要な案件については取締役会において議論・決議されます。
取締役会は、執行役員会からの報告を受け、又はモニタリングを行うことで、サステナビリティの取組状況の管理監督を行います。
(2) 戦略
当社グループは、特定したマテリアリティ(重要課題)の優先順位付けを行う中で、GHG(温室効果ガス)排出量の削減および廃棄物・有害物質の管理が、当社の持続的成長と顧客との信頼構築の観点から極めて重要な課題であると認識し、これらの取組を優先的に推進しています。
GHG排出量削減に関しては、国内の当社グループのGHG排出量を見える化する仕組みを構築し、現状把握ができるようになりました。今後GHG排出量削減に取り組んでまいります。
廃棄物及び有害物質の管理に関しては、環境マネジメント体制の現状把握と強化に取組みました。今後ISO14001取得に取り組んでまいります。
(3) リスク管理
当社グループは、執行役員会において特定したマテリアリティに関するリスク及び機会の識別・評価を実施しました。次に、その対策方針を決定し、実行計画を策定し実施してまいります。執行役員会は、定期的にその進捗状況の報告を受け、進捗状況のモニタリング評価を行い、持続的に成果が得られるようサステナビリティ活動を推進してまいります。
(4) 指標及び目標
GHG排出量削減に関しては、国内の当社グループのGHG排出量が把握できるようになりましたので、今後実績を分析し、目標値の策定を進めてまいります。
廃棄物及び有害物質の管理に関しては、環境マネジメントシステムのレベルアップを図り、ISO14001の取得を目指し改善を進めてまいります。
(5) 人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標
①戦略
■人材育成方針
当社グループは、社員が輝き続ける会社づくりを目指し、社員が誇れる企業への成長を図るため、「社員の成長」と「会社の成長」の喜びを共感しあえる相互関係を築き、主体的に考え行動する自律型人材を支援し、育てるための人材育成を目指してまいります。
■環境整備方針
「挑戦を歓迎する仕組みづくり」
「枠を超えていく」「やってみることが認められる」「成長していく実感が持てる」「多様性を受入れキャリア自律を促す」という4つの方向により、社員一人ひとりへの多様な成長機会の提供や教育訓練の充実、挑戦を歓迎する人事制度等により、挑戦する社員がベストを尽くせる組織への変革を進めてまいります。
「組織風土改革」
「挑戦を歓迎する仕組みづくり」を支えるため、良好なコミュニケーションの推進を図り、風通しの良い組織風土への改革を進めてまいります。
「ダイバーシティの推進」
性別・国籍・年齢・信条・ハンディキャップの有無等に関わらず、多様な人材がライフスタイルにあった働き方で個性と能力を発揮できる職場環境の実現を進めてまいります。
「健康経営の実現」
社員の安全と心身の健康を重視します。職場における良好なコミュニケーションを確保し、社員一人ひとりの心と身体の健康保持・増進に取り組んでまいります。
上記、方針の推進にあたり、社員が誇れる企業への成長、風通しの良い組織風土への改革に向けた取り組みによって、社員の定着状況向上を図る指針として、社員の離職率の改善に取り組んでまいります。
また、健康経営への取組みの第一歩として、計画的な取得により社員の心身のリフレッシュにつながる有給休暇の取得率の向上により、社員の心と身体の健康保持・増進につなげてまいります。
(注) 1.当社及び国内連結子会社における離職率及び有給休暇取得率を対象とするものであります。
2.離職率は、期初人員数に対する期中の自己都合退職者数の割合にて算出しております。
3.有給休暇取得率は、取得日数計/付与日数計×100%で算出しております。
4.取得日数計には、退職時等の有給休暇取得日数は含めておりません。
5.管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの金型事業と精密部品事業の主たる販売先は、自動車部品メーカー等の自動車関連産業向けであります。当社グループは、特定の完成車メーカー及び部品メーカーの系列には属しておりませんが、当連結会計年度における自動車関連産業向けの売上高は、全売上高の76%相当を占めております。従って、当社グループの業績は自動車メーカーの技術動向、生産動向及び部品の新規開発、共通化、海外現地調達等により影響を受ける可能性があります。
当社グループは、これまで蓄積されてきた精密鍛造技術の活用等による新規製品の開拓及びフィルタ事業の拡大を推進してまいります。
(2) 特定顧客への依存度が高いことについて
当社グループの当連結会計年度における売上高の26.1%(2024年度)を三菱重工グループが占めております。従って、三菱重工グループの受注・生産動向や外注施策が大きく変動した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。販売実績については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析(1) ② d」をご参照ください。
当社グループの国内生産拠点は、京都府下(宇治田原町、京田辺市)であり、また海外生産拠点はタイ国(チョンブリ県、ランプーン県)であります。従って、不測の自然災害等が発生した場合には、生産に大きな支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
地震、風水害といった自然災害や火災等の事故が発生した場合、また感染症の拡大といった予測困難な事象による社会的な混乱が発生した場合には、人的、物的損害のほか、事業活動の停止等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、リスク管理規程やマニュアルに則り、速やかに危機管理体制に移行し、対策の検討及び実施を図ってまいります。
当社グループは、原材料・部品等について一定の在庫を確保し、複数のグループ外の供給元から調達しております。しかしながら、市況の変化による価格の高騰や品不足、供給元での災害、倒産等の理由によって原材料や部品の調達に支障をきたし、製品の利益率の悪化や生産停止等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
近年、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染等が多発しております。当社グループといたしましては、「情報セキュリティ管理規程」及びこれに関連する規程の整備・運用、情報セキュリティ対策製品の導入、並びに役員、従業員を対象とした情報セキュリティ教育の実施等により、その防止に努めております。しかしながら、不測の事態により情報システムに障害が生じた場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における世界経済は、地政学的リスクの高まりや主要国におけるインフレ抑制を目的とした金融引き締め政策の継続により、景気の先行きに対する不透明感が一段と増した一年となりました。中国経済の成長鈍化及び不動産市場の不安定化も、世界経済の回復を遅らせる要因となっております。加えて、米国の関税政策の変化は、当社グループのグローバルな事業展開にも影響を及ぼす可能性があり、地域ごとの需要変動や資源・エネルギー価格の高騰、為替レートの変動などを通じて、事業環境は一層厳しさを増しております。
一方、日本経済は緩やかな回復基調にあるものの、世界経済の減速や物価上昇の影響により、回復ペースは鈍化いたしました。政府による経済対策や企業の設備投資意欲の回復が期待される一方で、世界経済の成長鈍化や物価の上昇傾向は、企業業績や個人消費に大きな影響を与えるものであり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの主要顧客業界である日系自動車産業では、生産台数は回復傾向にあるものの、以前の水準にはまだ達しておらず、米国による関税引き上げに伴う部品・素材コストの上昇により、グローバル市場での調達・生産戦略の見直しが懸念される状況が続いております。また、自動車産業の電動化シフトは一時的に成長の勢いが鈍化しているものの、次世代自動車の技術開発は加速しており、当社を取り巻く経営環境は引き続き大きく変動しております。
このような状況のなか、当期における連結業績は、売上高は116億2百万円(前年同期比2.5%増)、損益面では営業利益は1億5千3百万円(前年同期は4千2百万円の営業損失)、経常利益は1億8千5百万円(前年同期比185.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5千6百万円(前年同期比25.5%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
金型事業におきましては、日系自動車業界における認証不正問題等の影響を受けたものの、国内向けは前年同水準を確保した一方でアジア向けが低調に推移し、売上高は48億6千万円(前年同期比4.9%減)となりました。また、売上高の減少により経常利益は1億3千3百万円(前年同期比17.9%減)となりました。
精密部品事業におきましては、国内・海外向けともに主力製品が増加し、売上高は43億6千4百万円(前年同期比11.5%増)となりました。しかし、売上高は以前の水準までは戻っておらず、生産性の改善等の増益要因はあったものの、経常損失は1億1千9百万円(前年同期は1億6千3百万円の経常損失)となりました。
フィルタ事業におきましては、主力顧客の一時的な需要低下があり国内向けは減少したものの、海外向けの増加により売上高は23億7千6百万円(前年同期比3.4%増)となりました。また、売上高の増加に加え、プロダクトミックスの良化により、経常利益は1億7千万円(前年同期比155.0%増)となりました。
売上総利益は23億2千1百万円となり、売上総利益率は前連結会計年度と比べ0.7ポイント増加し20.0%となりました。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格により表示しております。
当連結会計年度の製品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は仕入価格により表示しております。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格により表示しております。
2.精密部品の受注には、内示受注高を含んでおります。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.数量については、製品種類が多岐にわたり表示が困難であるため記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産におきましては、前連結会計年度末に比べ1千3百万円減少し、151億7千3百万円となりました。これは、主に棚卸資産が4千6百万円、有形固定資産が2億9千3百万円、退職給付に係る資産が8千万円増加した一方、現金及び預金が2億7千万円、売掛金が6千1百万円、電子記録債権が1億1千5百万円減少したことによるものと分析しております。
負債におきましては、前連結会計年度末に比べ2億8千8百万円減少し、40億3百万円となりました。これは、主に繰延税金負債が4千8百万円増加した一方、買掛金が1億2千4百万円、その他流動負債が2億2千3百万円減少したことによるものと分析しております。
純資産におきましては、前連結会計年度末に比べて2億7千4百万円増加し、111億7千万円となりました。これは、主に為替換算調整勘定が4億8千2百万円増加した一方、非支配株主持分が2億5千万円減少したことによるものと分析しております。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの財政状態につきましては、流動比率・当座比率が前連結会計年度に引き続き高水準であること、自己資本比率が72.2%であることから経営の安全性は確保できていると考えております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億9千2百万円減少し、27億5千3百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は7億6千2百万円(前年同期比2.9%増)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益1億4千9百万円、減価償却費6億1千8百万円、売上債権の減少額3億9百万円、棚卸資産の減少額2千3百万円の増加要因より、仕入債務の減少額1億5千9百万円、法人税等の支払額4千7百万円、未払消費税等の減少等によるその他1億6千6百万円の減少要因を差し引いた結果によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は8億9千1百万円(前年同期比81.4%増)となりました。これは、主に預託金の返還による収入3千万円の増加要因より、金型事業用設備及び精密部品事業用設備の更新等、有形固定資産の取得による支出8億4千4百万円、無形固定資産の取得による支出7千6百万円の減少要因を差し引いた結果によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3億7千6百万円(前年同期比66.8%減)となりました。これは、主に長期借入れによる収入4億円、短期借入金の純増加額2億円の増加要因より、長期借入金の返済による支出6億1千1百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出3億1千1百万円、配当金の支払額3千6百万円、リース債務の返済による支出1千4百万円の減少要因を差し引いた結果によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの主な資金需要は、当社グループ製品の製造販売に係る原材料費、経費、販売費及び一般管理費等の運転資金及び、機械装置等の設備投資に係る投資資金であります。これらの資金需要につきましては、自己資金による充当を基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入及びリース取引による調達を実施しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は19億8千6百万円となっております。
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
・自己資本比率 : 自己資本/総資産
・時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、見積りが必要な事項については過去の実績や現状等を考慮し、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性があるためこれらの見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは、長期的な視点から、顧客のさらなる高品質・高機能製品へのニーズを背景とした、研究活動を行っております。
金型事業におきましては、「鍛造DX」の実現に向けインテリジェントダイセット及びものづくりマネジメントシステムの開発を推進しております。昨年度はトヨタ自動車株式会社と実用化に向けて協力に合意、製造現場で使える鍛造加工のリアルタイム可視化技術開発を継続するとともに、同じく日本塑性加工学会において最も高い評価を受ける論文賞を受賞いたしました。また、車両の電動化に資する技術開発として、精密鍛造と圧延を組み合わせた深穴角筒容器成形法の基礎試験を実施いたしました。
精密部品事業におきましては、カーエアコン用電動コンプレッサーの主要構成部品であるスクロールの試作開発試験を継続実施しております。
これらの開発案件に関しましては、当連結会計年度に得られた知見を活かし、関連部門と連携して今後も活動を進めてまいります。
フィルタ事業におきましては、国内外の競合他社との差別化を図るべく当社コア技術である拡散接合(焼結)技術の深化を進めてまいります。
また、蓄積した設計技術の標準化及び設計レビューをより一層拡充し、顧客満足度向上を目指します。それと共に濾過用途の枠にとらわれない新製品・新顧客の開拓を積極的に進め社会貢献を目指します。
以上の結果、当連結会計年度における研究開発費は